「WTWオピニオン」

【第118巻の内容】

「デフレの責任者」
「検査が全てを解決する」
「ベーシックインカムとは」
「菅は安倍の負の遺産」
「菅の本質」
「日本学術会議」
「大本営の沈黙と河野の暴走」
「令和のオッペケペー節」
「ゲーデルとトランプとスガ」
「信なき政治」

1781.デフレの責任者。20/9/22

「小泉政権で、デフレと格差社会の基礎を作り、
その後パソナで公私混同したのが竹中平蔵。
安倍が景気回復で頼りにしたのはエール大学の浜田宏一。
しかも浜田はその後のアベノミクスの行き過ぎ(異次元緩和)に警告を発したが、
自分へのいかなる批判も受け入れなかった安倍は、耳を傾けず、
浜田を官邸から追い払った。その結果が今の惨状(財政破綻と、更なる格差社会)である」

菅首相誕生のどこがめでたいのか。
その僅か1週間前には石破が一番人気だった。
この国で本当に怖いのは、場の空気に支配される国民ではないのか。


1782.検査が全てを解決する。20/9/23

政府のコロナ対応は、無暗な締め付けか、根拠なき野放しでしかなかった。 国民が自分の意志で、安価に検査を受けられれば、 国民は官の力など借りなくとも、 自分の判断と責任で、感染防止に動く事が出来る。 それこそが真の自助、共助となるばかりか、防疫と経済の問題を一挙に、しかも同時に解決できる。 厚労官僚が強権を振り回してきたことが、感染の急拡大と経済の疲弊の背景にある。 菅政権の真価は、コロナ対策、厚労省対応で試される。


1783.ベーシックインカムとは。 20/10/7

【巻頭言 竹中にはべーシックインカムを語るな】
菅に、竹中平蔵が、国民一人当たり7万円を支給すれば、年金も、生活保護もいらなくなると語った(騙った)と聞いて、仰天しました。小泉政権時代に、デフレ経済と格差と競争の社会の基礎を作った竹中に、(今まで、謝罪はおろか、反省の弁さえない)、今更日本の経済政策を論じる資格はありません。しかもベーシックインカム(BI)の概念は彼が発明したわけでもない。外国ではすでに実施している国(ブラジル)もあるし、日本の政治家では、小沢が随分前から提唱しています。しかも7万円で生きていけるわけはない。(本当の)専門家は、12万は必要であり、それも別に労働収入があることを前提にしています。国民がまたもやこの半可通のペテン師に振り回されないように、今回は、BIに関する基本的な知識をご紹介します。出典は雑誌世界の9月号です。

「可視化されたベーシックインカムの可能性」本田浩邦 から一部を抜粋
… 老齢年金では、アメリカでは「社会保障」(ソーシャル・セキュリティ)とそれに上積みされる「企業年金」(ペンション)がある。それぞれ日本の基礎年金と厚生年金に相当する。アメリカの支給額はどちらとも日本より高い水準であるが、ペンションが支給される割合は労働者全体の半数前後とみてよい。日本の厚生年金もほぼ同様である。アメリカでも日本でも、年金制度ができた当初は、大多数の労働者を正規雇用に組み込み、職域での保険料支払いに基づくペンションや厚生年金レベルの給付が下位所得層にまで及ぶものと期待された。しかしこれは戦後の経済成長の終鷲と長期停滞への移行に伴って実現しなかった。つまり、まともな賃金、まともな年金、さらにアメリカにおいてはまともな医療保障は、労働者の約半数を超えては広がらなかった。
…ひとつのシステムとしての資本主義には、契約を万人に拡張することは不可能であることが端的に明らかになったのである。すべての労働者が自由な賃労働者であることさえ、実現の見込みは薄いようにみえてきた。世界中のすべての人間にたとえば.1960年代の労働者のような生活、つまり、家や駐車場を持ち子どもたちを大学に入れるような生活を与えることは確実に不可能であるだろう。
… 今日、資本主義諸国は、北欧も含めおしなべて長期停滞のもとにある。単なる停滞であれば、北欧諸国のように所得再分配政策を機能させることで経済的生活水準を維持することはできるが、アメリカ、イギリス、日本のように、その下で経済格差が拡大すれば、大多数の労働者にとって十分な報酬を伴ったまともな雇用はもはや維持しえない。経済格差がますます拡大し、労働市場の底辺層は現役時のみならず、老後においても必然的に取り残され、不安定な状況に置かれる。

… ベーシックインカムは、こうした20世紀型の雇用と社会保障制度にどのように関わるであろうか。
第一に、戦後の資本主義は完全雇用と社会保障を両輪として成長を遂げてきたが、1970年代初頭に長期停滞へ移行したことに伴って、従来の高い経済成長率を維持することは困難となった。従来の雇用が戦後経済成長の波に煽られた、つねに必要以上の肥大化傾向を持つ不合理なものであったのに対し、ベーシックインカムは過度に肥大化した生産と消費から就労促進圧力を下げ、労働時間を短縮しつつ人々の生存権を保障する。
第二に、第二次世界大戦後の経済成長を支えた巨大な資本蓄積と社会保障の巨大な船は、エンジンも船体も老朽化し、いまや大きな軋み音をたてている。従来の社会保障が男性正社員中心の完全雇用を典型モデルとし、それから逸脱し溺れた場合の選別的な救命ボートであったのに対し、ベーシックインカムはいわば各自がつねにライフジャケットを身につけた状態にする。
ベーシックインカムが他の社会保障制度を廃止するものだという批判がある。しかし多くの論者はベーシックインカムが既存の制度と共存し、それらを補完するものと考えている。ただし既存の制度のあり方をすべて肯定しているわけではなく、その包摂力の限界を意識したものといえる。
…一つには、これまでの不必要に肥大化し低迷した大量生産消費の土台にバブルを載せたような社会経済をそのまま復活させるのではなく、経済をもっと「断捨離」(家の片づけ)してスリムにし、消費の規模を自然環境に相応しい程度まで削減し、労働時間を短縮する合理的な経済システムに向かうことである。
このことがコロナ危機のなかで問われている。アメリカでも日本でも経済再開を急ぐ人たちがいる。感染症拡大のリスクを冒しても、仕事をしなければ生きていけないという意味ではこの主張は理解できる。しかしその背景には、みんなが働いて所得を得るべきであるという完全雇用圧力に促迫された就労観念が強く働いているといえる。そしてそれを根底で突き動かしているのは、資本と労働のこれまでの基本関係を維持しようとする、企業サイドの強い衝動である。
…今必要なのは、感染症対策の面で検査を強め、収縮した経済活動のなかで経済社会の基本的なニーズを精査し、それを満たす最小限の生産と労働のあり方を考え、すべての人々がそれを享受できるだけの所得が保証されるミニマムな経済に向かうことである…。


1784.菅は安倍の負の遺産。20/10/7-8

・学術会議人事、世界で驚き。
https://www.asahi.com/articles/ASNB57344NB3UOOB00N.html?iref=comtop_ThemeRightS_03
関連記事。任命拒否、政府答弁かみ合わず。
https://www.47news.jp/news/5345670.html
関連記事。完全民営化を。
https://www.newsweekjapan.jp/watase/2020/10/post-9.php
関連記事。次の問題点。国立大学学長人事。
https://toyokeizai.net/articles/-/379932

・排除に自助、弱者突き放す目くらまし内閣。
https://mainichi.jp/articles/20201007/dde/012/010/011000c
関連記事。感染ゼロは難しい。衆院解散時期。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201007-OYT1T50199/
関連記事。看板倒れのアベノミクス。2%、600兆円。
https://diamond.jp/articles/-/250535
コメント:常識も民主主義も通用しないアベとスガ。異世界の妖怪と魑魅魍魎。

・排除する政治。自由侵害は飛び火する。
https://mainichi.jp/articles/20201006/k00/00m/040/118000c

・まずは自助の菅首相に怒り。勝間。
https://www.asahi.com/articles/ASNB472L2N9ZUPQJ002.html?iref=comtop_7_01
コメント:公助が必要ないのなら、議員も役所もいらない。ろくな公助も出来ていないくせに、どの面下げて言えるのかというのが、率直な感想です。菅はとんだくわせ者であり、似非政治家、史上最悪の臨時首相です。

・中国共産党化する日本の政治。目的は権力行使。
https://www.newsweekjapan.jp/obata/2020/10/post-57.php

・アベノミクス雇用増の虚像。
https://diamond.jp/articles/-/250425
コメント:加えて労組の御用組合化(有名無実のレンゴーの体たらくを見よ)。


1785.菅の本質。20/10/3

【巻頭言201003】
週間朝日(10/9号)とサンデー毎日(10/11号)に、たまたま菅の本質に関して同じような見解が載っていたので、手短かに紹介します。
週間朝日では、田原との対談で(共産党の)志位が、以下のように述べています。
「…政権を取った後のビジョンとしては、新自由主義から抜け出すことです。新自由主義の名で、自己責任と自助をおしつけてきたが、一人ではどうにもならないことがコロナで分かった。これを切り替えて、国民の暮らしをよくするべく公の責任を政治が果たす。…政府が自助、共助なんて言ってはだめです。コロナ禍と不景気の中で、皆が必死になって生きている。こういう人たちに、まずは自分でやってみなさいなんて、政治が言う言葉ではありません。政治がやるのは公助です」
サンデー毎日では、同志社大の浜教授が、スカノミクスを批判し、奸ねいと言う言葉で菅首相を定義しています。
「…まずは自分の力でなんとかしろ。それでだめなら身内に頼れ。それもだめな時だけ、しょうがないから政策が何とかしてやる。そこには自助能力なき者に対する限りなき侮蔑が込められている。政策の役割は弱者救済だ。だが、天は自ら助くるものを助く的な感性で政策に携われたのでは、弱者切り捨てだ。この弱者切り捨てに、菅首相の下心が見える。なぜならこの人は権謀術数の代名詞、マキャベリの信奉者だからだ。マキャベリの力の論理を貫徹する者にとって、自助能力なき民はひたすら足手まといだ。できるかぎり切り捨てていきたい。…マキャベリの君主論の中には、共感や同情という言葉が一切出てこない。貧困と言う言葉も、救出する観点からは出てこない…」

・日本学術会議が、任命しない理由開示を菅に要求。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6372621
関連記事。学問の自由侵害。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6372584
関連記事。任命を再要求。
https://www.47news.jp/national/science-environment/5326274.html
関連記事。あくまで首相の所管。
https://mainichi.jp/articles/20201002/k00/00m/010/131000c
関連記事。少数意見抑圧すれば真理への道閉ざす。
https://mainichi.jp/articles/20201002/k00/00m/040/189000c
コメント:最後の記事の宇野教授は、私の高校の同級生です。しかも決して左派ではないと思います。そもそも日本学術会議は、大戦中の学問と研究が軍部(=戦争)に協力した(させられた)反省から生まれたもので、政治からの学問の独立を目指した組織です(テレ朝による)。首相が任命するとあるが、それについても国会ですでに議論されており、学術会議の推薦が前提で、首相に直接の任免権はないという結論が出ているはず。行政は言うに及ばず、学者まで明治時代の思想を強要するとはあきれた強権論者(しかもマキャベリズム)です。菅は、生活は富裕だが、国家観も政治哲学もなく、あるのは執拗な権力欲だけとは情けない。下手をすれば評価は歴代最悪の安倍をも下回るおそれがあります。一度チャップリンの独裁者という映画でもご覧になると良いと思います。令和に忠君愛国を復活では、昭和初期のデジャブです。平和憲法の理念さえ理解できない人に日本国の首相は所詮無理なのです。しかも自称集団就職と言いつつ、弱者切り捨てでは、矛盾しています。本件は下手をすると菅政権の命取りとなって、追い込まれ解散に至る可能性を秘めています。

・トランプ夫妻、コロナに感染。選挙運動に影響。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100200767&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
関連記事。側近も陽性。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100200479&g=int
コメント:専用機が裏目に出ました。もしこれで再選が困難になると、安倍に続く、病気によるリタイアということになります。日本には天罰という言葉もあります。



1786.日本学術会議。20/10/8

今日の巻頭言はサンデー毎日の、日本学術会議の問題に関する前川喜平の見解を紹介している記事の一部を引用します。詳しくは本誌をご覧ください。

サンデー毎日(10/18号)から「前川喜平、科学者の下僕化を痛烈批判」
日本学術会議への人事介入は違法・違憲行為だ。
菅政権は官僚だけでは足りず、科学者まで下僕化するのか 。

菅義偉首相が、日本学術会議推薦の新会員候補のうち6人を排除、任命しなかった。
下僕化と言うキーワードを使った前川氏は、これをどう受け止めただろうか。

「ひどい話です。日本学術会議は、科学者の国会ともいわれ、学問の自由の世界を代表する人たちが、政治、社会、経済のあり方について政府に対し勧告権を持つ、つまり強い独立性を有する機関だ。根底には学問の自由を保障する憲法の精神があり、その人事の独立性を維持することは、学問の自由を制度として保障することにつながる。大学の自治と同じだがそこに政冶が介入したということだ」

「日本学術会議法には『日本学術会議法には学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する』とある。私も法律条文を書いてきたからわかるが、『基づいて』という法律用語は極めて拘束力が強く、推薦された通りに任命する、と読むべきだ。もし万が一基づかない任命をする場合にはこの人ではダメだという強い説明責任が生じる」

「政府側は、首相に実質的な任命権はなく推薦通りにする、との見解を国会で明言していた。法文上裁量が、あるとは解釈できない。学術的功績は学術会議自身が判断するので首相判断の余地はない。説明のできない違法行為であり、学問の自由を侵害した違憲行為としか考えられない」

「怖いのはこの人達に違法・違憲行為との認識がなさそうなことだ。検察の定年延長人事の時は、司法の独立性尊重意識の薄さを感じたが、今回は学問の自由や、政治と学問がどうあるべきかについての意法感覚の欠落を感じさせた」

「私が次官時代、文化功労者選考分科会委員選任(閣議了解事項)案件があり、文科省案を持って行ったら2人突き返された。過去に安倍政権批判の発言があった、というのが杉田和博官房副長官が示した理由だった。杉田氏は菅官房長官 (当時)と相談の上決めており、杉田氏の一存ということはありえない。これもまた文化功労者の選考に政治的影響が及ぶという意味で問題だったが、今回の学術会議の方がずっと深刻だ」

「6人の顔ぶれはまっとうな人ばかりじゃないですか。もしこれが(恐らくそうでしょうが )安保法制や特定秘密保護法、共謀罪に異論を述べた、反対したとかいうことを実際の理由として任命拒否したとすれば、思想や言論を理由にした不利益な取り扱いとなり、憲法23条(学問の自由保障)のみならず19条(思想・良心の自由の不可侵権)、21条(表現の自由保障)にも反する」

6人のうちの一人に加藤陽子東大教授(日本近代史)の名前が入っているのに驚いた。加藤氏があの戦争の真因、背景について若い世代に語り継ぐ一連の講義録は学術的にも高い評価がある。菅首相はたぶん読んだことがないのであろう。この学者下僕化人事、政権の本質をあらわにしたと言えないだろうか。 倉重 篤郎

コメント:前川、倉重両氏の指摘の通りだと思います。憲法も民主主義も否定する者が、日本を代表することなど、決してあってはならないことなのです。なぜなら、民主主義がマヒした軍部一強の時代に、国民が泥沼の戦争に巻き込まれて、結果300万人の命が失われたという、悲惨な経験があるからです。
関連記事。拒否理由示さず。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100801067&g=pol
関連記事。加藤長官がチャーハン論法。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100801010&g=pol&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
関連記事。菅は非情な政界の黒幕。海外主要紙。
https://mainichi.jp/articles/20201008/k00/00m/040/141000c

・安倍首相病気辞任劇の正体。
https://www.47news.jp/47reporters/5348639.html
コメント:その後入院したという話も聞きません。

・日本は先進国の低賃金国。
https://diamond.jp/articles/-/250658


1787.大本営の沈黙と河野の暴走。20/10/9

国民も医療関係者も、日々コロナとの闘いを続けています。しかも東京の感染者は200人台の高止まり。いつまでたっても感染者のカーブは下降曲線を描いてはくれません。ところがこうした「戦時中」にあるにも関わらず、政府(厚労省、官邸)も都知事も、現状について何も語ろうとはしません。まるでコロナなど存在しないかのようです。その代わりに言い出しているのは、Gotoイートや(決まってもいない)五輪の費用の合理化です。戦時中に政府は国民に対して大本営発表と称して、ラジオで架空の戦果を宣伝しました。現代の日本政府や都知事は、フェイクニュースは出さないにして、国民が知りたい情報まで提供しません。沈黙という形の、情報統制ということができるのです。これで国民は戦時中と同じ状況に置かれています。情報を止められているので、国民にはコロナとの戦いの状況(戦況)がどうなっているのかさっぱり分からないのです。日本には感染症のパンデミックなど存在しない、第二波の最中にいることさえ、ないかのようです。でも本当にそうなのか。また第三波は絶対に来ないのでしょうか。雑誌世界の最新号(11月号)で、ジャーナリストの青木理が、安倍政権が菅政権に代わっても、メディア統制は変わらないどころか一層厳しくなるだろうと予測しています。しかもそれは政権だけの責任ではなく、政権ともちつもたれつの関係を続けてきたメディアにも責任があるとしています。確かに朝日新聞でさえ信用できない場合もあります。それは誰にも忖度する必要のないWTWのような、マイクロメディアにも存在価値があるということでもあります。一日10分をWTWの閲覧に割いてもらうことで、国民は自分や家族の生命と人権と財産を、憲法を軽視する国家権力や、それに加担するメディアの魔の手から守ることができるのです。
関連記事。東京、新たに203人感染。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64820380Z01C20A0CC1000/

・学術会議を行革の対象に。
https://www.47news.jp/news/5354501.html
関連記事。説明拒む政府の不誠実。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64811720Z01C20A0000000/
コメント:河野の暴走は目に余ります。来年の総裁選で有利な立場になる為に、小池百合子そこのけの、国民の人気取りのパフォーマンス(はっきり言えば売名行為)に狂奔しています。菅の後押しを得るためには、菅へのゴマもする。それが今回の発言の背景でしょう。今回の騒動で、河野は悪いのは学術会議の方だとでも言いたいのか。政府に忖度する御用学者だけを集めた会議を作ることに、(国民にとって)どんな意味があるというのだろう。河野に、(やってる感でなく)本気で行革をする気があるのなら、飼っておくだけ(杉田水脈を含む)で、一人年間3億も掛かる議員の数を減らす方が先でしょう。学術会議の補助も、杉田一人を減らせばまかなえるのです。憲法も民主主義も理解せず、骨のある政治家だった祖父や父親とは似ても似つかない。どんな政治信条かも良く分からぬ河野が、将来の首相候補と聞くだけで背筋が寒くなります。かつての希望の星も、今はなりふり構わぬ権力の亡者に堕しています。そもそも本件は本末転倒もいいところであって、悪いのは一言の説明も出来ない官邸の方でしょう。野党は一歩も退いてはなりません。一方で、のっけから理不尽を押し通すような、権力の亡者の新首相には一日も早く退任して頂きたいものです。今日本に必要なものは、言いたいことが言える、令和の、下からの自由民権運動でしょう。


1788.令和のオッペケペー節。20/10/11

令和のオッペケペー、
コロナの失政、数知れず
クラスター重視、医者に掛かれず死ぬ都民、
厚労省よいしょの専門家会議、
どこかのオタクの思い付き、
20万人死亡説で経済ストップ、
一斉休校、アベノマスク、側近茶坊主の暴走
業者と自民党の悪だくみ、収束前のGoTo強行、
公助せず、自助は求める新政権、
検査せず、挙句は高額自己負担
ロックダウンで脅し上げ、
横文字振り回すやってる感、
検証させぬバラマキで、国も都も財政破綻、
6万人の失業者、路上生活者の困窮は見て見ぬふり
冷酷、強権(マキャベリズム)の菅国政と小池都政。
どちらが勝っても市民は救われぬ。
悪魔と魔女が手を組めば、
この世の地獄になるだろう。

関連記事。コロナ臨調答申。
https://www.asahi.com/articles/ASNB80SXKNB7ULBJ01C.html

・PCR抑制に、厚労省が奔走。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/61139
コメント:これが厚労省の正体です、国民の健康より省益を優先。


1789.ゲーデルとトランプとスガ。20/10/11

10/8(木)のBSTBSの報道1930は、米国通の論客(久保、中林、海野)を揃えて、見ごたえのある議論でした。米国医学会が、トランプのコロナ対策は、危険なほど無能なので、早く大統領を交代させる必要があるという声明を出しています。陰性になってから10日間の隔離が必要だとされているのに、5日間で強引に退院し、記者に病状を問われた医師は、クビになるので答えられないという返事をしています。陰性や快方なら、そう言ったでしょう。実際ホワイトハウスで演説した時も、肩で息を、せき込む始末でした。
今読んでいる本は、数学の本ですが、トランプと関係のある記述があったので、ご紹介します。
ドイツのユダヤ人迫害で、米国に亡命した、チェコの数学者クルト・ゲーデルは、入国時に米国憲法の面接試験を受け、こう答えました。「憲法を勉強したところ、アメリカは合理的に独裁国家に移行できる可能性を秘めていることが分かった」と述べ、保証人であるアインシュタインを慌てさせたということです(永野裕之著「とてつもない数学」から)。トランプ政治の米国の現状は、ゲーデルの予測が正しかったことを示していると思います。
また同じ本の中で、世の中には3通りの嘘がある。普通の嘘と、真っ赤な嘘と、統計だという文章もあります。これはトランプだけでなく、嘘が常套手段のアベスガに言いたい言葉です。統計はいつも正しいとは限らない事は、前回の大統領選で、どのメディアもトランプの勝利を予想していなかった事でも明らかだとしています。今回もどうなるかは最後まで分かりません。
関連記事。側近の感染拡大で大打撃。
https://toyokeizai.net/articles/-/381005?page=2

・介護保険料滞納、差し押さえ最多。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6373391
コメント:本末転倒でしょう。わずかな年金から高額の徴収、果ては差し押さえ。上に厚く、下に厳しい、日本の福祉政策。

・元官僚、反対なら異動は独裁。元官房長官に異議。
https://www.47news.jp/news/5359442.html
関連記事。菅政権は理念なき暴走で非常に危険。
https://mainichi.jp/articles/20201010/k00/00m/040/123000c
関連記事。隠蔽も反知性主義も継承した菅政権。
https://mainichi.jp/articles/20201011/ddv/010/070/002000c
関連記事。93学会、憂慮。政府、意見に耳ふさぐ。
https://mainichi.jp/articles/20201011/ddm/001/010/084000c

・竹中流ベーシック・インカムに騙されるな。本質はリバース年金。
https://toyokeizai.net/articles/-/380921

・芸能人に自殺連鎖。日本社会を覆う閉塞感。
https://diamond.jp/articles/-/250927
コメント:自民党政治に大きな責任があります。


1790.信なき政治。20/10/13

信なくば立たずという言葉がある。孔子に弟子が政治の要諦をたずねると、孔子は「食を足し、兵を足し、民これを信ず」。経済と軍備を満たし、民の信頼を得ることだという。うち一つを捨てるとしたら何かと弟子が聞くと、師は「兵」という、さらに捨てるのはどれかと問われた孔子は「食」と断言し、「信」がなければ政治は成り立たないとした。日本の政治家が好んで使うこの言葉の元となった論語の一節だ。立たずというのは議員に立候補しないということではないのに、どうも安倍首相にはそれを誤解していた節がある。立たずの主語は、自分ではなく、政治なのだ。民が安倍政治を信用しようにも、嘘と隠蔽と強行採決のオンパレードで、信用しようがなかったのだ。しかもその状況は菅政権の今でも変わりがないのだから救いがないのである。

ところで私は信用、または信頼という言葉に、嘘をつかないという以上の意味があると思っている。特定の人を信用できるというのは、かつて言った言葉だけでなく、これから言うであろう言葉にも嘘がないことが前提になっている。だからこそ人を信じられる時に、人は幸福感を感じることができる。信頼できる人と共にいること、その人に何かを委ねることで、自分は安心できるからである。それが安倍、菅、小池ゆり子には決定的に欠けている。理解と共感ではなく、強権と恐怖による政治(支配)は、国民の安心の対極にある。何をどう語ろうとも、嘘の上に嘘を重ねているという不信感が付いてくるからだ。

政治や行政が信じられないと、国民には居心地が悪いばかりか、生活も精神も不安定になる。それは人権と、自由と、社会正義と、明日の希望の保証が失われるからである。その結果、社会に閉塞感が漂い、生きる希望を見失い、自殺者が増える。どれだけ多くの国民が安倍政権のもとで、政治と社会への不信感を募らせ、生きる希望を見失ったことだろう。

私は企業人生の大半をF社に奉職したが、そのあとで働く機会のあった、大手海運会社の研究子会社で過ごした2年間は、私の企業人生の最期を飾った最良の2年間だった。なぜならその企業では、ほぼ無条件に人を信じることができたからだ。お名前は差し控えるが、直の上司、総務人事の役員、無論社長自身。知性と人格には文句のつけようがなかった。加えて感銘を受けたのは、311の当時、1週間ほどお顔を見ないなと思ったら、休暇を取って現地に行ってボランティア活動に従事していたことが、後日人づてで分かった時である。一流企業のホワイトカラーなのに、誰に告げるでもなく、黙って現地に行き、汚れ仕事に従事する。自分には、(おそらく自民党の議員にも)できないことだである。

出来ない公約を連発し、横文字標語でその場限りのパフォーマンス。そんなリップサービスだけで、国民も都民も幸せできるはずがかなろう。小池知事だから何でも許すというのでは民主主義ではない。それは政治でさえなく、もはや教祖が絶対の新興宗教、オウム真理教と変わらない。もしくは批判を許さない悪質な催眠術である。良い政治とは、人が(お互いを)信じられる世の中にすることだと思う。だから嘘も方便と言わんばかりの人たちには一日も早く転職して頂き、民が信頼出来る人がトップに立って頂きたい。なぜなら信なくば(政治は=都政も)立たず、だからである。

・首相推薦名簿見ず、
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020101200479&g=pol&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
コメント:説明になっていない。では誰が6名を排除したのか。そしてそれは何の為か。でも実情はこうだろう。(首相が自ら)何気に使った排除の論理。ところが予期せぬ学会からの猛反発。しかも海外紙が指摘するまでに火の手が拡大。あわてた官邸は、前言を翻し、首相は見ていないと言い出した。ここで躓くと、それでなくても短命の政権は無きが等しい存在になってしまう。誰も官邸など見向きもしなくなるだろう。そこでお得意のトカゲのしっぽ切り。誰が名簿から削除したかで、身代わりを探し回っていることだろう。朝日新聞の川柳に、見ていない、知らない、私のせいでない、という句があったが、「真面目な」菅が名簿を見ていないはずはない。この発言は、菅の最初の嘘として長く記録に残るだろう。菅の最大の問題点は、自助・公助の発言もさることながら、政権の意に沿わない官僚は異動すると言い放った、その強権・傲慢体質にある。首相には全権があるという、憲法のどこにも書かれていない、身勝手な思い込みである。民主主義の仕組みも精神も理解していない政治家が首相職にあることに対して、国民はもっと危機感を持つべきなのである。

・任命拒否は制度論で見ればおかしい。
https://diamond.jp/articles/-/250948

・排除する政治。
https://mainichi.jp/articles/20201011/k00/00m/040/077000c

・日本人がアベノミクスで豊かになれなかった理由。
https://diamond.jp/articles/-/250934