「オンライン・オピニオン」



「ワクチンの後遺症」
「維新が第二会派」
「AIと民主主義」
「短編二編」
「保阪正康最後の講義」
「ガーシーの闇」
「熱中症の疑い」
「デーブ・スペクター」
「アスリートの語学力」
「五輪汚職とJOC」


2341.ワクチンの後遺症 6/7

今回の前書きはサンデー毎日(6.18)です。
「見過ごされる新型コロナワクチンの後遺症、接種後死亡2千人をどう考えるか」
…コロナワクチン接種後の後遺症はなぜ起こるのか
「コロナ後退症・ワクチン後遺症外来」を設けている東京の蒲田よしのクリニック・吉野真人院長は話す。
「基礎疾患のある人、アレルギー傾向のある人、鉄欠乏など栄養バランスの乱れている人、また腸内環境がよくない、栄養と代謝の関係がスムーズにいかない人も後遺症が出やすいです。心身にわたる健康の個人差が、ここで明らかになりやすい。世代としては、更年期障害に悩む40-50代の女性が多くなっています」
さらに前号の本誌でも紹介したように、後退症の理由の一つとなるのが、コロナワクチンに含まれるスパイクタンパクの存在だ。ファイザーやモデルナのコロナワクチンは人間に初めて本格的に投与される「遺伝子ワクチン」であり、コロナウイルスの一部であるスパイクタンパクを人間の体内で作るための遺伝情報m RNAが成分として入っている。そのスパイクタンパクを体の免疫細胞が取り込むことで抗体などの免疫が誘導されるとしているが、問題なのはスパイクタンパク自体が毒性を持つことだ。厚労省も認める心筋炎や脳梗塞などのコロナワクチンの副反応は、そのスパイクタンパクが血管壁を傷害することにより起きると考えられる。しかし、それだけではない。
 早くからコロナワクチンに対して疑問を呈してきた京都大医生物学研究所ウイルス共進化分野准教授の宮沢孝幸氏はこう語る。
「コロナワクチンを接種することにより、体内で大量のスパイクタンパクが生産されます。そのスパイクタンパクを生み出す自分の細胞をウイルスに感染した細胞と勘違いして、人間の細胞性免疫が攻撃するケースがあります。つまり自分の免疫により、自分が攻撃されてしまうのです。そうやって免疫細胞が暴走すると、次々とサイトカインという物質が分秘 されて全身に炎症が及びます。それによりさまざまな臓器が致命的な障害を負う可能性があるのです」
…しかし実際にがん患者が増えているという臨床現場の医師たちの声は事実であり、それをなかったことにはできない。
このような細胞のがん化は、体の免疫低下によりがん細胞が攻撃を免れること、またコロナワクチンが「遺伝子ワクチン」であることが原因になるとも考えられる。
…過去、人類に本格的に使われたことのない「遺伝子ワクチン」はそれだけ未知であり、長期的な副作用は誰にもわからないのだ。

コメント:6回目の接種の通知を受けても、今のところ、それをスルーしていることは、既にご報告した通りです。私の場合、ウイルスのせいか、ワクチンのせいか、素人なので判別はできませんが、体の節々が痛く、胸がチクチク傷み、疲労感があり、頭がぼうとする症状がありました。また味覚障害(味が分からない。又は何を食べても不味い)もありましたが、これは明らかにワクチンではなく、ウイルスが原因だと思います。その味覚障害でさえ、最近では完治しており、身体の痛みも、疲労感も取れて、体調はコロナ以前に比べても快調です。なので、今ワクチンを接種する理由が私にはありません。但しこれは接種に加えて、感染もしているという、ハイブリッド免疫が備わったためとも考えられるので、一般とは条件が異なると思います。接種にせよ、パスするにせよ、全ては自己責任になります。
なお上記週刊誌の文中に、問題のロットは厚労省のサイトで分かるとありましたが、見つけることはできず、その代わりに以下のサイトがあったので、参考にして下さい。
https://www.howbadismybatch.com/recallsjapan.html

自分が接種したワクチンのロット番号は、自治体から来る接種のお知らせのワクチン接種記録に記載されていますが、私の場合、初回と二回目がファイザーで、しかもそのロット番号EY4834、5422はなんと死亡者の出ている要注意ワクチンでした。
だからといって、今更どうすることもできません。2059人がワクチンで亡くなったことは事実にしても、後遺症を恐れて接種をしなければ、今度はコロナの死者数が3万人では済まなかったでしょう。専門家でさえ分からないことを、素人が判断することにも無理があります。結局どっちを選んでも、賭け(文字通り命がけ)になってしまいます。

二番目は青木理のカウンター・ジャーナズムです。
「いまさら世襲政治の弊害か」から
首相が政務秘書官に起用していた長男の更迭に追い込まれた。ドラ息子なのかパカ息子なのかは知らないし、さほど興味もないが、究極の公的空間たる権力の中枢=首相公邸に親族を集め、忘年会と称してはしゃいでいたという無惨な醜間に、世襲政治の弊を嘆く声がここにきてメディアなどに散見される。なにをいまさら、娘とされる少女を引き連れて核やミサイル開発に狂奔するどこぞの世襲独裁者と、同じ三代目という意味でも、その本質において両者にさほどの違いなどありはしない。

かつて『安倍三代』(朝日文庫)というルポルタージュを執筆した際に私は、
「地盤があって看板とカパンがあれば、未熟なものでも政治家になっていく。だから政治はどんどん劣化する。明らかに世襲のなせるわざです」
と指摘する政治学者の証言を紹介し、次のように記した。
(伝統芸能や中小企業経営の世界ならばともかく、世襲による「政治身分の固定化」は一種の階層社会、格差社会につながり、政治や社会から活力や多様性が失われかねない)〈「安倍三代」の系譜は、見事にそれを私たちに教えてくれる)

現に見よ。親が国会議員だった“純然たる世襲”だけを数えても、バプルと称された狂乱景気が崩壊して以後、この国の宰相に就いた者の6割が世襲、自民党が生んだ宰相だけに限れば実に8割を世襲が占めている。

結果として続いた「失われた」と語られる30年、経済も社会も低迷から抜け出せず、イノペーションは起きず、財政は一層の悪化を極め、それがすぺて世襲政治の責とまでは言わないにせよ、愚かな政治の無策と機能不全が大きく作用しているのも疑いない。

考えてみればそれも至極当然、世襲政治家とはある意味で究極の既得権益者である。「地盤、看板、カバン」を先代から継ぎ、基本的にはそれを守ることに汲々とする者たちであって、そもそもが自ら志を持って政治を目指したわけではなく、為政者としての自身の基盤となる既得権を掘り崩してまで政治や社会の立て直しに取り組むはずがないし、取り組めるはずもない。

再び皮肉を込めて記せば、この国では嘲笑混じりに語られることが多い、どこぞの世襲独裁の振る舞いを見ればそれはわかる。極度の軍事偏重に固執し、なけなしの富を核やミサイル開発に集中させているのはほかでもない、先代から継いだ体制を固守するのがすべての動機。そのためには民が飢えようともお構いなし、苛烈な監視網を張り巡らせて政敵や異論を封殺し、これまたすベては自らの体制を守るため。(以下略)

コメント:この、馬鹿騒ぎが好きで、すぐにはしゃぐというのは、現代の若者の特徴なのでしょうか。ネットの炎上騒ぎもその例でしょう。すぐに論破とか言いたがるが、論理もへったくれもなく、感情的な断定のみ。その最たるものがガーシーでありヒロユキでしょう。ネットに乗っかっただけの若者総白痴時代。まさに親の顔が見たいという場面ですが、ところが我々国民は、いやでも、TVで問題の若者の親の顔を見せられているのです。しかも今回は、親の外遊時の不始末もあるので、カードも二枚目。レッドカードも当然です。


・G7サミットの裏で警察がやりたい放題。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5945d80cac08166a50bc263becea5e05f97b7541
コメント:知っていましたか。これはどこの独裁国だろう。警察の本性見たり。

・厚労省、マイナ点検しない。
https://www.asahi.com/articles/ASR665J6WR66UTFL015.html?iref=comtop_7_03
コメント:厚労省の為の厚労省。法務省の為の法務省。今ほど官僚の質が下がった時はない。しかもそんな官僚に岸田(と自民党)はとことん舐められている。小沢一郎の出番。

・束ね法案を止めよ。朝日社説。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15655097.html?iref=comtop_Opinion_04

・全校生徒の2割がコロナ陽性。休校。福岡。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6465643
コメント:このどこが5類で解禁なのか。



2342.維新が第二会派 6/12

・京都市議会で維新が第二会派。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b44093d38e7dc7ca521b80afc7a6bf0feee0c52
コメント:維新に投票する国民は、他の国民に、何故維新を選ぶのかを説明してほしい。あれだけ維新の議員が不祥事を起こしてもなお、維新を選ぶ理由は何なのか。私はそれを是非知りたい。維新の躍進の問題は、維新自体の問題というよりも、正体を知らずに無批判に投票する国民の側にこそ問題があるのではないか。自民では困るというのは、私も同じ気持ちだが、大阪では大多数の府民の意志に反してカジノを推進。大阪都計画も失敗したのに反省はない。人目を引く為の、行き当たりばったりの政策ばかり。ところがコロナ対策の支援金では大部分が不正申請というのは他の地域では見られない。しかも死者が最多であることこそが、対策がなっていなかった何よりの証拠である。理念も信念も、一般教養のレベルさえ怪しい、議員の質の低さも含めて、要するに「政治」の形を成していないのである。現在の我々世代の選択が、子供の生活どころか、生命に影響を及ぼす。下手をすれば、外国の戦争に巻き込まれ、若い国民が命を失う場合だって考えられる。自民党に同調する維新の存在で、その可能性が無視できないほど高まる。その点だけは、まだしも自公連立の方が、抑制が期待できた。維新支持の国民がそこまできちんと理解した上での維新の支持なのかどうか、是非とももう一度立ち止まって考えてみて頂きたい。何よりも、支持者の側から党幹部に対して、目先の問題への短絡的な対応ではなく、長期で日本の将来を考え、維新にそれなりの覚悟と計画があるのかを確認してみて欲しい。私なら、(現在の)維新と自民しか選択肢がないとすれば、何をしでかすか分からない維新よりは、白票を選ぶだろう。

・再エネテックの波。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA079980X00C23A6000000/
コメント:一読を。

・サンモニ、改正難民法に識者が異論続々。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b3dc51b4fae95bce4d0b93af0953c90b1f570cd
コメント:私も見ました。

・入管法で露呈、日本の民主主義は死滅。
https://toyokeizai.net/articles/-/678707



2343.AIと民主主義 6/13

今回の前書き2件、但し重要な内容なので、長くなることをご容赦下さい。

朝日新聞(6.13)オピニオン&フォーラム、AIと民主主義、山本龍彦から
「特定の価値反映、意思形成に影響も、憲法脅かす可能性」
生成AIと呼ばれる人工知能が社会を変えようとしている。質問に人間が答えているかのような文章を返してくるChatGPT (チャットGPT)などのサーピスが実用化している。急速な発展にはリスクも指摘される。AIと民主主義は共存できるのか。憲法の観点から論じてきた慶応大教授、山本龍彦さんに聞いた。

―生成AIについて様々な懸念が指摘されています。

ヲライバシーや著作権をめぐる問題もありますが、議論の核心は、私たちの意思決定のあり方がどうなっていくのかにあります。 近代立憲主義は、これまで個人の『オートノミー(自律性)』を重視してきました。個人が他の干渉を受けずに主体的に意思決定できるという考えです。この基本的な原則がAIの登場で、根源的に揺らいでいるように思います」

「ウェブの閲覧・検索履歴などから、利用者の属性や心理的傾向を詳細に分析し、利用者の傾向に合った情報をピンポイントで送れば、心理的脆弱性をついて意思決定を強力に誘導できます…」

―私たちの意思が操作されてしまうということでしょうか。

「チャットGPTなどは膨大な データから出された確率に基づいて、もっともらしい文宗をつくります。中国政府が発表した生成AIの規制案では、共産党的価値観の反映が求められています。現状はそれぞれのAIの学習データや調律の詳細が公開されていないので、暗に組み込まれた価傭観を認知するのが非常に難しい。そうした身元不明の文章が切り取られ、日常のコミュニケーションに溶け込んでいく」

「悪意を持った人が特定の思想を反映させた生成AIに大量の文書をつくらせて、拡散することも簡単です。書いたのは人間かAI か。どんなバイアスがかかったA Iなのか。こうしたことが分からなければ、情報の真偽や妥当性を主体的に判断できず、書かれた内容を信じてしまう傾向が強くなります。自律的な意思決定はますます難しくなるでしょう」

「特定の思想や信条を持つこと は、『思想及び良心の自由Jとして憲法19条で保証されています。ただ、この権利は個人の内心で、すでに形成されている特定の思想・信条を守るという側面が頭かった。AI時代において、19条は思想・信条の形成過程の自由をも保証するものと理解していく必要があるでしょう」

ー思想、良心の自由はなぜ憲 法に明記されたのでしょうか。

「戦前に国体思想に染まった反 省から日本国惑法で明文化されま したが、もともとの由来はヨーロ ッパの『良心の自由』にありま す。中世末期の宗教改革、宗教駐 争を経て教会梱力が抑制され、宗 教的寛容の思想が広がりました。 中ルネサンス哲学の影密も迪い ですが、教会の導きの下で生きる 受動的存在だった人間が信仰の自 由、つまりは『こころ』の自由を 獲得した。それが良心の自由であ り、政教分離と並んで近代立憲主 義の基底的な規範になりました」

ー立憲民主主義の原則が脅か されているのですか。

「揺らぐ可能性はあるでしょう。蒸気機関の発明は私たちの行動様式や暮らしを大きく変えましたが、思考様式を 直接変えたわけではありません。AIの本貿的な問題は、人問の認 知や考え方を大きく変容させる点 にある。ルネサンス期以降の精神的な『革命』で、神や教会が決める世界から、理性に基づいて個人が決める世界へと大きく転回しました。ともすると、かつて人間が 神や教会の導きに従ったように意思決定の主体をIに明け渡し、再び受動的存在になるのかもしれない。AIのたづなを握るのが巨大デジタルプラットフォームだとすれば、聖書の独占的解釈者だった中世の教会権力に重なります」

―生成AIはプラットフォームの権力をより強めそうです。

「そう思います。マイクロソフトは、チャットGPTの技術を検索エンジンなどの自社製品に蝠広く搭載する方針です。グーグルも自社の対話型AIをGメールなどに連携するとしています。プラットフォームの運営する情報インフラに生成AIが組み込まれれば、プラットフォームはさらに力を得て、他の新しいビジネスを凌駕していくのではないでしょうか」

「プラットフォームはインフラである以上、生成AIの利用には一段と高い透明性や説明責任が求められます。EU(欧州連合)のデジタルサービス法が、利用者数が一定数以上のプラットフォームに対しより多くの義務を課しているのと同様の考え方です」

―AIと共存していくにはどうすればいいのでしょうか。

「デジタル時代に沿った基本法制を民主的なフォーラムでつくることがまず必要でしょう。基本的人権や統治のあり方について、目指すべき価磁や政策のゴールを達成するための原則を明確にすべきです」

「EUでは昨年12月、デジタル変革の中で守るべき価直眼や基本的権利を明記した宣言が成立しました。米ホワイトハウスは昨年10月に『AI権利章典』の策定 提案し、5原則を発表しました。た。欧米では法制度全体の再編を視野に入れた、デジタル時代の人権論が展開されています」

―日本の状況はどうですか。

「産業発展や技術革新が過度に重点化され、人櫂や民主主義にA Iが与える影響について実質的に議論されていないように見えます。原則やガイドラインは策定されていますが、欧米中心の経済圏から仲間外れにならないようにとの経済的動機が強く、人権保障や国内の民主主義をどうするのかといった『私たち』目線の議論は不足しているように思います」

「生成AIは統治システムの問題にも関わります。公務員は憲法が想定する統治の一主体ですが、 国会答弁の下書きなど官僚機能の一部がAIに代行される可能性がある」

―どのように議論を進めたらいいのでしょうか。

「デジタル基本櫂憲章のようなものをつくるのが望ましい。国会が動くべきで、政府の組織や有識者会議だけで方針や原則を決めるのは国民主権の観点から問題です。個人の自律性や主体性にかかわる憲法レベルの課題があることを認識し、超党派で議論を深める必要があります」


二つ目はサンデー毎日(6.25)倉重篤郎のニュース最前線、
蠢き始めた政界大再編、自民党の石橋湛山派は決起せよから。

…東京大空襲では一晩で 約10万人が、沖縄戦では現地住民を含む18万人が死亡、広島、長崎に原爆を落とされ、本土決戦を主張する陸軍に対し天皇の聖断という形でしか戦争を止めることができなかった。

その反省から戦後をスタートさせた。憲法9条の非戦の構えを戦後日本の新たな国の形とし軍事を極力抑制し、国民のエネルギーを経済活動につぎ込んできた。それは「軽軍備、経済重視」路線として定着、専守防衛、防術費の対GDP 比1%枠、武器輸出禁止三原則といった自主ルールで、 軍事の膨張に効果的な歯止めを講じてきた。経済繁栄と公正な配分を日本の国是とし、その路線を保守することを、戦後保守政治の王道としてきたはずである。

それが今大きく崩れつつある。敵基地攻撃能力の保有により専守防衛は名ばかりとなった。5年で43兆円 という防衛予算倍増で、1 %枠はそのシンポリックな規範力を失った。防衛産業強化法が成立(6月7日)、 防衛産業整備・振興に国が財政支援できるようにしたことで、兵器輸出国家への道をまた一歩進めた。経済政策もまた失敗した。GD Pは頭打ちのまま、富の格差が深刻化している。

私見では、この覇道への転落は、安倍晋三政権で始まった。集団的自衛権行使容認を軸とした歯止めなき日米一体化・軍事抑止力至上主義の追求、そして、出口なき異次元金融緩和政策(アペノミクス)の長期化という外交?安保、経済・財政における二つの基幹政策がこれをもたらした。岸田政権はこの安倍路線を踏襲(保守)しているに過ぎない。「宏池会」という羊の仮面(皮?)をかぶっているだけたちが悪い、ともいえる。

そんな中、戦後保守政治家の中でもリペラルの筆頭と目される石橋湛山に学ぼうとする動きが永田町に出ている。湛山の軍事より経済合理性を重視した「小日本主義」、占領軍政治にも臆することのなかった「自立精神」や「アジア主義」を身につけることによって、 リベラルな「戦後保守」を再生できないか、という試みだ、と私は受け止めている。湛山の思想を研究する繕貝連盟がこの3月に発足、与野党にまたがり、注目を集めている。

「戦後保守」は一体どうなるのか。この稿では、こういった問題意識を抱えながら、ジャーナリストの田原総一朗氏と評該家の佐高信氏に論じていただいた。

田原 広島サミット、どう?
佐高 核廃絶どころか軍縮にもならなかった。「広島ビジョン」は米国の核を正当化する話だ。むしろ被爆者への侮辱だ。広島で開催した意味もない。日本のおめでたさを世界に知らしめた。
田原 戦略のなさもね。

佐高 私は今の政治状況を象徴的に言うと、中村哲さんか、岸田晋三か」の選択だと言っている。
田原 どういうこと?
佐高 中村哲さんは、日本の医療、灌漑技術を駆使し、アフガニスタンの荒れ地を緑に変え、人々の生活を豊かにすることで平和をつくり出そうとした人だ。あれこそが戦後の日本政治が本来なすぺき仕事だ。一方で、岸田氏は安倍政権の軍拡路線を下半身としてそのまま 受け継ぎ、軍事パランス維持の名の下に抑止力をひたすら強化、結果的に東アジアにさらなる緊張と対立を生み出している。我々に突きつけられているのは、この二つのどちらを選ぷかだ。
田原 かつては自民党内にも多様な考え方があった。リペラル人士も与党内野党として居場所があった。安倍政権からいなくなった。
佐高 戦後の保守政治家で言えば、石橋湛山、田中角栄両氏の歩みが本来の日本の進むべき路線だ。米国に距難を置き、箪事ではなく経済や生活の向上でアジアと連携する生き方であり、中村哲さんにつながる。外国人の人権を蹂躙する可能性がある改悪入管法が成立したが、中村さんが国外の困窮者と連帯したように、国内のマイノリティー の人権がもっと大事にされなければならない。

佐高 岸田宏池会は不当表示で景品表示法違反だ。大平番だった西山さんは、岸田氏に宏池会を名乗らせるなと言っていた。宏池会といえば護憲と軽武装だ。この二つが全然ない人が宏池会を名乗ってはいけない。

佐高 自公運立については野中広務氏が、公明党にプレーキ役を期待したのに全然ダメだったと回願している。連立することで、自民も公明も独自色をなくし、野合というか、融合していった。後藤田正晴氏もまた、 公明党という宗教政党と組むのは禁じ手だと語ったと いう。結果的に自民党をも腐らせていった。

田原 維新が危ないのは、民党より右なんだよね。
佐高 もうーつは、立憲も連合頼みをやめることだ。
田原 連合の芳野友子会長は自民党と仲がいい。
佐高 そっちに行ってください。私は自治労と日教組には連合を抜けろと言っている。組合費を払うのやめたらどうか、とね。だから 連合からも嫌われている。
(以下略)
コメント:上記対談の終わりの部分では、公明は野党になるべきだと論じています。私も連合は嫌いだし、経団連も嫌いです。でも彼らは、私や、wtwの存在など、気付いてもいないでしょう。

・オスプレイ駐屯地、警察が反対派を排除。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc9161a58381afb5647449c19b9b270fdbcd998f

・3mのエイリアン。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec71038567193363dc246de060122954b5740e6f
コメント:とうとう宇宙人の実物が登場。でも誰も騒がない。

・中国でコロナ急増。一日あたり36万人。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6466268



2344.短編二編 5/25

いつもいつも、独断と偏見の迷文、しかも長文に、お時間を割いて頂き、真に有難うございます。そこで今回は、皆様へのささやかなご恩返しです。でもノンフィクションではありません。ショート・ショートの創作を2編ご紹介します。出典は「5分後に意外な結末、ベスト・セレクション」桃戸ハル、講談社文庫です。
なお以下は私が機械の助けを借りながら、書き写したもので、ネットで公開されている情報ではなく、著作権の問題もありますので、ネットにアップ(不特定多数への公開)するようなことだけは、平にご容赦下さい。

『父の時給』

残業また残業で、男が自宅に帰りつくのはいつも深夜だった。男が帰宅したときには、妻は5歳になる息子を寝かしつけながら、そのまま一緒に寝てしまっている。
二人を起こさないよう、暗いリビングで、物音も立てずに妻が用意してくれた夕食を食べる
唯一の楽しみのビールを飲みながら、ポリュームをしぼったテレビを少しだけ観てから、シャワーを浴びて寝る。
朝は、子どもが起きる前に家を出て会社に向かう。それが、一児の父親である男の毎日だった。
もっと家族と会話をしなくてはいけないし、したいとも思っている。
しかし、自分の都合で家族を起こすのは申し訳なく、また、正直なところ、その時間を睡眠にあてたいほど、男は疲れていた。

その日も、男は、いつもどおりの遅い時間に帰宅した。
しかし、家の中の様子は、いつもと違っていた。リビングのドアを開けると、パジャマを着た息子が、ニコニコしながらそこで待っていたのである。ふだんは、週末しか会話をすることができない息子に、男は言った。
「まだ起きていたのか。ママはもう寝たんだろ。お前だけ起きてきたのか、悪い子だな。もう遅い時間だから、早くペッドに戻って寝なさい」
息子の頭をなでたあと、 男はその手を引いて寝室に連れて行こうとした。

「パパ、あのね。パパに聞きたいことがあって、まってたんだ」
自分自身も疲れきっていたし、早く夕食を食べて寝てしまいたいところだ。親子の会話は大切だが、それは今でなくてもいい。なるべく早く切りあげたい。そう思いながら、男は答えた。
「なんだい?」
すると、息子は思いもよらないことを言い出した。
「パパは、会社ではたらいているでしょう?何時間はたらいたら、どれくらいのお金がもらえるの?一時間だったら、いくら?」
そんなことを間いてどうする。そう思いながら男は言った。
「お前は知らなくていいことだよ。いいからもう寝なさい」
「教えてくれたら寝るから。ねぇ、教えて。いくらなの?」

男は、だんだんイライラしはじめた。お金を稼ぐことの苦労が分からない子どもに、そんなことを教えても何にもならない。
「なんだってそんなことを聞くんだ?知ったところで、どうなるってものでもない だろう。子どもは、お金のことなんて知らなくていいんだよ」
「どうしても知りたいの!ねぇ、一時間にいくらなの?」
息子はしつこくねばって、つないだ手をぶんぶんと振りながら、「教えて、教えて」 と懇願してきた。泣きそうな表俯にも見える。

「どれだけもらえると思う?お金をもらうってことは、大変なことなんだぞ。パパも頑張ってはいるけど、一時間あたりにすると、そうだな、三十ドルくらいだな」
それを聞いて、息子は「はぁ」と大きなため息をついた。
「三十ドルかぁ……」
小さくつぶやく声も聞こえた。

あきらかにがっかりした様子の息子を見て、男は思った。もっと稼いでいるとでも思ったんだろうか。おおかた、友だちと話をしていて、「誰のパパがいちばんお金をかせいでいるか?」という話題にでもなったのだろう。

小さいときからお金のことをきちんと意識するのは大事なことだろう。でも、お金をモノサシにするような考え方は賛成できない。
一時間に三十ドルのお金をもらうために、自分がどんな苦労をしているのか、今度きちんと教えてやらなくてはいけない。友だちのパパに負けたからといって、そんな落胆されては、こちらのやる気もなくなってしまう。
「もういいだろう、さっさと寝るんだ」
そう言って、追い払うように子どもを寝かしつけた。

翌日。男が深夜に帰宅したとき、またリピングに明かりが灯っていた。
しかし、男の怖宅を待っていたのは‘息子ではなく妻だった。妻は思いつめたような顔で、切り出した。
「あなた、あの子のことなんだけど……。今日、お金を貸してくれって言われたの」
何か買いたいものがあるから、というわけではなく、とにかく「お金をちょうだい」の一点張りだったという。最初は言い聞かせたり、怒ったりしていた妻も、とうとう根負けして、「いつかちゃんと返すこと」を条件に、十ドルを貸したという。

しかし、妻から聞かされた驚くべき話は、それだけではなかった。
息子は、お駄賃をもらうことを条件に、近所の人の手伝いをしているのだという。
妻も、今日はじめて知ったらしい。
もちろん、もらっているのはわずかばかりの金額らしいのだが、金額の問題ではない。これではまるで、うちが子どもに不自由をさせていると、近所に言って歩いているようなものだ。
たとえ仕事に疲れていたとしても、今日ばかりはきちんと言わなければいけない。
「悪いが、あの子を起こしてきてくれないか」
そう妻に言った。

息子は、眠たそうにまぶたをこすっていたが、家族がそろったことがうれしいのか、喜んでいるようにも見えた。
「そこに座りなさい!」
しかし、男の怒気をはらんだ声に、場の空気を読み、うつむいた。
「近所の人にお金をもらっているそうじゃないか。何でそんなことをしているんだ。お前が何不自由なく暮らせるように、パパは毎日遅くまで働いているんだ。お菓子やおもちゃだって、ほしいものがあれば買ってあげている。住む家も、洋服もある。それで十分だろう」

息子はくやしそうにくちびるをかんで、目には涙を浮かべている。悪いことをしているわけではないという思いがあるのだろう。たしかに罪を犯したわけでも、嘘をついたわけでもない。しかし……。
「お金を稼ぐことがどれだけ大変かを知るのは、悪いことではない。でも、お前がやっている“仕事”なんて”子どもの遊びなんだ。本当の仕事は、そんなに簡単なものじゃない。それにお前は、ママにお金を借りたそうじゃないか。結局、苦労をすることを放棄して、簡単にお金を手にする方法を選んだんだ。違うか?」

そこまで言って、男はやや冷静さを取り戻した。言いすぎたかもしれない。ついつい、仕事で部下を怒鳴るような感覚になってしまっていた。妻の顔を見ると、妻も、「もういいわ」とでも言わんばかりに目くばせしてきた。
「パパが言うこと、わかるだろ?」
息子は、涙を流しながら、何度もうなずいた。その姿を見て、大人げなかったかもしれない、と反省した。
「ゴメン。ちょっと言いすぎたな。パパな、毎日いっぱい働いて、今日も長い時間慟働いて、ちょっとイライラしてたんだ。一時間に三十ドルをもらうのだって、けっこう大変なことなんだぞ」
息子はさらに何度もうなずいた。その表箭には、やわらかさが戻ってきていた。
「だけどさ、お前は何でお金がほしかったんだ。貯めたお金で、何か買いたいものでもあったのか?」

息子はその声が耳に入っていないかのように、勢いよくリビングを飛び出していった。そして、戻ってきた彼の手には、小さな貯金箱がにぎられていた。息子から渡された、その貯金箱のふたを開けると、なかからたくさんの硬貨がでてきた。この硬貨の数だけ、息子は近所のお手伝いをしていたのだろう。

息子は、さつきまでの泣き顔からは想像もできないような笑顔を浮かべて、大きな声で言った。
「パパ、ぼく、今日ママから十ドルをかりて、やっと三十ドルをためたんだよ。これで、パパの一時間を買えるよね!? ねぇ、パパ、いっしょにあそぼ。そのお金をパパにあげるから、一時間だけいっしょにあそぼうよ」

男の手からじゃらじゃらと硬貨がこぼれ落ちた。笑顔いっぱいの息子とは対照的に、今、涙を流して泣いているのは、男のほうだった。

コメント:これは有名な海外の短編なので、既にご存じの方もいると思います。特殊詐欺で他人から金を巻き上げては、それを遊興費に使ってしまうような者たちには、カネの価値等分かりはしないでしょう。どう使うのかで、人間としての価値が分かるのです。


『拝啓、お母さん』

お母さんへ。

手紙を書くのは、久しぶりだね。小学生のころ、母の日に書いて以来かも。「結婚」っていうキッカケがないと、なかなか手紙なんて書かないもんだね。わたしも、あのころより大人になったから、少しは賢くなったよ。手紙には、「拝啓」って最初につけるんだよね。あれ?もう遅いのかな?まあ、いいや。拝啓、ここからが本題です。

何から話そう。言わなきゃいけないことが多すぎて困っちゃうな。
ああ、そうだ。小さいとき、お母さんとお父さんと三人で花火大会に出かけて、わたしが迷子になったことあったよね。あのとき、本当に心細くて、迷子センターのお姉さんに名前を聞かれても、うまく答えられなくて。もう二度とおうちに帰れないかもって思ったとき、お母さんがわたしを見つけてくれた。ぜったい怒られると思ったのに、お母さんもお父さんもわたしをギュウっと抱き締めてくれて、心の底から安心のを窺えてる。あのときからずっと、お母さんの手はわたしを助けてくれたね。
熱を出してつらかったとき、おでこに手を固いて、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」って言ってくれた。お母さんのお手伝いをするって、張りきって包丁をにぎって、それで指を切っちゃって、たくさん血が出てびっくりして泣いちゃったときも、お母さんがすぐ手当てして頭をなでてくれたら、すぐ痛くなくなった。
そうそう。お母さんが美咲(みさき)を産んだときも、本当に嬉しかった。弟や蛛のいる友だちがうらやましくて、ずっと「わたしもほしい !」って言い続けてたんだよね。初めて見る赤ちゃんの美咲、すっごくかわいかった。今は生意気になっちゃったけど。でも、美咲が生まれてきてくれたおかげで、楽しい思い出もいっぱいできたから、それはお母さんのおかげ。

本当に、感謝しています。

それなのに、中学生になって、反抗期になって、お母さんに迷惑かけてばかりだったよね。 朝お弁当つくってくれたのに、食べずにそのまま持って帰ったり、友だちと遅い時間まで遊んで連絡もしなかったり、いま考えたらひどいことをいっぱいしたなって思います。迷感かけて、わがままばかりで、ごめんなさい。
あのころ、お母さんが夜中に泣いてるの知ってました。わたしが中学校に上がる前にお父さんが病気で死んじゃって、お母さん、つらかったよね。悲しかったよね。わたしが支えてあげなきゃいけなかったのに、もっと苦しめるようなことばっかりしてたよね。 
お母さんの涙を見て、ああ、ひどいことしたな、泣かせるつもりじゃなかったのにって思ったんだけど……お父さんがいないとダメなのかなって、お母さんが悩んでることも知ってて、そんなことないよってずっと思ってたんだけど……でも、本音を伝えることも謝ることもできなくて……わたし、本当に子どもだった。
ごめんなさい。ちゃんと言えなかったけど、ありがとうって、ずっと思ってたよ。
わたし、お母さんにたくさん心配かけたけど、でも、わたしも同じくらい、お母さんのことが心配です。だって、お母さんはちよっと心配しすぎなとこがあるから。
わたしが結婚して家からいなくなったら、お父さんより先に泣いちゃうんじやない? って話したの覚えてる?ほら、思ったとおりだった。うーん、ちょっと違う                            のかな ? でも、美咲がまだ家にいるから、さみしくないよね。エラそうにしてるけど、まだまだ子どもだから、お母さんがいないと何もできないんだよ、あの子。わたしにそうしてくれたみたいに、叱ったり褒めたりしてあげてね。いい子に育つと思う。少なくとも、わたしよりは。

ねえ、お母さん。わたしは平気だよ。幸せだよ。だから、もう泣かないで。
お母さんを支えてくれる人が、近くにいるでしょ?ナオキさん、だっけ。あのひと、すごくいい人だと思います。娘が言うんだから間違いないよ!お母さんのことも美咲のことも、大事にしてくれると思う。もしも大事にしてくれなかったらわたしが祟ってやるから、そこは任せといて。
というのは冗談だけど、お母さんの二回目の結婚、わたしは心から大賛成です!自分だけが幸せになっていいのかなんて悩む必要ないから。お母さんの人生は、お母さんのものなんだから。過去にとらわれる必要なんて、ないんだよ。
あの雨の日、ショッビングモールでケンカになったのは、わたしのムシの居所が悪かっただけだから。だから、飛び出してって歩道橋で足すべらせて落っこちたのも、ぜんぶ、わたしの責任なの。お母さんが自分を責めることない。おじいちゃんも、そう言ってたでしょ?あれは、運の悪い事故だったんだって。
だけど、お母さんは優しいから、いつまでも自分を責め続けちゃう。お母さんのせいだって、自分で自分を迫いつめちゃう。そんなお母さん、見てられないよ。だから、こうして手紙を書いてます 。
わたしは、お母さんに幸せに暮らしていてほしい。笑っていてほしい。お母さんの幸せのジャマになるのはイヤなの。お母さんがわたしの幸せを願い続けてくれたように、わたしもお母さんの幸せを願ってるから。
苦しい思いさせて、本当にごめんなさい。すぐに元気出してっていうのは難しいかもしれないけど、でも、もう泣かないで。子どものころ、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」ってお母さんがわたしの頭をなでながら笑ってくれたみたいに、こんどはわたしが、お母さんに同じ言葉を贈ります。
だいじょうぶだよ、お母さん。
わたしはまたすぐ、お母さんの近くに生まれていくから“

いま考えてるのはね、お母さんとナオキさんの子どもとして生まれていくの!わたし、もういちど、お母さんの子どもになるんだよ。いいアイデアだと思わない? 
あ、でもね、美咲が結婚したら美咲の子どもとして生まれていくのもいいなって思ってるんだ。つまり、わたしはお母さんの係になるってこと。お母さんは、どっちがいいと思う?
とにかくね、こんどはずっとお母さんのそばにいる。いままで迷惑かけたぶん、たくさん泣かせちゃったぶん、しっかり親孝行するね。……あ、おばあちゃん孝行になるのかな。
だから、それまで少しバイバイするだけ。それだったら、さみしくないでしょ?でも、お母さんのことだから、きっとこの手紙を読みながら泣いてるよね。泣くのはこれで最後にしてね。それが、わたしの最後のわがまま。お母さんが笑ってくれてるほうが、美咲も、わたしも、きっとナオキさんも嬉しいから。 
それじゃあ、もっと話したいことはいっぱいあるんだけど、続きは、こんどそちらで会ったときに言います。それまで、ナオキさんと美咲と、元気でね。
笑顔のお母さんと会えるのを、楽しみにしています。美晴(みはる)より (作橘つばさ)

コメント:亡くなった人と文通が出来たらどんなに良いでしょう。故人が向こうで、幸せに暮らしていて欲しいという願いは、我々生きている者の共通の願いです。実際にあちらの世界(天国)があるのかどうか、死後の世界があるのかという議論をしても意味はないのです。これは今を生きている人間の存在と、意識、人生の価値観の問題だからです。故人は人の心の中で生き続けています。東日本大震災の時に出来た、風の電話(ボックス)も同じ趣旨だと思います。人を愛し、人を慈しむ、それこそが人間として生きていることの何よりの証明です。人間性を失ったら、もはや生きる意味はないのです。人として生き、人を愛し、人を慈しむ。だからこそ人間は、弱くても、愛することによって、至高の存在にもなれるのです。



2345.保阪正康最後の講義 6/15

保阪正康の最後の講義(NHK)は、これまで何度か放映されましたが、機会を見て是非、聞いて頂きたい。ポイントはいくつかあるが、最大のものは「戦争が、普通の人間を鬼にする」という点です。その観点から言えば、日本のウクライナ戦争への関り方は間違っています。しかもその後の防衛費の拡大は、更に間違っていると断言できます。戦場では、残虐行為が当たり前、即ち普通の行為として行われる。それは戦争という状況が、人間から人間性を奪うからです。何故なら人が人を殺すという行為こそ、人間が取る最悪の行為だからです。侵略(私欲)は言うまでも無く、例え正義の戦いであっても、いやどんな理由があろうとも、相手の命を奪わない。具体的には銃を相手に向けない。それが唯一人間を人間たらしめる行動なのです。ところが何故か岸田からはその意識が感じられない。とてもではないが、30万人が理不尽な死を遂げた広島出身の政治家とは思えない。ロシアとウクラウナ双方の大義名分はもう結構。とにかく今直ぐ発砲を止めよ。プーチンもゼレスキーも同時にです。ウクライナ側には自衛という大義名分がある。領土を守るのは当たり前です。誰も国や家を奪われたくはない。でもそれは民間の紛争と同様、直接の利害関係のない、第三者に入って貰う方がいい。確かに問題はそれを担うべき国連に力がない事です。一方で、ウクライナは武力以外の対策を考え、世界中に協力を求める。ところが岸田を見ているとひたすら米国に加担するだけのように思える。ウクライナ戦争は、米国にとって、ロシアの勢いをそぐという大きな利点がある。であるからこそ、停戦には後ろ向きで(双方は直ちに発砲を止めるべきだという言葉は出てこない)、膨大な軍事支援も米国の議会が是としているのでしょう。その結果、消耗戦が続き、悲惨な目に合うのはウクライナ(とロシア)の国民(と兵士)なのです。過去も、現在も、これからも、絶対に守らなければならないものは、?非戦の思想です。自民党や維新の国家主義の男女議員には、非戦の大切さが全く理解できないようだ。しかもジャーナリストも、メディアも、大国の覇権争いが形を変えた、ウクライナ侵攻戦争を、批判しようとはしない。メディアにとって、米国の批判は事実上タブーなのです。それに気が付いて私は愕然としました。言い換えれば、日本は未だ現代国家どころか、近代国家でさえない。日本には民主主義もなければ、平和主義もない。しかも難民問題一つ取って見ても分かるように、人権や平等の意識さえ怪しいからです。今日本が成すべきことは、軍備の増強ではない。「米国に働きかけて」プーチンと直談判して、一日も早く戦闘を辞めさせるよう、米国を説得することなのです。同時に日本は、大国の覇権争いに加担するような振る舞いは、即刻改めるべきなのです。
・保阪正康、最後の講義
https://www.nhk.jp/p/ts/4N7KX1GKN7/episode/te/X5Y699QV2G/



2346.ガーシーの闇 6/22

今回の前書きはサンデー毎日(7.2−9)の特集記事の一つ、ガーシーの闇を徹底的に読み解く、路上のデモクラシー、石戸諭の紹介です。

…名誉毀損は、語られたり記されたりした内容が事実であっても成立する。
…一連の発言のなかで興味深いのは、自身にかけられた容疑を「国策」と断じていることだ。この言葉に、私は周辺の影響を確かに感じていた。東谷容疑者はドバイを拠点とする日本人ネットワークの一部にすぎない。
 時系列でことの経緯をまとめておこう。ギャンブルで億単位の借金を重ねた東谷容疑者は、「BTSに会わせる詐欺」や知り合った芸能人からアパレル事業の運転資金にするという名目でカネを集め、自身の借金の返済に充てていた。ところが万策がつき、行き詰まったため知人のツテを頼りドバイヘと逃亡し、2022年2月から「暴露系ユーチューバー」としての活動を始めた。これも彼から生まれたアイデアではない。
後述するが動画で収益を上げていくこと、その内容にもブレーン的な存在がいた。
 大手メディアも芸能界も当初、東谷の存在を黙殺した。彼への追い風となったのは、黙殺によって「不都合な真実だからこそ、忖度するメディアは沈黙するほかない」。そんなストーリーが真実味をもって受け入れられたことだ。瞬く間にチャンネル登録者数を増やしていき、スキャンダルで狙い撃ちされた芸能人の中には仕事を失うものも出てきた。
 ある聞係者の証言。
「彼の動画は最初期からチェックしていた。細かい事実も含めて、さすがにすべてが嘘とは言えない。だけど、動画によっては10%の真実は入っているが、残りの90%は話を盛っているか、調べても出てこない犯罪行為をやっていると言っているばかり。こちらが反論しても、すぐに再反論の動画がアップされ、あることないことを畳み掛けるように言われる。こうなってしまうと周囲には何が正しいかよりも、『何か揉めているな』というトラブルの印象しか残らない。それで損するのはこちら側でしょう」
 再生回数を稼いでいく東谷容疑者の周囲には国際手配をかけられながら、経済的に豊かな生活を謳歌する者たちがいた。
 窮地に追い込まれた東谷容疑者をドバイに誘い。そして暴露系ユーチューバー「ガーシー」を提案したのは麻雀仲間であり、ドバイ滞在時の有力な支援者でもある秋田新太郎という男だ。
…若手起業家として名をはせた秋田は一時期、盛んにメディアにも登場していた。人生が一転するのは、銀行から融賢金を騙し取った事件で大阪府警に逮捕されてからだ。
 …アダルト動画投稿をメインにして、国内有数のユーザー数を誇るウェブサーピス「FC2」の創業者である高橋理洋も「ガーシー」が頼った一人だった。 
 …強固なネットワークが彼の背後に存在している。警察当局もまた彼らの動きを注視しているという。

 …ユーチュープという空間で影響力を高めるため双方が利用し合い、一つの経済圏域を確立していた。そのような見力も成り立つのだ。
 …ハイリスクな暴露を繰り返した男が国会議員になったはいいが、除名処分となり刑事事件の捜査対象になるという前代未聞の事件の全容はまだ見えていない。
今の時点で言えるのは、過澂な動画が瞬間的に多額の収益を生み出す構造―。その課題があぶり出されたこと。そして、暴露には強い対抗措置を取ることが求められるということまでだ。
コメント:ガーシー事件については、今までこれという分析記事はなかったが、これはその最初の記事かもしれない。一方で、逮捕された時点で、世間の東谷への関心は失われたかに見える。しかしガーシーや、更に敢えて言えば、ネット上で極論や暴言を繰り返す、若手論者(ヒロユキ、成田悠輔=高齢者は集団自決せよ)に、ガーシーとの共通点を感じるのは私だけではないだろう。
石戸のこの記事は、今こそネットの闇に、正面から切り込むことの必要性を、我々に教えてくれているようにも思える。
ネット有名人とガーシーとの違いは、金が目的か、売名が目的かの違いだけではないのか。目的のなら礼儀もルールも無視。しかも政治的な主義主張を訴えることよりも、自分が目立つかどうかが最重要。皮肉なことに、これは小池知事にも相通じる価値観だ。
しかしサムシング(何者か)でありたいと願うのは、人間本来の欲求であり、それまで否定することはできない。でもそれは適切な手段と方法、ルールとエチケット、更には常識と良識が前提であり、おのずと限度というものがある。誹謗中傷やフェイクを振りまくことが、無制限に許される訳ではない。
いま殆ど全ての老若男女が、ネットにどっぷりつかった生活をしているのに、情報の発信・受信に関する、いかなるルールもマナーも存在しておらず、その結果一般市民(含む青少年)がネットの被害や害悪に、無防備で曝されている。事件性があるものについてのみ、名誉棄損等、既存の法律が援用されているだけであって、それだけでは、この広大な(ある時は荒れ狂う)情報の海から、一般市民の生活や財産を守ることは不可能だ。
ガーシーの事件が契機になって、ネット社会見直しの機運が高まるようなら、ガーシーも少しは国民の役に立ったと言えるかもしれない。今早急に必要なものは、ネット民主主義のスキーム、及び、グローバルネット民主主義の世界における、基本構想と平和で平等な、人権尊重のネット憲法である。無論その中には選挙のネット投票も含まれる。ネット民主主義の骨格作り、それこそが河野デジタル相に課せられた使命ではないだろうか。



2347.熱中症の疑い 6/24

以前は日射病と言っていましたが、日射病と熱中症は違うものとのことです。私が1週間前に、熱中症(実は未だに熱中症の診断は出ていない)で病院の厄介になりましたが、これは今回で二回目です。初回は約10年前で、夜間、起きた時に頭がくらくらして、めまいが酷く、まっすぐ歩けなかったので、救急車に来てもらいました。当時診察券のあった南部病院で、当直の医師に診てもらいましたが、脳梗塞ではなさそうだということで、少し休んで帰宅しました。但しその後、同じ病院の耳鼻科(めまい外来)で診断を受け、投薬を受け、その後通院先は変わりましたが、典型的なめまいの患者として、服薬を続けています。但し症状は強くないので、メニエール病ではないと思います。
最近は症状が落ち着いており、起床時のめまいもほぼ無くなってきたので、服薬を辞めようかと思っていた矢先でした。今回の発症は、夕刻強いめまいと頭痛と吐気があり、またまっすぐ歩けなくなりました。掛かり付けの医院は時間外だったので、#7119に電話して、その時間に対応して貰える病院を探してもらいました。その結果、永山の日医大病院に電話をして、♯7119で教えてもらったと言って、症状を説明すると、では来てくださいと言われ、家内の運転で駆け付けました。車が手当てできなければ、タクシーで行くことになります。
この手順は、救急車に来てもらったはいいが、受け入れ病院が見つからず、車内で待たされるより効率的かもしれません。
日医大の病院の応対は、血液検査、MRIと進み、吐気止めの点滴を受けました。検査の結果もすぐに出て、血液検査で熱中症でないことが分かり、MRIで脳に問題の無い事も分かりました。後日、耳鼻科を受診するように言われて帰宅しました。点滴を受けながら、救急室の様子を聞いていると、いかにこの病院が、効率良く、多数の救急患者をさばいているかが分かります。救急診療依頼の電話がひっきりなしに掛かってきますし、救急車も来ます。その対応を聞いているだけで、この病院が地域の救急病院として、信頼できる病院であることが良く分かりました。
ところで、熱中症という名前では、症状が分かりにくいのですが、基本的な症状は、頭痛、めまい、吐気です。汗をぐっしょりかくようなら、それは体温を下げる機能が正常に働いていることになるので、熱中症にはなりにくいと思います。その時は喉も乾くので、言われるまでもなく、水を飲んでいるはずです。高齢者の場合は、基本的な生理機能が十分に働きません。言い換えれば、高齢者が熱中症に弱いのは、水分補給が十分出来ない(喉が渇かないから)上に、発汗作用が十分に機能しないからでしょう。従って、対策も水分補給と冷却になりますが、水分はスポーツドリンクのような成分を含むものが必要です。コーヒーや紅茶は飲みやすいが、利尿作用もあるので、水分補給には不向きです。また温度にも鈍感になっているので、就寝時に冷房を切らないことも重要です。私はその後、ポカリスエットの大瓶を手元に置いて、努めて飲むように、しています。
皆様もめまいを感じたらまず熱中症を疑ってください。但し病院が心配するのは、熱中症よりは脳の疾患であることも知っておいた方が良いと思います。なぜならそちらの方は、命に係わる上に、処置の時間をあらそうからです。いずれにせよ、迷ったらまず♯7119に電話をして下さい。

・熱中症こそ異次元の対策が必要。
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230621/med/00m/100/019000c


・コロナ感染急速拡大か。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6467271
関連記事:1.1倍。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230623/k10014107291000.html
関連記事:気付いたら、ベッドがいっぱいに、なるかも。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/258366
関連記事:広がる心不全パンデミック。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA30C7G0Q3A530C2000000/
コメント:五類になったから感染も終わった、またはもう風邪と同じだとでも思ったのか。でも誰もそんなことは言っていない。

・ヘルパンギーナ、都で流行警報。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6467312

・マダニが媒介、オズウイルス。茨城で世界初の死者。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230623/k10014107691000.html

・梅雨の食中毒の対策。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230622/k10014106261000.html

・大麻成分THCとは。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6467278



2348.デーブ・スペクター 6/25

今回の前書きは、朝日新聞(6.24)のオピニオン&フォーラム、政治的中立どう捉える、から、デーブ・スペクター、フェアな政権批判の幸せ、です。
…米国のテレビに比べて、日本のテレビ局はフェアですよ。中立で公正。キャスターはきちんとしているし、局アナが変なことを言うわけがない。BSの報道番組では各局、与野党の政治家や様々な立場の論客をそろえ、多角的に政治・政策の報道をしています。恵まれた環境を作ってもらい、日本の政治家は幸せ者ですよ。地上波TBS系列の「サンデーモーニング」のように、メッセージを正面から出し、政権批判をする番組が存在することをうれしく思った方がいい。
 ところが、番組が偏っているといって、放送法の解釈を変えようとする動きがありました。2015年、当時の高市早苗総務相は、一つの番組のみでも極端な場合は政治的公平に反することがあるといい、これまでと異なる放送法の解釈を答弁しました。翌16年、違反を繰り返せば停波を命じるという発言までしたのです。当時の安倍晋三首相に付度したのではないかと私は見ていますが、偏った報道で免許剥奪なんてありえない。そんなことをするのは、民主国家ではなく独裁国家です。
 もちろん、見えない報道の不公平はあります。安倍元首相がからんだ森友・加計学園問題を消極的に報じた報道番組もあります。ジャニーズ問題も長い間、報じてこなかった。ただこれは、社内のトップからの指示、あるいは現場の編集サイドでの付度のようなものが背景にあると思っています。ある話題を取り上げないから外からの政治的な圧力があったと見るのは、少し飛躍があると思います。
 日本テレビ系列で5月に放送された「世界一受けたい授業」に岸田文雄首相が出演し、「政治的公平」をめぐる議論になっていますが、まったく問題ないですよ。そんなこといちいち気にしないで、いろんな角度から番組を作ればいいわけです。
 テレビ局もネットやSNS など様々な媒体で情報発信をし始めています。番組のコメンテーターにNGOで活躍する若者たちが登場し、自分たちの意見をはっきり述べるようになっています。多様性という点で番組がよりフェアになっています。テレビが報じる内容をうのみにするかどうかは視聴者のメディアリテラシーの問題で、政治家が余計な心配をして大騒ぎをすることではありません。
コメント:王室報道でしか見かけないデーブも、まんざら捨てたものではない。決して馬鹿ではない。最近読んだ評論でも、これはベストだ。高石の暴走もちゃんと批判しているし、なにより「そんなこといちいち気にしないで、いろんな角度から番組を作ればいいわけです」が良い。確かに判断するのは国民だ。記事を選択し、真偽を見極め、意見を構築するのは、国民の「責任」である。それさえ理解されれば、ガーシーや成田や立花のような毒キノコの毒に、国民が当たるようなことも少なくなるだろう。デーブには、是非、サンモニのひな壇に並んで欲しい。




2349.アスリートの語学力 6/28

今回の前書きは、朝日新聞(6.27)多事争論です。
「アスリートの語学力、必要ツール、見習いたい向学心」編集委員 稲垣庸介から。

テニスの全仏オープン車いす部門の男子シングルスで、史上最年少優勝を飾った小田凱人(がいと)の優膠スピーチは、17歳の少年とは思えなかった。決勝を戦ったライバルヘの敬意を英語で披露し、詰めかけた観衆へも感謝を忘れない。その後の記者会見での英語での対応も、実に堂々としていた。

愛知県一宮出身の小田に、外国で暮らした経験はない。「英会話スクールに通ったこともありません」。13歳で米フロリダ州にテニス留学して以来、練習拠点が変わらない錦織圭とは、育った環境が違う。

本人に聞くと、勉強は不得意。ただ、テニスの先輩から「英語はやっておけ」と諭され、「他の教科よりは真面目にやろう」という意識が芽生えた。海外遠征が増えたこの2年、テニスの技量と比例して英語も上達した。いつも一緒の熊田浩也コーチは「凱人は僕の通訳です」と頼っている。

発音もうまい。その理由を尋ねると「なんでですかね。洋楽は聴きますけど」。試合で入場するときに聴く音楽は洋楽の定番と決めている。英語の歌詞を調べ、自分がめざす姿と重なった。「ヒーローになれる」「金を取れる」「チャンピオンになれる」。歌を口ずさみ、自己暗示をかける。聴いて、歌う。その習慣が自然なアクセントやイントネーションにつながったのか。

スピーチの心強い味方はユーチューブだ。すでに昨夏、全米オープンを控えたときの取材で「決勝後のスピーチの話の流れは把握しています。大坂なおみ選手ら多くの選手の映像を見て勉強しています」。予習を積んだ先に全仏の晴れ姿があった。

コメント:後半は石川佳純の中国語ですが、長くなるので割愛します。ところで自民党の女性(に限った事ではないが)議員諸君、貴女方は英語で演説が出来るでしょうか。私はエジプトに留学した某知事でさえ、極めて怪しいとにらんでいるのですが。



2350.五輪汚職とJOC 7/2

6.25のサンデーモーニングで、習近平とブリンケンの会談の様子が放映されました。ブリンケンの漢字の名札は布林肯となっていました。会談の後でブリンケンは、米国のワン・チャイナ・ポリシーに変わりはないが、一方的な現状変更には反対すると述べていました。言い換えれば、台湾の独立は想定していないということです。番組(サンモニ)では、朝日新聞の論説委員の元村が、フランスのパリ五輪捜査に関連して、五輪が商業主義になったことが、諸悪の根源であり、実際の費用が3倍にも膨らむ原因だ。開催地の身の丈に合ったイベントにするべきだと語っていました。まさに正論であり、そもそも東京五輪が、東京都や日本の身の丈を超えていたのに、誰もそれを指摘し、批判もしなかったことを思い出しました。


今回の前書きは、朝日新聞(7.1)からです。
最初はかたえくぼです。

『五輪汚職検証せず』
指導!注意!   国民
続投のJOC山下会長殿

コメント:あれだけの不祥事があったのに、いささかも自分の責任を感じているようには見えない。しかも在任中に、経理担当部長が自死しているのだが、それさえいつの間にかもみ消された。背景の捜査もないというのは異常である。以下に紹介する記事のように、まともな報道さえなかった。日本のメディアが世界最低ランクというのは、権力(既得権)に弱いからだろう。ジャーナリズムの精神が理解できないメディアは、メディアを名乗る資格はない。
関連記事:経理部長が自死
https://www.new-road-media.com/article/article-1613/
関連記事:第三者調査の無い違和感。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/260193

二番目は、オピニオン&フォーラム、日本の平和とは、です。
「米国の正義実現へ、前提となる力の行使、広島で唱えた奇妙さ」、佐伯啓思から
…さて「平和」という観念に戻ろう。欧米、とりわけ米国の歴史観、世界観の「祖型」がユダヤ・キリスト教的なメシアニズムだとすれば、彼らにとって「平和」とは、彼ら自身の正義による世界秩序の構築、ということになろう。 歴史とは、「正義」と「邪悪」の対決の渇なのである。「平和」とは悪との対決によって実現されるべきものなのだ。

だが、日本には、この種のメシアニズム的な歴史意識も一神教的な秩序意識もない。「平和」とは神の絶対的正義が世界を覆う状態だなどという観念もない。「神」を抜きにしても、リベラルな正義による世界秩序の構築が「平和の実現」だという意識もない。別のいい方をすれば、自らの神(絶対的正義)を押し立てて、血みどろの戟争を辞さずという思想は、もともとの日本の文化にも思想にもなかった。
(以下略)
コメント:力の行使による米国流の正義で、これまでうまくいった試しはない。中南米しかり、ベトナムしかり、しかもイアクやアフガンに至っては、米軍が撤退した後には、荒廃した国土が残されただけ。唯一成功したのが他ならぬ日本かもしれない。力で平和を実現できないことが理解できないのは、自民党もご同様で、頭の悪い自民党の領袖たちは、米国に寄りかかり、その下知に従うという最も安易な方法を取ってきた(除く田中角栄)。それが自民党の描く平和なのだから、被災者が広島サミットに怒るのは当たり前なのである。岸田首相はリベラルな国民にとって、地獄からの使者である。穏やかそうな表情や言葉に、騙されてはならない。しかも言うにことを欠いて、安倍の遺志に応えるとまで言っている。一体どこを向いて政治をしているのだろう。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/260189?rct=politics





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