「WTWオンラインエッセイ」
【第43巻の内容】
「勝って兜の…」
「都職員も恥を知って欲しい」
「民進も総括を」
「役人人事の私物化」
「魔窟が危機管理」
「やっちまったか」
「教訓なきやまゆり園事件」
「映画は終生の友」
「映画スノーデン」
「二馬鹿大将、世界を行く」
「閉会中審査、加計学園ありき」
「改造より退陣を」
「さらば二流の政治家」
「国民に絶対服従を要求する安倍政権」
「プライムニュースと安倍政権」
「北朝鮮をどう考えれば良いのか」
「週刊朝日のコラムから」
「二流の経営者」
「冷静な京産大」
「民進は執行部の若返りを」
841.勝って兜の…。17/7/3
都議選は天気にも恵まれ、御承知のような結果です。一都民として稲田議員、豊田議員、下村議員には、ドンピシャのタイミングで問題を起こしてくれたことに感謝しなければなりません。また、メディアがこれまでのような不自然な政権への忖度を止めたことと、何より籠池と前川両氏の捨て身の抗議があったればこその結果だと思います。未だ日本にも、ささやかな良識が残っていたことが、何よりの冥途の土産話になりそうです。今日はささやかにお祝いをする予定です。情報は7/2夜半時点のものです。
・都ファ圧勝の勢い。
http://www.asahi.com/articles/ASK6Z5GWBK6ZUTIL031.html?iref=comtop_8_02
・自民大惨敗。映像。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170702-00000077-fnn-soci
・海外メディアも速報。
https://this.kiji.is/254220521718793722?c=39546741839462401
冷静に考えれば、都ファ(都民とは敢えて言いたくないので)は、政策も候補者も未知数です。都ファの候補者は安倍政権を批判していない。改憲についても口を閉ざしている。即ち改憲の土壇場で、安倍政権と妥協する可能性が否定できないのです。政党としての理念も方向性も未だによく分からない。ということは、石破が言うように、都ファが勝ったというよりは、スキャンダルまみれで、無理を押し通してきた自民党が負けたのです。問題は、安倍チルドレンの代わりに小池チルドレンが誕生したのなら、民主主義のあるべき姿という見方からすれば、風で当選しただけであった、具体的な政策や判断では、多くを期待できない可能性があります。だから新人都議達が、自分の頭で考えられない小池チルドレンにならないよう、都ファを選んだ都民には、厳重に都ファを監視する義務と責任があるのです。
関連記事。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170702/k10011038531000.html
関連記事。都議選の安倍やめろは、尋常ではなかった。
http://toyokeizai.net/articles/-/178858
842.都職員も恥を知って欲しい。17/7/4
・一夜明けて。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170703-00000098-mai-pol
コメント:こういう記者がいるからメディアが信用されないのです。自民党の腐敗した都政に嫌気がさした都民が、変化を望んだとして、誰がそれを非難できるでしょうか。まして政権の顔色は窺うが、国民の気持ちには無関心だったメディアにそんな資格はありません。それとも今回の都民の都議会へ審判が間違っているとでも言いたいのでしょうか。
自民党の不透明なでお手盛り都政を、職員も見て煮ぬふりをして支えてきたとすれば、殿の職員にも大きな責任があります。その反省を脇に置いて、都ファだけを不安視しても、少しも問題は解決しないのです。都民が都職員の総入れ替えを望んだとしても=豊洲の議論での都側の答弁を思い出して頂きたい、それを拒否できるでしょうか。前川前次官を見よ。
秋葉原の「安倍辞めろ」コールは、事実上安倍政権への都民=国民の1割、の怒りの抗議行動です。それ以外にどんな解釈が出来るというのでしょうか。しかも安倍晋三は反対派を「こんな人たち」と切り捨てました。自分が「こんな首相」であることを棚に上げての暴言です。観衆の100人が100人とも自分を支持するのが当たり前だとでも思っているのでしょうか。それでは本当に和製(ミニ)ヒットラーです。
そもそも都職員に少しでも根性があって、自民党ではなく、都民の気持ちを少しでも忖度していたら、都政がこんな体たらくにはなっていないはずなのです。文科省の職員を見習って頂きたい。
それから小池知事が何と言おうとも、豊洲移転は中止して頂きたい。都民は豊洲移転など望んではいないのです。安全が確保されなければ、少なくも生鮮市場には向いていないと思うのは仲買業者だけではありません。仮に豊洲移転の言い訳として、築地も汚染されているというのであれば、二つとも売り払って、他に安全な場所を確保する。それが都政のあるべき姿です。それが都民ファーストでしょう。
国政や都政の便宜主義、ご都合主義、自分勝手な屁理屈に、都民=国民の1割、は飽き飽きしているのです。
関連記事。都ファ最大の成果は新陳代謝。
http://diamond.jp/articles/-/134043
関連記事。築地再整備に共産期待。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017070302000215.html
関連知事。首相や執行部に不満の声高まる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170703-00000031-mai-pol
関連記事。衆院選で20議席も。
https://this.kiji.is/254577105889379834?c=39546741839462401
関連記事。都議議長6選逃す。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/02/kawai-loses_n_17372858.html?utm_hp_ref=japan
関連知事。知事職に専念。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070300442&g=pol
関連知事。野田数とは。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/03/kazusa-noda_n_17374158.html?utm_hp_ref=japan
・大敗で狂う総裁三遷、20年改憲。
http://toyokeizai.net/articles/-/179031
関連記事。年内解散なし。
http://jp.reuters.com/article/tokyo-vote-abe-idJPKBN19O154?pageNumber=1
コメント:もりかけ問題では、もはや安倍首相には弁解の余地=政治の私物化の、はありません。しかも一度動き始めたら、一強であるがゆえに直ぐに代われる者がいない。一旦動き始めたら、雪崩を打つように、自民党の内部から政権の瓦解が始まる可能性があります。その隙に乗じて都ファが大化けする可能性も否定できません。
843.民進も総括を。17/7/5
あくまで政権にしがみつき、なりふり構わず改憲に突き進む奸物、安倍首相が振りまく人災をどうやって防止すれば良いのでしょうか。それには反安倍の市民運動を全国的規模で展開してゆくしか方法はないと思います。
ところで都議選では、民進は議席を減らしました。しかもそれだけではありません。選挙前に、離党が相次いだことをお忘れですか。主張が明確な共産が票を伸ばしたのはむしろ当然なのです。未だに民進の代表の責任問題が表面化しないのは、閉会中審査を控えているからでしょう。無論のこと、党内では不満が渦巻いています。蓮舫・野田執行部の欠点の一つは責任感がないことです。
揃いも揃って死んだ目をした蓮舫・野田が、国会開催でなく閉会中委員会で手を打つ様を見ていると、無能な岡田前代表の流れを汲むこのバカップルが、自民党にとっていかに都合の良い存在であるかが分かります。
安倍首相を追い出すためには、まずやる気のないこの二人を排除するところから始めないと、効果がないことははっきりしています。安倍首相がしぶとく生き延びているのは、政権の受け皿になる政党がないからだという世論調査の結果を、反省と無縁のこの二人はどう考えているのでしょうか。
関連記事。蓮舫続投表明。党内に不満。
http://www.asahi.com/articles/ASK745GBFK74UTFK015.html?iref=comtop_8_03
関連記事。政権交代には、自公分断と民進分裂が必要。
http://diamond.jp/articles/-/134039
844.役人人事の私物化。17/7/5
・佐川理財局長が国税庁長官に。与野党から疑問の声。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170704-00000093-asahi-pol
関連記事。
http://www.asahi.com/articles/ASK744SLHK74UTIL01D.html?iref=comtop_8_02
コメント:知らぬ存ぜぬしか言わず、省内の証拠を隠滅し、徹底的に国民を欺き通してきた人物を厚遇ですか。世も末です。能力的にも、人物的にも優れた人が、他にいるはずです。政府が役人の人事を決めるという方法がまず間違っています=三権分立を定めた憲法に違反。安倍・麻生・菅・萩生田による、安倍擁護のあざとい論功行賞の結果です。あからさまな飴とムチです。それでも文科省の場合は、省内で体を張った職員による自浄作用があったが、財務省にはそれが全く感じられません。これでは民間の銀行と同じです。行政官としての誇りも矜持も、全く感じられないからです。そう迄してでも政権にへつらいたいのなら、内閣財務局になればいいのです。現在の財務省に独立した国の機関を名乗る資格があるとは思えないし、それも自らが率先して投げ捨てているように見えるのです。
845.魔窟が危機管理。17/7/6
日本のメディアの、安倍政権に対する姿勢には未だに疑問符がつきまといます。もはや陳腐化した忖度という形の、事実上の聖域化が、未だに政治報道の大前提になっているからです。恐れ多くも官邸様がおっしゃるにはと言わんばかりの、奥歯にものの挟まったような言い方しかして出来ないからです。その最たるものが、森友でも、加計でも、あれだけ筋の通らない説明と、しかも名誉基礎に等しい暴言です。国民を馬鹿にした対応しかしてこなかった菅長官を批判する言葉は、ことここに至った今でさえ、一言も出てこないのです。
一昨日、北のICBMが発射された時でさえ、Jアラートが機能しなかったことに、官邸からは何の説明もなく、その代わりにミサイルが発射されたら建物に隠れよ(?!)という、とってつけたような子供だましの警告が出ただけです。国家ナンタラ会議を招集しましたの一言でこと足れりと言わんばかりなのです。いまこそ、危機管理で官邸は全く宛にならないという事実を、国民は正面から受け止める必要があるのです。しかもこういう場合に、国民の立場で政府の対応を批判することが、マスコミの本来の役割なのです。
官邸の危機管理がなっていないという事は、とても恐ろしいことなのです。核を搭載したミサイルが日本の領土に飛んでくるという最悪の事態こそ考えにくいにしても、事前に発射実験の警告を行うという最低限のマナーさえ守っていないのです。北のミサイル技術がいかに進歩しようとも、本土や漁船に着弾しない保証はないのです。そもそも北のミサイル発射を非難すべき立場の人間(官邸)が、北の技術を高く評価するというところからして、完全に矛盾しているのです。そういう見方をすれば、トランプも同罪です。
更に具体的な言い方をすれば、本当にミサイルが本土に着弾したり、日本の漁船が沈められても、政府(=官邸)は何もしないと予想できます。そう断言するには理由があります。後藤さんがISの人質になり、惨殺されたときも、政府は何もしなかったのです。当時も安倍首相と菅長官でした。やったことと言えば、安倍首相が中東で余計な発言をして、後藤さんの命を縮めただけなのです。一方で、米国の捕虜には、米国政府はしっかりと水面下で身代金の交渉をして、対応策を取っていました。日本の政府のように、国民を見殺しにはしなかったのです。
国民の見殺しという点では、テロを含めた戦争行為に限ったことではないのです。阪神大震災の時は村山政権でした。311は菅政権です。奇しくも共に野党政権でした。彼らにしてみれば予期せぬ災難ですが、彼らが当時、必死に働いたことは、国民が自分の目で見届けることができたのです。無論結果が完全であったとは言えないが、真面目に対応したことだけは否定できないと思います。しかしそれが安倍政権だったらと思うとぞっとするのです。
なぜなら安倍政権でも、熊本地震の実績があるからです。発生の当日は、首相が外遊していたので対応は菅長官の仕事でした。ところが菅長官は、選挙応援で新潟を訪問中でした。留守場が留守場をさぼっていたのです。しかも車を飛ばせば数時間で戻れる(パトカーが先導する)のに、官邸に戻るのに、8時間以上も掛かったのです。その事実を指摘したのは、一紙だけでした。当時から官邸への忖度があったのです。このタイムラグの間に、菅長官が何をしていたのかは未だに謎です。夜間だったので、仮に酒席にあったとしても、それを放り出し、赤い顔でもいいから官邸に駆け戻るべきでしょう。車の中で缶コーヒーをがぶ飲みすればいいのです。奢りと見栄に興味のない政権なら必ずそうしていたでしょう。そういう意味では、同じ野党政権でも、311の時に無責任な野田政権でなかったことだけは不幸中の幸いでした。熊本地震への対応の遅れに関して、官房長官からはいかなる説明もなかったことは言うまでもありません。しかもメディアも官邸への遠慮から、一切その点には触れようとはしませんでした、その当時から、既に官邸の聖域化は始まっていたのです。
留守番の更に留守番役の、萩生田がとんちんかんな対応をしただけで一夜が明けました。しかもこの地震では建物の倒壊で若い命が多数失われているのです。従って、来るべき直下型地震の対策でも、安倍政権と菅官邸に、的確な危機管理を期待する方が無理なのです。北のミサイルの対応を見ていても、やっぱりその程度なのかという思いに駆られるのです。官邸が日本の政治を支えている、官邸の言い分はいつでも正しい、官邸ありきで間違いはないと、どうしてメディアが言えるのでしょうか。暗にそう思っているのなら、老若男女、いかなる国民にも分かるように、説明して欲しいのです。
阪神と日本という、両震災当時、安倍政権だったらどうなったか。その様子が私にはありありと目に浮かぶのです。しかもそれは悪意の印象操作等ではなく、誰にでも無理なくできる予想なのです。ありていに言えば、首相と官房屋長官がすることと言えば、いつものリップサービスだけでしょう。即ち言い訳だけだろうということものです。しかも有事の自衛隊のトップが、浅はかさを演じるしか能のない稲田大臣なのです。これで日本の危機管理に「危機感」を持たないとしたら、その方が余程どうかしているのです。国民は安倍政権に日本を委ねることで、自分で自分の首を絞めているのです。
これまでの全ての会見で、菅長官は開き直りしかしていません。一切の反省も、国民への弁解も謝罪もありません。傲慢を絵に描いたような政治家像を演じているのです。私は彼を見ていると、ダンテの新曲に出てくるメフィストフェレスを思い出します。でも本人にそれを言ったとしても、果たしてその意味が分かるでしょうか。或いはそれくらいの一般常識なら、持っているのかもしれません。
官邸の危機管理とは、安倍首相が、両学園問題で追及されて、メンツを潰されないように管理することだけが、危機管理の全てとしか思えないのです。
ミサイルの件でも、官邸が大本営になって、メディアはその内容のない発表を垂れ流すだけでした。独自の分析もへったくれもないのです。それが官邸有りきの、NHKを初めとするメディアの委縮した現状なのです。
都議選で自民不利だと見たメディアは、初めて国民視点に振りました。国民から安倍辞めろコールが出ており、安部や百田は、それは国民の一部の「不正な」意見だと懸命に言い訳しているが、本当にそうでしょうか。実は何百万もの国民が同じ思いを抱いているのかもしれないのです。安倍辞めろコールの後には、菅もやめろコールが出てきても少しもおかしくないのです。
都議選でいかに逆風が吹いても、安倍首相はこれまで以上になり振り構わずに、首相の座にしがみつくでしょう。閉会中の委員会も、外遊を理由に欠席の構えです。それでいて、国民に真摯に向き合い、誠実に説明責任を果たしたいなどと、よくもぬけぬけと言えたものです。そして菅長官を続投させるつもりでしょう。その時、メディアはまた安倍(新)政権の太鼓持ちに戻るのでしょうか。それでは日本の政治は良くなるはずがないのです。
議員の1/4以上の請求があった場合、国会を召集しなければなりません。そうでないと有事の対応も出来ません。でもそういう野党の動きを、与党のみならず、メディアさえまともにフォローしているようには思えません。時期の明確な既定がないという言い訳をしているが、過去の例があるし、与党でも20日以内であることが暗黙の了解になっています。しかるに与党からは未だに時期について明確な答えはなく、閉会中審査で証人喚問に応じるということで御茶を濁そうとしている可能性もあります。まさかそれで野党が納得しているとしたら、とんでもないことです。だいいち民進は未だ、都議選前後の凋落の総括さえしようとしていないのです。
現在の独裁政治と悪法の数々の発端は、野田首相が自民党に政権を売り渡したことです。しかもその代償が財務次官に言われるがままに、消費増税をすることだったのです。今から思えばあきれて口が塞がらない話です。現自由の小沢が、当時反対の立場を取ったのは当然なのです。
まさかそのA級戦犯の野田が、またもや国民を裏切って安倍首相と裏取引をするつもりではないのでしょうね。しかもこの懸念は小池知事にも当てはまるのです。その疑いもあるので、一日も早く蓮舫・野田体制を交代させることが必要なのです。小池とでは比較の対象にさえなり得ない蓮舫が、野党第一党の代表でなければならない理由など、どこにもないのです。民進の代表の交代は、日本人が、日本に民主主義を取り戻すうえでも、避けて通ることが出来ないステップなのです。
政治と行政の機構を、利用できるだけ利用して、ぎらつく権力欲と、勢いだけでトップに立った人間舘が引き起こした悲喜劇。それが野田政権と安倍政権ですが、だからと言って、閣僚の不祥事を取り上げるまでもなく、笑って見ていられる問題ではもはやないのです。
関連記事。閉会中審査で首相隠し。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170705-00000074-jij-pol
関連記事。安倍政権とトランプ政権は民主主義を潰す。
http://toyokeizai.net/articles/-/179011
846.やっちまったか。17/7/7
・稲田防衛相、豪雨対応中に不在。石破あり得ない。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070601269&g=pol
コメント:正直、まさか私の昨日の予言=稲田では有事に危ない、がそのまま当たるとは思いませんでした。熊本地震と全く同じ構図です。
またもや首相は外遊中=委員会の証人喚問の立ち合いから逃亡、で、官房長官は東京にはいたものの、素早く動いたという印象は余りありません。何より緊張感が伝わってこない。こういう時に国会=9月まで開催しないという腹らしいが、それでは臨時国会にならない、でも開会していれば、閣僚にはもっと緊張感があったのではないか。
菅長官の発表は取ってつけた感が強く、肝心の対策や国民感情よりも、記者会見=官房長官の見せ場、だけを重視=印象操作、した印象を持ちました。ミサイルや加計から国民の注意を逸らすという効果への期待がなかったのかどうかも気になります。もしそうならそれは菅長官のオオカミ少年化を意味します。発動すべき大規模災害対策法もあるはずです。危機管理に魂がこもっていなければ、対策室等はあっても無意味なのです。
官房長官としては野田内閣=どじょう内閣、の藤村長官の方が人間味=人柄の良さ、でもベストでした。国民への共感があるのかないのか判然としない、菅長官の無表情で無味乾燥な物言いも不快だし、黒を白と言い張る無理無体にも食傷しています。地位に連綿としがみつく菅と異なり、藤村は出処進退もきれいでした。菅長官とはあらゆる意味で雲泥の差があったと思います。藤村が野田の代わりに首相になっていたら、日本ももっと良くなっていたことでしょう。
847.教訓なきやまゆり園事件。17/7/7
・やまゆり園のいま。映像。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170706-00000181-jnn-soci
コメント:この事件では、計画的犯行という点がやりきれません。なぜなら、それはナチス=ヒットラー、によるユダヤ人の大量虐殺と全く同じ状況だからです。犯人は冷静に計算し、効率(!)を重視したのです。
この事件で、最も絶対許せないことは、官邸による隠ぺい工作と、、マスコミの情報操作です。犯人が大島議長に手紙を出したこと、ナチスを引用したことが、大きく報道されることはありませんでした。犠牲者を悼むことより、内閣を醜聞から守る事を優先した結果です。ISの後藤さん人質殺害事件の時の政府の対応と同じで、安倍首相=内閣、の人間性の欠如をここでも感じさせたのです。
これは憶測ですが、その大きな理由は、麻生副総裁の不規則発言、即ち安倍政権がナチスが憲法を改正した時の手法に学ぶべきだという暴言にあると思います。この二つを結びつけられたら、政権の共同代表者が全体主義を肯定したことになります。後で否定はしたものの、本人がそいう考えを持っていたという事実は消しようがないのです。しかもその責任は麻生自身にあるのです。それでいて、臆面もなく安倍の後釜を狙うとは、自民党も堕ちたものです。
いくら報道だけを規制=事実を隠蔽、してみても、それで無差別テロがなくなるわけではありません。共謀罪などをいくらふりかざしてみても、少しもテロの予防には役立たないのです。もともとが反政府の意見を取り締まるための法案だから、目的が違うという事もあるでしょう。貧富の差の拡大に端を発する社会の閉そく感=アベノミクスのマイナスの効果、と正義感、道徳感、中でも人間的な共感の欠如こそが、犯人の動機であることは供述の一部でも分かります。ナチスへの共感も綴られています。しかも未だに、犯人の言い分、取り調べの内容は公開されていません。誰かにとって余程都合が悪いらしい。そこではテロ防止よりも、権力者の利権が優先されているのではないでしょうか。それでいて、よくも共謀罪でテロ防止だなどと言えたものです。
安倍政権としては、この大量殺人事件が、社会のせいにされては困るのでしょう。通り魔を含む無差別殺人や、安倍独裁体制下なら今後、当然予想されるであろう思想的なテロ事件を、本当に防止したいと思うのであれば、取り組みから間違っているのです。
個人の善悪の価値観、生まれながらに備えている道徳や常識、そして国民の社会正義と公平感を希求することが、一見遠回りでも王道であって、根本的な犯罪防止につながるのです。
安倍政権では不公平感が強く、その結果として、底辺層を中心に、不満が鬱積しています。それが無差別殺人という異常な形を取って、暴発しているのです。不公平を作り出す仕組みは、権力者や富裕層の利権はそのままにして、不足分を国民=文句を言わない、言ってもその影響力が取るに足りない、に分散して負担させていることです。本来は国の主役である国民の権利=基本的人権を含む、を、それと気づかないように少しずつ、しかし着実に削り取ることで、権力階層に偏っている社会の貸借対照表の帳尻を合わせているのです。
即ちそれは、社会の不公平感を背景にした相模原の事件が、間接的に安倍政権が関与していると言われても仕方がないのです。
特に本事件では、菅長官のいつものやり方、即ち臭いものに蓋という姿勢が問題です。なぜならそれでは国内の犯罪やテロを防ぐことにはならないからです。犯罪の背景にある、社会の風潮や価値観、社会正義の欠如がそのままなら、同種の事件がまた起きることは、誰にでも想像できます。
問題の本質を冷静に、深く掘り下げて、的確な対策を講じなければ有効な予防策にはならない。それは中学生にも分かります。安倍内閣の平均的知能指数が、中学生以下だというのなら、それまでですが。
関連記事。人を殺せるか試したかった。三島。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170707/k10011047451000.html
関連記事。首相辞めろの野次に共謀罪適用要求。
https://this.kiji.is/255680374718236155?c=39546741839462401
(寸評:あきれてものが言えません。小学生以下の知能指数です。しかもこれでは社会科も1でしょう)
848.映画は終生の友。17/7/8
今日は映画の話題からです。先週から公開されている「パイレーツ・オブ・カリビアン、最後の海賊」は、名前の通り最終回=大団円、なので、これまで同シリーズを見てきた人は必見です。いつものように、良くというか不気味に出来ており、今回登場するラスボスはサラザールという死神の船長です。演じているのは「ノーカントリー」=アカデミー助演賞、や「007スカイフォール」のハビエル・バルデムですが、不死身の想定とはいえ、いかんせん格闘シーンが長すぎます。ジャックと、ウィル・ターナーの息子が、全ての呪いの大本であるポセイドンの槍を探して航海に出ます。バルボッサの娘も登場します。ネタバレは出来ないが、メディアでの紹介が間違っているので訂正しておくと、ジャック・スパロウが死ぬなどと宣伝されているが、それはありません。なぜならそれでは大団円にはならないからです。しかし、下品でいい加減な船長が主役=だから感情移入はできない、のシリースというのも珍しい。文字通り臭い(演技の)、ジョニデがアカデミー賞特別賞を取れないのか不思議です。他にこの役を演じられる役者はいません。
関連サイト。
http://www.disney.co.jp/movie/pirates.html
あとは最近のリリース・ビデオですが、まずアニメの「モアナと伝説の海」があります。アカデミー賞長編アニメ賞受賞作品で、明らかに雪アナを意識して作られています。寒い北欧から、南国の島に舞台を移したミュージカルです。アナ雪では吹替の歌手も結構頑張っていましたが、この手の作品はオリジナルで見るのが一番です。とはいえ、私は音楽よりも、海の表現を含め、実写を超えたCG技術に驚嘆しました。ご覧ください。
関連サイト。
http://www.disney.co.jp/movie/moana.html
ついでにビデオ化されたその他の作品を駆け足で紹介します。「海賊と呼ばれた男」はスターを揃えており、岡田准一の老け役がそれなりにまとまってはいるものの、正直今ひとつの印象は免れません。日本の戦後の官僚組織や、石油の独占体制との戦い、イランとの交易など、極めて重要なテーマを追いながら、突っ張り男の映画になってしまっているのは、原作と脚本が弱いせいでしょう。主役も岡田ではない方が良かったのかもしれません。なお焼野原の光景を含めたCG技術はかなり向上しています。シン・ゴジラとは違った意味で、リアルさを追求しています。その中で、一つ残念なのはタンカー日章丸(映画では日承丸)が、やけに小さく見えて、リアリティに欠けることです。
関連サイト。
http://kaizoku-movie.jp/
ウィル・スミスの「素晴らしきかな、人生」も役者を揃えており、現代のNYを舞台にした、娘を亡くした広告会社の経営者のストーリーです。途中でうすうすオチが読めてくるものの、終わり近くにどんでん返しがあります。あか抜けない題名ですが、そもそも原題のコラテラル・ビューティーは別の意味です。コラテラルは二次的、或いは見返りという意味で、ビューティは美そのものですから、悲劇にも何らかの意味や見返りがあるという意味でしょう。字幕ではビューティーをおまけと訳していたが、こういう無神経で雑な翻訳をされると作品がぶち壊しです。
関連サイト。
http://wwws.warnerbros.co.jp/subarashiki-movie/
あとは、特にお勧めはしませんが、「フライト・クルー」は珍しくロシア製の航空機パニック・ムービーです。無論俳優は知らない人ばかりです。B級に限りなく近いが、ハリウッドのパニック・ムービーとは一味違っており、最後まで見てしまいました。今日は「スノーデン」を見る予定です。
関連サイト。
http://eiga.com/movie/86113/
http://www.snowden-movie.jp/
私の最大の趣味は映画です。20世紀に生を受けて、何が良かったかと言えば、映画を楽しむことができたことです。祖母も父も映画好きでした。そのDNAが受け継がれています。祖母は石原裕次郎のファンで、父は西部劇でした。私はSFです。人生最大の喜びは良質な映画を見た時です。
でも映画製作では、未だに日本の映画は洋画に遅れを取っています。その理由もはっきりしています。ハリウッドでは、観客主体で制作されるのに、日本では監督の力が強すぎるのか、個人的な価値観と自己満足で映画が制作される傾向にあるからです。アニメのエバンゲリオンでさえ、その例外ではありません。若者向けに量産されているB級映画は、その最たるものです。その結果、何が起きているのかというと、手っ取り早いどぎつい場面だけが続き、その割に感動は殆どないのです。
例えば、「ラ・ラ・ランド」のような映画が、なぜ日本では出来ないのかを、もう一度考え直す必要があります。日本発で、世界に通用する映画は2種類しかありません。ヒューマニズムの理念では一切妥協をしない宮崎駿の作品か、現実と正面から向き合った「おくりびと」や「東京物語」のような作品です。寅さんや釣りバカは、基本的に娯楽映画であって、映像芸術とは無縁です。巨匠と言われる日本の監督たちにも、その名にふさわしい人は殆どいません。山田、三池、タケシなども、私に言わせれば等外です。そう言われて悔しかったら、観客を思い切り泣かせるような映画を作って見せて欲しい。邦画では、「ぽっぽや」が唯一泣ける作品ですが、これは俳優=高倉健・広末涼子、と原作の力が大であり、監督も降旗です。
関連サイト。
http://eiga.com/movie/39434/
洋画では「アラビアのロレンス」のような大作を除くと、シリーズ物に優れた作品が多い。前述のカリブの海賊以外にも、スターウォーズは言うに及ばす、ロード・オブ・ザ・リング(続編のホビットの方が優れている)、バック・トゥ・ザ・フューチャー、マトリックス、ハリーポッター等々です。TVシリーズでも良いものが多く、カンバーパッチのシャーロック、ゲイリー・シニーズのCSIニューヨーク、パースン・オブ・インタレスト等があります。日本のベテランと言われる監督も俳優たちにも、未だ未だ精進する余地は十分にあるのです。世界に通用するレベルの作品が、アニメ以外でもできるようになった時に、初めてクール・ジャパンと言えるのです。
849.映画スノーデン。17/7/9
映画「スノーデン」をレンタル・ビデオで見ました。秘密保護法と共謀罪を、安倍政権に強行採決された日本の国民は、この映画を見る「権利」と「義務」があると思います。監督は社会派の巨匠(本物の)、オリバー・ストーンです。オバマの実際の映像も何度か登場します。「永遠のゼロ」や「海賊と呼ばれた男」は見ても、安倍首相は絶対に見ないと思われる映画でもあります。
特殊部隊員になることを望んで訓練に励んでいたスノーデンが、体力的な問題でそれを断念し(但し射撃は得意)、それ以外でも国に尽くすことは出来ると言われて、持ち前のIQの高さを評価されて、CIAに入ります。そこで対照的な二人の上司に出会います。サイバー部門で、テロ対策を含めたセキュリティソフトの開発に従事します。現場を希望して、日本(東京は世界一物価が高いと言っていました)やハワイにも行きました。但し日本の風景も多くはありません。
しかし日本では極めて重要なシーンがあります。スノーデンが立ち会った自衛隊相手のデモでは、ドローンを使ってピンポイントとで敵を抹殺=暗殺する技術を見せました。そして米軍が、米国と同じように日本でも国民の監視を強化することを要望したことです。自衛隊の幹部(らしき人物)は首を縦に振らなかったのですが、それでもそのあとで、米国は実際に、弐歩の政府機関も企業も個人でさえも監視をしていて、日本が米国に反抗すれば、いつでも日本を潰せると豪語するシーンがあります。しかもこれは衝撃的な事実でもなんでもなくて、実際にCIAが外国の元首(独英などの友好国)を盗聴していたことが問題になったのです。
個人でも、通話記録から関係者を割り出し(芋づるで3人たどると250万人につながる)、都合の悪い情報を見つけると恐喝の材料にして、NSAの職員の出世の材料に使います。本人は何が起きているのかさっぱり分からないままに、生活が滅茶苦茶にされてしまうのです。
ハワイに勤務していたころ、やがてスノーデンは、国家のためなら何でもするCIAとNSAの汚いやり方に反発して辞職します。辞職を決意したときに、内部情報の持ち出しに成功します。そして香港で米国の大手メディアに接触して、実態を公開するよう依頼します。メディアも政府を相手にするのだから命がけで、時間の勝負です。
TVにも登場した彼は直ちにパスポートを無効にされ、移動が出来なくなりますが、メディアの弁護士の助けもあって、モスクワへの亡命に成功します。
主役はスノーデンによく似たジョゼフ・ゴードン・レビット(ザ・ウォーク等)で、ニコラス・ケイジも共演しています。最後には本人も登場します。
私たちがいかなる情報監視社会に住んでいるのか、そして情報の世界では既に第三次世界大戦が始まっているという事実を、この映画が指摘しています。政府を糾弾する映画を製作して、公開できることに米国の本当の凄さがあります。
電子メールやネットを日常的に使っている私たち、日本人が、今こそ見るべき作品です。映画という手段は、このように使われなければならないという見本でもあります。やくざや暴力を礼賛し、あるいは昭和の感覚でファミリー映画を作れば事足れりとする。それで自ら巨匠を名乗っていることが恥ずかしくなるような映画です。作品の良しあしは制作費用だけで決まるものではないのです。何を言いたいかが一番大事なのです。間もなくビデオ・リリースされる「沈黙」と共に今年の特選映画です。
情報を自由に管理する世界で、独資者が政権を握ると(トランプや安倍を含む)どんなに恐ろしい社会になるかを、スノーデン自身が最後に警告しています。日本のミニヒットラー(たち)はこの映画を見る必要はありません。なぜなら見ても意味が分からないでしょう。そして秘密保護法や共謀罪を無理矢理押し通すような者たちに、平和憲法の精神も、基本的人権の意味が理解できているとは思えないからです。
・公式サイト
http://www.snowden-movie.jp/
・スノーデンの警告「Dropboxは捨てろ」「FacebookとGoogleには近づくな」
http://www.huffingtonpost.jp/techcrunch-japan/snowden_b_5980606.html
・日本の皆さんを本気で心配しています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49507
・アメリカに監視される日本。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3965/
850.二馬鹿大将、世界を行く。17/7/10
週刊文春の最新号によれば、首相は裏側では、加計学園問題のどこが悪いとうそぶいているそうです。それは本音でしょう。だからこそこんな人たちには負けられないという言葉も出るのです。自分は常に正しいと信じ込んで(自分で自分に呪いをかけて)いるのです。
民意の理解どころか、子供でもできるような簡単な善悪の判断さえつかない。だからこそ安倍氏は、首相には不向きなのです。権力が独裁を生み、独裁が腐敗を生む。そして、判断力も責任感も失われるのです。
金背のやり取りさえなければ、何でも許されるという訳ではない。依怙贔屓だって立派な腐敗であり、政治的な背信行為=立件すべき犯罪、なのです。
某首相のおつむには問題があるということは、ほぼすべての評論家から言われてきたことです。彼がクレバーだと言ったのはたった一人、トランプだけです。ということは、論理の帰結として、トランプは安倍首相以下の頭脳の持ち主だという事になります。ここで仮に安倍首相がお返しにトランプの頭が良いとでも言いだしたら、首脳会談は単なるおふざけのインターナショナル漫才になってしまいます。しかも見ている(見せられている)国民にとっては、少しも面白くない漫才です。
世界をまたにかける二馬鹿大将が、はねたりとんだりするたびに、騒動が巻き起こります。迷惑するのは世界市民です。これがコメディでなくて、何が喜劇(むしろ悲喜劇)だというのでしょうか。
プーチンや習近平は、独裁者ではあっても、抜け目はありません。少なくとも馬鹿ではありません。既に安倍首相は北方領土の会談で、プーチンに手玉に取られて、手も足も出なかったという実績があります。という事は、日米両国は、トップが愚かなゆえに、外国のいいようにされ、挙句は食い物にされるという未来が約束されているようなものなのです。
しかも安部首相の場合は、ばらまき外交しか能がありません。だから強欲なトランプよりも、国民にとっては一層始末が悪いのです。日本の国民は、国際的に不利な状況に置かれること以外にも、専用機の費用を含め、対外援助の膨大な経済的負担を背負わされているからです。
これでは日米両国民は「馬鹿馬鹿しくて」やっていられません。超保守的な立場を取る国民にも、安倍ならば安全という思い込みが根拠のない神話に過ぎないことに、早く気が付いて欲しいのです。自分達の資産も、明日はどうなるか(円高、株安で)分からないのです。安倍首相が、日本を一寸先は闇の崖っぷちに追い込んでいるという状況を正確に把握して頂きたい。だからこそ全国的、超党派で反安倍運動を展開する必要があるのです。
ところでクイズです。この前書きに、馬鹿という言葉が何度使われたでしょうか。そんな馬鹿馬鹿しいことはやっていられない。その通りなのです。安倍首相の答弁や演説という茶番(NHKの放映を含めて)に付き合う事も、同じように時間の無駄なのです。
関連記事。内閣不支持が最高の52%。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170709-00050093-yom-pol
(寸評:読売でこれです。毎日ならどうなっていたでしょう)
関連記事。公文書、1年未満で廃棄次々。
http://www.asahi.com/articles/ASK6V574KK6VUUPI00H.html?iref=comtop_8_01
(寸評:独裁の結果がこれです。見られては困る資料、ということは、忖度・背任・汚職の証拠を廃棄し、脚がつかないようにしているのです)
851.閉会中審査、加計学園ありき。17/7/11
昨日の閉会中審査は呆れた内容でした。中でも最悪なのは山本大臣と萩生田副長官、菅長官の国民を小馬鹿にした答弁です。前川前次官の出番は当然多かったが、終始冷静で、言い方も礼を失しておらず、表現の正確さに努めており、虚偽を述べているという印象はありませんでした。それに引き換え、山本大臣は、加計学園を選んだ手続きが正当だったと言いたいがために、ワーキング会議が用意したと思われる、何ページにも及ぶ説明を突然早口で読み始め、しかもいつまでたってもそれが終わらないので、議場は一時騒然としました。しかもこの茶番シーンはNHKのニュースでは取り上げていません。
一方、萩生田副長官は文科省の局長と会ったことまでは認めたものの、自分は一方的に文科省から農林省との斡旋を頼まれただけだと抜け抜けと言い放ちました。しかしながら、文科省の内部文書では、萩生田副長官の意見として、反対しているのは文科省だけで困っている悪という発言があったことが記されています。この発言は、文科省からの調整の要請を無視して(官邸としての調整機能は果たさずに)、加計学園ありきで官邸が動いていなければ説明がつきません。
山本大臣は閣議決定で決めたとか、調整は官邸でなく文科省が行うべきだと言い出して、もはや説明は支離滅裂です。精神が錯乱しているのか、そんな説明で国民が納得するだろうと、タカかを括って、国民を馬鹿にしているのか、或いはその全部だとしか思えません。30年4月という開校時期についても、その理由は説明されなかったと前川前次官は述べています。こう見ると、山本大臣は第二の金田大臣であり、阿部首相の捨て駒になるのは間違いなく、それは本人の勝手であっても、意味不明の説明に付き合わされる国民は堪ったものではないのです。
安倍首相が獣医学部を沢山作ればいいと言ったことについても、まともな説明はありませんでした。傑作なのは、山本大臣の、需要と供給のバランスで(獣医師を)淘汰すれば良いという捨て台詞に近い説明です。そもそも獣医師会は、医師は間に合っていると回答をしているのです。前提となる医師の需要は石破4条件の一つでもあります。しかも医師の養成には税金も含めて何千万も掛かるのです。国費の無駄使いになることには、いかなる説明もありませんでした。
自民党は前愛媛県知事まで引っ張り出して、獣医師が不足していること、岩盤規制があることを強調したが、前川前次官は、そういう場合は、新たに学校を作るのではなく、従来の学部の定員を増やすという方法の方が、コストも掛からないし、教員不足の問題も起きない。実際に医師の教育ではそのような方法を取っていると説明しており、その方が遥かに説得力があります。
政府側の説明の全てにおいて、加計学園ありき、30年4月開校ありきが浮き彫りになった形です。萩生田副長官の指示が、新たに鉛筆書きで付け加えられることで、加計学園に決まった決定的な原因となった追加条件についても、山本大臣は、以前からその条件は検討されていたという明らかに虚偽の説明をしていました。だったらなぜ鉛筆書きで追記する必要があったのでしょうか。
蓮舫議員の質問は、追及する姿勢があまりなく、質問時間の無駄です。いつものように言い放しでした。こういう状態を繰り返しているので、野田幹事長がいくら辞任しても、連邦議員が代表で残れば、民進の復活は無理なのです。そもそも選挙結果は、どの政党でも幹事長の責任ですから、野田幹事長は都議選惨敗の責任を取る必要があります。
内閣府に資料が残っていない説明として、菅長官は秘密保護法で山のような資料が出るので破棄しないわけにはいかないという、筋違いの説明をしていました。書類が電子化されているこの時代に、その説明では納得できないでしょう。都合の良い資料だけは残しているということでしょうか。30年4月の開校は無理だという文科省の(当時の)意見に対する、まともな反論もありませんでした。
安倍政権の関与を徹底的に否定し続ければ、身の潔白が証明されるとでも思っているのでしょうか。それとも言い張り続ければ、いずれ(馬鹿な)国民は忘れるだろうと思っているのでしょうか。でもそれこそが安倍政権の傲慢さの何よりの証ではないでしょうか。
前川前次官は安倍内閣の閣僚を相手にして、激高はせず、しかし一歩も引きませんでした。参院の方の質疑で、桜井議員の、山本大臣は嘘を言うな、正しい議論を踏まえたのなら、経緯の資料を出すべきだという怒りの声に、国民の気持ちが集約されているのです。事実と異なる説明を繰り返す政府。それはセウォル号沈没事件の時の韓国政府と同じなのです。
この国会中継で、NHKは大きなミスを犯しました。それは直後に、あらずもがなの記者の解説を付け加えたことです。国民は議場の答弁を自分の目で見ているのですから、改めて解説などはいらないのです。事実をありのままに中継すればそれで十分なのです。しかもその解説が政府寄りになっているので、明かに世論誘導でもあります。ジャーナリズムが決してやってはならない事、即ち政治権力の手先になってお神輿を担ぐことを、やってしまったNHK。受信料を払うべきでない理由がまた一つ増えました。未だに安倍政権を忖度するメディア。我々は何を信じればいいのでしょうか。
ところで小池知事はやはりただものではありません。したたかさもさることながら、最大の功績は、安倍内閣の政治腐敗にうんざりしている都民=国民の1割、に良くも悪くも選択肢を与えたことです。日本の政治史に名を留める可能性が出てきました。
関連記事。NHK。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011053151000.html
関連記事。前川氏、個人攻撃に反論。
http://www.asahi.com/articles/ASK7B5R5ZK7BUTIL04B.html?iref=comtop_8_07
関連記事。安倍首相を信用できないが61%。朝日新聞。
http://www.asahi.com/articles/ASK7B3Q09K7BUZPS002.html?iref=comtop_8_01
852.改造ではなく退陣を。17/7/12
・自民、首相出席の予算委に否定的。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170711-00000115-mai-pol
コメント:これは首相自らが蒔いた種です。首相を、無理やり続投させれば、議席を大幅に減らすことは間違いないと思います。内閣改造ではなく、内閣退陣しか自民党の延命策はないのです。もはや自民党でさえ、自分で自分の始末も出来ない安倍首相を、持て余し始めていることが竹下議員の言葉からでも分かります。安倍政権が死に体=レームダック、であることは、他ならぬ自民党幹部がいちばん良く分かっているのです。
853.さらば二流の政治家。17/7/12
・蓮舫議員、国籍説明する。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/07/11/renhos-suspicion_n_17453706.html?utm_hp_ref=japan
コメント:続投の意向とは、あきれて言葉もありません。その神経は日本人の理解を超えます。都議選で惨敗したのは自民党だけではないのです。選挙以前に離党者を出したことが問題なのです。これだけ自民がオウンゴールを重ねながら、野党第一党が議席を減らしたのです。二議席しか減らなかったことを喜んでいるようでは話になりません。政策のはっきりしない都ファが第一党になった責任は、民進にもあるのです。そうした都議選の結果に責任を感じていないということは、民主党が政権を投げ出した時の野田政権と、精神構造が少しも変わってはいないという事を意味しています。
無反省という点が、蓮舫・野田バカップルの自己中の本音を見事に表しています。二人の問題は、民意に共感し、民意に寄り添う事の出来ない冷たい政治姿勢=憶測ですが多分人柄も、にあります。国民の代わりに、政権ととことん戦うべきなのに、その姿勢が欠如しているのです。しかも他に人材がいないわけではありません。女性なら山尾も辻本もいるでしょう。共産にも自由にも、優秀な女性闘士がいます。優秀な男性議員ならもっといます。大塚が紳士的すぎるのなら江田でもいいのです。前原は離党して都ファに行き共同代表を狙う可能性もあるでしょう。民進の心ある議員の離党は増えることはあっても、減ることはないでしょう。しかもその原因は体制にあるのです。
この二人の虚ろな目を見ているだけで、絶望的な気持ちにさせられます。二人が代表と幹事長である必然性はないし、岡田前代表も、このさい任命責任を取って辞めて頂きたいものです。
民進はそれでも野党第一党、腐っても鯛なのです。即ち民進を何とかしないと、困るのは結局国民自身なのです。だからこそ、安倍やめろ、だけでは済まないのです。いま中央公論8月号の、民進党再生計画を読み始めたところです。
854.国民に絶対服従を要求する安倍政権。17/7/13
最近の安倍政権の筋も道理も正義もない、支離滅裂で強引な姿勢を見るにつけ、彼らが言いたいことは、国民は文句を言うな、黙って政府に従っていればいいのだと言っているように思えます。でも私達国民は、安倍大統領に絶対服従しなければならないような悪いことを何かしたのでしょうか。
日本では首相の直接選挙ではないので、国民がしたことは自民党に投票したことだけなのです。それがここまで民意が踏みにじられるとは、一体誰に予想出来たでしょうか。しかも何ら行動は起こさなくても、政府に反対し、批判野意見を述べた(反政府運動の準備行為に相当)だけで、罰せられる仕組みまで、安倍首相は用意しているのです。
警察を含む行政機関が、首相への忖度どころか、官邸の顔色を窺うような、民主主義が事実上否定された社会、それが今の日本なのです。もはや国民が最後に頼りにするものは、報道と司法の独立性しか残されてはいないのです。安倍、麻生、菅(含む萩生田)三役、いや三悪の理不尽な支配に、日本の国民は一体いつまで耐えなければならないのでしょうか。彼らはこれまでも散々卑劣な手段を使い、独裁のために事実上手段を選んではいないのです。
だからいつになるか分からない解散総選挙や1年先の総裁選など待たずに、国民が全国で一斉に独自の投票(自由投票によるリコール運動を)を行い、ノーを政権に突きつけないと、これから何年もの間、屁理屈だけで、独裁政治が続くと思います。第二次安倍政権の歴史がまさにそれを証明しています。
安倍首相が賄賂でも取ってくれていた方が、まだしも国民に対する実害は少なかったと思います。思想と言論の自由に対する有形・無形の圧力の悪影響は、金では測れないほど深刻なものだからです。国費から退職金として10億お払いするので、すぐに議員を辞めて頂く訳にはいかないものか。これは安部晋三氏への、マジなお願いです。
ところで誰か、心ある業者さんが、「安倍辞めろ」のTシャツを作ってくれないものでしょうか。何枚か買って親戚・友人に配りたいので。
855.プライムニュースと安倍政権。17/7/13
BSフジのプライムニュースは、フジ産経グループにしてはまともな番組です。左右のイデオロギーがぶつかり合う、朝まで生テレビより、余計な感情論が入らないだけ見やすい番組です。昨夜は安倍政権の行方がテーマでした。4人の政治学者が出席した生放送でした。さすがに有識者で言葉に無駄がありません。4人の見解にはそれ程大きな隔たりはありまでんでした。現状では一番分かり易い解説なのに、芸人がMCやひな壇に出る無責任番組と一線を画していました。以下はその個人的な要約です。
今のままでは自民党の支持率下落に歯止めは掛からない。肩から力を抜いて、もっと早くに柔軟な姿勢を取っていれば、こうまで事態は悪化しなかっただろう。これまでの安倍政権の支持率の背景には、他に適当な選択肢がないという中間層の消極的選択があった。いまそれは政権不支持に傾き、不支持の最大の理由は、安倍首相が信用できないというものだ。
これまでは何かがあっても、その都度調整し、閣僚を異動するなどの対応で、その場をしのいできた。だから大事には至らなかった。でも今はそうしていない。しかも政権の一枚岩がマイナスに作用している。意地を張り、無理を押し通すという意味の一枚岩になっているからだ。
小池知事の新党が、都議選の自民惨敗の理由である。だからと言って、今すぐに国政選挙があるわけでもない。しかし小池新党が50もの議席を取ったことで、無党派層にとって、安倍首相以外にも選択肢があるかもしれないという気持ちが生まれた。
一方で民進は党内の分裂が未だに収まらず、離党者も後を絶たない。与党と戦うには共闘路線しかないのに、共産党との共闘体制にも及び腰だ。民進は政権の受け皿になれるような状態ではない。むしろ10年先を見越して、じっくり党を立て直す方がよい。
働き方改革は安倍政権が言い出したが、本来民進が打ち出すべき政策だった。民進の支持母体の連合も揺れている。連合は安倍政権に相手にされておらず、連合は、安倍政権の政策を黙認しているだけだ(編者注:今は労組の冬の時代です。自分達が労働者であり、労働の対価で生活しているという意識も感じられません)。
となれば、自民党内での選択肢になる。小池知事は、自分が右でも左でもない中央のフェアウェイを狙うと言っている。でも小池の本質はむしろ安倍寄りだ。それは都議選の候補者の改憲の意識調査でも分かる(編者注:私も見ました)。だから安倍政権も露骨な反対運動はしなかった。改憲での都民ファの取り込みを視野に入れてのことだろう。
安倍政権が、いま直ぐ破れかぶれの解散総選挙を打って出れば、惨敗は必至だ。改憲の国民投票を同時と言っているので、一層解散は出来ない。その改憲も、安倍首相の成果として残したいという気持ちが強く、自民党の改憲というより、安部の改憲になっている。安倍首相の問題は、すべてを私物化することから発している。
これまで自民は公明との連携で政権を運営してきた。しかし自民党が何をしようとも、雪駄の裏の雪のように、どこまでも公明がついてくるという奢りがあった。その結果、踏みつけにされ続ける事に公明が我慢できなくなった。山口代表の心の中で積み重なっていた恨みが、都議選の自民惨敗のあとの、憲法は政権が関わることではないという発言になった(編者注:これは籠池、前川と全く同じ構図です。裏切りと理不尽な仕打ちに対する抗議です。安倍首相が信用されないのは、信用を裏切る行為を重ねている=人間として問題、からなのです)。
かといって、今のままで来年の9月の総裁選まで安倍政権が持つとは思えない。数カ月で、これだけ大きな変動があった。何が起きるか分からない、それが政治だ。誰か(多分自民党の)が手を挙げて、この指とまれと言い出すかもしれない。その人間が票を集められる人物なら、自民党にとって、支持率低下の元凶になっている安倍首相に拘る理由はない。国会では得票がすべてだからだ。
政治家は、信なくば立たずという。食(経済)と安全保障も大事だが、一番大事なものは民の信頼である。安倍首相にはそれが無い。
コメント:問題は支持率の数字です。石破でさえ支持率を気にするなと言い出しました。麻生政権では18%でした。これは30%の支持率が更に下がっても、安倍首相が政権にしがみつく根拠になります。安保法制の時も不支持の方が上回ったのに、押し切った前例があります。内閣改造で総裁選まで持たせたいという事が間違いなく本音でしょう。でもそれを許したらいけないのです。そこには民意へ配慮=忖度も、国民重視の姿勢もないからです。あるのは独裁者の驕りと権力欲だけです。
関連サイト。
http://www.bsfuji.tv/primenews/schedule/
(寸評:中野晃一=上智大教授が最もリベラルです)
関連記事。国民の厳しい視線で安倍戦略は狂い始めた。
http://toyokeizai.net/articles/-/180182
関連記事。アベノミクスは新産業生まず。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7970.php
(寸評:確か三本の矢とかなんとかのたまわっていませんでしたっけ。もっとも今更、もう一つ嘘が増えたって、どうってことはないのかもしれませんが)
856.北朝鮮をどう考えれば良いのか。17/7/13
月刊誌文藝春秋は、現代の日本人にとって重要な情報源の一つだと思います。私はこれまでこの雑誌が苦手で、それは厚くて、なかなか通読出来ないからです。しかしネットでは概要しか分からない事件の真相を知る手掛かりとして貴重な存在でもあります。週刊朝日も週刊文春も購読していますが、週刊誌ではページ数の限界があって、長い対談の掲載などは無理ですし、半ば学術的な論文も週刊誌向きとは言えません。そこで月刊誌の出番ですが、特に文藝春秋は、雑誌ジャーナリズムの歴史があります。
今回はややネタが古いのですが、6月号から一部をご紹介します。
「太平洋戦争の失敗に学べ」半藤一利、船橋洋一の対談から。
…ジョン・マケイン上院議員は、金正恩をクレイジー・ファット・キッドと呼んでいる。あの体形がアンバランス感というか、アンストッパブル感を人に与えている。情緒不安定で何をするかわからない。サイコパスだとか、性格破綻者だとかの分析も行われている。
…金正日が百万人の国民を餓死させても核開発を遂行した。それを金正恩が遺産相続し、国体の象徴となった。だから核を金正恩が放棄することは考えられない。現体制だけ保証するから、核を除去せよという選択肢はない。
…日本の太平洋戦争は、石油の輸入を止められることがレッド・ラインだった。アメリカのレッド・ラインは、日本の仏印進駐だった。日本軍部はそれを見誤ったので、石油を止められてしまった。
…戦争になれば、開戦した瞬間に北朝鮮の体制は終わる。でもこちらも甚大なダメージを負う。ソウルは火の海になり、日本にもミサイルが飛んでくる。
…北朝鮮は優秀なインテリジェンスを持っているが、現状を正確に把握できているかどうかは別の問題だ。マイナスの情報を上げてご機嫌を損ねたら、クビが飛ぶ。既に高級幹部が100人以上も処刑されている。(編者注:どこかの国の体制も、程度の差こそあれ、これと似たようなものではないでしょうか。閣僚、党議員のみならず、改正公務員法で、官邸が官僚に対して人事権を乱用、恐怖政治を行っている。一強というより一凶の体制。仮にですが、その国のトップが、トランプと金正恩を足して二で割ったような人物だとしたら、同国民は救われないでしょう)
…中国は、北朝鮮可分論に傾きつつあると思う。トランプも中朝可分と見ている節がある。北挑戦の問題が米中の力で解決したら、習近平が唱える米中の新型大国関係への大きな一歩となり、アジア太平洋の安全保障と秩序は米中が共同支配する枠組みとなる。日米同盟への制約も出てくる。
…胡錦涛時代の中国は、文民コントロールが必ずしも効いているとは言えなかった。胡錦涛は、ステルス戦闘機の初飛行を知らなかった。
…中国が石油の供給を止めたら、北朝鮮は暴発する。それは帝国陸海軍と同じことになる。石油を止めるという事は最後のとどめを意味する。米国もそこまでは望んでいない。
…できれば金正恩を排除するリーダーシップ・チェンジが望ましい。このときに問題になるのは後継者をどうするかで、ここは金正男が一番よかった。長男だから正恩より正統性がある。正恩もそれを考えた。これは始末しなきゃいけない。しかもトランプが出てきたから急がなければならない。それでドタバタと、あんなに目のにつく空港で暗殺したのだろう。
…北朝鮮を中国が交渉のテーブルに引きずり出したとして、米国は非核にあくまでこだわるのだろうか。新たな核とミサイルの実験はしない、プルトニウムとウランも作らない、輸出はしないという3条件を飲ませる「凍結」の方が可能性が高い。しかし米国内には、オバマが出来なかった、より強硬な行動を望む空気もある。
…満州事変の時に、満州国の建設のところで凍結されていれば、日本陸軍もそれ以上の侵略は行わなかったかもしれない。満州は日本の生命線だったが、核とミサイルは北朝鮮の生命線だ。ここまで来てしまうと、もうゼロに戻すことは不可能だ。
…従って、一旦凍結させて内部砲顔を待つしかない。
…朝鮮半島で軍事的な緊張が高まると、心配なのは中国経済だ。国有企業への投資で無理やり需要を作り出して、経済成長を維持しているが、その投資が不良債権になっている。民間の債務はどんどん膨れ上がっている。ここで2千5百万人の北朝鮮の難民が、国境を超えてなだれ込むと、人民元が暴落し、極端な円高になるだろう。
「米中神経戦、切り札はトランプ」ティム・マーシャルから
…米国は史上最強の国であり、今でもそれは変わらない。米国には地政学的に有利だからである。北のカナダと南のメキシコは友好国であり、西と東には大洋がある。
…中国は周辺に緩衝国を置いている。その中で朝鮮半島だけが例外。ここに米国が影響力を持つ統一国家ができることは中国にとっては悪夢でしかない。
…2008年の金融危機に始まり、移民問題、南欧の高失業率、世界的な所得格差といった問題を、これまでの体制では解決できなかった。ドゥテルテ、トランプのような指導者が浮上した背景には、現体制の機能不全が存在している。不確実に直面したとき、人は内向きになり易く、自己愛に傾倒しがちだ。ナショナリズムの台頭はこれからも続くだろう。
…いま世界中で壁が作られている。ヨルダン河西岸地区、インドによるバングラデシュの包囲フェンス、ブルガリアとトルコの壁など。地理が究極の基礎的条件としてますます重要になっている。
(寸評:私は必ずしも、地政学ですべてを説明できるとは思っていません。なぜなら科学技術が地理的な問題を解決することがあるからです)
857.週刊朝日のコラムから 2017.7.21号
毎度のことながら田原と室井のコラムはポイントを突いています。
田原総一朗のコラムから。
「都議選惨敗の最大の責任者は安倍首相本人だ」
東京都議選で自民党は惨敗した。獲得議席が23というのは、情けない記録だ。小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会は55議席を獲得した。だが、都民ファーストは都政について確たるビジョンを示しておらず、自民党にあきれ果てた都民たちがとりあえず投票したのである。
私は、今何の惨敗の責任は安倍晋三首相自身にあると考えている。 特定秘密保護法の時も、安保関連法の時も、安倍内閣の支持率は下落したが、いずれも、それほど時をおかず回復した。強引ではあったが、安倍首相がこれらの法案を成立させたいという気持ち、そして一生懸命であることは理解できた。だが、森友学園問題、「共謀罪」、加計学園問題はどうにも理解できない。一強多弱が長く続いたため安倍首相が自信過剰になり、神経のバランスを大きく欠いたとしか思えなかった。
たとえば森友学園問題の基軸は、財務省近畿財務局が地価を8億円も値下げした根拠が不明なことだ。だが、近畿財務局が記録を破棄したと言い切り、一切文書が出てこなかったので、野党もメディアも追及を断念せざるを得なかった。
ところが安倍首相が「もしも私や妻が学園の許認可や土地の売買にかかわりがあれば、総理大臣も議員も辞める」と言ったので、野党もメディアも昭恵夫人と学園との関係を懸命に追い、土地売買にも浅からぬかかわりがありそうなことが露呈した。
また、安倍首相は昭恵夫人を「私人」だと言ったが、国家公務員のスタッフが5人もつく「私人」などいるのか、と安倍首相の言動への疑念がますます強まったのである。
「共謀罪」にしても、国民のプライバシーをどこまで侵すのか、どこで歯止めをかけるのか、とても難しい法律だ。その担当大臣に、なぜ野党の質問に瀞足に答えられない人吻を選んだのか。国民の多くが、安倍首相は「共謀罪」に本気で取り組もうと決意していたのではなく、一強多弱の自信過剰から「この際、一気にやってしまえ」という気になったのだろう、としか受け取れないはずだ。
そして加計学園問題だ。内閣府の官僚たちが「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと言ったとの文書が文部科学省から流出した時、官房長官は「怪文書のようなもの」と言い捨てていた。
それで対応できなくなると、文科大臣が「調査する」と表明したが、「確かめられなかった」と答えた。ところが記者たちの追及に官房長官が追い詰められ、文科大臣は「再調査する」と言わざるを得なくなり、その結果、文書が実際に存在することがわかった。何とも下手なやり万だ。
しかし、だからこそリアリティーがある。それに対して、山本幸三地方創生相の文書をまったく示さない全否定には、何の説得力もない。
稲田朋美防衛相の常識を疑いたくなる発言、豊田真由子議員の大暴言、そして下村博文都連会長の政治資金問題など、選挙前に都民の拒否反応を強めさせる出来事が頻発したが、自民党の惨敗の主因は、都民の、というより国民の安倍首相に対する不信感だ。自民党議員たちが国民の不信感を払拭したいのならば、最もわかりやすいのは安倍首相に辞任を求
めることだ。従来の自民党ではそれが敢行し続けられ、だからこそ、このように長期間政権を保持してきたのだが、現在の自民党は、それができないほど硬直化しているようだ。
ならば、どうするのか?
関連サイト。
https://dot.asahi.com/wa/2017071100045.html
(寸評:官邸は文書がない、探すつもりもないで押し切ろうとしています)
室井佑月のコラムから。
「またキレたってよ」
今日は7月2日、東京都議会選挙の投開票日だ。夜から徐々に結果が判明していくが、わくわくするような怖いような…。
都民はどういう判断を下すんだろう。いいや、投票できるのは都民だけだが、今回の選挙の結果は、全国の人々が固唾をのんで見守っているはず。
だって今回の選挙、都政うんぬんというより、「安倍一強」といわれる今の状況の是か非かが問われたんじゃなかろうか。この先、行われる衆議院選挙の前哨戦みたいなもん、あたしはそう捉えて投票にいった。
しかし、大勝ちしそうな小池百合子都知事率いる都民ファーストの存在で、そうもいえないかもしれない。
小池都知事は自民党に離党届を出した。が、考え方は安倍首相に近いともいわれている。日本会議の国会議員懇談会のメンバーも務めていたし。彼女のもとに5入国会議員が集まり、党を作るなんて噂もあるけど、そこんとこマスコミはもっと追求してくれないか?
小池都知事は今の人気に乗って、いつか自民党を乗っ取って、総理大臣を目指しているのか?
都議選の前は「自民対小池・都民ファースト」という構図の報道ばかりだった。もし、前述のあたしの疑問が現実になったなら、マスコミのミスリードとなる。ただ、自民党っていう看板を付け替えただけじゃん。ま、そうなっても反省なんてしないのだろうけどね。なんか納得いかないが。
そうそう都議選の最中に、稲田朋美防衛大臣が、自民党の候補者の応援にいって、「防衛省、自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」とのトンデモ演説をした。
稲田さんはその後、発言を撤回したが、彼女の立場でのこの発言自体がアウトわけで、撤回すれば済むという問題じゃない。
つーか、あたしはホント、この人の生みの親である安倍首相にそっくりだな、と思った。政治家として、権力の私物化がどれほど恥ずかしいのかわかっていない。
安倍首相は都議選の最終日、ようやく秋葉原の街頭で後援演説をした。彼が登場すると、街頭からブーイングと「帰れ!」コールが巻き起こった。すると安倍首相は聴衆を指差し、 「こんな人たちに負けるわけにはいかないっ」 と声を張り上げた。またキレたんか?
なぜ、ブーイングが起こったのか、この人は考えたりしないんだろう。
総理大臣は、自分の支持者だけの代表ではない、すべての国民の代表者である。
「こんな人たちに負けるわけにはいかないっ」って、自分に刃向かう人たちは敵という考え方なのか?
当たり前のことだけど、この国もこの国の財産も、あなたたちのものじゃない。
そして、あなたたちは国民を守る義務がある。選別したりせず、すべての国民をだ。それが仕事じゃないの?
それが理解できず嫌だというなら、議員を辞めるしかないね。こんなんで共謀罪通して、大丈夫なのだろうか?
関連サイト。
https://dot.asahi.com/wa/2017071200012.html
(寸評:小池知事への懸念は私も共有するところです)
858.二流の経営者。17/7/14
月刊誌文藝春秋の6月号では、東芝の米原発会社の買収に伴う、混乱と破たんの原因を追究した記事もあり、秘書と結婚した子会社トップ=但し日本人、の無責任な経営を暴露しています。海外の企業を買収すると、その企業の経営者にいいように食い物にされて、ボロボロにされるという状況は、ソニー、日産、ソフトバンクに限らず、どの日本企業でも起こり得る問題です。
外国の子会社の社長が、親会社のトップより高給を取るという仕組みは、外国の企業では理解できないことです。まさに何様かと言いたいところであって、天才経営者等は滅多にいないし、いたとしても日本企業=ジャップ、の下で働くことはあり得ないのです。その外国人経営者にへつらう日本人の側近が、やがて本社で大きな顔をするようになり、やがてはトップになることさえある。S社がそうした例ですが、無論そのような、資質にも価値観にも疑問符が付くような人物が、優秀な経営者である可能性は限りなくゼロに近いのです。
私の元勤務先でも、そのようないわば何様に煮え湯を飲まされた経験がないとは言えないと思います。中には成功例もあるでしょうが、失敗しても、最終的な責任を取らされるのは、さっさと逃げ出す外国人経営者自身ではなくて、その人間に振り回された日本人の方なのです。なので余程トップがしっかりしていないと食い物にされる危険性があるのです。
JTが1000億円で比のたばこ会社を買収するという記事を読み、古くはロックフェラーセンターの買収、NTTの買収の失敗、東芝のWHでの失敗、そして日本郵政の最近の失敗が頭をよぎりました。でもこれは言い換えれば、日本の経営者の質そのものに問題があるという事なのです。前述の文春の記事でも、既存の企業買収で問題が起きていると述べています。
同じ海外投資でも、未だ成長していない、無名の会社や無名の経営者に投資する場合とは根本的に投資の性質が異なるのです。元勤務先でも、大化けしたケースがあるからです。でもその時は、日本サイドの天才経営者による、社運を賭けた、大胆な経営判断が前提にあったのです。そうではなくて、既存のブランドから手っ取り早く、上澄みだけをすくおうとするから、結局騙されて、内部に空洞のできた大木を高額な値段で買わされるのです。
成長段階の企業の先端技術、或いは外国人経営者=創業者、の質を見抜いて、リスクを取って、果敢に投資する。そういう判断こそが真の経営なのです。それとソニー、東芝、NTT、日本郵政の経営判断との間には、天地の差があることを理解できない限り、日本の経営者は、世界で一流の経営者にはなり得ないのです。
既存のブランドに安易に寄りかかって、高い買い物をしているようでは経営者としては失格なのです。そのブランドが既に賞味期限を過ぎているからこそ、相手先の親会社は、それを高く売りたがっているのです。そうやってババをつかむ経営者は、日本人の資産を海外で無駄にばらまいているのと同じことなのです。とりわけ海千・山千が当たり前の米国企業にとって、甘ちゃん=本当に意味でのプライドは低いのに、権威だけは振り回したがる、の日本人経営者は、良いカモにされている可能性が高いのです。
かつて日本の政治家とジャーナリズムは三流で、官僚と企業経営者は一流だとよく言われました。でもそれは少なくも、今の私にとっては、到底信じ難いことです。三菱自、東芝、ついでに電通を含めて、目を覆うような無責任かつ放漫な経営の数々を見せつけられているからです。米倉以降の経団連も、奥田や御手洗の時代の、高邁な哲学や理念を失っているように思います。しかもアベノミクスは、金融と為替で景気を維持拡大することが目的であって、産業改革の第三の矢=憶えていますか、は鳴かず飛ばずです。そこに持ってきて、岩盤規制改革に至っては、制度の私的流用だけで、加計学園の惨状は先刻ご承知の通りです。
金融緩和政策は、銀行を含めた、日本の経営者が有能であることが前提になっています。でもその信頼がいま揺らいでいます。まずは経営者と経営の質が劣化しているという事実を正直に認めて、その実態に正面から向き合うところから始めないと、日本企業はますます凋落して、やがて国力が落ちて、政治と安全保障に限らず、経済面でも米国の属国=奴隷、になってしまいかねないのです。
859.冷静な京産大。17/7/15
・京産大の獣医学部断念の理由は開学時期。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170714-00000091-jij-soci
関連記事。新設目指す考えない。
https://this.kiji.is/258591559038404086?c=39546741839462401
コメント:講師が足りないことも理由です。決定前に内定の連絡がなければ、加計学園でもこの日程は無理だったでしょう。認可時期との関係で、どういう筋書きで進んでいたのか、総理のポン友である、加計学園の理事長の国会での証言が望まれます。
ちなみに問題児の竹中平蔵が入っているWGの審査過程にも大きな疑義があり、公平性を欠いていたとしか考えられません。開学の日程一つ取ってみても、WGが納得できる説明ができるとは思えません。山本大臣が4分以上も演説した家計選定の理由も、WGが作文したものでしょうが、断片的に聞こえたその内容は、数字もロジカルな説明でもなく、架空の前提に立った精神論だけをだらだらと述べたものでした。
御用委員会が、ここまで偏向=または腐敗、が進んでしまうと、もはや一時の冗談では済まされなくなります。こんな調子で政府の有識者会議が行われているのであれば、全ての政府のWGや委員会は、第三者委員会を設けて、メンバーの選定基準から、審査の公平性、透明性に至るまで、全てを洗い直すべきだと思います。議事録は載っているでしょうから、孫気になれば、濃く身にも憲章は可能だと思います。そこで秘密保護法を盾にとって、情報開示を渋るようなら、裁判所に提訴するべきです。
860.民進は執行部の若返りを。17/7/15
・民進党で両論。
https://this.kiji.is/258535691752769020?c=39546741839462401
関連記事。受け皿どころかはけ口にもなっていない。
http://www.asahi.com/articles/ASK7G4Q9WK7GUTFK00R.html?iref=comtop_8_03
コメント:2番目の朝日の記事の方が現状を的確に表現していると思います。最初の記事では、蓮舫・野田が発言しなかったというので驚きました。結束ができなかったから、離党者が出たのです。離党者が増えた理由も、都議選で議席を減らした理由も、理解しておらず、自分達には責任がないと感じているとしか思えません。2番目の記事の、執行部を若手に譲れは、その通りだと思います。
代表の国籍が問題なのではなくて、むしろその精神構造、即ち普通の日本人とかけ離れた価値観とマナー、常識が問題なのです。肌の色が違う外国人でも、日本人の心情を理解できる人は大勢います。日本人に見えるかどうかより、中身、即ち人格と人間性が問題なのです。まして国民の意見を代表する政治家なのです。感覚と意識の差から、国民が離れていったという事が分かっていないようです。
もっと言わせてもらえば、これは私だけかもしれないが、この代表からは、自分では泥をかぶらず、現場にも行かず、議論の上澄みだけを掬おうとする印象を受けます。血液の温度の違いです。もっとはっきり言えば、蓮舫が代表で良かったことはないし、これからもないだろうという事なのです。しかも党のために身を引くなどいう発想は全くないらしい。
しかも何かにつけて、自己の存在を主張し、自己の正当化だけを繰り返す野田も同罪です。この二人が続投し喜ぶのは自民党だけでしょう。国民はそっぽを向くでしょう。そうではないと思うのなら、民進党をテーマに世論調査をしてみればいいのです。
これは野田政権当時の、民意を無視した消費増税の時と同じ構図でもあります。その結果、国民はあれだけ手酷く民主党政権を批判したことを、もう忘れたというのでしょうか。絶対に無いとは思うが、仮にこの体制で民進が政権でも取れば、民主党崩壊の時の悪夢が蘇ります。
自分を客観的に見ることも、国民が自分達をどう見ているかにも、敢えて目を背けているとしか思えないのです。それは代議員政治そのものの否定であり、執行部は愚か、国会議員としても失格ということになるのです。
これでは到底、民進に投票することは出来ません。反省が十分ではないからです。蓮舫・野田体制と、それ以前の岡田体制の結果、日本の国民は大切な数年を失い、その間に安倍政権が様々な悪法を成立させてしまったのです。国民の味方を装い、その実自分達の権力の強化だけを志向し、そのためなら安倍政権に妥協し、場合によっては擦り寄ることも辞さない。そういう人達を獅子身中の虫と呼びます。与党でないだけに却って始末に悪いのです。論理的なだけでも、共産党の方が遥かにましなのです。
連合と民進の凋落。それが安倍政治の暴走の抑止力を低下させ、敵失と呼ぶには余りに大きな、日本政治の腐敗の元凶の一つになったという現実が分からない人達に、国政など務まりようもないのです。