「オンライン・オピニオン」
「清和会から宏池会へ」
「願い事」
「ウクライナ」
「すべての既得権の見直しを」
「岸田外交の違和感」
「ボキャ貧」
「表現の自由の侵害」
「違和感ワンダ−ランド」
「ドライブ・マイ・カー」
「安倍晋三の不起訴特権」
2101.清和会から宏池会へ。22/3/11
雑誌世界の4月号のメディア批評(神保太郎)から二行だけ紹介します。
英国の文学者、サミュエル・ジョンソンの格言。
「愛国心はならず者たちの最後の逃げ場だ」。
コメント:そういえばトランプも、高市も、そしてNHKの岩田記者も愛国心を振り回しています。。
今回の前書きやや長めです。よく若い人が政治に関心がないと問題視されますが、70歳をとっくに超えた私も、本格的(?)に政治に関心を持ち始めたのは最近です。特に第二次安倍政権以降です。自分なりの考察を進める内に、一番分からないのが、自民党の派閥の根拠と政治理念でした。そこに世界4月号に、沖縄密約の暴露で有名な西山太吉が、自民党の派閥を分かり易く紹介している論文があったので、一部を、ご紹介したいと思います。結論だけ言うと宏池会への応援歌です。一方で清和会のあくどさがはっきり分かります。もはや政治集団というより(民主主義に対する)暴力団です。西山記者は、やはり只者ではありません。
… このように見てくると、池田派の宏池会と佐藤、そして福田派の発想法の違いがよくわかる。宏池会は「結論ありき」の前に、その結論の内容とそこに持っていくまでの方途を綿密に検証する。これに対し、佐藤、福田のやり方はまず結論ありき。即ち沖縄返還にたとえれば、「返還ありき」がすべてに先行し、そのための代償は鵜呑みにされてしまう。だから代償があまりにも重大な影響を及ぼし、混乱を招きかねないと判断されれば、「密約」という反民主的な手法が採用されることになる。岸は新安保条約調印の際は、「朝鮮議事録」、すなわち在日米軍の朝鮮半島への出動に関する限り、他の地域とは違って事前協議なしという密約を締結した。また、佐藤の沖縄返還にあたってはほとんどすべての重大事項が「密約」とされてしまう始末だった。宏池会流のやり方では「密約」なるものはあり得ないということになる。宏池会の連中はよく言っていた。
「政治の最重要事項は决定までの過程でもれてしまうと、多くのトラブルを派生させる。だから、その発表は慎重でなければならない。しかし、ウソは絶対につかない。誘導は絶対にしない」と。
宏池会流のやり方の特徴は、法律万能主義ではないということである。法律の規定によって社会を拘束し、統制するというやり方には慎重であった。だから、岸の新安保条約にも乗り気ではなかった。米国の日本防衛義務の法制化が新条約の骨格であったが、この法制化によって日本の対米従属性は一段と強化され、固定化するおそれがある。
旧安保条約でも、日米同盟の有効性は十分保障できるというわけだ。岸は、日米同盟強化の手段として警職法の改正にも乗り出したが、こうした法律による社会統制論にも宏池会は反対であった。このような規制は逆に社会全体の厚擦と反発を誘発することになるというのだ。政治、社会上の重要問題については、常に国会を中心に話し合いによって問題点を洗い出し、有効な解決策を探るというやり方である。
この宏池会が今では分裂し、麻生派のごときは宏池会の流れを引きずりながら、反宏池会ともいえるほどの変節ぶりである。宏池会はなぜ衰えてしまったのか、一言で言えば後継のリーダーがいなかったからだ。「加藤の乱」が示したように、後継者の指導力の欠如、認識不足が今日の宏池会の没落を招いた。一歩の清和会は福田太加夫亡きあと、小泉純一郎という異色の政治家の登場によって隆盛への土台を固めた、といえるのではないか。
小泉の治政でとくに目を引いたのは、イラク戦争への参戦であった。非戦闘地域へ陸上自衛隊を派遣したが、一方では国民に知らされていない隠密行動が展開されていた。航空自衛隊は、国連の人道支援の名目で、クウェートーバグダッドの定期輸送を行っていたが、実際には武装米兵を輸送していたことが後に発覚した。事実上のイラク戦争参戦である。イラク戦争の大義名分は、イラクが国際テロ集団のアルカーイダとつながり、さらに大量破壊兵器を生産し、保持しているということだった。しかし、これらはすべてCIAがでっち上げたデマゴーグであったことが発覚したのだ。英国では、イラク参戦に非難が集中し、独立調査委員会によって数百ページに達する調査報告書が作成され、公表された。これに比べ、わが国では数ページにしか過ぎない外務大臣報告書が提出されただけで、国民向けのものは皆無だった。この政治責任はすべて小泉に帰せられるものである。
しかし、小泉はイラク戦争を検証することなく、安倍晋三にバトンタッチする。ここから清和会は全盛期に入る。
第二次安倍政権は、戦後最長の政権である。同時並行して、宏池会は衰退期を迎える。清和会系が強くなれば、宏池会系は弱くなる。このような政治力学が、日本の保守政界の方程式となった。この両派は、それほど対照的なのだ。
安倍の政策は、アベノミクスと自称し、徹底した金融緩和によって、大企業の経済活動を剌激し、雇用を促進するというものだった。一方、国の外交、安全保障に関しては日米軍事同盟を法制によって画期的に拡充し、固定した「型」として完結させるというものであった。これによって日米同盟は完全に一体化したが、同時に、日本の国家としての選択は拘束され、抑止されることにもなった。事実、安倍政権になって清和会本来の政治手法、すなわち法的規制による社会の枠組の設定は本格化し、本領をあますところなく発揮していった。
清和会の元祖ともいうべき岸信介はかつて太平洋戦争時における統制経済の「生みの親」ともいうべき存在であったが、そのやり方が形を変えて復活した感さえあったのである。安倍は尊敬する人物として、真っ先に新安保条約に調印した祖父の岸信介をあげるが、まさしく、安倍の政治手法は岸に酷似しているといってよい。日本は日米同盟を国の安全保障の根幹と位置づけ、その為に安保条約を締結している。安倍はその条約の上に、さらに法的規制を追加して安保の拡充、再編をめざした。このように追加していくと、行きつくところは海外派兵にまで及んでしまう。安倍の新安保法制では、わが国の平和及び安全に重要な影響を与える事態と判断された場合には、在日米軍の海外出動時に自衛隊を前線に派遣し、支援できるようになった。安倍の安保の追加規定によって、自衛隊の使命は変革され、ひいては国の「かたち」まで変わってしまった。
さらに安倍政治における清和会的方式の典型は、内閣人事局を設置して首相官邸による行政権の一元的統制化を固定したことである。各省の官僚幹部は、首相官邸の顔色をうかがうようになり、公文書の改ざんが頻発した。民主政治の根幹である情報公開は人為的に抑制されるようになり、ついには森友学園にまつわる公文書改ざんにからんで、自殺者まで出す結果を招いた。
宏池会の発想は逆に各省の官僚にその責任内で、自由に仕事をさせ、それによって行政能率を向上させるという認識が強く、中央への過大な権力集中には否定的であった。宏池会流のやり方は、法的規制による秩序化は、人間の自由な活動を制約し、その発展を阻害する、社会の安定と創造の原動力は、法律によってではなく、人間の自由な発想と行動の保証によってもたらされる、というものである。
しかし安倍時代においては、宏池会方式はすべて排除された。そのウラには、「宏池会流のやり方では、何もできないではないか。思い悩むだけで、結局は逃げてしまうことになる」という冷ややかな受け止め方が多かった。宏池会は独断専行ではなく、結論に至るまでの扱い方に慎重を期していくというやり方であったが、それを適正に評価する声は案外に少なかった。
宏池会はいまでは往年の権威はなく、その勢力は完全に失墜した。逆に岸、福田系の「清和会」は黄金期を迎えている。(中略)
「平家にあらずんば人にあらず」ではないが、「清和会にあらずんば人にあらず」である。さらに注目されるのは、最長期政権の主人である安倍晋三が同会の会長に就任し、なおも強大な発言力を確保したことである。清和会流の統治は、当分は続くだろう。
一方の宏池会はどうなるのか。その再建と復活は容易なことではない。一部には林芳正外相に期待する向きもあるが、彼は自らの政治活動については適切、果敢なところはあるが、政治全般の指導力と判断力は未知数である。それよりも本来の宏池会流の政治手法が、いま一度見直され、検証されねばならない時期に来ているのではないか。安倍長期政権によって築き上げられた権力の一極集中、そして相次ぐ公文書の改ざんが示したように、情報公開の抑止と制限など民主主義の後退が指摘されてきた。本来なら、宏池会出身といわれる岸田首相自らが、それらの要因を徹底的に検証し、修正しなければならないのだが、それは期待外れに終わる公算が高い。宏池会の政治思想と政治手法はいま総点検されるべき時期にきている。
コメント:小泉には悪名高い竹中との新自由主義の導入という大罪もあります。自民党の一党独裁政治から脱却し、民主主義と議会政治を標榜する以上、自民党の一党独裁政治ではなく、宏池会流であるべきだと思いますが、かといって厚労省の官僚や医官が権力を振り回す様は、それはそれで目に余るものがあります。また佐渡金山や、核共有発言などから、安倍、即ち清和会の言い分を、少なくとも多くの国民がまともに相手にしなくなってきていると思います。直感ですが、安倍が仕切るようになってから、清和会には以前のような勢いはないと思います。とにもかくにも、岸にルーツを持つような派閥は、一日も早く解散して欲しいと、心から願っています。
2102.願い事。22/3/15
今私の願い事がかなうならば、(白い)翼が欲しいというのは、翼をくださいと言う歌の歌詞ですが、今私の願うことは、日本が良い国になることです。なぜ私的な願いではないかというと、その日本に、自分の子どもや孫が暮らしているからです。一部の人間(権力層、既得権者)だけに偏った政治から、万人のための政治に、そしてお互いが気遣いあう世の中でないと、安心して暮らすことができないからです。ところが今の日本は酷い。酷過ぎる。しかも、とりわけ社会的弱者にとって住みにくい国になっている。しかもその事実を誰も指摘しようとはしない。階級社会になっている現実から眼を背けようとしている。ほぼ毎日のように起きる、悲惨な事件も他人事のように、あくまで特殊な事例のように感じている。だから分析も反省もない。そして繰り返される。甚だしきは模倣犯まで現れているのです。
政治の目的、本質は不幸な人間(国民)を減らすことです。その趣旨が、自民党(特に右派)には全く理解されていないらしい。後は野党がどこまで頑張るかです。
お早うございます。
めっきり春めいてきました。融雪剤はもう必要がなさそうなので、倉庫にしまいました。ついでに、災害時用の発電機を点検し、ガソリンだと保管が難しいので、カセット・ボンベが使える発電機を追加手配しました。
ウクライナは相変わらず膠着状態ですが、ロシア側から漏れてくる情報もあり、少しずつ事情が明らかになりつつあります。プ−チンの支持率が上がっている(77%)のは事実のようですが、これは戦争の時には必ずみられる現象です。それにしても、なぜこんな杜撰な戦争になったのかと言えば、背後に存亡をかけたロシア軍(特に国防相)がいて、プーチンをつついたこと、またロシアの諜報機関もゼレンスキーの人気を見誤ったことが考えられます。しかもそこに、独裁者にへつらう側近が、間違った情報を(プーチンに)流し続けたものと思われます。
日本でも『忖度』で死者まで出していますが、ロシアではそれが戦争に発展したということでしょう。しかも日本の忖度の超本人は、核の共同保有などと騒いで、東南アジアに厄介払いされ、遠吠えしています。その言説たるや、余りに荒唐無稽、馬鹿丸出しなので、私は一切取り上げていません。日本は恥(国辱)も輸出しているようです。
なおウクライナ問題の解説で、信用できそうなジャーナリストが二人います。一人は、元朝日のモスクワ支局長の駒木で、もう一人は、口は重いが説明は正しい、元時事で拓大教授の名越です。ベストが居れば、ワーストもいる。タレントや芸人の、その場限りの素人意見は一切無視するとしても、筑波大のN教授は、余りにも支離滅裂で、この人で(筑波大も)大丈夫かと言いたくなります。
なお私はそろそろ、私はプーチンに亡命を勧める国が出てきてもいいのではないかと思います。さもないといずれ軍部が偶発的な事故を手配するかもしれません。
今日の参院予算委員会で、久しぶりに福山が質問していました。衆院選での敗退で、幹事長としての責任を取り、鳴りを潜めていましたが、未だに立憲きっての論客であることに変わりはありません。国民が知りたいことを引き出す努力を評価します。
最近の国会の質問では、名前も顔も良く知らない議員が、どうでもいい質問を重ね、これでは立憲はもういらない(=国民の役には立たない)と思っていました。何が政策提案路線ですか。その前に、まず自民党の腐敗・不正(自浄能力ゼロ)と、国民の不平等・不公正を糺すことが急務でしょう。小沢、江田、長妻、枝野などが、総力を挙げて自民党に立ち向かい、自民党を追い詰めた時こそ、国民の支持は立憲に戻ってくるのです。参院選で都民ファの正体不明の候補者(=小池の元私設秘書)に負けでもしたら、その時こそ本当に立憲はお終いです。
・NHKの費用肥大化。
https://toyokeizai.net/articles/-/538365
コメント:全員かどうかは別にしても、社員・役員の慢心は否定できないのではないか。問題はそれが、国民を見下す姿勢につながっていることです。最近では岩田明子の歴史隊発言(何様のつもりか)があります。またスマホを持っているだけで料金を取る案も出ています。そうなると(国民の声等完全に無視した)専制企業です。そろそろ国民はNHKを相手取った、集団訴訟に踏み切るべきだと思います。
2103.ウクライナ。22/3/16
今回はウクライナ特集です。
ウクライナ問題について、ロシアの侵攻を非難する論調は皆同じですが、国際情勢の分析は百家争鳴、これというものが無い混乱状態の中で、朝日新聞(3.15)に、分かり易い解説が掲載されていたので、参考までに、一部をご紹介します。
オピニオン&フォーラム「冷戦に舞い戻る世界」
独裁者最後の賭け、既存の国際秩序に衝撃と揺り戻し、田中明彦から
―ロシア軍のウクライナ侵攻は、2001年の米同時多発テロ以来の衝撃です。
「それだけのインパクトがあると思います。ただ、欧州の人にとっては、さらにさかのぼって、1939年のドイツ軍のポーランド侵攻を想起させるものです」
―確かに今回はテロではなく、国家による侵略です。
「同時多発テロを起こしたのはアルカイダという非国家主体で、21世紀型の脅威でした。これに対しロシアの侵略はあまりに古典的な、時計の針を80年以上も戻すような危機に見えます。主権国家の栄光を守ることが最大の善だと錯覚した指導者がいる。戦争が国家の普通の行為だった近代の世界に生きているかのようです」
…「冷戦後、近代圈の国々もかなりの経済成長を遂げました。典型は中国とロシアです。民主化するかと思われましたが、政治体制はむしろ強権的になった。2010年前後から軍の活動を活発化させ、20世紀的な行動をとっています。相互依存は進むのに民主化は進まず、NGOなどへの統制も強まっている。世界が一つになって経済が成長し、民主主義国が増えていく冷戦後の世界には揺り戻しが起こったのかもしれません」
―強権的な国々がこのまま発展していくと?
「それも一直線ではないでしょう。もちろん急速に経済・社会の改革を進めるには、権威主義国家の有能な独裁者が役に立つことはあります。これが自由な民主制の国だとまず結論を出すのに時間がかかるし、結論を出しても、次の選挙でひっくり返されたりする」
「しかし、とりわけ長期独裁政権は問題が多い。独裁者も長くやっていれば、有能でなくなることもあるし、判断ミスもある。その時、交代させる仕組みがないのが問題です…」
―それがプーチン氏ですか。
「そうです。一般の組織でもよくあることですが、成功し続けると、自分が必要不可欠な人間であると信じ込んで、頭の中が組織と一体化してしまう。でも、人間のやることに余人をもって代えがたいことなどないですよね」
「最近のプーチン氏の発言を見ていると、彼自身がロシアになってしまっている。これまでチェチェン、ジョージア、クリミアなどで軍を動かし、結果を出してきた。ここで一大決心をすれば、今回もうまくいくと思ったんじゃないか。ギャンブルに勝ち続けてきた独裁者の最後の賭けですね」
「19〜20世紀に同じようなことをやってきた指導者はいますが、21世紀になっても一人の独裁者の暴走に多くの人々が振り回されている。人間は変わらないものだ、
―米国の衰退も影響しているのでしょうか。
「衰退というより失敗ですね。イラク戦争とアフガニスタン戦争は失敗だった。米国内の経済格差も放置してきたために、世論が分断され、自らの国力を十分発揮できない状態になっている」
「米国の失敗を観察した近代圈の国々は、そこにつけ込んで影響力を伸ばそうとします。国と国の関係を『力と力で』考える。指導者が国内のチェック・アンド・バランスで監視されていないので、止める手立てもありません」
―バイデン米大統領が「ウクライナには米軍を派遣しない」と表明したのも、抑止の失敗を招いたように見えます。
「なぜ明言したのか疑問です。実際は派遣しなくても、あいまいにしておけばプーチン氏は計算がしにくかったはずです。バイデン政権の支持率の低さがあるのかもしれないし、米国を戦争に導いたと言われるのを嫌ったのかもしれませんが」
―国際秩序が、ガラガラと崩れていくような不安を感じます
「バイデン氏の対ロ政策は『冷戦型』です。『熱戦』にしてはいけない、という考え方が非常に強くあり、ロシアと米国、ロシアとNATOの直接対決を避けている。それは核による第3次世界大戦を回避するという意味があります。プーチン氏が自ら核兵器の存在を強調しているのは、米国の軍事介入を抑止するためです」
―それが秩序につながっていくのでしょうか。
「好ましい秩序ではないですが、かつての『冷戦型』の秩序なるという見方はあり得ます。…それは国連の安全保障理事会が無力になってしまう秩序とも言えます。安保理の常任理事国を相手に戦争はできないというのが国連のシステムです…。核保有国である常任理事国の5大国が戦争を起こしたとき、国連の集団安全保障で鎮圧、懲罰しようとすると、第三次大戦に発展しかねない。納得できないけれど我慢しましょうということです」
(中略)
「米国としては中国をロシアの方に追いやらないようにするのが賢明だと思います。短期的には米中新冷戦を暫時休戦としたり、米中和解の動きが出てきたりしてもおかしくない状況と言えます」
(中略)
「冷戦後、どこへでも行けて、どこと貿易してもいい。そんな幸せな時代はなかなか戻って来ないと覚悟しなければなりません」
なおこの記事はネットでも読むことができます。
https://www.asahi.com/articles/ASQ3G3DMYQ39UPQJ00Y.html?iref=comtop_7_01
コメント:人間のやることに余人をもって代えがたいことなどない、ギャンブルに勝ち続けてきた独裁者の最後の賭けという指摘はその通りだと思いますが、今のウクライナ侵攻を、どうすれば止めさせられるかのヒントが無いのは残念です。国連が今のままで良いとも思えません。
私は田中学長の分析には市民の力、取り分け民主主義へのひたむきな情熱が全く勘案されていないように感じます。国民は為政者に黙って従う、羊の群れに過ぎないのでしょうか。天安門では戦車の前に立ちはだかった若者がいました。アラブの春もありました。誰も独裁政治など望んではいないのです。今回のウクライナ侵攻にしても、ロシア国民は事実を隠蔽されているからプーチンを支持しているだけなのです。という事は、他の国の国民が、(政府を通さずに)直接ロシアの国民に、何が起きているかを伝え、語り掛けることが重要です。そこではネットの力も使われるでしょう。ドローンでビラ撒きをしてもいいと思います。ロシア国民が冷静で正しい判断をすれば、プーチンを(合法的に)失墜させられるのです。戦争を好む国民などいません。戦争をしたがるのは軍人(と国家主義の政治家)だけです。
また世界の経済システムも、政治的な圧力でいつまでも押さえつけることなどできない。今こそ、市民の力を信じて、楽観論になるべきだと思います。同時に日本が民主主義国から、安倍・高市が目指すような強権国家(言論統制の格差社会)に移行しないことにも、十分な注意が必要です。そしてそのために市民が出来ることは、正しい情報を入手し、批判や主張を発信し続けることです。
続いて週間朝日です。以前は愛読誌でした。しかしとりわけ最新号の、過大とも取れる東大・京大特集(サンデー毎日も同種の特集がありますが、遥かに冷静です)、連合会長のインタビューなど見ていると、本誌が中道の車線を踏み超えて、右側の車線を走り始めたような印象を受けます。なお今号は、古賀のコラム以外に読むところがないのは寂しい限りです。
週刊朝日(3.25)政官財の罪、古賀茂明から
「安倍氏の罪を忘れてはいけない」
…どれくらいの人が赤木さんのことを思い返しているだろうかと考えて、赤木さんの命日のニュースを検索したが、見当たらない。雅子さんに聞くと、取材は断ったとのこと。
それでも私の心には言いようのないもやもやが残る。
その最大の原因は、この犯罪の最大の責任者である安倍氏が、このところ、やたらと存在感を誇示するような言動を繰り返していることだ。彼は、森友事件や桜を見る会などで追い詰められ、最後はコロナ対策に失敗したうえに体調を崩して政権を投げ出した。ところが最近は、そんなことはまるでなかったかのように、岸田総理にあれこれ注文を付けて嫌がらせをしている。
安倍氏は。ロシアによる2014年のクリミア併合に対する欧米の厳しい経済制裁に加わらず、ひたすらプーチンに媚びて、巨額のカネを貢いだ。
「ウラジーミル。君と僕は、同じ末来を見ている」
「ゴールまで、…二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」という安倍氏の有名な言葉がどれほど空虚なものであったか。結局プーチンに騙されて、北方領上返還交渉は1ミリも進まなかった。
そして、今、安倍氏は、「ロシアによるウクライナへの侵攻は、…断じて許すわけにはいきません」とツイートし、自分かプーチンを増長させた張本人であるという事実を消し去ろうとしている。しかも、この危機に乗じて、敵基地攻撃能力では事足らず、ついに非核三原則見直し、米国との核共有の議論まで始めた。国民を核戦争という破滅の淵に向かわせようというのだ。
しかし、そんな安倍氏を正面から批判する大手メディアはない。
安倍氏は都合の悪いことは何でも忘れてしまうようだが、私たちは、赤木俊夫さんのこととともに、安倍元総理の罪も決して忘れてはいけない。
コメント:安倍を大手のメディア(とりわけNHK)が批判しないという指摘はその通りですが、一つだけ、安倍の言葉に偽りが無かった部分があります。それは「プーチンと同じ未来を見ていた」という点です。それは独裁専制国家という夢なのでしょう。それにしても自分の言葉に責任を持たない政治家の言葉を、いつになった国民は信じるのを止めるのでしょうか。またそれは小池都政(都民)についても言えることだと思います。
サンデー毎日(3.27)からは2件あります。
サンデー時評「SNS時代の反戦運動、ロシアとNATOの話し合いを」高村薫から
…さらに、IOCやFIFAは口シアを競技から締め出し、国連総会は2日、ロシア非難決議案を141カ国に上る賛成で採択した。
またロシア国内でも侵攻に反対する大規模なデモが繰り返され、日本を含む世界各国の街角では、市民がウクライナ国旗を掲げて連帯を謳っている。こうした世界規模の反戦機運の盛り上がりは、ベトナム戦争以来ではないかと思う。
21世紀のいまも戦争を始めるのは国家だが、反戦の声はいまやSNSによって驚異的なスピードで世界の市民に拡散し、それがウクライナ支援に直結してゆく。謂わば侵攻するロシア軍を、世界じゅうの市民の手のなかのスマホの発信が包囲しているのである。国家によって偽情報の拡散や陽動にも使われるSNSが、一方では核兵器の便用をちらつかせるプーチンの狂気を暴き、空爆にさらされる市民の悲劇をリアルタイムで伝える。これこそ21世紀の戦争の新しい局面であり、国家ではないGAFAが国家の上に覆いかぶさるかたちで、暇争のあり方を変えてしまったと言えるかもしれない。
ただしそんなSNSも、一発のミサイルや核兵器の前では完全に無力である。これまでに行われた2回の停戦交渉では大きな進展は見られず、このまま戦闘が長引けば、ロシアが核兵器を使用する可能性もゼロではない恐ろしい地点に、世界は差しかかっている。
ところで世界は、そもそも口シアとウクライナの国民を分断した『東と西』という冷戦期の価値観を清算する時期に来ているのではないだろうか。独立国家のウクライナに『西』を目指す自由はあるが、そのことが『東』に敵視の口実を与えているのだとしたら、世界がいまも漫然と据え置いたままにしている『東と西』という価値観こそ解体するべきであろう。こうして両陣営の対立を煽り、戦争も辞さないのは既得権をもつ双方の政治家であって、国民は東も西もないはずである。ここは、旧東欧圏へ拡大を続けてきたNATOのあり方の見直しや、ロシアとNATOの建設的な話し合いへ向けて、世界がもう一段の働きかけを強めるときだと思う。
コメント:ロシアがウクライナを併合するのではなく、ウクライナがロシアを併合した方が世界平和の為だと思います。核兵器を放棄するだけの良識のある国ですから。今頃核兵器を共有したいなどと戯言を言っている、虚言癖の政治家のいる国は及びもつかないでしょう。
倉重篤郎のニュース最前線から、
「日本の民主主義よ、専制とポピュリズムの罠に陥るな」寺島実郎がウクライナ危機を全面分析
ウクライナ情勢から目が離せない。テレビ、ネットに情報が飛び交う中で、やはり参考になるのはウクライナ国内に入り込んだ現地特派員たちのリポートだ。戦闘が激化しつつあるが撤収の気配はない。防弾チョッキを着て取材に走り回っているのだろう。これぞ記者の意気地、メディアの本義である。嬉しいことに無料でフルスケールの記事が読める。
…戦争が試すのはメディアの力だけではない。民主主義というシステムが機能しているか否かもまた厳しく炙り出す。民主主義は、まず戦時下であっても報道の自由を保障するものでなければならない。
民主主義はまた、戦争による弱者、子供の犠牲を阻止する人道主義の立場から原則非戦の構えであり、同時に、少数意見を尊重、多様な考えを包摂し、熟議を凝らす仕組みであり、さらには、法の支配に基づく正義が体現される体制であり、何よりも、専制主義やポピュリズムの罠にはまらない強靭でしなやかなものでなければならない。メディアが事実を広く伝え、人道主義と熟議と正義に基づき、軍事ならぬ民意の包囲網を作り上げ、それをもってロシアの専制体制をも揺り動かす。そんな民主主義のパワーが試されている。
その意味で、この戦争は世界に対し、それぞれの民主主義のあり方を問うている、と言ってもいい。
そんな問題意識を持つ人がいる。寺島実郎氏だ。
いわく、「我々は今進行しつつある途方もない歴史の転換点を目撃しながら、このウクライナ危機を日本の民主主義の試楝にしっかり引き付けて考える必要がある。民主主義は絶えずその手続きが問われ、その中からヒトラーが誕生し、プーチンが出てくるなど、ともすれば専制という大きな逆説に引きずり込まれる可能性を抱える仕組みだからだ」
「思えばロシアも建前上は民主主義国家だが、そこになぜプーチン専制が生まれたのか。プーチンが国際舞台に姿を現したのは、2000年の沖縄サミット。…その後の油価高騰が追い風となった。輪出産品の85%が一次産品であり、エネルギー・モノカルチャーとまでいわれた原油とLNGの国だ。右肩上がりカーブの中でエネルギー産業を国有化し、一気に権力の中枢を握った」
「プーチン神話がそこに生まれ、14年のクリミア半島の分離併合で専制体制への足掛かりを掴んだ。KGB出身のプーチンの世界観は骨の髄まで力こそ正義、というもので、持てる力で謀略の限りを尽くすことを専門的に教育されてきた。権力を握り、それを最大限に行使する、そういう中で台頭してきた人物だ」
―西側からは警戒された。
「その中で際立って親ロシア的だったのが日本の安倍晋三政権だ。14年のソチ冬季五輪開会式に出席、クリミア併合後各国が厳しい制裁を科した時も微温的対応を取り、27回首脳会談を繰り返し、北方領土問題に前のめりの外交を行ってきた。日本がプーチンを増長させた、とまで言われた。
それが惨めなまでに裏切られた後もその検証も行われていない。ここにも民主主義国家としての試練を見るべきだ。プーチン専制体制に対する迎合をやめ、ロシアと未解決の国境線画定問題を抱えるウクライナとの共通点を土俵に、日本の『正当性』を国際社会に向け問い直すべきだ」(中略)
「民主主義のもう一つの落とし穴が、ポピュリズム(大衆迎合)であり衆愚政治に堕することだ。重心を下げないと、危険な罠が待ち受ける。ウクライナ国民に対しては、プーチンによる武力行使の被害国に対する同情を感じる。ただ、同国の分離独立後の30年閥を振り返ると必ずしも国づくりに成功していない。政権が振り子のように入れ替わり、NATOを巡っては、スウェーデンのような非NATOかつ親EUの北欧モデルを実現できなかった。キエフエ科大に象徴される、先端科学の蓄積を生かした口シアに負けない産業立国にも至らなかった」
「民主主義は専制に堕落させてもいけないし、ポピュリズムに引きずり込まれてもいけない。民主主義ほど リーダーが重要な仕組みはない。民衆のレベルも大切だが、リーダーの構想力と戦略性が国家、国民の命運を担う。そういうリーダーを民主主義の仕組みの中でしっかり育てていかないと、結局専制やポピュリズムに傾倒してしまう。日本も他山の石とすべきだ」
「安倍元首相が日本もNATO並みに核シェアリング(共同保有)の議論をすべきだと言い始めた。その論理は、力には力、結局抑止するためには力しかないという考えだ。そうではないだろうと言いたい。ウクライナはソ連崩壊後世界3位の核保有国だったが、1994年のブタペスト覚書で自らが核を放棄し国際社会でのリスペクトを受けようと舵を切った国だ、チェルノブイリ原発事故も体験している。日本がなすべきはむしろ核兵器禁止条約に参加して、核保有国が非保有国を攻撃してはいけないという国際杜会のルール作りを主導することだ。それも日本の民主主義が抱える役割の一つではないか」
―中国は何を見ている?
「実は中国は親ロシアであると同時にウクライナとも戦略パートナーの関係にある。…今回も中国がプーチンのロシアモデルから何を学ぶかが重要になってくる。それは中国の民主主義のあり方にも関わってくる。中国も建前上は『人民民主主義国家』だ。ただ、人民を代表する共産党一党で国家統治することから、政治権力の同定化、党官僚のヒエラルキー化により、必然的に専制化していく。習近平という人物の
権力に執着する特質もあり、さらには、中国国家資本主義体制の株と不動産バブルを軸にした富裕化の進行がある。バブルによる経済基盤では民主主義は育たない。バブルで豊かになった中国人たちの関心事は、国や社会のあり方などではなく、自分と一族の繁栄と安全になる。日本でどういう民主主義を作っていくかという視点から、中国の人民民主主義の分析も必要になる」(以下略)
コメント:最後に安倍外交とアベノミクスの崩壊が同時進行していると締めくくっています。中国の不動産バブルは崩壊していますが、バブルの上に民主主義は育たないというのは、格差社会に一直線の日本、特に異次元緩和の黒田総裁に言いたい言葉です。
・プーチンを支えているのはどんな人か。
https://toyokeizai.net/articles/-/538769
・日本のウクライナ支援物資、米軍機で輸送。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1512L0V10C22A3000000/
コメント:なぜ自衛隊機を使わないのだろう。
・戦争は5月に終結。ウクライナの予想。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6420954
・中国が露に兵器供与。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6420942
・露から頭脳流出。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6420935
・露、小麦など輸出制限。食量自給優先。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6420926
・露、国営テレビでスタッフが反戦訴え。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/165607
コメント:(政権よりの)NHKのスタッフなら考えられないでしょう。NHKは半ばお役所で、情報サービス機関というより、情報統制機関の色合いさえ感じられるからです。
2104.全ての既得権の見直しを。22/3/19
ますます広がる格差。
どうすれば日本を正常な国に戻せるのか。
そのためには、既得権を見直すしかない。
政治の既得権、官僚の既得権、
経営者の既得権、労働組合の既得権、
有名人の既得権、そしてメディアの既得権
ロシアが交渉の場につくのは、たった一つの理由しかありません。それは1万人近い死者を出し、戦意も低下し、国内世論も抑えきれず、戦闘を継続する余力がもうないからです。
関連記事:後方支援に問題。
https://mainichi.jp/articles/20220318/k00/00m/030/102000c
・大手満額回答でも、賃上げ中小は難しく。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/166227
コメント:これでまた大企業の従業員と、中小の従業員の差が開く。非正規雇用者は言うまでもない。大企業の正規従業員を代表する連合の、右傾化した女性代表。日本の格差社会を推進しているのが労働組合という笑えない冗談。連合は新たな特権階級の代表か。これでは非正規や中小の従業員は、代表が嫌う共産党を頼るしかない。私だけかもしれないが、代表の言動からは、知性や品格を感じ取るのは困難である。それに輪を掛けているのがメディアだ。連合を聖域化していないか。構成員は国民の一部かもしれないが、全部ではない。少なくともリベラルな国民の代表でないことは、代表の言動でも明らかだ。政権ならぬ連合への『忖度』から、連合の実態を書く記者はおらず、幹部の報酬さえ藪の中だ。日本のメディアが、ジャーナリズムという観点で、世界の最下位にあるのは、こうした権力におもねる体質のせいである。格差社会を変える近道は、連合や経団連を含む巨大組織の既得権の構造を見直し、組織の私物化や、組織の身勝手な権力行使を糺す為に、理念と構造、そして活動の歴史に、誰かが身体を張って、勇気をもってメスを入れることである。
・適当で無責任なコメント。タレントの能力を超えた発言は報道ではない。
https://www.newsweekjapan.jp/tokyoeye/2022/03/post-104.php
コメント:エセコメンテーターのなんと多い事か。高学歴の中野X子でさえまともなコメントはできていない。いわんや芸人出身のMCや、元スポーツ選手、音楽家など、知性の裏付けのない、無責任なコメンテーターのコメントの、なんと空虚なことか。今
2105.岸田外交の違和感。22/3/20
ウクライナ報道の陰で
毎日多くのコロナ死者が出ている。
岸田首相が慣れない場で、
張り切れば張り切るほど、
違和感と浮き上がり感が強くなる
欧州が静観するのに、
なぜ日本は騒ぐのか。
コロナから注意を逸らせたいのか
日曜(3/20)のタケシのTVタックル(テレ東、特集はウクライナ)をチラ見していて思ったことがあります。それは自分がこの人達と同じレベルでなくて、本当に助かったということです。この日のメンバーは、無言のタケシ(無論無言の方が良い)の他には阿川佐和子、ひろゆき(2チャンネル)、大竹まこと(元祖切れキャラ)、中村逸郎(筑波大)、そのまんま東、で、まともなメンバーは海野素央(明治大)だけでした。著名人必ずしも国民の役には立たない、という一幕でした。私事ですが、会社には面倒を掛け放題だったけれど、NYでの独学の4年が、それほど無駄では無かった事も分かり、少し安心しました。
・ゼレンスキー、23日演説へ。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6421345
コメント:衆院議員会館で、国会でないのが救いです。その時にゼレンスキーに忠告したいのは、真珠湾攻撃ではなく、東京大空襲を例に挙げるべきだという事です。
ウクライナ侵攻に関する岸田首相の言動には常に違和感が付きまといます。国際正義の為というより、バイデンへの忖度が透けて見えるような気がするからです。今回の訪印を含め、理念や思想よりも、自分や自民党の政治的立場、即ち参院選を強く意識したものに思えてならないからです。次の訪問地カンボジアでは、一体誰と何を話そうとしているのでしょうか。岸田首相の外交能力は、未知数です。外交は正論だけでは意味が無く、飴と鞭の世界でもあります。かつて安倍元首相は対外援助をばらまくことで(飴だけで)外国の歓心を買おうとしました。相手が約束を守ったかどうかの検証さえしていないのです。愚かな行為であり、援助した東南アジアの国々が、裏で舌を出していたとしても、おかしくないのです。
さらに、現実的な問題として気を付けなければならないことは、思想や正義の為ではなく、米国のご機嫌を取るために動くような国は、何処からも相手にされないどころか、米国以上に毛嫌いされるという事です。それは戦争が終わった時に、交渉で苦しい立場に立たされることを意味しています。
米国にICBMを打ち込むことは躊躇しても、属国なら抵抗感が少ないでしょう。中距離ミサイルを撃ち込んだとしても、米国が反撃する可能性は五分五分です。日米安保条約を無視しても、罰則があるわけではない。米ソ、米中の関係が悪化すれば、米国の盾、もしくは身代わりの日本が、小手調べのミサイル攻撃を受け(中露の代わりに北が行動を起こすかもしれない)、そこでまともな反撃が無ければ、ロシアが北海道に、中国が沖縄に侵攻することだって、あながちないとは言えないでしょう。ウクライナ侵攻を見て学べることは、今の国際情勢では、どんなことでも起こりうるという事です。しかもその時、米国が反撃する保証もないのです。というより米国は、日本にある自国の基地を直接攻撃されない限り、動かない可能性さえ考えられるのです。日本の、特に自民党政府は、日本が米国にとってこれ以上はない防波堤(中曽根の言う不沈空母、しかも自国の軍隊はいつでも撤退自由)になっていることを再認識する必要があるのです。
岸田首相が(米国の代りに)ロシア制裁を声高に叫べば叫ぶほど、ピエロの印象が強くなることを、側近は助言するべきです。それは日本人が道化を演じていることに他ならないのです。そもそも首相が率先して恥を世界に晒さなくても、ロシアをけん制し、ウクライナを支援する方法はいくらでもあるはずです。今日本がとるべき行動で一番大事なことは、国家としての立場とその価値観です。ロシアからも、米国からも、中国からも中立な一独立国の立場に立っていることを、自らが強く認識することです。米国の傀儡、あるいは下働きだと思われた瞬間に、いかなる説明も援助も制裁も、意味を成さなくなるのです。それを安倍政権時代の日本は、湾岸戦争で身に染みて経験(膨大な支援金を出したのに、クウェートから感謝さえされなかった)したはずではなかったでしょうか。
百歩譲って、非武装でなくてもいいから、少なくとも、永世中立の立場だけでも宣言しておく必要があります。それが岸田首相の本来の役割です。だからこそ武力で外国に攻め入ってはならないし、攻め込まれることがあってもならないのです(米国の属国でなければ)。その上での対ロ、対ウクライナ政策なのです。米国に対しても、隷従するだけでなく、大人の国家としてのプライドに基づき、一定の距離を置く必要があります。そうでないと、ロシアにとってのベラルーシのようにしか見なされなくなる。心身ともに独立することで、初めて国際社会で信用されるのです。日本は東洋のスイスを目指すべきなのです。そのような中立の国が集まって、大国の身勝手を抑制できる、国連中心の国際安全保障体制が築かれるべきなのです。
・プーチン、公式行事で侵攻正当化。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6421388
コメント:ところが国営放送が放送中断。命がけだろう。お役所NHKにこの真似ができるだろうか。
・習近平、1刻も早く終結を。バイデン、露支援なら結果伴う。
https://jp.reuters.com/article/usa-china-xi-ukraine-idJPKCN2LF1OH
・第6波。感染者数、下りきらない理由。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/k10013539421000.html
関連記事:感染経路把握困難に。第7波の懸念。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/166276
・東電、節電への協力呼びかけ。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/k10013540681000.html?utm_int=all_side_ranking-access_003
2106.ボキャ貧。22/3/24
私の数多い欠点の一つに語彙の少なさがあります。これは学生時代に文学書を数多く読むことを怠ってきたせいだと思います。自分では平易な文章で分かりやすく理念を(特に若者に)伝えるため等と言い訳していますが、要はボキャブラリーが貧弱なだけです。その例を他に求めるのは失礼というものですが、思想も表現も似たような寄稿を見つけたので紹介します。平易な言葉でも、必要なことは伝えられるという見本になればと思います。WTWも、ある意味でネット芸人なのかもしれません。
朝日新聞(3.24)オピニオン&フォーラム、耕論
「空気読み、政権のポチに」松元ヒロから
政権を批判するコメディーを演じたり、日本国憲法を人に見立てた「憲法くん」の芝居で護憲を訴えたりしています。公演の場は、舞台や市民による催しで、テレビ局からは、ほとんど声がかかりません。「偏向している」という視聴者やスポンサーの批判を恐れてのことでしょうか。
かつてはテレビの世界にいて、1985年に日本テレビ 「お笑いスター誕生」で優勝しました。でもその3年後。「世の中、何かおかしい」感じるようになりました。
昭和天皇の病状が悪化し、自粛ムードが高まった頃です。テレビだけでなく、会社の忘年会の余興などの仕事も次々にキャンセルされました。理由は「ご時世ですから」という一言でした。
日本で大事なのは、「空気を読む」ことのようです。でも、みんなが空気を読んで黙っていたら権力者は、やりたい放題です。なかでも野党とメディアは、おとなしくしていたらダメです。最近、野党について「政府批判ばかり。建設的な対案を出すべきだ」ということが言われます。それって政権が仕掛けた「わな」じゃないですか。なんと言っても野党の一番の役割は政府批判です。ところが、政権にすり寄る野党の姿が目につきます。
メディアのことを英語でウォッチドッグって言うんですね。権力を監視する「番犬」です。それが政権からエサをもらってポチになった。みんなが空気を読んでおとなしくしていたから、あの戦争になったんじゃないですか。
若い人がおとなしいのも気になります。教育の影響が大きいと思います。親も先生も、子どもたちをいい学校に行かせたい。受験勉強中心で、入試に直接関係ない現実の政治や社会、人権のことはあまり教えません。ロシア国営テレビでウクライナ侵略に反対し「戦争ノー」の紙を掲げた女性スタッフがいました。独裁下でも声を上げる勇気ある人がいます。背後には彼女を支持する多くの職場の人たちがいたのでしょう。アナウンサーは落ち着いているように見えました。あらかじめ分かっていたのではないですか。
「僕はもうテレビに相手にされることはない」と思っていたら、故郷の鹿児島のテレビ局がドキュメンタリーをつくってくれました。スタッフが「なぜこんなこと、テレビでやれないの」と疑問を持って始まった企画でした。
人々は勝手に空気を読んで忖度している。僕も「どうせテレビはそんなもん」と決めつけていました。恥ずかしくなりました。
今の政治がおかしいと思う人は少なくありません。勇気をもって声を上げる人がいれば世の中、勣きます。それができるのが民主主義の世の中なのです。 (聞き手・桜井泉)
コメント:これくらいでも偏向と思われる社会に、いつの間には日本はなっていたのですね。でもこれこそが、岸の亡霊たる安倍晋三が、戦前の日本に戻すために、8年間で成し遂げたことだったのかもしれません。若者から変革の気力はおろか、生きる意欲さえ奪い、それでなくとも安い収入さえ失わないために、ひたすら現状維持を是とする生き方を刷り込んできた。貧富の差の大きい、階級社会が当たり前のものだと思い込ませてきた。だから我々のように、多少とでもリベラルなものの見方をする者は偏向と呼ばれ、サヨクとののしられるようになったのでしょう。
ならば偏向、結構。サヨク(でもアカでもいいが)、上等ではないか。私は死ぬまで極右国家主義者(これが本物の偏向)と闘い、それで道半ばで死ねれば本望です。経団連は、言わずと知れた資本主義と政府の番犬ですが、最近ではあきれたことに、『労働組合』(連合)や『野党』(国民民主、維新)までが、資本主義の飼い犬になって、自民党政府に尻尾を振り、国民には牙をむいています。なぜなら大人しい国民は、絶対に?みついてこないと、高を括っており、舐められているからです。
但し教育については、もう少し深い考察が必要です。なぜなら教育とは、戦前の教育のように、国に都合の良い価値観や歴史観を、頭の柔らかい生徒に、画一的に刷り込むようなものであってはならないからです。政治の歴史を客観的に学び、民主主義の原則と長所短所を理解させたら、あとは生徒同士が互いに意見を戦わせる場を数多く設けることです。自分と違う意見の生徒がいる。どうやったらお互いの意見の一致を見つけられるかを考える。資料や情報を集めて、また議論する。それが民主主義のマナーなのです。価値観をそのまま教えるのではなく、(いかなる政治理念でも通用する)方法論を教えるのです。
そうすれば自分で考える習慣が出来る。自分の言葉の責任を持つようになる。人生の困難に直面しても、自分の人生を無責任に投げ出す(最近多い他人を巻き込んだ自殺)前に、合理的な方策を考えられるようになる。同時に、困った者同士がお互いに助け会うことの重要性(これも民主主義)にも気が付くはずです。
どんな時でも、状況を正確に判断し、自分を見失わない習慣をつけられたら、その人への教育は、それだけで大成功だと思うのです。安倍晋三氏は、政権のトップにありながら、何度も自分を見失い、政権を複数回投げ出した。そういう意味では、若者にとっては立派な反面教師だと思います。
2107.表現の自由の侵害。22/3/28
今回の前書きは朝日新聞(3.27)の天声人語です。
デモの列に加わるときに思うのは、ここがもしロシアやミャンマーのような国だったら、ということだ。今のロシアなら、たった1枚のプラカードを掲げただけで逮捕され、刑を科されるかもしれない▼軍政下のミャンマーでは、たったひとこと声を上げただけで銃を向けられるか。見えない猿ぐつわが、まちの中にある。日本をそんな状態に近つけてはならない。一昨日の札幌地裁の判決が、強く警告しているように思えた▼3年前、札幌で街頭演説をしていた当時の首相、安倍晉三氏に「安倍辞めろ」「増税反対」などのヤジを飛ばした男女が警察官に排除された。この2人が裁判を起こし、「憲法で保障される表現の自由が侵害された」との判決が出た▼目を引くのが、警察による排除を(表現行為の内容が街頭演説の場にそぐわないと判断し、表現行為そのものを制限しようとした」と認めたことだ。首相や政府を批判する内容ゆえに囗を封じたのなら、口シア流、ミャンマー流の弾圧を水で薄めただけである▼原告が憲法判断を求め、裁判所が正面から向き合った。当然のように思えるが、紙面にある識者談話によると「かなり踏み込んだ判断」だったらしい。憲法を避けて判決を書くことも可能だったからだ。司法が大きな役割を果した▼どんな制度でも担うのは人である。裁判官たち、あるいは現場で責任を持つ警察官たちが職務としてなすべきことを自分で考える。本来ならロシアやミャンマーでも同じはずなのだが。
コメント:さすが、天声人語は簡にして要を得ています。安倍のような超保守の政治家が、未だに影響力を持てるのは、それを是とし、選挙で支える人たちがいるからでしょう。しかもそれがネトウヨなど若年層に多いと思うと、一層やりきれない気持ちになります。日本の戦後教育は、平和憲法を軸に成り立っているはずなのに、これはどうしたことでしょうか。しかも中高年でも、右傾化した、しかも女性の政治家や、評論家が目につきます。何が彼ら、彼女らをナショナリズムに駆り立てているのか。ナショナリズムと民族主義は排他的な性格を持っているので、戦争(もしくは武力行使と弾圧)に直結します。行き過ぎたグローバリズム、そして新自由主義が背景にあるのかもしれません。安倍を支持する日本の国民、プーチンを支持するロシア国民、トランプを支持する米国民。各国の傾向を見ていると、民主主義の理念が根底から侵食されて来ており、いつ倒れるかもわからない瀬戸際にいるのではと危惧しています。国家の覇権争い(国家主義は覇権主義)が、世界レベルの戦乱に発展する前に、国家主義の背景にあるものが何かを冷静に分析し、行き過ぎた国家主義への対策を、真剣に検討するべき時期に来ていると思います。またそこで大事なことは、達成不可能な高邁な理想論をいくら振り回し、まして強制しても、人はついてこないし、長続きもしないという事です。これは日本の保革政党への警告です。
2108.違和感ワンダーランド。22/3/28-30
今回はもう一つ前書きがあります。週刊文春が推薦していた単行本です。
「違和感ワンダーランド」松尾貴史 毎日新聞社
エッセイ集ですが章が短いので、気になった章を、今後ご紹介させていただきます。今回は税金の遣い途です。
『税金の無駄遣い。会計検査院はガス抜き』
米軍普天間飛行場の移設計画で、建設が強行されている沖縄・辺野古の工事現場の警備費に、日当が1人当たり4万〜6万円近くも出ているという。ところが警備員本人には1万円しか渡されていない。2年間で77億円も使われている計算になる。入札は1社応札で、しかも業者の言い値だったとも伝えられている。政府が「税金は湯水のように自由に使わせてもらえる金だ」と思っていることの結果だろう。
遠く離れて、東京電力福島第1原発の事故による被ばくの除染をする作業員にも同じようなことが行われていた。作業が始まってからも汚染の解消は遅々として進まないが、除染会社の利益率は8年間、5割を常に超えている。
一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が新型コロナウイルス対策の持続化給付金の事業を約769億円で受注したことについても、同じような意識が通底している。電通、パソナ、トランスコスモスの3社で設立したこの法人から、ほぼ丸投げで電通に再委託している。一体何のための迂回なのか。もちろん、多くの人が想像する通りなのだろうけれども、こんなばかげた金の使い方に、国民は是認・看過しているかのようなのんきさだ。この団体の所在地には機能の実態はない。一般人は給付金などについて、必死の思いで申請しているというのに、どういう神経の逆なでか。
また、マイナポイント事業の事務委託では、事務費140億円を、一般社団法人「環境共創イニシアチブ」(SII)から電通に再委託され、そこから電通の子会社に再々委託され、トランスコスモスや大日本印刷に再々々委託している。これも持続化給付金と全く同じ構図だ。
このたび、会計検査院が官庁や政府出資法人による税金の無駄遣いを指摘したり、制度の改善を求めたりしたのは248件で、総額297億円だと報告した。
一見仕事をしているかのように見えるが、アベノマスクだけで当初466億円を計上、実際の経費は260億円の見込みとなったが、あれだけわかりやすい無駄遣いに関して指摘できないのなら、ガス抜き、アリバイのために297億円の報告書を出しただけ、ということになる。あまりにもばかにした話ではないか。
菅政権発足前から騒がれている、菅義偉氏が官房長官の期間に使った内閣宮房報償費(官房機密費)95億円の使途は何なのか。用途を明かす義務はないというが、だからといってなぜ明かせないのか。これほどさまざまな隠蔽が問題視されているときに、義務がないという理由だけで隠し続ける理由は何なのか。
そして、まだまだ忘れてはならない加計学園への支援440億円も、会計検査院の勘定には入らない金額のようだ。
さらに、学園理事長の「腹心の友」、安倍晋三前首相には、辞任してから2ヵ月もたっているのに、東京都渋谷区の私邸の警備が異例の継続状態になっている。首相経験者には通例として1人SPが付くこともあるけれど、細川護煕氏や村山富市氏は煩わしいからと断っていた。
私邸の警備には年間2億円かかる計算だが、それくらいの「はした金」(と思っているのだろうけれども)を浪費することについて、関係者は何とも思わないのだろうか。それとも、来年の自民党総裁選に出て「再々登板」を狙っていることが決まっている(?)ので、警視庁も忖度しているのだろうか。
かたや、日本学術会議の「年間10億円」である。全体の予算で、それも半分は人件費だ。菅首相がそれについて「国民の納得が」と難癖をつけていることとの整合性はどれくらいあるのか。これは、令和の怪談ではないか。
コメント:ご存じのように、幸いにして安倍再々登板はありませんでした。しかし加計への支援金が440億というのには、改めて驚きました。安倍・菅政権の金銭感覚は異常というほかはありません。そのくせ生活保護や年金は、渋っているのです。ちなみに持続化給付金で間に入って中抜きしたパソナの役員が、金の亡者の竹中X蔵です。ピンハネ王国、日本です。言い換えれば収奪の国です。これでは労働者は何時まで経っても救われません。このエッセイで思うのは、いかに日本のメディアが社会正義の意識が希薄で、追求すべきを追求せず、結果的に政権におもねる結果になっているかということです。民には知らしむべからずを、率先してやっているのが他でもない日本のメディアなのです。報道の自由ランキングでは67位です。ジャーナリズムに命を懸ける、本物の記者が出てこないものでしょうか。
・維新、次期衆院選で野党第一党に。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6422149
関連記事:維新はなぜ生き残っているのか。
https://www.jiji.com/jc/v8?id=20220325seikaiweb
コメント:はいはい、そうですか。しかしながら、私も維新にと思っている方は、以下のエッセイを読んでからにして下さい。
「違和感ワンダーランド」by松尾貴史の続きです。
『維新幹事長が「立憲民主は必要ない」発言の意味』
この先、日本国憲法が今の政権に都合よく改悪されてしまう可能性も大きくはらんでいるであろう国民投票法改正案の修正を提案して、それを与党にのませたという名目のもと、立憲民主党が賛成にまわってしまったことで、改正案は今国会会期末までに成立する見通しだ(6月11日可決、成立)。
その件に絡めて、日本維新の会の馬場伸幸幹事長が、立憲民主党のことを「日本には必要ない政党」と言ってしまった。それも、雑談やオフレコの類いではなく、公の記者会見で言ってしまったのだ。政治家である以前に、社会人としてもどうかと思うような昜言ではないか。いわゆる公党の重職にある者が、特定の政党の存在を「不要だ」と公言したのだ。こういう人物こそ、この職にとどめている段階で、維新がどういう組織かということが推して知れよう。
しかし「日本には必要ない」という表現になったのは、まさか自分が日本そのものだと思ってはいないだろうから(可能性はあるが)、「自分たちにとって邪魔だ」ということの表れだったのかもしれない。実は国民投票法改正案は、自分たちが協力してという手柄が欲しかったのに「横取りされた」とでも思っているのではないか。平たく言えば立憲民主党に対する嫉妬から出た売り言葉なのかもしれない。
もちろん今回に限らず、立憲民主党は批判されて当然のところがあるが、それよりも桁違いに多くの問題や不祥事を起こしている維新に言われる筋合いではないと思っているだろう。当然のように蓮舫参院議員がツイッターで「何様?でしょうか」と反応していた。
自分たちと対立することが多い政治勢力だとしても、存在を「必要ない」というのは、それを支えている国民も一定の数存在していることを考えると、自分たちを支持しない国民についても「日本に必要ない人たちだ」と思いかねないということではないか。完全な民主主義の否定だ。公人として、釈明なり、謝罪なり、議員辞職なりすべきだろう。
SNS上では「(馬場氏は)『維新』と言おうと思ったのに、立憲と言い間違えたのでは?」という珍妙な分析をしている人心いたが、もしそうなら自己批判として納得が少しは納得がいく。
私の感じるところでは、維新は野党のふりをしつつ、自公政権にべったりのアシスト党の印象が強い。事あるごとに「身を切る」と言いつつも、逆のことばかりやっている。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、雨がっぱで大騒ぎして多くの善意を無駄にしたが、なぜか出勤日数の少ない大阪市長。イソジンなどについての「うそのような本当の話をする」と言って、その後納
得のいく説明もない大阪府知事は、そのあたりの検証もなく連日テレビにばかり出て選挙対策。仕事場に私物のサウナを持ち込むパワハラの池田市長。人工透析患者は殺せなどと暴言を吐いた候補者。酔っ払って「おっぱい、おっぱい」と叫んだり北方領土に関する暑言を繰り返したりした議員。大村秀章愛知県知事のリコール運動で不正を疑われている署名活動団体の事務局長−。
仕事はできているのかと言えば感染対策では失敗と混乱が続き、コロナ対策そっちのけで愛知でリコール騒ぎ。大阪では都構想の扇動。「立憲は不要」「大阪市は不要」と言うが、自分たちが必要とされるならどうあるべきなのかを、ぜひ見つめ直してほしい。
2021年5月11日執筆
コメント:現状変革は常に政治の課題ですが、大阪の場合、変わればいい(=なんでもいい)という風潮が裏目に出ることがあります。最初が横山ノックで、その後が橋下徹です。
・働かない国会。令和国民会議発足。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/168132
「違和感ワンダーランド」松尾貴史の続きです。
『自民・石原元幹事長 コロナでなぜ即入院可能』
新型コロナウイルス感染拡大について、もっと早くPCR検査を広く実施して、無症状でも陽性だったら大事をとって入院すべきだったと思う。しかし当時の厚生労働相らは[発熱しても4日間待て]などと逆の対応を喧伝し続け医療崩壊を招き、それを国民の早とちりのように釈明していた。元知事のコメンテーターなどは、自分はこっそり検査を受けたくせに、PCR検査拡充は必要ないと主張していたが、罪作りなものだ。
「上級国民」という言葉が再注目されている。ランチのために車を暴走させ、東京・池袋で悲惨な事故(「池袋暴走事故」19年4月)を起こした旧通産省工業技術院の元院長に対する警察などの対応が特別扱いに感じた人たちから広まったように記憶しているが、今回は、政権与党の自民党元幹事長、石原伸晃氏が、重症の市民を押しのけるように、逼迫している東京都内の国立病院の病床に「横はいり」したと騒がれている。彼の父親である石原慎太郎氏が東京郎知事の時に、16あった都立病院を半分に減らし、都立の小児病院も廃止したが、都政に想像力を発揮できなかったツケは、息子ではなく都民にのしかかっている。
すべてではないだろうし、このコラムの掲載時にはさらに増えているかもしれないが、国会議員の感染者・陽性者は、無所属の桜井充氏(自宅待機)、野党では立憲民主党の小川淳也氏(自宅で発熱後、東京都の「発熱相談センターに電話をかけ、PCR検査の可能な病院を紹介してもらい、公共機関を使えないので、39度台の熱で1キロの道のりを歩いた。その後、入院)、羽田雄一郎氏(知人が感染し参議院議員の診療所にPCR検査を受けたいと申し出たが、そのときは無症状のため断られた。発熱し、死亡後に陽性が判明)、共産党の清水忠史氏(高熱、自宅待機、ホテル隔離、自宅待機)らだ。
自民党は、高島修一氏(発熱・即入院)、渡嘉敷奈緒美氏(発熱・即入院)、竹本直一氏(発熱・即入院)、安藤高夫氏(事務所スタッフ感染で念のため検査、自宅待機)、そして石原伸晃氏(無症状・即入院)である。症状が出た人はいるのだが、権力に近いだけで命に関わる医療すら優先されて受けやすいということなのかと思ってしまうのは私だけだろうか。
石原氏は「控えよ」という自民党の通達を無視して会食もしていたそうだ。発熱もせきもないが「不整脈がある」ので「医師の勧めで入院した」と説明する。私も不整脈があるので、検査で陽性が出たら待機している重症者をすっ飛ばして入院できるだろうか。全国で人院を待っている陽性者の皆さんも不整脈があるなら主張した方がいい。しかし、年齢的にあってふしぎではないようなものを理由にたやすく国立病院に入院できるのは初耳だった。報道では「満床」だったけれども、「上級枠」のようなものがあるのだろうか。
石原氏については、福島第1原子力発電所の事故後の対策で中間貯蔵施設を造る地元との交渉で「最後は金目でしょ」というげすな発言をしたことを思い出す。汚染された土壌の保管先については「福島第1サティアンしかない」と、オウム真理教の施設にたとえてもいた。
腹部にチューブを入れて流動食などを送る医療を受けている胃ろう患者の病室を視察して、テレビ番組で「エイリアンが人間を食べて生きているよう」とコメントした時の衝撃も残っている。別の報道番組では、生活保護を受ける人を、テレビでネット上の蔑視用語「ナマポ」という言葉で揶揄したこともある。恐ろしく特権意識の強い人なのだろう。
国が決めたルールでは、コロナ感染で入院する場合は必ず保健所を通して可否を決めるようになっていたと記憶しているが、与党政治家のこの狡猾さは特別に許されているのだろう。ワクチンの接種や、治療薬の投薬についても、こういう「方式」が使われるのだろうか。既にこうなっているのかもしれないが。
そして「入院拒否者に懲役刑」を閣議決定したそうだ(その後、野党からの反発で懲役刑は削除)。入院したくてもできずに遮断される人が多い中、何を考えているのだろうか。
2021年1月26日執筆
コメント:伸晃氏は衆院選で見事に敗退してくれました。但し何かのきっかけで、また復活でもされたら迷惑です。伸晃の言葉の端々に垣間見える人間性の卑しさは、一体誰の影響なのでしょうか。但し学歴は社会学科で、大学こそ違え、奇しくも私と同じです。なおこの問題の背景には、肩書を有難がる日本のお役人の特性があるように思います。人格を重視して頂きたいものです。
2109.ドライブ・マイ・カー。22/3/30
意表を突くことしか考えていないような朝ドラ、カムカム・エブリボディが間もなく終わります。基本なんでもありなので、もう何が起きても驚かないが、主人公たちのあの英会話だけは、どうにもいただけません。そもそもカムカム・エブリボディなんて誰も使いません。感覚的には進駐軍相手のギミチョコレートと同じ時代感覚でしょう。1940−50年代、教科書でいえば、ジャック・アンド・べティの時代です。LとRの発音は今なお自分でも満足にはできないものの、無理な巻き舌は赤ん坊のおしゃべりみたいで、もっと不自然です。脚本家はハリウッド映画を字幕で見て、現代英語(というより米語)、特に慣用句がどういうものか、勉強し直して頂きたい。文法に忠実なら、単語や用語は時代遅れでもいいということにはならないのです。
見たよ、見ました、「ドライブ・マイ・カー」。3時間かかるとも知らずに。しかも、ドライビング・ミス・デイジー的なほのぼのムービーかと思えば、全くそんなことはありません。サラリと描いてはいるが、相当にシリアスな内容です。原作村上春樹で気が付くべきでした。しかも、設定が国際舞台劇(西島は演出家の役)、それもチェーホフの作品というのだから、これはかなりの覚悟が必要です。でも最後まで見れば、得るものは大きいと思います。その点では娯楽映画の比ではありません。そもそも、奥さんの不倫がテーマのように書く各誌の紹介が間違っています。ネタバレにならない程度に端折って言えば、テーマは人間と人生です。およそ全ての映画はそれだろうと言われてしまえばそれまでですが、人間は誰でも、心に闇を抱えている。精神に問題を抱えている。でもそれを見ないようにして生きている。しかしそれから逃げられない時が来る。というよリ逃げてはいけないのです。それを自覚したら、闇と一緒に生きてゆく覚悟をしなければならない。おそらくそれがこの映画のメインテーマだろうと(私は)思います。アカデミー作品賞はちとハードルが高いが、国際長編映画賞(以前おくりびとが受賞)を受賞する資格は十分以上にあると思います。脚色賞にもノミネートされていましたが(受賞はコーダ)、むしろ私は脚本賞が相応しいと思います。濱口は監督賞候補の一人でこれも快挙です。作品賞含め4部門でノミネートは、日本の映画史に残るでしょう。ドンパチやワイガヤだけが映画ではないという事を再認識するという意味でも有意義です。但しいかんせん長い。2時間半で十分でしょう。裸のシーンもあるので、ファミリーで楽しむわけにはいきません。そもそも人生経験の少ないお子ちゃまに、映画の趣旨を理解するのは無理があります。という事は、安倍晋三夫妻にも無理でしょう。
関連記事:映画文化をゼロから考え直させる。
https://www.asahi.com/articles/ASQ3V0PBNQ3HUCVL016.html?iref=comtop_ThemeLeftS_02
関連記事:授賞式タイムライン。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/cinema/20220325-OYT8T50071/
2110.安倍晋三の不起訴特権。22/3/31
今回の前書きはサンデー毎日(4.10)のコラムからです。
牧太郎の青い空白い雲「買収で34人も起訴されたのに安倍晋三に不起訴特権」から
…もっと理解できないのは河井克行元法務大臣と妻安里元参院議員が引き起こした大規模な買収事件の顛末である。広島地方検察庁は、現金を受け取ったとされながら、不起訴になった広島の地元議員を検察審査会の起訴すべきとの議決に沿い(体調不良の1人を除く)34人を公職選挙法違反の罪で一転して起訴した。
検察が当初、議員ら全員を不起訴にしたのは、検察と議員らとの間で、事実上司法取引が行われたからだろう。一転起訴は当然。法はできる限り平等でなければならない。
だというのに、この大規模な買収の陰にいる、安倍晋三・自民党総裁(当時)に対しては、事情聴取さえ無かった。河井夫妻は現金を配る時、「これは安倍さんから」と話している。
自民党本部から買収に使われたと思われる1億5000万円の選挙資金が河井陣営に渡された。通常の10倍である.
当時の幹事長、二階俊博さんは2021年5月24日、「1億5000万円には組織上、総裁、幹事長に責任がある」とまで言っている。
カネを貰った地方議員が起訴されるのであれば、 安倍晋三・総裁(首相)は買収事件の共犯として、起訴されるべきだ。
聞くところによれば、広島地検の幹部は捜査の過程で、「官邸が圧力をかけて捜査をやめさせようとしている」と漏らしたらしい。
『安倍内閣の犯罪』を隠そうとしたとしか思えない.
ひょっとすると、日本には「大物の不起訴特権」があるのかしら(笑)」
コメント:この批判記事からは一つ重大な要素が抜けています。それは安里の自殺未遂です。いつの間にか報道から消え、今や闇から闇の事件ですが、その動機は誰が見ても(政権幹部が指導した)不正選挙の有罪判決でしょう。これで、安倍政権の不良政治で危うく3人目の犠牲者が出るところでした。最初はISに殺害された後藤健二氏、二人目が言わずと知れた財務省の赤木氏です。安倍晋三氏は、どこかに人間としての良心を置き忘れてきたのではないでしょうか。政治家としての責任感とともに。
・ISが首相歴訪に反発
https://www.nippon.com/ja/column/g00246/
・河井杏里を自殺に追い込んだ安倍首相
https://www.mag2.com/p/news/526526