「WTWオピニオン」
【第134巻の内容】
「バブルに大穴」
「アベスガとオリパラ」
「政商とコロナの女帝」
「皇室と菅」
「都議選と女帝」
「亡国の官邸」
「政権ドリームチ−ム」
「プランBのない五輪と政治」
「五輪パンデミックが始まる」
「加藤陽子」
1941.バブルに大穴 21/6/27
もう一つ朝日の社説(6.27)から。プレイブックを含め、菅の説明が完全な空手形であることを事実が証明しています。水際とは空港の事ではなく、受け入れ先(全国500所の保健所)というのだから、驚きます。議員でデルタ型に掛かる時は、菅が一番、加藤が二番でお願いしたい。安倍は精神病院向きです。
「検査と隔離」のあり方全般を急いで洗い直す必要がある。
来日したウガンダ選手団から新型コロナの感染者が見つかった。全員ワクチンを接種し、所定の陰性結果証明書を提出していたが、ウイルスはこれを軽々と乗り越えて「入国」した。
接種や証明書は100%の安全を保証するものではなく、感染者が来日することは想定の範囲内だ。問題は、成田空港のPCR検査で陽性反応が出た後の措置である。
本人は施設に隔離されたが、残りの選手らはそのまま貸し切りバスでホストタウン(合宿地)の大阪府泉佐野市に向かった。4日後、新たに選手1人の感染が判明。接遇にあたった市職員やバスの運転手らも次々と濃厚接触者に認定された。
地元の知事や市長から疑問の声が出たのは当然だ。
それでも政府は、感染者以外はあくまでもホストタウンに移動させ、管轄する保健所に対応させるとしていた。空港周辺に留め置くのは物理的に困難だというのが理由だが、要はその準備を怠ってきたという話ではないか。政府が唱える水際対策とは、全国各地が「水際」になることだと知って、驚き、あきれた人は多いのではないか。
(WTW注:選手村に閉じ込めればいいではないか。陽性者を全国にばら撒いてどうするのか)
さすがに空港でのチェック・隔離のあり方の再検討を始めたようだが、何とも心もとない。
ホストタウンには528の自治体が手を挙げた。コロナ禍で返上したり、相手国が合宿を断念したりする例が相次ぐが、それでも相当な規模だ。
宿舎の整備や感染者が出たときの調査、医療の提供は都道府県を含むホストタウン側の責任で、政府の仕事はマニュアル作りの助言などにとどまる。それが政府の立場で、説明もしてきたと言うかも知れない。だがその認識は共有されず、全体として有効に機能する態勢がとられていない現実が、今回の騒ぎで明らかになったといえる。
大事なのはウイルスの拡散を防ぎ、健康を守ることだ。対策の周知徹底とともに、強力な変異株の流行などの事態にも対処できるよう、その対策も適宜、より合理的で納得できる内容に改めていくことが必要だ。
先日最新版が公表された関係者の行動ルールをめぐっても、「動線分離を徹底する」という菅首相の約束に反するような記載があるとの指摘が出ている。
開催への疑念は解消されないまま、海外からの受け入れが間もなく本格化する。「穴」を埋める作業は待ったなしだ。
コメント:これで感染爆発が起きなければ、その方がよほど奇跡です。菅(と安倍)の名前は、日本の近代政治史に、反面教師の例として長く残ることになるでしょう
1942.アベスガとオリパラ 21/7/1
今回の前書きも週刊誌からです。
週刊朝日(7.9)ワイド特集、五輪で感染拡大を懸念、沈黙破った天皇陛下の真意から。
…皇族方は、競技会場で感染することになる。天皇が開催を宣言し、皇が開催を宣言し、皇族が集まった五輪で、多数の国民や選手らに感染が広がったとなれば、関わった皇室も無傷ではすまないだろう。前出の小田部名誉教授はこう語った。
「両陛下は、政府の分科会の尾身茂会長から新型コロナの感染状況などについて2度にわたり、じっくりと説明を受けています。学者としての顔を持つ陛下は、医学者たちの見解は重視なさると思います。また諸外国との交流もあるので、海外からの五輪に対する懸念も耳に入ってきているでしょう。天皇陛下は、どれほど危機的な状況であるかを、よくご存じのはずです。ご自身の懸念を表明しておく責任も感じたと思います。政治への影響を及ぼさないよう言葉を選びながらも、安心して開催される確信もないというギリギリの言葉を選んだのだろうと思います」(以下略)
サンデー毎日(7.11)サンデー時評高村薫から
どうやら、東京オリーパラ2020をほんとうにやる気らしい。
開催国決定の舞台裏で交わされた賄賂や巨額すぎる開催費用などの構造的な諸問題は言うに及ばず、新型コロナウイルスのパンデミック下で各国選手の間に生じたさまざまな機会の不平等を等閑(なおざり)にしての開催である。またさらに、大会期間中に各競技会場やその周辺、公共交通機関などで増加する人の流れは、感染が終息していない東京に感染第5波を発生させるという複数の専門家の試算が出ているなかでの開催である。そんな東京オリーパラは、もはや純粋なスポーツの祭典とはかけ離れた代物となり、コロナウイルスの感染封じ込めに失敗し続けたジリ貧の菅政権が、支持率回復と政権浮揚を賭けて仕掛ける官製イベントになったと言ってよい。
かくして首相は「安心・安全の大会を開催する決意」という壊れたレコードのような文言を毎日毎日垂れ流し、海外の主要メディアが東京オリーパラの開催になおも懐疑的ななか、6月11日にはイギリスで開かれた主要7力国首脳会議でも同じ文言を繰り返して各国の賛同を取り付けるのに必死だった。本年の7力国の主要な関心事は覇権主義を隠さなくなった中国に対する牽制だったが、そんな歴史的な潮流の激変のなかで、オリーパラをめぐる「安心・安全の−」がいかに聞か抜けているか、冷静に顧みる余裕もない首相のこわばった笑顔が痛々しいことだった。
とはいえ、理性より情緒が幅を利かすこの社会では、いかに無理筋の開催であってもゴリ押ししたほうが勝ち、壊れたレコードであっても繰り返したほうが勝つ。(以下略)
サンデー毎日(7.11)青木理のカウンター・ジャーナリズム、ギャンブルの敗者から。
中止や再延期を求める声など一顧だにせず、専門家らがかろうじて示した無観客の提案すら蹴散らし、東京五輪は強引な開催に向けて突き進んでいる。たとえていうなら、弾倉の大半に実弾が込められたロシアンルーレットのように危ういギャンブル。幸運にも弾が発射されなければキャンブル成功だろうが、その可能性は極めて低く、無情に弾が飛び出してこめかみに直撃する恐れ−つまりは感染者がまたも急カーブを描いて増加する恐れの方が圧倒的に高い。
(中略)警告どおりなら、片やでは五輪を舞台と した狂騒が繰り広げられ、片やでは医療が 崩壊状態に陥って自宅等で七転八倒する感染者が続出し、それでも狂騒はもはや止められないという地獄絵図が現出しかねない。
ただ、政権はそれも織り込み済みではないかという疑念を私は抱いている。
肥大化と商業化といった悪弊が極に達し、今回はその矛盾をさらに露わにした五輪という巨大イベントだが、一方で五輪には奇妙な魔力があることも否定できない。おそらくは東京でも数々の競技でナショナリズムも相まった感動物語は量産されるだろう。特にコロナ禍の異様事態下で行われる五輪は、開催地のアドバンテージが一層極限化され、日本選手は圧倒的に有利。しかも物言わぬアスリートが大半を占め、アスリートに物申すことも憚られる風潮がこの国は強く、そうして異論や異議は感動物語に塗りつぶされ、多少の犠牲は仕方ないものだとすべて回収されてしまわないか。そう、IOCに君臨する。ぼったくり男爵が「五輪のためには犠牲を払わねばならない」と言い放ったとおりに。
いや、むしろ犠牲を払ったからこそアスリートたちの夢は実現され、私たちも歯を食いしばってそれに耐え忍んだから数々の感動を得ることができた、といったムードに飲み込まれてしまうことを私は懸念する。政権も、うすうすそれを計算に入れて狙っているのではないか。
そうなると問われるのはメディアの態度である。数々の警告や科学的デー夕を無視し、無茶な開催に突き進んだIOCと政権に最後まで怜悧な視線を向け続けられるか。さらには五輪という巨大商業イベントそのものの矛盾や悪弊までを俯瞰して抉り出すことができるか。(以下略)
サンデー毎日(7.11)安倍・菅政権の罪と罰、倉重篤郎から。
なぜ「安倍・菅政治の罪と罰」なのか。
安倍晋三政権と菅義偉政権は別物だ、とのご意見もあろうが、私は一体として捉えるべきだと思っている。なぜか。まずは、基本政策が共通だ。「異次元金融緩和」全面依存の経済・財政政策、そして「従米的軍事力抑止の強化」一辺倒の外交・安保政策だ。安倍氏が始め、安倍(首相)・菅(宣房長官)体制で深化させ(深みにはまり込み)、出口が見えないまま菅氏が首相として引き継いだ。
政局的にも一体だ。森友、加計、「桜を見る会」スキャンダルで土俵際に何度も追い詰められた安倍首相を裹から支えたのが菅官房長官であった。本来はポスト安倍候補の中にはいなかった菅氏の首相就任を結果的に後押ししたのが安倍氏だった。菅再選カードを握るのもまた安倍氏である。霞が関強権統治、ネポティズム(縁故主義)的権力私物化、国会・野党勢力の軽視と政治手法も似ている。
この稿では、この安倍・菅一体政治の本質を「政治家としての言葉の欠落」「歴史認識の偏り、歴史修正主義」という切り口で、民族問題・南北問題研究者の太田昌国さんに語っていただく。太田さんは、北朝鮮の拉致事件について、日本の言論が被害者家族を聖域化してナショナリズムを高揚させる異常さをいち早く指摘、右にも左にも偏らない歴史認識の物差しの重要性を強調した思想家である。(中略)
コロナで変わったことと、コロナ以前からあった問題とをきっちり腑分けするのがジャーナリズムの役割だ、と指摘する。
五輪強行、どう見る?
「あり得ない選択だと思う。しかも、開会式に2万人呼ぶ、という。この1年半、世界が多くの犠牲を払い何を学んできたのか。どういう対処基準(ガイドライン)を確立させてきたのか。なぜロックダウンや人流規制をしてきたのか。それに逆行した愚行だ。一種の賭けに見える。菅首相は、国会では決定権がIOCにあるとしながら、G7で各国のお墨付きを得た、と言う。為政者は政権維持とナショナリズム高揚に五輪を使うが、リスクを取らされるのは草の根の民衆だ。無責任としか言えない」
「税金が湯水の如く使われているのに情報開示はない。世論の反対や野党の国会での追及がガバナンスとして働いていない。政権中枢の人々は、ここまで来たらやめられない、とも言うが、残念ながら阻止できない。これは我々の民主主義の問題だと痛感している」
政権のコロナ対策は?
「安倍、菅首相と最悪の政権下でコロナ事態を迎えた、というのが私の率直な印象だ。案の定、マスク配布、学校一斉休校などの思い付き的な施策を繰り返し、ワクチンも開発努力を放棄、重要性認識も遅れた。何よりも医療崩壊が少なからぬ犠牲者を生んだ。感染症ベッドの確保も遅れたが、この間の新自由主義的な政策で、医療体制は徹底的に痛めつけられていた。
民衆が生活していく上で必要不可欠で、かつ国家が担うべき医療や福祉、教育分野が、資本主義的効率性追求の掛け声の中で、劣化、疲弊し切っていた。いま、その結果を目の当たりにしている観がある」(以下略)
コメント:新自由主義を推進したのは竹中であり、それを未だに重用して、政商に甘い汁を吸わせている安倍・菅の責任は重大である。
サンデー毎日(7.11)塩崎引退に見る、科学軽視の日本政治の貧困。鈴木哲夫から。
「取り組んできた重要な政策課題が形になり、政治活動の区切りがついた。ポストコロナで若い世代の発想と力が必要」
6月19日、自民党のベテラン衆院議員・塩崎恭久氏(70)が今秋までに行われる次期衆院選に出馬せず、引退することを表明した。(中略)
塩崎氏は日本銀行勤務を経て1993年、父の地盤を引き継ぎ、旧愛媛1区から出馬して初当選。その後、参院議員にくら替えしたが、2000年に再び衆院愛媛I区で当選して現在8期だ。安倍第1次政権で官房長官、第2次政権では厚生労働相なども務めた。
塩崎氏を初めて一対一で取材したのは07年。第1次安倍政権の内閣改造で官房長官を外れた時だった。改革を目指した安倍政権だったが、党内の長老や霞が関官僚らの反発を買った。
官房長官の塩崎氏は先頭に立って官僚とけんかをし、長老らには密かに国会図書館の片隅で根回しした。しかし、安倍首相は外圧に耐え切れず、共存のため人事で妥協した。
改革の急先鋒で「生意気だ」「混乱の原因だ」などと批判されていた塩崎氏を代えたのだ。
その後14年間、塩崎氏を取材してきた。引退に当たり、あえて塩崎氏の足跡を取り上げるのには大きな理由がある。感傷でもノスタルジーでもない。それは塩崎氏が科学やデータを極めて重要視する政治家だからだ。今、新型コロナウイルスや五輪への対応で政治に最も欠けているのが、正にここだ。それを塩崎氏は実践してきた数少ない政治家
だからだ。(以下略)
コメント:私も、塩崎の引退を残念に思っている。たまに出るTVでも、コロナ対応を冷静に理解し、正しく批判していた。信念を持ち、筋を通す自民党ベテラン議員だった。枝野某など足元にも及ばない包容力と説得力がある。彼が野党連合の代表だったら、志位も従えて、絶対に自民党に勝てただろう。
・小池知事退院、都議選と一定の距離。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65ce0dc6ccf295a479234f371429f0755430d1ae?tokyo2020
関連記事。選挙後に自公に乗り換えか。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062400300&g=pol
コメント:表現が正しくない。都民ファを応援せず、と書くべきです。しかもまともな神経の記者なら、なぜ応援しないのかを問うところだが、小池シンパの(特に女性)記者は絶対にそういう質問はしない。文字通り梯子を外された都民ファが、選挙で勝てる道理がないのです。但し、小池入院で多少の同情票は期待できるでしょう。あまりにも姑息な手段です。一方で、自民は応援演説に閣僚が出てきています。
またも小池は身内を切り捨てました。自分が国政に戻るためにでしょう。なんという冷血な政治家。これで本当に赤い血が通っているのでしょうか。入院からテレワークに切り替えたのは、これ以上入院が長いと、都政から逃げだしたと言われかねないからでしょう。分かり易いことこの上ないし、仮病だということもこれではっきりしました。
夜中に官邸からメールが来るので寝られないと言うが、自宅で作業はできないし(部下はいない)、官邸だってアサイチで読んでもらうために夜中に送信しているわけで、別にそれをリアルタイムで読む必要もないのです。百歩譲って小池に不眠症があったとしても、それを徹夜と表現(都民ファ代表)するのはどうかしています。
・都財政逼迫。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6397408
・東京都議選の争点は五輪とコロナだけではない。冷泉。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2021/06/post-1235.php
1943.政商とコロナの女帝 21/7/3
人生に大事なものは人によって異なる。
では社会にとって大事なものは何だろう。
私は公正と平等、そして人間の尊厳だと思う。
そのどれもが、アベスガユリコ、そして竹中にないものだ。
今回の前書きは政商です。
サンデー毎日(7.11)牧太郎の青い空白い雲から
どんな時代でも政治家と結託して特別な利権を得る「政商」がいる。
明治維新の頃(つまり日本資本主義形成期)、巨額の献金の見返りに、明治政府から特権的な保護を受け、強大な富を蓄積した豪商は「国策」にもアレコレ注文を付けた。
もちろん、今の時代にも「政商」は存在する。
その筆頭は「パソナグループ」(南部靖之代表・竹中平蔵会長)と心得ている。
理由その@は「儲けすぎ」にある。パソナグループは今年5月期の通期連結業績予想で「純利益62億円」。前年の5億9400万円から実に942.3%アップ。
コロナ禍だというのに大幅に利益を伸ばした。手品は、官公庁や大企業から業務プロセスを請け負う「やり方」。特に、政府から巨額で請け負ったコロナ対策関連事業で儲けている(例えば「持続化給付金」事業。一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」なる組織が、まず769億円で受託。再委託された電通が子会社5社に流し、さらにパソナなどに外注するやり方で、パソナの受注費は約170億円だった)。
外注、また外注で、血税を。中抜きする悪知恵に加担した「ご褒美」なのだろう。
「政商」と言われる理由そのAは自前の迎賓館「仁風林」を舞台に政治家たちを大々的に供応。
理由そのBは……そこで築き上げた「政治家と密な関係」を背景に子会社パソナの本社機能を移転した淡路市から土地譲渡などの支援を得ている。典型的な「政商資本」である。
会長の竹中さんは小泉内閣で経済財政担当相を務めた経験を生かして、各種公職にあり、菅内閣でも「知恵袋」。しかも、このところ、メディアに度々登場して言いたい放題だ。
もっと驚いたのは、政府分科会の尾身茂会長がこの状況で五輪開催は「普通はない」と発言したのを「越権行為だ!」とカミつく。(以下略)
コメント:加えて、竹中は五輪反対の世論は「世論が間違っている」と断じた。この一言で彼のEQ(竹中はEQの意味さえ分からないかも)がヤンキーにも劣ること、その頭の中には私利私欲しかないことを痛感させられた。私が彼を終生許さないのは、小泉時代に新自由主義を持ち込み、今や被雇用者の半数が派遣社員に身を落としていることだ。ペラペラとよくしゃべるが、その言葉は空虚で、感情的にああ言えばこう言うの域を出ていない。政治的信念がどこにあるのかもよく分からない。民主主義の精神を持たない二流の学者(竹中とその子分の高橋洋一)が二流の政治家(菅、安倍、麻生)をあやつり、国民の経済格差を拡大している。私は彼が入院でもしたら赤飯を焚いて祝うつもりである。より詳しい人となりは、ウィキペディアの竹中平蔵の、トラブルの項をご覧頂きたい。
ちなみに、政治家、官僚、民間企業から、順法精神と社会正義を奪い取った安倍晋三(自分は別格、自分の都合が最優先)についても同様である。安倍晋三に子供がいないことが、現在の日本の惨状の背景を形作ったと、私はみなしている。仮に彼に子供がいたら、この世の中は、自分の都合を優先して、あとで付け足しの言い訳をしておけば済むと、果たして教えるだろうか。子供がいれば、天然の細君も、子供じみた振る舞い(森友の背景)をしている余裕もなかったのではないか。安倍晋三と日本の不幸は、安倍が正常な家庭を持てなかったという、個人的な不幸に端を発しているように思われる。
もう一つの前書きは、通読した「仮面、虚飾の女帝」横田一です。今後少しずつ紹介してゆく予定ですが、今回は、医療崩壊の部分です。なお文中の日付は2020年当時のものです。
…院内感染濃厚の「永寿総合病院」(台東区)と中野での集団感染について聞いてみた。
「永寿総合病院の医師が重体になっていますが、なぜ公表しないのですか。医療崩壊寸前ではないのですか。院内感染対策不足ではないのですか? 中野のドコモの集団感染もなぜ公表しないのですか。中野と言わないのですか。近くのガールズバーも営業停止ですよ」
しかし小池は、この日も無言のまま会見場を後にした。重要な情報を公開しない隠蔽体質はコロナに関しても徹底していた。
4月15日の会見では、医療関係者からこんな情報提供を受けていた。
「中野保健所の初動遅れで院内感染が広かってしまった。163人の感染者を出した永寿総合病院も同じパターンで、院内感染の調査が遅れて集団感染を招いたのです。しかも、現場の指揮官役の保健所長(中野区と墨田区)が迅速な対応をしなかった、人災ともいえます。もちろん小池知事の指導力不足の責任も問われます」
これを受けて、こんな声かけ質問をした。
「知事、発熱患者が20か所で救急車たらい回しですよ。どう解決するのですか。医療崩壊ではないか。(中野江古田病院と永寿総合病院の)院内感染も、知事の怠慢によるものではないですか?」
90人以上の感染者(4月12日時点で入院患者69人、職員25人)が確認された中野江古田病院では、4月1日に看護職員の陽性がPCR検査で判明したが、中野保健所が診療停止要請をしたのは2日後の4月3日で、実際に停止したのは4月5日だった。
4月3日の会見前には、以下のような情報提供を医療関係者から受けていた。
「新型コロナウイルスに感染をした重症者受入の病床が満杯寸前のため、大学病院関係者を交えた会議が都庁で開かれ、重症者受け入れで賛同が得られた。しかし、個別の大学病院に要請したところ、ほとんどが拒否された。まさに『総論賛成・各論反対』の状態。本来なら都の権限を背景に小池知事が受け入れを各大学病院に毅然として迫るべき」
そこで、4月3日と4月6日の会見ではこんな声かけ質問をした。
「知事、重症者受け入れ病院の要請、ほとんど断られているじゃないか。パンク寸前状態ですよ。口先だけで、実績ゼロじゃないですか」(4月3日)
「知事、重症者受け入れ病院、ほとんど受け入れゼロですよ。エクモで有名な(大学)病院もゼ口じゃないですか。権力行使しているのですか?」(4月6日)
医療崩壊を回避するには、重症者受け入れ病院を新たに確保することとともに、軽症入院患者を転院させることが有効だ。私は医療関係者の情報提供を受けて、第一種感染症指定医療機関である「墨東病院」(墨田区)を3月29日夜に訪れた。すると、緊急外来中止の告知文書が一時的に貼られた後、すぐに剥がされたことが確認できた。医療関係者がその内情を教えてくれた。
「感染者受け入れでキャパオーバー寸前の墨東病院は、緊急外来を3月29日夜に一時中止しました。すると、すぐに都が撤回を指示して貼り紙が剥がされたのです。『都が医療崩壊寸前の状況を隠蔽した』とも言えます。また、軽症者を別の病院に転院させるなどの対策を打ったわけでもありませんでした」
そこで3月30日の臨時会見では、こんな声かけ質問をした。
「知事の怠慢で、墨東病院が(一時的な緊急)外来中止になったのではないですか。なぜ『(緊急外来を)対策なしで開けろ』と言ったのですか。なぜ軽症者を転院させないのですか?」
多くの感染者を受け入れてきた墨東病院でも4月15日に4人の感染者が確認され、院内感染の可能性が浮上してしまった。過酷な状況に耐えきれずに出した病院側のSOS(緊急外来中止)に対して、都は有効な対策を打たないまま。不都合な真実を隠蔽するだけだった。これも都の怠慢が招いた人災といえるだろう。(以下略)
コメント: 受け入れ病院が見つからず、何時間もたらいまわしにあったとか、地域のクリニックの医師が、手元の酸素や薬で患者の命をつないでいるとか、昼間は病院勤務の医師が、夜間にボランティアで訪問診療しているなど、現場では苦闘が続いているのに、上記の告発記事にあるように、大病院が受け入れを事実上拒否しているという許せない状況が、国民には十分に伝えられていないのはおかしい。政治やメディアが、何かに忖度して情報が隠蔽されているとしか思えないのである。
但し、この問題は東京都だけの問題ではないことも事実である。国レベルの問題であり、厚労省や、保健所の頂点に立つ感染研、医師会の責任は極めて大きい。とは言いつつも、ほかの地域(例えば、和歌山や大阪)の知事の、県民に寄り添った姿勢に比べると、小池知事の姿勢は、あまりにもかけはなれているように感じられる。特に感じるのはホームレスなど、社会の底辺層に関する無関心と冷徹さだ。彼らにはワクチンの接種の機会が事実上拒否されているようなものである。なぜなら彼らは、接種券等持ってはいないからだ。いつから東京都は、タワマンそびえる、富裕層の為だけの街になったのか。
しかも東京都では、コロナの感染拡大の初期に、4日間の高熱がないと検査(治療ではない)もしないというルールが厳格に守られ、そのせいで入院が遅れ、有名人が何人も命を落としている。同じ時期に、和歌山では発熱即検査の体制を取って、院内感染も制圧したし、死者の数も少なかったことを考え合わせると、最近の世論調査で、小池知事のコロナ対策を評価するという意見が多かったのは、何かの間違いではないか。最近忘れ去られた東京アラートだって、元は大阪の真似だった。頑張りましょうとか、一層の努力をお願いと繰り返すが、東京都は注意喚起(号令)以外に何をするつもりかさっぱり分からない。いくら飲食店だけを締め付けても、コロナは空気感染もあるので、衝立や手指の消毒だけでは防げない。それより都が真っ先にやるべきは、店員のワクチン接種だろう。都の職員が疲弊しているのは事実だろうが、それも都知事の方針がクルクル変わることが原因だと職員が証言している。都知事の判で押したような記者会見を聞いて、ひしひしと伝わってくるのは危機感でも緊張感でもない。都知事の無念、即ちコロナの感染が拡大したのは、貴方たち都民が、私の言うことに従ってくれないからよ(都民のせい)という、恨み節だけが伝わってくるように感じられる。本人が被害者意識の塊になっている可能性もある。都合の悪いことは、何でも他人のせいにするという政治姿勢は、安倍晋三のそれと酷似している。一体都民はどこを見て都政を判断しているのかと言いたくなる。
1944.皇室と菅 21/7/4
皇室を観光の道具にする、
思い上がった菅首相。
安倍晋三と同様。
驕る平家は判官を待て
今回の前書きは週刊文春(7.8)から、皇室と五輪(と菅と官邸)についてです。
「宮内庁異例の拝察」天皇五輪懸念vs菅の皇室観光資源。
…五輪を巡る「異例の拝察」に、波紋は瞬く間に広がった。西村氏と同じ警察庁出身で、年次では13期上の杉田和博官房副長官はこう憤ったという。
「西村はなんで事前に言ってこないんだ」
菅義偉首相や加藤勝信官房長官らは「長官本人の考え」と火消しに走ったが、「長官が『拝察』と言えば、『陛下ご本人がそう仰っている』と解釈するのが皇室の文化です。西村氏の発言内容も、天皇陛下が是としたものとしか考えられません」(宮内庁担当記者)
水面下では何が起こっていたのか。
令和の新時代を襲った新型コロナに心を痛めてこられた天皇。感染状況と国民への影響を、常に気にかけてこられた。(中略)
官邸が皇室側のアクションを軽視する傾向も強い。
「その最たる例が、16年7月の生前退位報道の時でした」(同前)
当時の天皇が退位のご意向をお持ちであることは、風岡典之長官(当時)を通じ、15年末時点で官邸側に伝わっていた。だが、官房長官だった菅氏は、「憲法違反だろ」と言い放ち、取り合おうとしなかった。
「確かに、生前退位のためには法改正が必要で、それを天皇が促すことが政治的な行為とされる可能性は否定できません。しかし、菅氏は陛下のご意向をマトモに受け取らず、公務の軽減といった小手先の対応でごまかそうとした。NHKがスクープを打った時も、菅氏は『誤報じゃないの』と冷ややかでした。陛下の本気度を見誤っていたのです」(別の官邸関係者)
官邸と宮内庁の間に大きな禍根を残した五年前の報道。それだけではない。菅首相と皇室側には更なる軋轢もあるという。
「官房長官時代の菅氏の肝煎り政策が、インバウンド誘致による観光立国。菅氏は観光の目玉にするため、皇室関連施設の一般公開を推し進めました。菅氏にとって皇室は観光資源でしかないのです」(同前)
風岡前長官の退任を巡っては「菅氏による更迭」と囁かれた。そして、これを機に官邸が送り込んだのが、西村氏なのだ。
「西村氏は警視総監を経て、14年に内閣危機管理監に就任し、イスラム国による日本人人質事件などの対応にあたりました。生前退位報道のあった16年に、宮内庁のナンバー2である次長に就任しましたが、これは『官房長官として霞が関のあらゆる人事を牛耳る菅氏が、ついに宮内庁もコントロールするために。スパイを差し向けた』と見られました」(政治部デスク)
19年には長官に昇格した西村氏。だが、菅首相の思惑とは裏腹に、今では皇室に尽くしているようだ。
「西村氏は、ある皇族が西村さんは信頼できると仰るほど、皇族方からの評価も高い。スパイと見られたものの、実際には次長に就任した頃から官邸に情報を上げておらず、杉田氏周辺が『何だ、西村は』と怒っていたほど」(別の宮内庁関係者)
そして今回も、官邸側に事前に根回しすることなく、「異例の拝察」に踏み切ったのだった。改めて西村氏に経緯を直接訊ねたが、「何も話すことはありません」と答えるのみだった。
スパイの動きは、首相には誤算だったのだろう。「(西村氏の)あの発言は変えられないのか」側近らの前で、そう不満を露わにしたという。
「天皇のご懸念表明を、首相は重く受け止めるどころか、なかったことにしようとしているのです」(政治部デスク)
日本国の象徴として、国民の気持ちに寄り添われてきた天皇の異例の、ご懸念。五輪の進め方が今のままで良いのか。菅首相が見直す最後の時機である。
コメント:皇室さえ軽視する、菅首相の思い上がったタカ派ぶり。政治の私物化が如実になってきました。まさに何様かと言いたくなる局面です。右翼さえこれには黙っていられないはずです。こういう人物に、今後も首相をやってほしいと思う国民が一体何人いるでしょうか。しかも未だに杉田が官邸に居座り、官邸から出たはずの今井が安倍の密命を受けて、ポスト菅の安倍復活を画策しているという、伏魔殿どころか悪の巣窟なのです。我々は悪夢のアベスガ政治の下にいるのです。我々は、首相の辞任と、政権交代を求める運動を、自らの手で開始すべき時に来ているのです。一方、安倍は五輪に反対するのは反日だとほざいています。でも国民の犠牲、不便、経済的損失を顧みず、個人的な見栄の為に、無理矢理五輪を推進する者こそ反日、反皇室、反国民ではないでしょうか。馬Xは死ななきゃ治らないとは、安X晋Xの為にあるような言葉だと、私は思います。
1945.都議選と女帝 21/7/5
都議選。第一党自民の議員数は33。
選挙協力した立憲と共産は合わせて34。
土壇場の小池知事の茶番戦術(ばたっと倒れる発言)
の成功だけが取り上げられるが、都民ファが議員数を大きく
減らした理由が、報道されることはなかった。
相変わらずの小池寄りの不公正報道。
小池知事の人気は、反自民感情が大きい。
コロナと五輪で、小池都政には見るべき成果はない
都議選。自公過半数に届かず。自民党内に動揺。
菅の一か八かの賭けは、ワクチンの失速と、
なんでもありの五輪で、裏目に出る可能性大
都議選。自民党に入れる理由がない。
公明にも、都民ファにも
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば
害その身にいたる。
でも自分は何をしても許される。
だって私は人気者なんだから
さて誰のことでしょう
・五輪を私物化。この国の病巣。
https://mainichi.jp/articles/20210628/k00/00m/050/058000c
・都議選、都民ファと自民党の正面対決。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062400300&g=pol
関連記事。都議選候補者評価。小池都政、低評価が最多。
https://www.asahi.com/articles/ASP6X7304P6WUTIL02R.html?iref=comtop_Politics_04
コメント:医者は病気ではない(=過労)だと言っています。ところが麻生の余計な一言で、都民ファを応援すると一言も言わずに入院に逃げたのに、同情票を集めた。麻生は二階と小池の関係で、揶揄したとも取れる。感染者の増加についても答えなくていいし、都議選でどこを応援するかも言っていない。しかも医師は過労(病気ではない)と診断しており、その後発熱(何度とは言わない)があると訂正しましたが、やはり病気だとは言っていません。こうなると小池の悪智には限りがありません。それにしても、なぜ女性の有権者には小池が自分ファーストだということが理解されないのか。有権者が印象だけで判断し、考えることを放棄したら、首都東京は滅びるという事が分かっていないようです。ところで安倍も小池も、ついでに菅も、狸だと揶揄してきましたが、更に上手がいました。小池が緑色のスーツをトレードマークにしているので、緑の狸(赤い狐と緑の狸)と呼んでいたのです。なのでWTWもこれを使わせて頂きます。
・小池知事退院、都議選と一定の距離。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65ce0dc6ccf295a479234f371429f0755430d1ae?tokyo2020
関連記事。選挙後に自公に乗り換えか。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062400300&g=pol
コメント:表現が正しくない。都民ファを応援せず、と書くべきです。しかもまともな神経の記者なら、なぜ応援しないのかを問うところだが、小池シンパの(特に女性)記者は絶対にそういう質問はしない。文字通り梯子を外された都民ファが、選挙で勝てる道理がないのです。但し、小池入院で多少の同情票は期待できるでしょう。あまりにも姑息な手段です。一方で、自民は応援演説に閣僚が出てきています。
またも小池は身内を切り捨てました。自分が国政に戻るためにでしょう。なんという冷血な政治家。これで本当に赤い血が通っているのでしょうか。入院からテレワークに切り替えたのは、これ以上入院が長いと、都政から逃げだしたと言われかねないからでしょう。分かり易いことこの上ないし、仮病だということもこれではっきりしました。
夜中に官邸からメールが来るので寝られないと言うが、自宅で作業はできないし(部下はいない)、官邸だってアサイチで読んでもらうために夜中に送信しているわけで、別にそれをリアルタイムで読む必要もないのです。百歩譲って小池に不眠症があったとしても、それを徹夜と表現(都民ファ代表)するのはどうかしています。
・都財政逼迫。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6397408
・東京都議選の争点は五輪とコロナだけではない。冷泉。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2021/06/post-1235.php
・次期参院選、自民空白区10超。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/114047
・都議選、一人区で火花。
https://mainichi.jp/articles/20210702/k00/00m/010/050000c
・小池知事が会見。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/114197
コメント:リモートワーク一一転登庁。このどこが安静を要するのか。病気でも過労でもないのに、倒れる事は出来ない。しかも都議選と都民ファについては一言もなかった。同情するメディアは殆どなく、報道はしたものの、記者会見に興味を示すメディアはなかった。こちらもイメージ操作の茶番に付き合うほど暇ではない。
・勝者なき選挙。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC164A80W1A610C2000000/
・都議選投票率42.39%。過去二番目の低さ。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6397827
コメント:これは都議が何をしているのか、良く分からないという理由もあると思います。私も彼らの活動と、その成果を説明できません。
・都民ファ有利は都民の判官びいき。
https://news.yahoo.co.jp/byline/oohamazakitakuma/20210705-00246412/
コメント:やはり小池劇場ですか。しんどいにしても、体調の厳しさについては、医師の判断がドクターストップが必要です。自称や取り巻きのお涙頂戴話をうのみにしてきたらきりがありません。それは小池の歴史が示しています。倒れるまで頑張るとは、何をいつ頑張るのかもはっきりしていないが、しかもそれを記者会見で述べたのは選挙の前々日。ならば一日だけ頑張るのか。しかも選挙の前日には、18か所を巡回するなど、体調不良の説明に無理があります。その後病院に直行して点滴でも打っていれば話は別ですが。言いたくはないが、不在中の副知事の方が実直に実務をこなしていた印象があります。あまりにも都合よく疲労に倒れ、あまりにも都合よく復帰する。そんな偶然誰が信じるというのでしょうか。パフォーマンスのためのタレント知事は、そのまましばらくお休み頂いていた方が、都民は幸せだったと思います。あまりにも短き不在。姉狸、綱渡りを脇で支える妹狸(中野区民の選択には大いに苦言を呈したい)。
小池人気(?)で思うのは、東京都が(日本も)いつまでも衆愚政治(失礼)だから、これでは日本が良くなることなどあり得ないという絶望感です。同時に、メディアが正しい批判をしないのは、大衆を敵に回すことを恐れているせいなのではないのか。だから一度権力を握った者(菅や小池)への忖度(=大衆への忖度)が始まり、それが一層権力者が増長する素地を作るという悪循環になっているのではないか。これでは首相を公選制にすれば、知事選と同じように、人気投票(米国ではレベルの低い選挙を美人コンテストと呼んでいます)になってしまい、逆に飛んでもない首相が登場する可能性もあります。そもそもヒトラーは国民の人気政治家だったのです。そう思うと、小池知事も女性ヒトラーになり得る素地を備えている可能性があります。いま首相が公選制になったら、間違いなく小池百合子が首相になるでしょう。そして極右の全体主義政権ができることでしょう(ちなみに小池はカジノ推進派です)。
直接選挙で選ばれた都知事の名前を思い起こすと、既にその兆候があることが分かります。青島、石原、舛添、そして小池。その誰もが、「知性、(いやせめて常識)」を備えた市民が選ぶような人たちではなく、人気投票の結果だと考えないと納得できないのです。美濃部の後に都知事なしなのです。都議選で再度痛感したことは、私たちには候補者を判断するに足る、十分な情報が与えられていないということです。思想傾向はおろか、その人となりも分からない。だから信用できるかどうかも分からない。候補者同士の討論を聞きたくても、その機会はない。そして有権者が候補者に直接質問する機会さえない(特に今は立ち合い演説会がない)のです。これでは投票が根拠のない選択、即ちあてずっぽうになるのは避けられないし、投票に行きたくなくなるのも当然なのです。目をつむって選べと言われているのと同じで、有権者を完全に馬鹿にしています。そんな不完全な選挙制度でまともな人が選ばれたらむしろ奇跡です。
私はせめて市民が自由に意見を交換して、特定の候補者を応援する自由が認められるべきだと思います。個人的には車に拡声器を載せて回り、ビラを配ってもいいと考えています。言い変えれば、現在の政治や行政の諸悪の根源は、情報が不十分で、民意が反映しない、形式だけの選挙制度にあるのです。ということは、日本を変えるには、ボーっとして、なんとなく野党をあてにしているだけでなく、選挙を自分たち自身の問題として、市民が自分で動く、自主的な市民運動が必要だということです。WTWがそういう本当の意味の、草の根活動野のお役に立てれば、望外の幸せというものです。
市民による選挙制度改革の第一歩としては、有志による選挙ボランティアの習慣(制度ではない)だと思います。次回衆院選では、支持政党の支部と連絡を取り、自分なりに何ができるかを考え、試してみたいと思います。
・都民ファ、失った1議席の意味。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6398029
関連記事。除名議員が一人新会派。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070700549&g=pol
コメント:盗人猛々しいというところです。それはそうと、自民33、都民ファ31、合わせれば丁度過半数(127の半分は63)だったので、自民+公明が、いつの間に自民+都民ファに置き換わるなどという手品も期待できた。それが一票の差で、不可能になりました。だから今後、小池が自民党(というより二階)に恩を売って、国政進出する等の、自民へのすり寄りが難しくなりました。ざまーみろですが、でもそうなると、小池やその妹分(中野区選出)が居座ることになり、それもまた都民には大迷惑です。但し今回の除名者が怪しい動きをすれば、やってやれないことはないわけで、但しそうなると、とてもではないが、都民のための革新政党などと名乗ることは出来なくなります。
関連記事。都議選の総括。
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2021070500005.html?iref=comtop_Opinion_06
1946.亡国の官邸 21/7/7
二階が小池の国政復帰を歓迎。
これだけ感染者を増やして、どこが見事な都政なのか。
小池は飲食店と酒だけを目の敵にしているが、
今は五輪を含め、人流を減らすことが最優先だろう。
それが分からないほど愚かなのか、または個人的な趣返しなのか。
我々都民も、小池が去ってくれれば大変有難い。
しかし緑の狸は悪知恵だけは働く、食えない相手なので、
軽々には動かないかもしれない。
我々もそれでさんざん煮え湯(約束破り)を飲まされている。
しかも狸の映像でメディアが占領されれば二重に迷惑である
選挙が大衆の人気投票に堕している限り、
民主主義は正常に機能せず、
国政でも都政でも、不適格者の独裁政治が続く。
しかも野党を含めて、誰一人、現在の選挙制度の
問題点を指摘し、改革を提案する者はいない。
その結果、国と都はボス猿が支配する猿山と化している
今回の前書きは4件、週刊朝日2件、サンデー毎日が2件です。
週刊朝日(7.16)から
「官邸の兵糧攻め」
…河野太郎規制改革担当相が6月23日の記者会見で、自治体の大規模接種と職域接種について、申請の受け付けを一時休止すると発表した。しかし、その発表以前に、東京都へのワクチン供給が止まっていたのだ。官邸関係者がこう話す。
「受け付け休止を発表する前、東京都から再三、ワクチン供給の申請があったのですが、政府は『ゼロ回答』でした。この判断に関わったのは、小池知事を快く思っていない、 和泉洋人首相補佐官と大坪寛子・厚生労働省審議官、自民党サイドのワクチン窓口を担っている丸川珠代五輪担当大臣らと言われています。今回の供給ストップは、小池知 事への。兵糧攻めです。小池知事は自民党本部に出向き、二階俊博幹事長に陳情するなど、対応に苦慮していました」
東京都へのワクチン供給を止める方針はどこで決まったのか。厚労省予防接種室の担当者は、「それは何とも言えない。厚労省の中では健康局となるが、大臣や官邸も関わるので」と繰り返した。(以下略)
コメント:私だって小池知事を快く思ってはいないが、1200万都民の命を政争の具にするとは、和泉・大坪の不倫コンビと、無能な五輪大臣の丸川(及び腹黒狸の菅)は絶対に許せない。この記事を読んだ都民の怒りを思い知るがよい。
「不敬よな」室井卯月の連載コラムから
…陛下はコロナ対策分科会の尾身会長から何度か説明を受けているようだし、真っ当にあたしたち国民の心配をしてくださっただけだ。そして、長官の囗を借り、メッセージを出された。
しかし、この事実を認めたくない輩もいる。菅義偉首相は25日、「長官ご本人の見解を述べたと、このように理解している」と首相官邸で記者団に語ったらしい。
加藤勝信官房長官も25日の記者会見で、「宮内庁長官白身の考え方を述べられた」といった。五輪開会式での陛下の官一言については、まだ関係者間で調整中だとも。
はあ? 陛下のメッセージさえなかったことにしてしまえってか。
結局、この人たちの頭の中は、自分たちのことしかない。菅首相は東京五輪で国威発揚を狙い、その勢いで秋までに行われる衆議院選挙に臨みたい。あたしたち国民の命や健康を差し出した大博打をやりたい。
感染症の専門家の意見でさえ、聞くつもりはない。なので、陛下が見るに見かねて、メッセージを出したんでしょ。今の政府とは違って、国民のことを考えていると。メツセージを出さずとも、開会式の宣言がいまだ調整中ってことでも、わかれってものだ。
でも、このことをツイツターでちょっとつぶやいたら、「天皇の政治利用。不敬」といってくる輩がわらわら湧いてきて。
ちょっと待て。自民党政権が、平和の祭典を政治利用し、天皇陛下でさえ政治利用しようとし、それがうまくいかなかった、てのが今回の真相だろ。国民に寄り添ってくれた陛下のお気持ちを、そのまま受け取れない方が不敬だと思うけど。
コメント:よく言われる岩盤右翼、あるいはネトウヨと言われる人たちはどういう人たちなのか。一度顔を見てみたい。でも結構一般生活では普通に振舞っていて、一見区別がつかないのかもしれない。でもそういう人たちが陰でアベスガを支えていると思うと、そのまま放置も出来ないような気がする。彼らの心の中の氷(誤解と、偏った価値観による固定観念)を溶かす、良い方法がないものか。
サンデー毎日(7.18)から
「赤木ファイルを解読する。佐川の一存で改竄はあり得ない。官邸の関与を調査せよ」倉重篤郎のニュース最前線から
…元文科事務次官、前川喜平氏に、佐川氏の上を大胆に推理して頂く。(中略)
『官僚はなんでも官邸断になり果てた』
後は国会での追及か。
「今の与党が多数を占めている限り、国会では調査特別委も作れないし、証人喚問もできない。メディアが徹底的な調査報道をしてほしい。政権の内部情報を引き出してほしい。加計問題では文科省から内部文書が出た。行政が捻じ曲げられることへの官僚の反発があった。財務省内部にも赤木さんのような人がいる。文春と赤旗にも期待する」
加計問題も半端なまま?
「加計は、二つの公式文書ですでに全容が解明されている。愛媛県文書では2015年春からの、文科省文書では16年8月ごろからの経緯がわかる。二つを突き合わせると、いかに加計学園の獣医学部新設認可(17年11月)行政が安倍氏の意向によって歪められていったかがわかる。事実はほぼ100%明らかにされたが、政治的、刑事的責任の追及だけが行われていない。それに比べ、森友問題は事実関係がまだ究明されていない。決裁文書の改竄だけではない。国有地の値引き売却の真相もまだ不明だ」
この間,
霞が関がどう変質?
「私の言葉で言えば、霞が関が『権力の私兵、官邸の下僕』と化した。『何でも官邸団』とも呼んでいる。ハイハイと官邸に従う人たちばかりになっている。もちろん、課長クラスは頑張っている。だが、内閣人事局の網にかかる審議官以上700人の人事は官邸がグリップ、忠実な人間しか上がれない。省内人事を決めるのは事務次官だが、彼らがすでに官邸の言いなりだ。長期政権のある意味での怖さで、人事を数多くこなすうちに津々浦々官邸忖度人事が行き渡ってしまった。私が知る限り歴代政権でこんなことはなかった」
「菅カラーだ。菅氏が官房長官を8年務めたことに原因がある。菅氏は自著でも書いている。人事権で役人を動かす。役人は最初は抵抗するが、強く言えば従う。抵抗が無駄だと悟ると最後は協力する、と。実際に霞が関全体がそうなってしまっている。忖度し迎合する官僚だけが残る。国民のために良かれと思って仕事する役人たちははずされるか、辞めるか、中心からいなくなってしまう。道理を通そうとすると平嶋氏のように飛ばされる。直言でも諫言でもない。恐る恐るの進言でもダメだ。そういう雰囲気が充満している」
霞が関を手中に収めた?
「内閣から一定の独立性を持つ機関のトップ人事にまで手を伸ばした。日銀総裁、内閣法制局長官、NHK会長、そして、失敗したが検察にまでだ。人事院もまた検察官定年延長をめぐる答弁の食い違いで官邸の軍門に降った、との印象を受けた。最後に手を付けたのが最も独立性の高い日本学術会議だった。同会議が軍事研究反対の立場を取っていることが気に入らなかったのだろう。歴代保守政権には独立機関にまで手を付けるのはいかがなものか、との躊躇があった。安倍、菅両氏にはそれがない」(以下略)
コメント:官房長官時代に菅がやってきたことを、振り返ってみると、いまいかに分別くさい好々爺を演じてみても、それが実態とは全く違う、嘘の上塗りだということが良く分かります。羊の皮かぶったオオカミであり、しかもこのオオカミは国民を食い殺すのです。一日でも早く、政権はおろか、政治の世界から追い出す必要があるのです。
「公正さを失った国の恥を暴け」高村薫のサンデー時評から。
…ちなみに国会で野党の追及を受けた当時の安倍首相は、くだんの学校法人との関係を否定した上で、もし自分や妻が関係していたら首相も議員も辞めると口を滑らせ、財務省が決裁文書の改ざんを図ったのはそれ以降のことである。
そして6月22日、自殺した赤木俊夫氏の妻が起こした裁判の過程で「赤木ファイル」と呼ばれる備忘録がようやく開示された。もともと国は国会で存否すら明らかにせず、請求から一年以上も経っての開示である。もっとも、故赤木氏が残した記録はたいへん詳密なものだが、財務省理財局が公文書改ざんに走った直接の理由については、近財の現場の職員の関知するところではない。そのため、ファイルの開示を受けて国会での再調査は不可欠だが、麻生財務大臣はまたも言下に否定した。どこまでも幕引きの姿勢である。
2017年の国有地売却をめぐる疑惑発覚に端を発した森友学園問題の現在地がこれである。首相夫人が介在する未曽有のスキャンダルが、民主主義の土台を揺るがす公文書改ざんにまで行き着き、自殺者まで出しながら、麻生氏はのうのうといまも同じ椅子に座っているし、安倍前首相も「赤木ファイル」などどこ吹く風である。
政治はときに隠然と人を死に追いやるものらしいが、森友問題に関する限り、首相夫人の軽薄な言動と、短気を起こした首相の失言がその主たる内実であり、それに忖度した官僚や政治家たちを含めてあまりに程度が低い。どこにも国家の大義も必然もなく、その分、犠牲となった近財の職員の死の虚しさが際だつが、この虚しさはけっして特異な事例ではないだろう。むしろ令和の日本に広がる空気感の一つであり、軸となる公正や公共の精神を失った社会の、へたをすれば知らず知らずのうちに崩壊しかねない不確かさの予兆だろうと思う。
先日、旧知の外資系証券マンが驚くような話をしていた。直近の日本市場や為替市場の動きを見ていると、いよいよ日本が新興国の立ち位置に近づいてきたような印象だというのである。基本的に二ユーヨーク市場につられて動くにしても、東京市場の振れ幅だけが異様に大きくなったり、円が新興国通貨に似た投機的な売り買いの対象になったりしている現状が示しているのは、日本が国としてもはや安定した成長を見込めず、長期的な投資対象ではなくなっているという厳しい事実である。
世界の金融市場から見た日本の掛け値なしの姿がこれだとすれば、森友学園問題の呆れるほどの低次元も驚くには値しないのかもしれないが、しかし国が貧しくなったことと、職務に誠実な公務員を死に追いやって反省の一つもない国の非道はまったく別の話である。(以下略)
コメント:私も、モリカケサクラ、そして広島の事件の、レベルの低さにはほとほと呆れています。どうせやるならもっと大きなことはできないのか。そういうチマチマした人間がトップにいれば、国家としての高い理想や、長期の目標を持ち、その実現に努力することなど不可能です。無論外国と対等な交渉などできるはずもありません。能力のない、ちっちゃい人間が上に立ち、小さい悪を積み重ねることで、国民から勤労意欲と、社会正義を奪い、無気力で、公徳心を失った烏合の衆を生みだし、まともな国民は窒息して、社会が荒れてゆくのです。彼らにできることと言えば、国民の反対を押し切って五輪を開催することくらいなのです。そこには政治的な理念も(五輪の)高い理想もなく、あるのは一部の政治的、あるいは興行的な利権だけなのです。
・亡国の祭典と化した五輪。無観客より中止にすべき危険な理由。
https://diamond.jp/articles/-/275892
1947.内閣ドリームチーム 21/7/10
総選挙を控えて、政権交代後の、理想の内閣(ドリームチーム)を想定してみました。
但し超党派の体制となっており、自民党からもスカウトします。
内閣総理大臣 小沢一郎(民主主義の筋を通す)
副総理 中村喜四郎(実務でサポート)
財務大臣 大塚耕平(コロナで疲弊した経済と財政の立て直し)
総務大臣 前川喜平(選挙制度の見直しと、NHKの民営化)
法務大臣 福山哲郎(偏向しない司法。政治悪の根絶)
外務大臣 枝野幸男(対米従属外交からの脱却。言うべきことは言う)
文部科学大臣 森ゆう子(教育レベルの引き上げと、落ちこぼれのない教育)
厚生労働大臣 小池晃(医療・医薬制度の見直し)
農林水産大臣 菅原一秀(農林水産の現場の声を受け止める)
経済産業大臣 長妻昭(抜本改革を)
国土交通大臣 辻元清美(災害に強いインフラ整備)
防衛大臣 中谷元(現実的な安全保障体制)
行政改革担当大臣 塩崎恭久(予算制度の見直し、デジタル化の暴走の監視)
内閣官房長官 江田憲司(保革議員と官僚を掌握)
ところで、なぜ違反で告発されている菅原一秀が入っているのかですが、私はその人柄を評価したからです。言い訳を一切せず、さっさと自分から公職を退きました。自分ファーストで小細工だらけの安倍晋三、小池百合子、そして二階などとは真逆の生き方です。男の美学を感じます。
・都医師会長。感染者対策やワクチン接種に集中して取り組める。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210709/1000067048.html
関連記事。リスクはゼロにはならない。
https://www.asahi.com/articles/ASP786TD7P78ULBJ01J.html?iref=comtop_7_01
関連記事。都議選で変わった流れ。
https://mainichi.jp/articles/20210708/k00/00m/050/305000c
・コロナ後の経済回復に不可欠なもの。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/07/post-96652.php
1948.プランBのない五輪と政治 21/7/14
為政者が簡単に統括できるのは、
人があまり深く物事を考えない社会。
人が集まれば感染が拡大することも
分からないようでは、イタリア人以下
大谷はホームランダービーで延長2回と善戦しました。接戦に観客も満足したと思います。それにつけてもNHKの手前みそ。以前NHKの女子アナだったというだけで、スポーツアナの経験もなく、まともなインタビュー一つ出来ない久保純子の起用は常識では理解できない。更には、これから打つという時に、電話を掛けてくるプーホールズや、それを取り継ぐスタッフもフツーではありません。例え一回戦を突破しても、前回の優勝者には到底敵わないので、体力的には一回戦で正解でしょう。敗因は直前の練習が過ぎたことと、ピッチャーが慣れていなかったことです。オールスターに備えて休養を取り、観客を楽しませたことだけで満足するべきでしょう。
・敗れても、惜しみない拍手。
https://www.asahi.com/articles/ASP7F3VC9P7FUHBI00T.html?iref=comtop_ThemeLeftS_02
朝日新聞(7.13)耕論、プランBが見えない
「私たちはイワシの群れか」ヤマザキマリから
これほど非難が絶えず、わだかまりが残る中で始まる五輪はなかったでしょう。菅義偉首相や閣僚は何を話し合っているのか詳しい説明はないし、国民は国民で徹底して議論することもない。真相を知らない間にいつのまにか何かが決まって実行されるという風潮は、今までの日本でもよくあったことだと思います。
東京五輪をパンデミック (世界的大流行)の中でもやらなければならない具体的な理由を知りたいし、説明の内容次第では「仕方がないか」と納得がいくかもしれない。ただただ「うまくやりますから」では、バカにされているような気がするだけです。
疫病がまん延している最中に人間が一斉に集まるなんて、古代の人ですら誰もしていませんよ。イワシの群れみたいに一斉に一緒に動いて、そのうち何匹かは食われてしまうけど、それでも大半が生き残るからいいでしょう、という感覚なのでしょうか。
為政者が簡単に統括できるのは、人があまり深く物事を考えない社会です。様々な意見を生み出す知性や教養は邪魔になります。長いものには卷かれてしまう社会的傾向に抗らえないにせよ、その状態を離れた位置から俯斷できるようになるべきではないか。世間体に従わなければいけない状況でも、違和感は持つべきです。それが日本人がこれから進むべき次の段階ではないかと感じています。(中略)
イタリア人は人の話も聞かず、列をつくれば横入りするような人たちが少なくありませんが、最初のロックダウン(都市封鎖)の時は、なぜか一斉に規律を守りました。いざという時にどうすべきか、自分で考える訓練ができていた結果だと思います。
理想の形は、オーケストラのようなイメージです。それぞれの楽器でソリストとして素晴らしい音楽を演奏することもできるけれど、そんな彼らの特性をよく理解した指揮者にあたれば、統括した時に素晴らしい交響楽になる。
それこそがアリやイワシとはまた違う、人間という精神性を持った生き物にふさわしい群衆社会のあり方なのではないかと。難しそうですが、お互いの異質性を認めつつも共存できるのが理想的な人間社会ではないかと思います。
「安倍一強、消えた党内野党」鈴木哲夫から
日本の政治は緊張感を失い、政策の代替案が示されないようになってしまっています。例えば、五輪についても、本来は科学的な根拠、データに基づいて中止をするとか、再延期をするといった根本的な選択肢こそがプランBなのです。五輪のスポンサーやお金のことなどを含めてオープンにして、議論をすべきことです。
(中略)私の取材によりますと、昨年末から今年初めにかけて、フランス政府から日本政府に対し、2024年のパリ五輪まで東京五輪をさらに3年延期し、共同開催にしてはどうかという打診があったと官邸官僚から聞きました。官邸内には、今後の五輪のあり方としても、国際的な共同開催に肯定的な意見もあったとのことですが、公にされないまま、葬り去られていました。
外国政府も関わることで、すべてを公開できるとは思いません。しかし、コロナ禍の中で五輪を開くことについて、科学的な根拠やデータ、有力な選択肢を示さず、納得のいく説明もしないまま、ただ政府も東京都も「安全安心な五輪」と繰り返すだけ。そして時間的に変更できないとばかりに突き進む。まるで「逆時間切れ作戦」です。
国民の関心が高いテーマでこんな手法が通用してしまったら、権力者はあらゆることが好き勝手にできます。五輪やコロナだけでなく、社会保障といった重要政策でも、「隠す」「説明しない」「時間切れ」の繰り返しになりかねません。
なぜこんな手法がまかり通っているのでしょう。もちろん野党が機能を果たせていないという問題もありますが、与党の国会議員の責任も大きいです。
自民党一党支配の時代は、党内の非主流派の派閥が実質的な野党の役割を果たし、別の政策を掲げたその派閥トップが首相に就くという疑似政権交代が繰り返されてきました。今の自民党にかつての活力があれば、党内から代替案が出てきたのではないでしょうか。
さらに、かつては各省庁と族議員が専門性に基づいて、とるべき政策を主張しました。今のように人事を含めて官邸に権力が集中し、政治家も官僚も不承不承追従するという状態では、それも望むべくもないことです。
政治家にも官僚にもそれぞれに矜持があったのが、安倍1強の時代を経て様変わりした。それが代替案が出ない政治の原因と考えます。
同じく社説から、
「NHK経営委、視聴者への背信」
NHK経営委員会が隠し続けてきた3年前の会合の記録が、ようやく全面開示された。明らかになったのは、視聴者の代表としてNHKの業務執行をチェックすべき経営委が、逆に視聴者の利益に反することを行い、かつ何が問題なのか理解していないという由々しき実態だ。
かんぽ生命の不正販売に迫った「クローズアップ現代+」をめぐり、日本郵政グループ3社の社長(いずれも後に不正の責任をとって辞任)が抗議してきたのが始まりだった。
記録には「取材も含めて極めて稚拙」「(郵政を)イメージダウンさせるようなことを番組でやるのは(おかしい)」といった発言が随所にあり、経営委が関与して番組制作や取材方法の基準をつくるべきだとする意見も残されている。
経営委は、郵政側が納得していないのはNHKのガバナンスに問題があるからだとして、当時、現場のトップだった上田良一会長を厳重注意した。
(中略)発言の多くは、法の趣旨も、報道機関としてのNHKの役割も理解せず、郵政の側に立って番組に難癖をつけているとしか見えない。
報道現場と取材相手が緊張関係にあるなか、相手が異を唱えているからといって、経営委が会長を注意して「必要な措置」をとるよう指示すればどうなるか。当該番組にとどまらず局全体に萎縮を招いて、視聴者に真実を伝えることは難しくなる。
そもそもNHKの郵政への対応に関しては、放送法に基づいて設けられている監査委員会が調査、「瑕疵はなかった」との結論を出している。経営委の行いはこれとも整合しない。総務省とも関係の深い郵政グループに迎合し、ガバナンスの名を借りて番組に干渉したというほかなく、経営委のガバナンスこそ問われねばならない。
議論を主導した一人が現委員長の森下俊三氏であることが、記録によって裏づけられた。社説はかねて同氏は経営委員の資格を欠くと主張してきたが、今回の開示で決定的となった。
2月に森下氏を委員長含みで経営委員に再任した政府の責任は重い。放送法は、委員に義務違反などがあれば国会同意を得て首相が罷免出来ると定める。氏が自ら職を辞さないのであれば、首相は自らの不明を恥じ、この伝家の宝刀を抜くべきだ。
コメント:自民党政権が選んだのだから、自分から罷免はしないでしょう。自民党がNHKを私物化する上でも一役買っていると思います。文中の指摘のように、政府目線であることは明白です。ところでこの森下俊三なる人物が何者かですが、阪神高速道路の元会長というだけで、放送とも、報道とも関係がありません。なにかというと自民党政府は企業の経営者を引っ張ってくるが、その理由も良く分かりません。経営者が人間的に優れているとは限らないことは、ユニクロやゾゾの例を引くまでもなく、あまたの例があります。同じことは現NHK会長の前田にも当てはまります。
漏れ下、いや森下については、以下も参照願います。
・森下俊三とは何者か。
https://www.mag2.com/p/news/504130
・森下委員長再任に反対する(朝日社説)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14792221.html
前書きが長くなったついでに、週刊朝日(7.23)からも少々。
「暴言王健在が政権交代への道」古賀茂明から
(前略)自分たちの責任で死に追いやった赤木氏の遺族の心を踏みにじり、都知事を馬鹿にして自民党に迷惑をかけ、外交でも無用な混乱を招き、さらには、国民を騙す発言を続ける。彼が総理の時に自民党は政権を失ったが、当たり前のことだ。
今回も、彼が衆議院選前に、放言、暴言、失言、虚言、妄言を連発すれば、国民の怒りが頂点に達し、自民党に強い逆風が吹くだろう。我らが「暴言王・麻生太郎」に感謝する日がもう一度来るまで、我慢することにしよう。
「不思議でならない」室井佑月から
(前略)7月4日投開票だった都議選は、東京五輪に厳しい批判をしている党が票を伸ばす結果となった。当然だ。
しかし、この地獄の東京五輪を招致した戦犯の安倍前首相は、「反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」とある月刊誌の対談で述べていた。
望むなら東京五輪を生で観戦でき、コロナに感染したら優先的に処置される人、税金の横流しを受けもうかっている者、カルトのような妄信的な応援団だけが愛国者だと?
頭の物差しがおかしいとしかいいようがない。まだこの人を持ち上げる人が、結構いることが不思議でならない。
関連記事。バッハ言い間違い、チャイニーズ・ピープルの安全目指す。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/116356
コメント:中国に行けば歓迎されるだろう。
・今や復興五輪でもコロナ克服五輪でもない。仮処分申請に注目。福島。
https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=116254&pid=387992
1949.五輪パンデミックが始まる 21/7/15
東京感染者1149人、第4波ピーク上回る。
10万人の外国人選手・関係者が入国する。
しかも事実上、制約なしで都内を動き回る。
都知事は五輪優先で、都民の盾になる気など
さらさらない。暴力には様々な形があるが、
国と都が都民にしていることは、ウイルスの拡散と、
病床の五輪関係者優先という暴力である
菅はバッハに英知と努力を結集すると言ったが、
現状の例外だらけの状態では、何もしていないのと同じ
五輪の選手が選手村入り。ところがバブルの中に閉じ込めることは不可能なばかりか、組織委には外出監視をするつもりさえない。事実、選手が既に都内を出歩いている所を目撃されている。しかも選手村での感染状況は公開しないと政府は言っている、その結果、何が起きるかは明白。選手村でのクラスターである、毎日PCR検査をしても、それは検査に過ぎないのだから、感染は起きる。そしてその感染が都民にも波及するのも時間の問題。国民の安全安心が聞いてあきれる。選手へのお土産は外国産のウイルスになるだろう。
関連記事。来日する選手や関係者10万人超。
https://www.47news.jp/national/6519103.html
・小池知事は西村大臣の恫喝発言を強く支持。その後のだんまりをメディアは追求せず。
https://news.goo.ne.jp/article/nikkangendai/life/nikkangendai-747650.html?utm_source=taboola&utm_medium=referral&dc_data=4703538_fujitsu-jp
コメント:どうしても、この騒動の裏に、飲食店嫌いで、取り締まり強化の立役者の小池百合子がいるとしか考えられない。無党派層の有権者に告げる。小池に、都政でも国政でも、権限を付与することは、令和の女性ヒットラーを作り出すことに他ならない。それにつけても、なぜ日本のメディア(と記者)はこうまで小池に忖度しなければならないのか、その理由がさっぱり分からない。(政界の)アイドルでも、もてはやしているつもりなのだろうか。それとも魔女がアンタッチャブルの魔法でも掛けているとでもいうのだろうか。但し、小池を支持する都民が複数いて、その人たちを敵に回したくないというのなら、それは根本的なところで間違っている。報道機関の重要な役割、客観的な立場で権力の不正や不備を指摘し、批判するという、基本的な機能を自ら放棄していることになるからだ。だから日本のメディア(NHKを含む)は三流だと言われるのである。
・無観客は、日本がワクチン確保に失敗したため。
https://diamond.jp/articles/-/276556
コメント:専門家会議が開発に数年かかると言ったので政府の決断が遅れた。専門家会議も感染研も厚労省も、製薬会社や、医師会の方ばかり見て、国民を顧みなかった結果が今の体たらくです。
1950.加藤陽子 21/7/16
今回の前書きは朝日新聞(7.15)のオピニオン&フォーラムから、歴史学者、加藤陽子のインタビューです。テーマは学術会議の任命問題です。
(前略)「首相が『人事の問題なのでお答えを控える』と言う時、彼は『なぜ外されたか分かるよね?』と目配せをしているのだと思います。自民党を批判したからだろうとか、政府批判に関わったからだろうとか。国民がそう忖度することを期待しているから、説明しないのでしょう。忖度を駆動させない対策が必要です」
(中略)政権や指導者が国民や議会に十分な説明をしないことは、社会に何をもたらすのでしょう。
「日本の歴史を振り返れば、政権や指導者が国民に十分な脱明をしなくなりやすいのは、対外関係が緊張し安全保障問題が深刻化したときでした。しかし歴史は、そうした傾向が国民に不利益をもたらしたことも教えます」
「戦前の日本は、満州事変(1931年)を機に国際連盟を脱退し、常任理事国であるという巨大なメリットをみすみす手放してしまいました。もし脱退の必要性を政権が国民に説明していたら、それは国益に資するのかという幅広い検討機会が生み出され、脱退しない展開もありえたはずです」
ご自身を菅首相が外した理由は何だと推測していますか。
「歴史記録を長年眺めてきた者の直感ですが、2014年ごろから安保法制に反対したり『立憲デモクラシーの会』に参加したりしたことを含めて、政府批判の訴えをしたからでしょう。新聞や雑誌にコラムを書いたり勉強会で講師をしたりといった大衆的な影轡力を警戒されたのだと推測します」
「任命拒否問題の本質は、政府が法を改正せずに、必要な説明をしないまま解釈変更を行った点にあり、それは集団的自衛権の問題や検察庁幹部の定年延長問題とも地続きであること。私か国民の前でそれを説明することができる人間であったことが、不都合だったのではないでしょうか」(以下略)
コメント:日本には世界に誇れる女性(主に知識人)が何人もいます。無論そうでない有名人の方が圧倒的に多いことも事実で、有識者にもいろいろあって、世界を動かす何人かに選ばれるような人は、むしろ人物より時流に乗ったパフォーマンスで目立っているだけのことが多いので、自分で判断できないからと言って、安直にメディアの評価を信じ込むのはリスクが大きすぎます。
難民高等弁務官だった緒方貞子も日本が誇る女性の一人ですし、上野千鶴子もいます。最近ではJOC委員で、堂々と五輪批判を展開した山口香(かおり)がいます。コメンテーターでは元アエラの編集長浜田敬子がいます。フォトジャーナリストの安田菜津紀もいます。いずれも穏やかな話しぶりですが、言うべきことは言い、しかも強い芯を感じます。そういう人たちが、(菅や安倍や小池ではなく)日本の首相になれば、メルケルとでも対等にやっていけるだろうと思います。
しかし選挙民には人を見る目もなく、また判断材料さえ十分に与えられていない日本の選挙制度では、無責任な公約や、無意味なパフォーマンスや、ポスターの写真やTV映像の印象だけで、事実上の選択が行われがちです。でもこれは、本当はとても恐ろしいことなのです。というよりその結果が今の日本の、そして東京の惨状の原因なのです。
私はもう老い先短いのですが、もう少し寿命があれば、国民や市民が中心となった活発な草の根の選挙活動を立ち上げたいと思っています。政府のお仕着せではなく、国民が自ら手弁当で集まって、候補者と論じ合い、各々が支持する候補者が決まれば、それぞれ自分が推薦する候補者の為の応援団を形成する。ビラマキや戸別訪問も厭わない。米国ではそういう方式が普通なのだと思います。個人主義の国ですが、(選挙も)自己責任の国です。
選挙でも誰かに言われて(またはそそのかされて)、あるいは誰かの為に投票するのではなく、自分の為に投票する。そうなれば選挙は他人ごとではなくなる。そういう仕組みにならないと、日本では民主的な選挙も、民主的な議会も実現できないと思います。
そして候補者同士の討論会を、総務省ではなく国民がセットアップし、自由に質問する。政も官も指導、介入しない、自由な討論。それが日本では一番欠けているように思われるのです。
そしてそういうボランティアの国民討論会の冒頭には、是非とも最初に名前を挙げた女性知識人に講演をお願いしたい。野党第一党の立憲民主に勢いがないのは、彼らが国民の代表である前に、利益団体(連合など)が後ろに控えていて、いつも裾を引っ張っているからです。
組織票に巻き込まれず、組織票も当てにせず、人物と主義主張だけを見て、国民と日本の将来の為に、議員を選ぶ。そこから日本の本当の民主政治が始まると思います。優れた人物には男性も女性もないのです。そして議員には到底向いていない人にもまた、男女の区別がないのです。
・五輪中止署名、45万人。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210715/k10013140481000.html
コメント:珍しくNHKの報道です。安倍晋三なた反対派を、“反日のあんな人たち“と呼ぶのでしょう。国民にも皇室にも、多大な迷惑を掛けてきたのは、他ならぬ自分自身だというのに。
・バッハ、コロナのリスク持ち込むことはない。五輪関係者は出入り自由。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/116741
コメント:五輪組織委とは、一体何をする組織なのでしょうか。例外を作るための組織なのか。来日選手でもワクチン打っていない者は15%含まれるのです。
・来日の五輪選手ら6人が陽性。組織委、国名明かさず。
https://mainichi.jp/articles/20210715/k00/00m/050/118000c
コメント:ならばなぜウガンダは明かしたのか。