「WTWオンラインエッセイ」

【第36巻の内容】

「安倍晋三のアキレス腱」
「経済が先か、政治が先か」
「百条委員会」
「すべてはつながっている」
「嘘をついているのは貴女です」
「右傾化する文科省」
「自覚なき首相夫人」
「電気自動車の時代」
「これでも首相を信用せよと言うのか」
「いと見苦しき自民党」
「共産党がまた1点」
「意味の無い人生はない」
「男なら本音で勝負せよ」
「新ゴジラの謎のラストシーン」
「総務委員会とNHK」
「中学で銃剣道」
「それはソンタクではない、アツリョクです」
「こういう日本を若者に残す気にはなれない」
「安倍首相でなければならない理由などない」
「共謀罪は安倍首相を守る為か」


701.安倍晋三のアキレス腱。2017/3/14

3/13の予算委員会。民進の小西議員の追求が出色でしたが、それをNHKがニュースで取り上げることはありませんでした。森友と理財局の会議が有ったのか無かったのかさえ答えようとしない理財局長を初め、同じ答弁が繰り返されるだけで、質疑野体を成していませでした。質問をはぐらかすのが精一杯でした。例えば教育勅語については、文科相に教育基本法の観点から否定させただけで、首相本人は賛成とも反対とも絶対に言いませんでした。賛成と言えば、国民が承知しない事は分っているし、反対と言えば自分の信念に反するからでしょう。
自衛隊の撤収についても、撤収の本当の原因、すなわち現地の治安が悪化していることを頑として認めようとしませんでした。週間朝日で、戦闘を衝突と言うのなら、戦死は事故だろうと書いた記者を室井卯月が紹介しています。
沖縄のオスプレイ事故で分った、空中給油の危険性を指摘した共産の山下議員の質問も、NHKが報道する事はありませんでした。防衛省はチェックリストの存在さえ(現に有るのに)認めようとはしませんでした。しかし共産党は、良くこういう軍事資料を入手できたものです。
いつから日本の政府は、国民に嘘を吐くことをなんとも思わない政府に成り下がってしまったのでしょうか。そしてそれが日本会議=国民は謀り、蔑むべき相手に過ぎない、それを統治するのは自分達だ、の体質なのでしょうか。安倍首相の辞書には正直という言葉も、誠実という言葉もなくて、その代わりにあるものは、嘘も方便という言葉だけなのでしょうか。ここで死人でも出たら(森友の問題もあるし、政権は)イチコロだと言ったという話さえ伝わっているのです。
福島みずほの、特区の加計(かけ)学園と首相の関係の追求には、首相は色をなすのみで、まともな説明にはなっていませんでした。最後は個人への誹謗だ、責任を取れと恫喝する始末です。私は彼のこれほどの激高、というよりむしろその陰にある動揺を見たことがありません。完全に痛いところを突かれた形でした。福島(と週刊誌)の得点です。
関連記事。安倍首相道義的責任触れず。
https://this.kiji.is/213972930723612150?c=39546741839462401
関連記事。宿営地で射撃音。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031400029&g=pol
関連記事。加計学園への便宜否定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170313-00000122-jij-pol

ところで、信濃毎日から、松本での機動隊長野中隊の訓練想定に、反対派暴徒化があるという記事がありましたが、それが削除されてしまいました。その想定が事実なら、まさに安倍首相の専制恐怖政治の具体的な形の一つとなります。



702.経済が先か、政治が先か。2017/3/20

米国では(日本でも)行き過ぎた資本主義が経済格差を生み、下層に堕ちる中間層が激増しています。その結果、虐げられ、搾取された米国の大衆が、トランプという、世界中に迷惑をかけている怪物を作り出しました。皮肉なことにトランプの政策は一見大衆寄りでありながら、実は冷静に見れば、これは富者を一層富者に、忍者を一層貧者にする政策でしかないのです。そして貧者に残された最後の選択肢は兵士になるくらいしかないのです。

これは持てる者は更に豊かに、持たざる者は更に貧しくなるという資本主義の原理が「正しく」機能した結果であって、それを是正する役割を持つ、政治の福祉の機能が「長年に渡って」停止していたからです。僅かに不均衡を戻すオバマケアも、トランプが破壊しました。なぜなら独裁政治と、公平や平等という概念は両立しないからです。独裁者に近い者だけが甘い汁を吸えるという構造がないと、独裁政権は維持できないのです。無論政権を批判し、反対する者には罰則が用意されています。日本ではそれが秘密保護法であり、共謀罪なのです。

トランプのしている事は、資本主義、それも金融資本主義を一層推し進めることでしかなく、米国による世界経済の支配を強化し、米国だけが利益を得るような仕組みを目指すことです。だからこそのアメリカ・ファーストなのです。試しに、1年後に未だトランプ政権が残っているようなら、景気ではなく、是非とも経済格差で比較して欲しいのです。間違いなく較差は広がっているはずです。なぜならそういう政策を目指しているからです。その証拠に彼は、豊かな国を目指すとは言っても、平等で公平な社会を目指すとは言っていないのです。ここで、古き良きアメリカが決して平等な世界ではなかったことを思い出して頂きたいのです。無論日本でも、戦前の日本の方が良かった等と言う人の気が知れません。その頃差別されたのは黒人層でした。無論当時は日本人も米国では差別の対象でした。そしてそれが今ではアラブとヒスパニックになったのです。これがアメリカ・ファーストの実態なのです。即ちトランプ政権が目指すものは、古き悪しき格差社会であり、形を変えた人種差別主義なのです。

いま米国政府がトランプノミクスならぬ、ニューニューディール政策を実施すれば、間違いなく景気は良くなるでしょう。何故なら公共事業と武器産業が拡大するからです。投資が拡大すれば、それが企業収益と報酬や所得に反映する。これも経済の原理です。それが米国では可能なのは、未だ広大な土地があり、天然資源もあり、稼働人口があるからです。それらがない日本では、経済成長を支える余地が殆ど無いのです。土地も人(需要)も無く、労働力の高齢化に伴う生産性の低下だけが待っているからです。だから作業の自動化は企業にとって通れない課題なのです。

米国に成長の余地があるのは、働く移民がいるからなのです。ウォール街で金だけ転がしている連中は、単なる金利に群がる亡者でしかなく、何かを生産している訳ではありません。利息を奪い合っている不労所得者に過ぎないのです。金をいくら転がしても、誰かがそれを元手にして、製品やサービスを造りだし(即ち働いて)、付加価値を生み出さない限り、収益、即ち利息も生じないのです。だから移民を排斥した途端に、米国経済はすってんころりと転んでしまうのに、それが分からないトランプは、経済も財政も分かっちゃいないお馬鹿さんだと言われても仕方が無いのです。同じように経済(特に財政)が分っていない安倍首相の兄貴分としては、これ以上はないふさわしい人物なのかもしれないのです。

米国でも日本でも英国でも、いや世界中で経済強者(富者)と経済弱者(貧者)の差が拡大しています。そうした格差への不満が、トランプという怪物を作り出しました。即ち独裁政治の問題の本質は、政治理念ではなくて、実はパンにあったのです。ドイツにヒットラーが生まれたのも不況と国民の不満が背景にあります。そこ独裁政治が華を開かせる素地があるのです。大衆の不満を肥料にして育つ毒々しい花々なのです。

一方ドイツではそうした傾向が少ないのは、ナチスという反面教師がいて、その弊害を(日本のように目を背けることなく)きちんと学校でも教育しており、また社会保障が行き届いているからです。これは大きなヒントです。社会保障や福祉が充実して、事実上の経済格差が減れば、大衆の不満も少なくなり、独裁者を待ち望み、外国や外国人を排斥するような、非生産的な空気が生まれにくいからです。

ここで日本を振り返ると、一向に改善しない景気や可処分所得の低下があり、日本経済は日銀の国際買い上げに頼るような禁じ手まで使って、無理をして行き詰まっています。そこで緊縮して、財政を立て直すは愚か、史上最大規模の予算というのだから、空恐ろしくならない方が不思議なのです。日本の経済・財政は2年後にはどうなっているかさえ分らない状況にあるのです。国民が財政の規模と国債発行残高を正確に認識し、これまでの全く信用のおけない安倍政権の財政政策に万事お任せという態度から半歩でも踏み出せれば、安倍政権が倒れて、やっとアベノミクスの呪縛から逃れて、日本の財政を健全化に向かわせる事が出来るのです。

無論、無理の上に無理を重ねている安倍政権が倒れた後には、無駄と不公平のゴミの山が残されているでしょう。そこで止まっている行政改革を再始動させ(天下りも、森友も、元はと言えば行革が止まっていたからです)、仕分けをやり直さなければなりません。そして政治と経済の体制を根本から見直して、より公平な社会にしておかないと、性懲りも無くまた独裁者を生むことになります。政治の立て直しのお手本は、米国ではなくドイツになるでしょう。人間は貧しさにはある程度耐えられますが、差別にはそう長いこと我慢は出来ないからです。

米国や日本で独裁が生まれるのは、歯止めがきかない(野党とメディアによる抑止力が働かない)からであって、独裁者が好き放題出来るのは、悪番頭以外に、いさめる側近がいないからです。だから官邸が陰の総理として、権限を振り回すような体制を、突き崩す事も必要なのです。

高級官僚の法外な報酬、経営者と従業員の所得格差の拡大を見るだけでも、いかに日本の現状が歪んだものであり、民主主義の理想とはほど遠いものになっているかを、理解できます。それは、安倍首相が日本を事実上支配している、企業経営者と官僚のお友達になろうとしたからです。しかもこの三者に共通しているものは、自浄作用も抑止力も効かない権力、即ち歩く既得権そのものだという点です。米国と日本の独裁政治には共通点がありますが、日本の独裁政治の方が、官僚の権力が強い分、即ち既得権者が多いという点で、米国よりも一層厄介だと言えなくもないのです。



703.百条委員会。2017/3/21

昨日(3/20)の百条委員会の石原の答弁は予想通りの展開で、見苦しく、聞き苦しく、中身のないものでした。元々ユーモアにも余裕にも無縁の、偏屈で権力欲の強い人間です。良くもこれで最近まで政治家の看板を掲げていたものだと逆に感心してしまいます。古き悪しき自民党を代表する政治屋です。論旨は一貫して自分には責任がないと言い張るだけのものでした。部下に任せていた、自分は下から上がってきた案件に判を押しただけだ、内容の詳細は知らない、前任者からの申し送り事項だった等々です。

これに対して、満たしていない事が再確認された安全基準は、そもそも石原が決めたものだ、それでも豊洲に移せと言っているが、それは何故かという質問には答えようとはしませんでした。都合の悪いことには聞こえません、質問を整理して繰り返してくれ、記憶にないの一点張りでした。400億円の都民銀行の案件は、周囲の反対を押し切ってまで強行したのに、500億円の土壌改良費は知らないというのは筋が通らないという質問にも、まともに答えていませんでした。

更に、自分から言い出したのは、週に2−3日しか登庁しなかったと言われているが、その間は自分で都内を見て回っていたのだと説明していました。築地も汚染されているし、地震があれば危険だから、早く豊洲に移せ、不作為の小池が悪いと、述べ立てました。汚染した地下水は汲み上げて海に流せばいいだろう、そもそも豊洲の問題は盛り土がなかったことであって地下水は主な問題ではないと言いました。安全、安心は科学と人の心の問題だとまで言い出して、気の持ちようだと言わんばかりの口調でした。判断が間違っていたとか、都民に迷惑を掛けたという意識は一切ありませんでした。最早こうなると口の悪い、ただの老ペテン師です。

こんなお粗末な人物に、都民の巨額の税金の無駄遣いを許してきたのかと思うと、私は気分が悪くなります。都民は集団訴訟を起こして、彼に無駄遣いした都税の返還を求めるべきだと思います。また浜渦が未だに都の外郭団体の長をしているというのにもあきれます。

しかも前日の浜渦の答弁を、自民党都議団は絶賛しているという新聞記事さえありました。TBSのコメンテーターは、1時間しかない質問時間の大半を自民党が占め、しかも質問には意味が無く、自民党都議の持ち時間は無駄だったと述べていました。

豊洲移転の計画に、ろくな質問もせずに可決した自民党都議こそ、責任を問われるべきだというコメンテーターもいました。予算を含め、都議会には何度でも止める機会があったはずだからです。現在の国政に通じる、有権者不在の、自民党の傲慢お手盛り体質を感じます。豊洲の問題は、一党独裁で腐り切った都議会の体質を代表する事件です。ここまで都民は自民党の都議会議員に馬鹿にされていたのかという思いを新たにしました。まさに伏魔殿、日本の地方行政の最大の汚点です。利権が飛び交い、有権者の目が届かないこんな状態では、国政の一部を地方に移すなどはあり得ないと思いました。ドン内田が何故登場しないのかも疑問でした。

ついでだから書いておきますが、百条委でも質問に立っていた、都民ファーストの会の音喜多議員が、小池のアキレス腱になる可能性があります。なぜならハフポストにしばしば投稿しているが、論旨がテキトーな上に、犯罪歴の噂があるからで、都民ファーストの会では婦人票と清潔感が大事だからです。

肩すかしの百条委員会の茶番劇の、石原・浜渦の説明で都民が納得するほどお人好しなのかどうか、都議選が待たれます。それでもなお自民党が勝つようなら、もう都にも国も未来はないということです。
関連記事。二つの事情。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170320-00000055-mai-soci
関連記事。既定路線という説明は違う。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H4Q_Q7A320C1PE8000/?dg=1
関連記事。マック赤坂、退場命じられる。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/20/macakasaha-left-the-site_n_15482956.html?utm_hp_ref=japan



704.すべてはつながっている。2017/3/22

・北朝鮮、ウラン濃縮規模を拡大。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032200013&g=int
コメント:米国の軍事行動があれば、中国が参戦します。今双方が38度線=古い、を挟んでにらみ合っている状態です。一触即発で、一旦事があれば、一触即発。米軍基地を抱える日本は、無縁どころか、参戦を余儀なくされるのです。日本が戦場になる悪夢が現実のものとなる可能性はゼロではないのです。
最早市民の犠牲を再障礙にするには、白豚省具の速記の防犯課、西側高砂金穴sツ末hしかないという気持ちを多くの人が持っていると言うことが、イカの上司柄が追い詰められちゃ者であるかを示しています。最も望ましいシナリオは、将軍の周辺で秘密裏にクーデターが起きて、将軍が失脚し、病死等で処理されて、それとなく強硬軍事路線が修正されることです。北朝鮮には、韓国を除く外国が介入することは極力避けるべきなのです。韓国ならば祖国統一の悲願という大義名分があります。
一度混乱が起きれば、日本は浮沈空母ではなく、移動できない空母になります。しかも現在はかなり厳しい状況にあって、海外で生活する選択肢がある恵まれた人は、今からでも遅くないので、海外に住居の拠点を用意しておくことを、老婆心からお勧めします。これは決して冗談で言っている訳ではないのです。
こういう状況になった=海外での政権樹立を恐れた金正恩が金正男を暗殺した、のも、米国で右傾化軍事政権が誕生したことと無縁ではないと、私は考えています。しかも日本はナショナリズムでは米国に先行しているのです。
日本が戦場になって放射能で汚染されて滅茶苦茶になっても、海外で生き延びた人達がいれば、遠い将来、いつか再生も可能でしょう。
今回の世界情勢の混乱と危機は、英国と米国と日本で、民主主義が機能しなくなったことが、大きな要因です。大衆の感情で大きく触れる衆議院での議決を、理性と論理で検証し、抑制するのが参議院、即ち二院制の役割です。それがいまの日米では全く機能しなくなっています。多数党のトップが好きなように政治を牛耳ることが出来るようになってしまったのも、政治的暴走の抑止力としての二院制が機能していないからなのです。金正男が殺された事も、日米の政治の右傾化、即ち日米の大衆の政治への関与の姿勢、即ち独裁者に政治を任せる態度が大きく影響しているのです。
もし安倍首相の政治姿勢が平和主義や、議会政治だと考えている方がいれば、どうか安倍晋三氏がこれまでいかなる法案を無理矢理成立させてきたのか、また成立前の説明に矛盾はなかったのかを見直しして頂きたいのです。そうすれば安倍晋三氏の本音と建前が180度も違うことに気がついて、きっと驚かれることでしょう。キツイいい方で恐縮ですが、嘘を吐くことに何の抵抗も感じていないという事だけでも、その言葉を信用することなど到底出来ないのです。



705.嘘をついているのは貴女です。2017/3/24

一つ嘘をつくと、その嘘を守るために、もう一度嘘をつかないと辻褄が合わなくなる。そして二番目の嘘を守るためにまた嘘が必要になり、それが延々と繰り返される。そして嘘であるが故に、早晩矛盾と綻びが生じるのです。それが森友学園と安倍首相夫妻の関係の問題の本質です。では嘘をつくと何が起きるのか。それはたった一つ、しかも姿のない、しかし重要なものが失われるのです。それは信用です。しかも約束と信頼は、社会生活の基本であり、基盤でもあります。だから欧米では、宗教面を含めて、嘘に大きな抵抗感と罪悪感があるのです。

一方日本では、いにしえの歴代支配者の言動を見れば分るように、嘘と裏切りの積み重ねで権力を維持してきました。無論欧米でも権力者の裏切りの数に限りはありません。狡猾さは権力者にとって必要な資質とみなされてきました。日本でも正直で誠実な為政者は数えるほどしかなく、だからこそ希少価値として後世で評価されているのです。

騙すのは騙される者がいて、初めて成立する行為です。この世の中は厳しい。正直者は馬鹿を見たり、損をするのは、当たり前ではなくても、少なくも仕方が無い。誠実さよりも狡猾さの方が手っ取り早い成功のカギだと、誰も心の名では思っている。言い換えれば、性悪説こそ現実的であって、性善説などは絵空事で、幼稚な理想論に過ぎないという価値観です。

でも歴史を権力者の側からでなく、民衆の側から見たときには様相が変わってきます。性悪説と性善説のどちらが最終的に勝ち残ってきたのかという観点で見れば、それは一目瞭然です。即ち嘘=性悪説は、独裁や専制主義体制では日常的に行なわれている(北朝鮮の発表のように)が、民主主義体制では、それが通用しないのです。真実と誠実=自分が真実を語り、相手の言葉も額面通りに信じるという性善説が、民主主義の大前提であることが分ります。候補者の言葉を信じて、有権者が投票するのです。しかも権力の嘘を暴き、真実を追究することは、民主主義の第4のパワーであるべき、ジャーナリズムの原点でもあるのです。

昨日(3/23)の籠池の証人喚問では、自民党と公明党が、籠池が嘘つきの食わせ物である事を印象づけようと躍起になりました。でもそれは旨くゆきませんでした。安倍政権の思惑通りには、事は運ばなかったのです。詐欺師であろうとも、極右であろうとも、籠池の言葉から、国民は真実を感じ取ったからです。仮に彼の語ることが真実ではないとしても、嘘をつくことが、彼にとって何の得にもならないことは誰の目にも明らかでした。彼にはもはや失うものは何もないので、嘘を言う理由がないのです。今や彼の手に残されたものは、彼の意地とプライドだけなのです。

籠池をそこまで追い詰めたものは、松井知事の認可取り消し宣言でした。学校が開校できなければ万事休すです。校舎はほぼ完成しているのですから、生徒が集まらなければ、校舎を建てる為に借りた金を返す目処が立ちません。もはや破産しか道は残っていないのです。それゆえ彼が名指しで非難したのは松井です。またこうも言いました。用地取得の時は神風が吹いたと思っていたのに、3月半ば頃から、関係者が一斉に手のひらを返し、風向きが変わった。何かがおかしいと感じたと。何故自分一人が悪者にされなければならないのかと。

彼が学校の開設のため、用地取得のために奔走したことに嘘はないと思います。またそれが間違っていたとも思えません。彼の無念が、今回の証言につながったのです。もう誰に気を遣う必要もなくなったのです。彼が自分の主張を訴える時に、最も注意しなければならないことは、国会で嘘をつかないことなのです。当然ながら政治家や役所への働きかけもあったでしょう。でもそれは誰でもすることです。所謂鴻池が突き返したとされるこんにゃくも、箱に入った3万円の商品券に過ぎなかったと説明しています。中身を見ていない鴻池に反論は出来ないでしょう。

この問題の争点はたった二つです。一つは、安倍昭恵がお祝い金として渡した100万円の件で、昭恵と官邸は、それがないと頑なに否定しています。籠池には当時良い関係にあったのだから、そんなことで嘘をつく理由は無いのです。かたや昭恵側には嘘をつく立派な理由があります。安倍首相が国会で安倍夫妻は、森友学園とは何の関係もないと、大見得を切ってしまっているからです。しかもそれが違っていれば議員を辞職するとまで言い切っているのです。

もう一つは財務省の麻生、迫田が違法すれすれで図ったと思われる便宜の疑惑です。そして役所が、自民党の圧力があれば、違法なことでもやってのける(違法でなければ、財務省が記録も残すだろうし、籠池に10日間身を隠せ等と指示するはずもない)のであれば、役所への信頼は地に墜ちるのです。そうなれば国民はお役人の数を半減して欲しいと頼まざるを得なくなるでしょう。無論残って頂くのは国民の側に立つお役人だけで結構です。政権の側に立つ人達は、親しい政治家にでも頼んで、国民生活とは関係の無い職場に異動して頂きたいのです。公僕になるのが嫌なら、役人は務まらないからです。

籠池のうさんくささや、学園の極端に右傾化した教育方針が明るみに出るに従い、政治家と役所は一斉に手を引きました。いまや関係者全員が自分自身の保身に躍起になっている事はご承知の通りです。

安倍晋三が怒りにまかせて言った不用意な一言で、日本中がてんやわんやの大騒ぎになりました。冷静に考えれば、これは程度の低い茶番に過ぎません。それでも一国のトップが平気で嘘をつくようになったらその国は遠からずおしまいです。なぜなら外国に出かけていっては、出来もしない、国民が納得もしない約束をしてくる。それを一党独裁をいいことに、国会で無理矢理押し通す。国民への説明は嘘で固めて、後は白を切りとおす。安倍晋三氏は、実際問題として、それを繰り返してきています。安保法制然り、TPP然り、共謀罪然りです。国会で国民につき続けてきた嘘の山に埋もれて、自分がついた嘘で窒息しそうになっているのです。そしてその嘘がいよいよ、明確な形を取って国民の前に姿を現したのが、森友学園への国有地の払下げ問題なのです。

籠池は単純な人間です。それだけに裏切られたという思いも強かったことでしょう。しかも有頂天だった当時の籠池の陰には、森友学園の教育方針を褒めそやした安倍夫妻の存在があるのです。そこには海外では最早定説になっている、安倍首相の国家主義的な体質があります。ナショナリズムという前世紀の骸骨に、嘘を肉付けした政権が安倍政権なのです。そうやって取り繕いつつ、日本で権力基盤を固めてきたナショナリズムが、予想もしない形で足下をすくわれたのです。これで安倍政権が倒れるようなことでもあれば、身体を張った籠池は、国民栄誉賞かノーベル平和賞ものかもしれないのです。

私はこの騒動にはもう一つの側面があると見ています。余りメディアでは報じていないが、もうひとつの大きな要素、それは鴻池です。当初彼は籠池の仲介役を引き受けていましたが、通称こんにゃくを突き返した頃から態度が急変しました。彼には宏池会というもうひとつの顔があり、この会派は岸田を推してきました。安保法制の強行採決の時、議長だった鴻池が採決を下しましたが、その後で正確な言葉遣いは忘れましたが、彼がこれは正しい国会運営ではないと悔しそうに語ったことを覚えています。

古き良き自民党のOB達には、安倍晋三の暴走と思い上がりは苦々しく映っています。だから籠池が、この案件については逆手にとって、自民党の改革につなげようとしたのかも知れないのです。但しあくまで憶測です。

昭恵が私人として100万円寄付しても、罪にはなりません。問題は安倍首相が一切の関係はないと言ったことにあるのです。国民は安倍首相の嘘にほとほと嫌気がさしているのです。しかも自民党全体が、安倍首相に心服しているわけでもありません。来たるべき都議選では自民党の敗北が予想されていますが、この件でそれが惨敗になるでしょう。自民党に任せていたら、また豊洲のような知事と自民党都議の独裁による不祥事や、森友のような政官の癒着が起きるだろうことは誰にでも予測がつくからです。

朝日か毎日か日経が、内閣支持率を調査して欲しいと思います。国民が自民党の言い分を信じたのか、籠池の主張を信じたのか、私は大いに関心があります。首相の言葉も約束も今後は一切信用されなくなり、折角延長した総裁任期も無駄になり、自主的に政権交代をするか、解散して総選挙に持ち込むことになるのでしょうか。総選挙にでもなれば、相対的多数はなんとか維持できたにしても、民進党があの党首と幹事長のままでも、もはや単独過半数は絶対に無理でしょう。

今回の証言は安倍政権始まって以来の最大の危機的状況なのです。それを最も痛感しているのは、他ならぬ安倍首相と管長官でしょう。これまでも、安倍首相自身を含む閣僚は国民に嘘をつき続けてきました。閣僚の数々の暴言も、一度頭を下げさえすれば不問に付されて、結局はもみ消されてきました。文科相時代、あれだけ黒に近い献金問題があったにも関わらず、下村が息を吹き返して暴言を続けています。これらは一党独裁だから出来る芸当です。それでも今回は、稲田の問題もあるので、知らぬ顔で押し通す事は無理でしょう。私は最低でも、人事で何らかの裏工作が行なわれるものと予想しています。

平然として嘘をつく人を信用せよと言われても、それは無理なのです。まして国政など任せられ訳がありません。せめて安倍晋三氏には、最後の引き際だけはきれいにまとめて欲しい。慎太郎のような醜い退場だけはご勘弁頂きたいのです。

関連記事。偽証で告発。思惑外れ。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032301356&g=soc
関連記事。昭恵氏が反論。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170323-00000236-sph-soci
関連記事。首相夫妻の嘘はいけないと籠池。
https://this.kiji.is/217625633042335220?c=39546741839462401
関連記事。各党のスタンス。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H94_T20C17A3PP8000/?dg=1
関連記事。ファックス全文。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/23/moritomo-gakuen_n_15558714.html?utm_hp_ref=japan
関連記事。迫田氏参考人招致で合意。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/23/sakota-to-be-summonned_n_15560442.html?utm_hp_ref=japan
(寸評:安倍首相はこれまでさんざん嘘を言ってきた。でも籠池は余り嘘は言っていない。だから今回どちらを信用するかと言えば、後者です。安倍首相夫妻の言葉が信用されないのは、身から出た錆です。100万円の授受を事実だろうと推測する理由は、振り込みが行なわれたのが今回の騒動のかなり以前のことで、逆恨みの犯行と見なすには時期が一致しないことと、夫人付きの職員からのファックスが動かぬ証拠になっているからです)



706.右傾化する文科省。2017/3/25

・教科書検定、愛国心などで、細かい注文。
http://www.asahi.com/articles/ASK3P7KX3K3PULZU00T.html?iref=comtop_8_01
コメント:一読して驚きます。ここにも安倍夫妻と自民党右派議員の右傾化した価値観が色濃く表れています。なにしろ夫妻は、教育勅語の森友学園の教育方針には深く感動したと、はっきり言っているのです。これでは戦前と何ら変わりません。戦後の70年は一体何だったのでしょうか。右傾化した浅薄な人達を育てるためだけの70年だったのでしょうか。天皇が退位するのも無理はないのです。そうではないと言うのなら、安倍晋三氏は自分の口で、直接、両陛下にお尋ねしてみればいいのです。
こんな調子では、文科省は総入れ替えする必要があります。これからは市民が普通に意見を述べても、アカ呼ばわりされる日がまもなく来るでしょう。だからこそ、秘密保護法にも共謀罪にも国民が反対しているのです。何故この「愚かな」首相夫妻には其れが理解できないのだろう、国民の声には一切耳を傾けようとはしないくせに、どうして守る意志さえない自らの美辞麗句に酔えるのだろう。
そんなに国民の道徳心を向上させたければ、先ず首相夫妻自らが、自分を律して、自身の発言に責任を持つべきでしょう。自分達は何をしても、言っても、許されるが、国民には清貧を強要し、自由な発言さえ許さないというのは、そもそもいかなる法的根拠に基づいているのか。首相夫妻は超法規的存在なのか。いつから日本は北朝鮮のような王朝になったのでしょう。天皇は二人はいらないのです。
それに文科省は高額報酬の渡り同然の天下りをしていて、自分達の倫理感は何処かに置き忘れているくせに、よくも子ども達に世迷い言を説けたものです。
教科書検定は、政府の一部として政権の価値観に左右される文科省には任せずに、第三者機関で行なうべきです。そして文科省は役人の数を半減して頂きたい。人が居なくて困っている省庁は他にあるでしょうし、そもそも地方の行政組織や関連団体に出向させる余分な人材が本省にいること自体(どこの省庁であっても)おかしいのです。それは人が余っているという証拠でしょう。
文科省、財務省チオ続く不祥事を見れば分るように、日本の行政機関は、中央と地方とを問わず、抜本的な意識と組織の改革が必要な時期に来ているのです。学生の志望のトップが公務員で、その理由が職の安定だなんておかしいでしょう。そういう国では未来は期待できません。昔の学生は、国を動かしたいから官僚を目指したのです。首の心配の無い公務員が、親方日の丸でお手盛りをするからこうなるのです。
しかも身の程もわきまえずに、国民の思想統制にまで積極的に乗り出そうとしています。文科省が思想的に偏向していることについて、国民は集団訴訟を起こすべきなのです。何故ならそれは間接的ではあれ、間違いなく国民の基本的人権に対する悪質な挑戦だからです。
ところで誤解の無いように付け加えますが、渡しは官僚否定論者ではありません。天下りを作る元凶たる役所のピラミッド構造に風穴を明けて、権限を分散し、出世レースから外れた人にも一定の権限を与えて、専門職として気持ち良く仕事が出来る環境を整え、定年まで腕を振るって貰えるようにすべきなのです。有能な人材はいつの世でも必要だからです。一方本人も在職中に実力、人間力、人脈を身につけて、自信を持って自分を民間企業に売り込んで頂きたい。報酬に見合った働きのない人を、役所が圧力で押し込もうとするから反感を持たれ、経営にも参加できずに、高給の窓際族になってしまうのです。それは双方にとって不幸な事なのです。
私事ですが、いま私が一番会いたい人達は、かつて私を理解してくれた元の上司達です。彼らなら、相も変わらず手探り状態の私に、進むべき道筋を示唆してくれるかもしれません。



707.自覚なき首相夫人。2017/3/25

・首相夫人側、財務省に紹介。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032300952&g=pol
コメント:これが口利きでなくて何が口利きだというのか。結果がゼロ回答でも、口をきいたことに変わりはないのです。首相は夫人の喚問を拒否。それはそうでしょう。指示したのは首相自身だからです。それから夫人も泣けばいいってもんじゃありません。森友学園、更に言えば日本会議の方針に賛同した貴女自身が招いた事態であり、それが国の混乱と政治の無駄を招いているのです。そういう自覚が全くないというところがミッシェル・オバマとの大きな違いでもあります。バラクとミッシェル、晋三と昭恵。その違いの大きさに改めて驚かされます。信じたくはないが、まさか御夫婦お揃いでのバカップルてことはないですよね。森友問題を見ていると、その自信がなくなります。それから行政に携わる者が、特定の主義主張の下で活動する場合=日本会議や森友学園、それは私人としての活動なので、公設秘書ではなく、私設の秘書を使うべきなのです。更に、自ら首相夫人と名乗るのも決して好ましいことではありません。
関連記事。昭恵氏の携帯水没後からメールの往復開始。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/24/akie-kagoike-mail_n_15580238.html?utm_hp_ref=japan
(寸評:経緯とやりとりの詳細です)
関連記事。深まる疑惑。何一つスッキリしない。
http://toyokeizai.net/articles/-/164556
関連記事。情でつながり、情で躓く保守の世界。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/post-7237.php
(寸評:言い得て妙です)



708.電気自動車の時代。2017/3/28

自動車の話題で、最近一番驚いたのはヴィッツ(トヨタ)のHV化です。プリウス、アクア以外に、クラウンやエスティマでもHV化が進んでいて、トヨタが怖いのは、こういうことを迷わず推進することです。あれだけ大きなトヨタが、変化を恐れないどころか、変わり続けることに何のためらいもない。既得権(というより既得市場)やマンネリとは無縁の会社です。廉価版で失敗したが、スーパーカーでさえ生産しているのです。そんな真似が出来ない、或いはしようともしない米ビッグ3が後退するのは当たり前なのです。古くはアーサーヘイリーが自動車という本で描いたように、役員が既得権にあぐらをかいた悪しき資本主義の象徴、それがビッグ3なのです。

一方ドイツです。VWが売れている理由は、一度自分で所有してみれば分ります。自動車で一番大事な要素は、スタイルでも燃費でもありません。走る、曲がる、止まるという基本的な性能です。自動車はまともに動いて(走って)なんぼの世界です。それに乗り心地を加えた基礎的な機能面で一切の妥協を廃しているからこそ、世界中に愛好者がいるのです。無論専門誌の評価も常に安定しています。

恐るべしトヨタ。そして変わることが出来なかったが故に、滑り落ちていった、三菱自、日産(これから始まります)、シャープ、東芝、NTT、JR北海道、三越伊勢丹。バスや電車(というより気動車)でさえHVになってきています。

でも世界はもっと先を行っています。BBCの人気番組にトップ・ギアという自動車番組がありますが、司会者が有名な3人男から代替わりして、甲高い司会者の声が耳障りで、余り見る気がしなくなっていたのですが、取り上げる自動車そのものは日々進化しています。最近号ではテスラを取上げていました。一回の充電で400km走るという電気自動車です。(ガソリン)エンジンでは、ある程度回転数が上がらないとトルク(駆動力)が出ないのでギアボックスが必要です。でも電気自動車の場合は、時速0kmでも最大トルクが出ています。

従って加速力もガソリン車の比ではありません。また社内の音はタイヤと路面の音だけという別世界です。しかしそれより驚いたのがオート・パイロット、即ち自動運転です。これまでも、スピードの自動コントロールくらいなら、ガソリン車にもついていました。クルーズ・コントロールです。しかしテスラの場合、車線変更も追い越しも自動です。だから連続走行中はハンドルに手を置く必要がありません。無論衝突や追悼などとも、無縁の世界で、その注意力(?)は人間の2倍だと言われます。ロンドン市内でも手放しで運転していました。自動運転は実験段階だと思っていた認識が甘かったことが分りました。これに精度の高いGPSを組み合わせれば、アクセルとブレーキの踏み違いで事故る自動車などは、石器時代の遺物となる時代が来るのかも知れません。



709.これでも首相を信用せよと言うのか。2017/3/28

・2017年度予算成立。過去最大。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170327-00000062-mai-pol
コメント:まさに国の放漫経営。しかも福祉は削減。このまま安倍首相の手に日本を預けておけばとんでもないことになります。街角景気でも改善がありません。このどこがアベノミクスの成功なのでしょうか。そもそも経済政策に自分の名前を付ける国のトップがどこにいますか。そして失敗したら他人のせいにして、黒田総裁の首を切ることくらい誰にでも分ります。その上アベノミクスの無理・無茶を報じるメディアも殆ど無い。忖度しているのは官だけではないのです。
安倍首相の言葉など全く信用出来ないことは、森友学園問題で、ますますはっきりしています。自分の言葉に責任は持たないし、約束を守るつもりなどさらさら無いということを、自ら白状したようなものなのです。やがて世界中が=メルケルやトランプを含む、彼を信用しなくなるのは時間の問題なのです。アサド=キリン、金正恩=白豚、トランプ=金髪の猿、そして日本のアベ狸=通い帳を下げて立っている信楽焼です。地球はいつの間にか、人間ではなく動物が支配する世界になってしまったかのようです。
世界のメディアが森友の件でどこに注目したのかと言えば、それは不正な払い下げでも、官僚の忖度でもありません。安倍夫妻が森友の極右教育に肩入れしたことなのです。首相夫妻が戦前の価値観を尊重していることを危険視しています。しかもこれについて、未だに夫妻は否定も言い訳もしていないのです。また海外メディアは、夫人は公人だと言っています。なぜなら夫人は役所から派遣されたスタッフを秘書と呼んでいるからです。
日本のメディアは、安倍夫妻と日本会議の関係には決して触れようとはせず、なぜそこまで日本会議をタブー視するのかまるで合点がゆきません。首相の偏向した思想傾向が、憲法改悪と思想の弾圧の素地になっているのにです。
私が管なら、自民党政権の存続を最優先にして、政権交代の準備を始めます。首相が引くに引かれず、振り上げた拳を下ろす所さえ見つけられず、言い張れば言い張るだけ、支持率は着実に低下を続けるでしょう。危険水域の45%を割るのは時間の問題です。こうなると残された道は、一か八かで、強引に知らぬ存ぜぬで押し切るしかないでしょう。愚かな首相を持った日本の国民は本当に可哀想です。
他方で、彼はベストではないが、いま彼に代わる首相がいないという人も多いのです。でも本当にそうでしょうか。あれだけ巨額を世界中にばらまき、米国に媚びを売れば、誰だって同じくらいの人気は取れるのです。彼のするような事なら、誰にでも、安倍晋三氏の3倍はうまくやってのけられます。政と官の癒着=忖度などという生やさしいものではありません、とお手盛りさえなければですが。
関連記事。尾引く森友、野党追及緩めず。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170327-00050035-yom-pol
(寸評:当然です。首相と内閣を信用できない十分な理由になるからです。今一番知りたいことは自民党の内部がどうなっているかです。これだけの騒ぎで、党内が無風であるはずがないからです)
関連記事。森友問題のカギ、官邸のメカニズム。江田。
http://www.huffingtonpost.jp/kenji-eda/moritomo-mechanism_b_15613410.html?utm_hp_ref=japan
関連記事。キーマンリスク。一人の人物を中心に回る経済見通し。
http://jp.reuters.com/article/column-jp-reformer-in-chief-markets-idJPKBN16Y0H3
(寸評:なるほど、アベノミクスに頼っていた日本株の下落が始まるということですか。ていうか既に始まっています)



710.いと見苦しき自民党。2017/3/29

・政権、籠池証言打ち消しに躍起。
http://www.asahi.com/articles/ASK3X55P0K3XUTFK00V.html?iref=comtop_8_03
関連記事。なぜ昭恵夫人の言動は軽いのか。
http://toyokeizai.net/articles/-/165065
コメント:どこまで身勝手で見苦しいJM党。重箱の隅をつついても無駄。訴追しても無駄。彼は偽証罪を覚悟して証言しているからだ。身体を張って治部の主義主張を通している。極右思想の殉教者に近い。悔しかったら、安倍夫妻と財務省幹部を証人喚問せよ。嘘をつく政治家も官僚も、国民は全く必要としていないからです。偽証罪の追求より、真実の追求が先なのです。それがないと偽証かどうかさえ分らないからです。そもそも安倍首相へ疑惑を晴らすことだけが目的の、忖度の為の喚問だったのに、自民党の思惑通りには事が運ばなかったというだけのことなのです。この政党は、もはや自浄作用などかけらもない、無理も力で押し切れば、不正も不正ではなくなるという、欲だけは深い、富裕層の代理政党としか、我々の目には映らないのです。国民に牙をむく有害無益な政党、それがJM党なのです。



711.共産党がまた1点。2017/3/29

昨日(3/28)の決算委員会の、共産党の大門議員の質問は出色でした。見た目は冴えない(失礼)し、話し方も地味だが、内容が凄かった。民進がいくら頑張っても、うすら笑いする麻生も、人を食った安倍も動じないのに、今回はまじめに答えないわけにはいかなかったほどです。以下は質疑の要約です。

株高で金融資産1億円以上の富裕層が急増した。一方で年収200万円以下の貧困層、ワーキングプアは1100万人いる。うち貯蓄ゼロが3割。単身者の半数が貯蓄ゼロ。そして問題なのは銀行のカードローンが増えていること。収入の3割までというサラ金の総量規制がカードローンには及ばない。今やカードローンがサラ金の受け皿になっている。メガバンクのパンフレットによれば、金利は4%から14%とあるが、ここに卑劣な仕掛けがある。なぜなら最高金利が適用されるのは、一番少額の借入金額帯だから。100万円までの金利が14%。700万以上で、初めて4%が適用される。しかも銀行の調達金利は0.7%に過ぎない。

ここで大門が金融庁に質問したところ、質問の前々日に全銀協が集まって、パンフレットを分りやすく表現することになったと告げました。これは大門が指摘するまでもなく、国会で取上げられる事が(金融庁経由で)分って、急遽会議したことは明白です。ここでは官から民(財)に忖度が働いたのです。

しかも銀行のカードローンには、消費者金融が保証をつけており、取り立てはサラ金が対応している。だから銀行は手を汚さずに高利貸しが出来る。

カードローンを借りる人の最大の目的が、遊ぶ金では無く、生活費だ。だから返済も難しい。結果として自己破産が増えている。

富裕層の収入源は金融資産だ。しかし金融収入への課税は、日本は外国に比べて低い。海外なら30−60%だが、日本では20%。この税制を変えれば1兆円の税収になるはず。日本の格差社会は、税制を見直すことで改善出来る。

また森友学園のファックスの件で、首相はゼロ回答だから影響力はないと言うが、ファックスの返答と、実際の効果は全く異なっており、籠池が手紙で伝えた要請は全て実現している。だからゼロ回答ではない。

毎回ですが、共産党の情報収集能力と積極的な指摘の姿勢には頭が下がる想いです。これで名前さえ変えれば野党第一党の資格充分なのですが。
関連記事。籠池には満額回答。
https://this.kiji.is/219405225160736769?c=39546741839462401
(寸評:神風ならぬ、アベ風が吹いたからです)



712.意味の無い人生はない。2017/3/30

気になる言葉、心に残る言葉というものがあります。それも複数あります。私の場合、その一つがNHKBSの番組の中で語られるもので、どんな人生でも意味の無い人生はないというものです。番組はそこまでは考えてはいないと思いますが、価値のない人生という言い方とは微妙に違います。自分で自分を否定してしまうと、(自分にとって)価値の無い人生になってしまう。それでも無意味な人生はないのです。

現代では格差が広がり、人並みの生活さえ維持できない人が、大勢どころか国民の半数近くいる。それなのに雇用が増えたと大騒ぎしている政治家がいる。でも国民には生活に余裕が出来たという実感はない。一方で富裕層向けの商品がブームになっている。金融商品や、既得権になった高額報酬等の恩恵に浴することがない一般庶民にとっては、それは高嶺の花どころか、無縁な存在です。

その日、その日を真面目に働いている人達の中には、何の為に生きているのかという疑問を持つ人が増えているでしょう。しかし貧富の差が人生の差ではありません。与えられた環境の中で、いかに人間らしく生きるかが全てなのです。嘘をついてまで権力の座にしがみつこうとする首相がいる一方で、生きるために一生懸命働いている庶民がいるのです。

どちらが人間として上か、そして意味のある人生か、その差は歴然としているのです。



713.男なら本音で勝負せよ。2017/3/30

・大阪地検特捜部、籠池告発を受理。
https://this.kiji.is/219769627662829046?c=39546741839462401
関連記事。籠池に満額回答。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017032902000117.html
関連記事。民進ビラ作成。
https://this.kiji.is/219763592058766836?c=39546741839462401
コメント:これからは検察の正義が試される事になります。財務省と安倍首相夫妻がどこまで嘘をつき通せるのか。それとも今回の告発の本当の意図は政策捜査で、政治家と高級官僚はお構いなし、籠池だけを追求するのか。そして財務省と、検察がお互いをかばい合うのか。検察が(国民の代表として)正義を貫くのか、それともこれまでがそうであったように、政権野提灯を持つのか。どちらの方向に動いても、行政の本質が問われることに変わりはないのです。

しかもメディアにも国民にも、今がどんなに重要な時期かが分っていない。これから拡大しようとしているのは、国民の行政への徹底的な不信感なのです。政治家の場合は、保身のために嘘を突き通したとしても、いずれ国民の裁定が下る日が来る。いかに頑張っても、慎太郎のように、よいよいになれば終わりです。でも官僚にはそれがない。一人が去っても、次が控えている。しかも官僚の偏向や不正を監視すべき政治家(政権、正確には官邸)は、自分達に忠実な、役に立つ者だけを選別しています。これは壮大な政治の闇の構図なのです。
しかも官僚は組織の保身という厄介な論理で動く。今のような政治と行政の体制では、税金で支えられており、本来が国民、国家へのサービス機関であるべき官僚、というより官僚組織の不誠実さに、国民が直接打つ手はないのです。

スローガンだけを信じて、「愚かな」=と政権が思っている、国民が、選挙でろくに考えもせずに自民党に投票した。たったそれだけのことが、政官財が癒着しまくる今の格差社会を作り出し、国民全体にそのツケを回してきているのです。少し前までの自民党には、それでも政治の理念があった。矜持も自浄作用もあった。安倍政権になってからは、権力への野心さえ隠そうとしなくなりました。しかしそれでは長続きしないと思った安倍首相は、イメージの改善に乗り出した。それまでは米国で、異常とも思える暴言もあったのです。当初、オバマに無視されてからは、平和を愛する首相というイメージ造りに躍起になりました。昨年末の真珠湾でのオバマとの共同発表で、半ばそれが成功したのです。

でも靖国の参拝まで控えて、我慢に我慢を重ねてこれまで築いてきた国際的なイメージの皮が、籠池の証言ではがされそうになっているのです。ありとあらゆる手段を講じて、今のかりそめの姿を守らなければならないのです。多分彼の脳裏にはそうする事が国益だという後付けの理屈もあるでしょう。国のイメージが下がれば株価を初め、ろくな事にはならないからです。

しかし本人達が意識しているかどうかは別にして、いま安倍夫妻が直面しているのは政治家としての下り坂なのです。安倍首相は自分から解散はしないでしょう。でも菅が、安倍より自民党の方が大事だと判断した時に、それは起きるでしょう。もはや最後の花道をどう設定するかだけが、菅に残された仕事なのです。無論最後の最後まで悪あがきはするでしょうが、少なくも菅の方が事態を客観的に把握できるはずです。

籠池の国粋主義への直情と、首相夫妻に評価されたと思っていたのに裏切られたという恨みが、折角築いてきた安倍王国を根底から覆そうとしています。自分は世界でも屈指の政治家になった。安倍家と岸家の理想を実現したのです。しかし今の国際情勢で、私は国家主義者の独裁者でございます等と、口が裂けても言えるはずがない。そんなレッテルがついてしまったら、これからどうやってトランプとメルケルの仲介が出来るというのでしょうか。

強いように見えても、私は安倍晋三は弱い人間だと思います。自分にも自分の信念にも、実のところ余り自信が無いのではないか。そうでなければ容易に切れたりしないはずです。そのくせ改憲が悲願だという。でも改憲を悲願するという事自体が、安倍晋三が極右の思想家であることの紛れもない証拠なのです。だから籠池の証言が正しくて、安倍夫妻は国民に嘘を言っていることになるのです。言い換えれば、安倍晋三の建前と本音のねじれが、日本全体を混乱の渦に巻き込んでいるのです。自分の極右の信念を堂々と表明して、国民の裁定を仰げばいいのです。というより政治家を名乗る以上、そうすべきなのです。それが出来ないから、相変わらず小悪党(自分ではそう思っていないことは明らかですが)に留まっているのです。

一方で日本の歪みは、首相一人の責任とも言い切れないのです。なぜなら自民党議員には、おおむね品格というものが感じられないからです。そして安倍首相の価値観を継承する、これという人材は見当たりません。若手の議員達が好き勝手な放言を繰り返しているだけです。10年前ならそのどれか一言だけでも議員辞職相当なのです。

こういう状況下で、警察、検察、司法が政権よりになれば、国民は単に取り締まりの対象でしかなくなります。沖縄で見られるような、おいこら警察です。そうなると、日本では民主主義が全く機能していないということになります。即ち、安倍政権が倒れるだけでは不十分で、日本が国民の為の国になる為には、ガラガラポンが必要だということなのです。

マッカーサーが唯一手を付けなかったのが日本の官僚組織です。その結果、強い権限を保持したまま、戦後70年が経過しました。省庁の統合などもあったけれど、ピラミッド構造を死守するという組織文化はそのまま維持されました。そうでなくても組織の自律や自浄作用には自ずと限界があります。まして政治における正義感の薄い自民党政権が続いたことで、天下りを例に引くまでもなく、政治でも行政でもお手盛りが当たり前になったのです。

国の仕組みを根底から見直し、ドラスティックに変えていかないと、もう日本という国が持たなくなってきているのです。森友の問題は、日本という国のあり方の問題そのものです。なるべく早く、政治と行政の仕組みを変えないと、日本もその国民も、ますます不幸になるばかりなのです。
関連記事。共謀罪急ぐ自民。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017033002000135.html
関連記事。森友学園問題と哲学の関係。良識が打ち砕かれ、どんな矛盾でもあり得るとみなされる。
http://toyokeizai.net/articles/-/165039
関連記事。100万円寄付。真っ向対立。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017033002000134.html
(寸評:金の動きを追えば、昭恵夫人の説明が本当か嘘かはすぐに分かるはずです)



714.新ゴジラの謎のラストシーン。2017/3/31

映画シン・ゴジラがDVDになりました。未だご覧になっていない方には、ご覧になることをお勧めします。荒唐無稽は承知の上です。チョー巨大なゴジラが都内を暴れ回るシーンがリアルです。ボール紙で作ったビルを、着ぐるみが踏んづけて歩いていた昔から、どれだけ特撮技術が進歩したかを確認するだけでも意味があります。ネタバラシをするつもりはありませんが、最後のシーンだけはどうしても気になるので、解説を試みました。

核攻撃の直前にゴジラの動きを止めることに成功した後で、動かなくなったゴジラの巨大な尻尾のクローズアップシーンが出ます。問題はボロボロになった尻尾のまわりに複数の人型がしがみついているのが見えることです。この骸骨化した人間のような代物は一体何なのでしょうか。無論映画では一切の説明はありません。

これはネットでも話題になり、諸説があります。ナウシカの巨神兵だと言う人もいます。なぜなら新ゴジラの監督は、ナウシカの巨神兵のシーンも担当していたからです。でも私はそうではないと思います。ゴジラ自体、地を這うしか能の無かった最初の形態から、次に立ち上がり、フェイズドアレイ・レーダーを持ち、複数のミサイルを同時にレーザーで撃ち落とすまでに進化します。そして強力な繁殖力を持ち、やがて世界中に広がるだろうという説明も出てきます。従ってこれらは人型に変化したゴジラだということになります。

その証拠に、頭蓋骨を観察すると、ギザギザな歯が並び、鼻孔も眼窩も無い異様な頭部であり、明らかに異形の存在です。DVDを見る機会があれば、是非確認してみてください。仮にこのまま続編が作られるとしたら、最早恐竜が暴れる映画ではなくて、ゾンビと戦う映画になるでしょう。しかも彼らは水か空気があればそれをエネルギーに変換できるし、レーザー光でビルを真っ二つにも出来るのです。

ところで、ゴジラと戦うのは自衛隊ですが、作戦全体の指揮を執っているのは官邸です。主役の長谷川が最後に言う言葉が印象に残りました。「政治家の責任の取り方は進退だ」というものです。その点だけは、我らが安倍首相も賛成されると思うのですが。そのようにハッキリと国会でおっしゃっていましたので。

そう言えば、ゾンビ映画のバイオハザードも最終章がビデオになりました。但しかなり陰鬱な映画なので、お勧めは出来ません。最近のビデオリリース作品の勧めは、記憶だけを移植して肉体の若返りを図るという「セルフレス」の方です。最後は感動ものです

ついでですが、映画の話題のついでに、宇宙戦艦ヤマトが第三世代に入り、2202になったのはご存じでしょうか。但し最早作画は松本零士ではないし、最近のアニメと比べると、絵が雑で、かなり見劣りするのが残念です。



715.総務委員会とNHK。2017/3/31

・NHKの剰余金、検査院、規模適正化を要求。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201703/CK2017033002000260.html
関連記事。NHK受信料徴収時にキスの疑い。
http://www.asahi.com/articles/ASK3Z5523K3ZUTIL01T.html?iref=comtop_list_nat_n05
コメント:深夜の参院総務委員会を録画=4時間!で見ながら原稿を書いています。民進の杉尾が、籾井時代の不適切人事や、問題発言を指摘し、ジャーナリズムとは何かという質問をしました。ジャーナリズムは日々の記録=ジャーナル、だけでなく本質的なもの=エッセンシャルを伝えるものだという藤井清の言葉を紹介していました。日々のファクト=事実ではなく、事実の中から真実を探り出す、そうして初めて国民の知る権利に応えることが出来る。でもNHKのニュースはファクトをなぞっているとしか思えない。予算委員会で憲法改正が問題になったのに、NHKのニュースでは憲法のけの字も出なかった。そして安倍首相が外遊や政治の節目に必ずNHKに登場するのも政府の宣伝機関のようと指摘していました。上田新会長は番組編集の自由と、多角的に報道することで、国民が正しい判断が出来るように報道活動を続けていきたい、そして高い倫理観と、説明責任、公私混同がないように努力すると述べていました。上田会長になって、少なくも籾井より良くなることだけは間違いが無いと思います。これはささやかではあっても、国民と日本の民主主義にとって、貴重な第一歩です。NHKは全ての国会の委員会を、編集せずに国民が直視できるような体制を構築すべきだと思います。そうであるならば、視聴料を払う価値は充分にあると思います。



716.中学で銃剣道。2017/3/31

・中学武道に銃剣道を追加。
http://www.asahi.com/articles/ASK3Z31FPK3ZUTIL005.html?iref=comtop_8_01
(寸評::チョーが付く大問題です。天下りなどどうでもいいくらいの発言です。まさに国家の教育機関、幼年兵を育てる、滅私奉公の思想教育です。森友学園を笑っている場合ではありません。そもそもこれのどこがスポーツですか。自衛隊予備役、国民皆兵でも念頭にあるのか。それに今時どこの国だって銃剣の突撃や肉弾戦で決着を付ける国などありません。接近線は代戦では想定していない。それどころかドロ−ン対ドローンの戦闘なのです。本土決戦でも想定しているのだろうか。このアナクロニズムと戦前の国家主義。こんなことが大手を振ってまかり通るようだと、安倍首相の罪は万死に値します)

・日本会議系議員41名。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/29/nihon-kaigi-_n_15697756.html?utm_hp_ref=japan
(寸評:そしてそのトップが安倍首相というわけですか)


717.それはソンタクではない、アツリョクです。2017/4/2

忖度という言葉は、自主的な配慮という意味なので、本当は良い意味で使われています。だから森友問題でそれを使うのは間違っています。ちなみに今年の流行語大賞は忖度で決まりだそうです。無論有名人には、気骨の人、籠池でしょう。真正面から首相にかみついたのは辻元と籠池くらいのものです。ジャンヌ・ダルクとジャン・バル・ジャンみたいな人達です。なぜ国民はその点こそ、もっと評価しないのでしょうか。

忖度は強いて言えば自主規制です。いや自主暴走なのかもしれない。そういう表現なら自民党も納得するでしょう。でも問題はこれが単独犯ではなく、組織的犯罪であることです。しかも背景には官邸がいるのです。首相案件、官邸要請などのメモをつけて回すと、あら不思議、普通なら規則や前例を盾に取って、絶対に通らない案件でも、たちまち神風が吹いたように通ってしまい、しかも理屈まで用意してくれるのです。

その裏の力が、組織としての暗黙の圧力であり、言葉にならない指示なのです。正直な役人が、それはおかしいとでも言おうものなら、忖度も出来ない空気の読めないヤツだ、役所の立場が分らず、組の掟も守れないようなヤツは飛ばしてしまえと、左遷が待っているのです。即ち、昭恵将軍閣下ご内室のご意向を無視するということは、そのまま出世コースからの脱落を意味しているのです。そうすると年金の額にも響くでしょう。

人事権を握っている官邸の意のままに動く、それが現代日本の高級官僚の情けない姿なのです。実態は忖度でも自主規制でもなく、(保守)政権からの圧力です。従った、森友問題では、その証拠、即ち首相案件という印の付いた省内文書を探し出して、公開することが大事なのです。しかも保身に長けた官僚は、政権が代わった時の保険として、必ず文書の写しを何らかの形で保存している筈なのです。いかに彼らと言えども、安倍政権と心中する事までは考えていないからです。

オリジナルの赤い○(だかXだか知らないが)がついた指示文書は、それ自体がもはや忖度でも自主でもなく、紛れも無く(こうなると犯罪)組織のドン(菅?麻生?)からの指示であり、よって憲法違反であり、民主主義と議会政治への挑戦なのです。

この問題は、外国ではあっさりと首相の学園スキャンダルで片付けられており、政権維持へのリスクとしか見なされていません。即ち安倍首相は海外では半ば黒と既に判断されており、株価へのマイナス要素でしかなくなっています。いかに自民党が躍起になって幕引きを図ろうとも、外国のメディアから見れば、これに一番近いのは朴の立場でしょう。いかに取り繕ろうとも、安倍首相の極右の価値観は周知の事実であり、驚いてさえいないのです。海外メディアが歯に衣を着せないのは、スキャンダルという言葉さえ使えない日本のメディアと違って、首相や官邸に「忖度」する必要がないからです。

ちなみに内閣府が、国民が今の生活に満足しているという調査結果を出しました。メディアの調査さえ信用できないこのご時世に、なんで政府の調査が信用出来るというのでしょうか。こうなると大本営発表や、情報統制下の北朝鮮と何ら変わりはありません。一昨日の総務委員会で、NHKの新会長がハッキリと政権とは独立の立場を打ち出しました。民主化への第一歩を踏み出した、今後のNHKの世論調査に、先手を打ちたかったのでしょう。最近の官邸のやっていることはとても分りやすいのです。

今回の森友学園を首相から見れば、諸刃の剣、二律背反の危険な賭です。どっちに転んでも傷を免れないからです。籠池を攻撃し、森友学園の(建国の)志を否定すれば、自らの信念に背くばかりでなく、日本会議を敵に回すことになります。現に日本会議の幹部からは、日和見だという非難も出ているのです。さりとてここで日本会議との関係を認めれば、不名誉な形での政権交代は避けられません。今後どの面下げて国際会議に出られるというのでしょうか。それでも世界の有名人、首相の甘い座をそう簡単には手放したくはないでしょう。自分だけを大事にする器の小さい人としては、嘘を突き通すしか残された道はないのです。

官邸も、慌てて上記のような内閣府の調査を打ち出す等の泥縄作戦で、火消しに躍起です。野次馬としては菅の心境やいかにというところです。自分でそうとは言わないだけで、政権内は大混乱している筈です。私が首相なら、自分は泥をかぶってでも、自民党政権を残すようにします。もし本当に首相が改憲を悲願とするのであれば、むしろいまは政権を禅譲することが最善の策なのです。それも分らないようでは自民党の総裁は失格です。

偏向した保守から、戦後日本を支えてきたまともな保守への回帰の流れ。それがいまの民意であり、小池知事の誕生にもつながったとみるべきなのです。



718.こういう日本を若者に残す気にはなれない。2017/4/2

・戦時中、和菓子屋の名前に変えさせられたケーキ屋があった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00010000-bfj-soci
コメント:最早戦後ではありません。いやむしろ戦前なのです。平和を悲願として、保革を問わず憲法の精神を守り通してきた戦後70年を生きてきた、我々段階の世代がいかに幸せであったかを、今更のようにかみしめています。愚かな政治家の(ハッキリ言えば安倍晋三や、石原慎太郎)の偏向した、しかも不勉強な価値観のせいで、来たるべき時代には、圧政と戦乱と困窮の人生を強いられる、若い世代の事を考えると、涙を抑えることができません。私達の力が足りないばかりに、とんでもない人たちに政権を与えてしまった事は、後悔しても後悔しきれないほどです。

・米国が北を攻撃する日。
http://toyokeizai.net/articles/-/165672
コメント:現実の問題になる可能性があります。湾岸戦争のデジャブです。そうなると最初に日本の米軍基地に核ミサイルが飛んできます。本土を狙うとこてんぱんにやられるので、先に日本を狙うはずです。安倍首相、貴方のすべきことは、そんな泥沼に日本とその国民を引きずり込まないために、必死に調停案を考えることです。呑気にゴルフをしている場合ではないのです。ここで一句。金髪のゴリラに抱かれる狸かな。もう一句。ジャイアンのわきに控えるすね夫かね。

昨夜(3/31)の朝生では、飯田哲也の指摘に仰天しました。原子力規制庁のメンバーがいつの間にか入れ替わり、旧原子力村と経産省の幹部で占めているという指摘です。推進と規制の両方とも経産省では、誰が考えてもおかしいでしょう。せめて規制は環境省でしょう。これでは国が再稼働にまっしぐらに進んでいるのも当然です。しかも最近、立て続けに裁判所が再稼働の判断を下しています。ここにも政治と役所の「醜い」癒着の構図があります。しかも森友とは桁が違います。一方、耳の遠くなった田原はそろそろ賞味期限切れだと思います。後任は池上か青木か。



719.安倍首相でなければならない理由などない。2017/4/3

・外国人の家事代行。なし崩し的拡大に懸念。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170402-00000034-mai-soci
コメント:安倍首相のお友達の経営する加計学園の獣医学科の例で顕著に分るように、特区が、政権の都合の良いように解釈され、政権の特権として濫用されている懸念が濃厚です。これも一党独裁の弊害の一つでしょうが、さぞかしそこではソンタクが物を言っていることと思います。森友学園の醜い経緯で分るように、国民=この場合は野党、に指摘されたら、屁理屈で白を切るか、知らぬ存ぜぬで押し通し、ヤバイ書類は捨ててしまうという稚拙な対応で乗り切ろうとしています。でもさすがに国民はそれで騙されるほど愚かではありませんでした。しかも今度はなんと、都合の良い世論調査の数字を引っ張り出して、国民が社会に満足している=だから政権を支持しており、森友問題など大したことではない、と言い出しました。百歩譲って国民が政権を支持していたとしても、それで安倍夫妻の森友学園の口利きが正当化できるわけでもないし、無言の圧力の違法性が相殺される訳でもないのです。

市民による行政の監視機能としてはオンブズマンもあるはずだが、最近、それが機能したという話は聞きません。検察審査制度もまともに機能しているようには思えないし、市民が告発した例は殆どありません。籠池の偽証罪の告発も官邸です。官邸が告発するための検察審査制度ではないのです。

自民党が証人喚問して、自民党が偽証罪で告発しているのです。官邸の数々の暴走にも、これまでなら自民党保守政治を守るという大義名分がありました。しかし今の官邸は、もはや安倍氏個人の見栄と権力を守るためだけの個人的な諮問機関に堕してしまっているかのようです。というより、いつもあれだけ冷酷非情だった管が、これだけ混乱している姿を、我々は見たことがありません。なぜなら今回の安倍の失言と、その後の対応は、政治家としての菅の信念と反しているからではないか。だから歯切れが悪くなっているのだと思います。一言で言えば、それは安倍政権の断末魔の叫びかも知れないのです。そしてそれより先に悲鳴を上げていたのは日本の民主政治なのです。

辺野古や原発で分るように、司法は勢家や政府の見解に偏り、市民が勝訴する事は滅多にありません。裁判所は違法性、とりわけ違憲性を審査するより前に、政権や政府の意向をソンタクしているとしか思えない判決が余りに多過ぎます。公務員だから政府の意向に従うということになれば、最早司法と行政が一体であり、三権分立でさえなくなるのです。そうなれば法律の勉強も、司法試験に合格する必要さえ無くて、誰が成っても同じことです。こうなると、国民が直接全ての裁判官を選べる仕組みがあった方が良いとさえ言えるのです。

安倍首相の極右の独裁政治そのものが、限界に達しており、綻びがあちこちで顕在化し、不正な事実がぞろぞろと出てきているという現実を、国民に直視して欲しいのです。それは安倍政権が賞味期限をとうに過ぎて、腐敗の兆候を示し始めているということでもあるのです。

20万人の連合の組合員に気を遣う余りに、その何十倍もいるリベラルな国民の民意を無視して、脱原発も言えないような民進に期待せよとは、あえて言いません。その代わりに考えて欲しいのは、与党内での政権交代です。首相が安倍氏でなければならない理由などどこにもないのです。誰が首相になっても、自民党には戦後70年の政治担務能力があります。政治の混乱は心配ご無用なのです。後は国民が首相交代を強くお願いするだけでいいのです。そうすれば今の不透明なお役所仕事も、少しは風通しが良くなるでしょう。しかも我々国民には、安倍首相には何の借りもないのです。

森友の問題で、安倍政権には自浄作用がない事がハッキリしました。半信半疑の人は今後の問題の推移に注目して頂きたい。もみ消しにやっきになっているその姿のどこに自浄作用があるというのでしょうか。いまの国民に真に必要なものは、政権の暴走を少しでも押さえる為の、信頼するに足る野党と、独立不羈の報道機関なのです。

無論、政権が代われば、すぐに、しかも今より、日本が良くなるという保証がある訳でもありません。しかし今は長期政権が持つ弊害が、見過ごすには余りに大きくなって来ているという実感があるのです。

安倍首相夫妻を含む国家主義者は、根拠も哲学もない偏狭な価値観を国民に押しつけようと全力を上げています。しかも改憲を含めて、それがなぜ必要かを分りやすく説明できた試しがありません。それは彼らの言う愛国とは、理屈ではなく感情だからです。いまの国民にとって現実的な解は、国民がまともな保守を育てることです。それならリベラル・アレルギーの若い世代も、少しは納得してくれるのではないでしょうか。
関連記事。パン屋がなぜ和菓子屋に。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170402-00000046-san-soci
関連記事。行政が告発するのはおかしい。郷原信郎。
http://www.huffingtonpost.jp/nobuo-gohara/moritomo-investigation_b_15752284.html?utm_hp_ref=japan
関連記事。あんなひどい幼稚園を見学して絶賛する人たちの価値観、理解不能です。尾木ママ。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/01/ogimama-moritomo_n_15752710.html?utm_hp_ref=japan



720.共謀罪は安倍首相を守る為か 2017/4/3

・地下鉄爆発で10人死亡。プーチン滞在狙う。
http://jp.reuters.com/article/russia-blast-metro-idJPKBN1751NQ
関連記事。自爆テロの可能性。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040400177&g=int
コメント:独裁がテロの温床です。シリアを見れば分るでしょう。だから安倍首相も共謀罪に殊の外熱心なのかもしれません。ちゅうことはなんのことはない。国民を守る為ではなく、国民から自分を守るためだったというワケですか。やっと分りました。でもね、誰かさんは、板垣や犬養や高橋ほどの大物ではないので、その心配は全くいらないと思いますよ。それにリベラルは次々に殺されるけれど、右翼が殺されたという話も聞きませんしね。それは国家主義者の方がテロリストになる確率が高いことを意味しています。むしろ政権の座にある者は、左側からの攻撃より、特に変節を疑われている今回の場合などでは、右側からの攻撃に警戒した方が良いのではないでしょうか。いずれにせよ相手が誰でも、テロは基本的に許されません。とはいえ、ここで共謀罪を振り回すよりは、防弾チョッキを着用する方が、遙かに現実的で、国民にとっても安上がりです。





トップページへ