「WTWオンラインエッセイ」

【第50巻の内容】

「三欠く内閣」
「都議の半減を」
「無党派層が決める日本の未来」
「権力の奴隷」
「日本政治の一大汚点」
「朝日新聞から」
「信じ難い麻生発言」
「リベラルの受け皿がない」
「戦術としての選挙戦」
「個人に投票を」
「岐路に立つ平和」
「選挙と米国」
「過程を問う」
「リベラルはぶれるな」
「戦うWTW、対晋三、対百合子」
「政治風刺」
「育て立憲民主党」
「何めざすリセットか」
「オピニオン171004」


981.三欠く内閣 17/9/21

三角主義の本来の意味は、人間、年を取れば、恥をかいても、義理を欠いても、人情を欠いても、許される。
ひたすら自分を大事にせよという意味なのですが、これは今の安倍内閣にそのまま当てはまるような気がします。

関連記事。国会無視、沈黙の解散。戦後初。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170920-00000113-mai-pol
関連記事。河野洋平が批判。冒頭解散は理解できない。
http://www.asahi.com/articles/ASK9N61J9K9NUTFK01D.html?iref=comtop_8_08
関連記事。前原、根底に怒り。
http://www.asahi.com/articles/ASK9N76V6K9NUTFK01T.html?iref=comtop_list_pol_n03
関連記事。年金問題隠し、解散。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017092102000126.html
関連記事。対立軸に市民連合呼び掛け。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017092102000128.html
コメント:戦後最悪の内閣であり、嘘つき内閣、言い訳内閣、公約不履行内閣、裏切り内閣、私物化内閣、浪費借金内閣、軍国主義内閣、保守反動内閣、米国への売国内閣、国民軽視内閣、平和憲法否定内閣、平成天皇に対する不忠不敬内閣、報道介入規制内閣、非人道格差内閣、無能内閣、不正内閣、お手盛り内閣、親族王朝内閣、不平等内閣、そして腐敗内閣です。今回の暴挙で国民の我慢も限界、怒りの沸騰点を迎えています。民主主義と議会政治を否定し、奢り高ぶる平成将軍の安倍晋三氏よ、天罰が下るのを楽しみにされよ。それにつけてもNHKの報道姿勢は中道どころか、現政権への忖度が度を越しています。その費用をなぜ国民が強制的に負担せねばならないのか。会長と報道局長の即刻辞任を要求します。
米朝の対立は、これまでは米中の対立でした。いまやプーチンがロシア軍の北への派兵を暗示する事態になっています。これは米朝の対決が、米ソの対決の様相を呈してきたという事を意味しています。そういう時に危ない地政学的位置にある日本が取るべき姿勢は、徹底した(但し偽りの)中立であり、とことん北(も米中ロ)を無視する(振りをする)ことです。そしてじっと時期を待つのです。またそうすることで、日本が紛争仲介の役割を果たす機会も来るのです。でも首相が安部晋三では、度量が小さくて、その役は荷が重いかもしれません。北にも、米国にも、言いたいことが山ほどあるのは、国民も同じです。でも実際にいつ、何を言うかは、また別の問題なのです。それが極東という特殊な地政学的位置にある日本という国の、代表になった人物が担う重い責任と宿命なのです。



982.都議の半減を 17/9/23

NHKが地方議会に批判的な番組を流しました。都議会の場合、年間の会期は84日、年俸1400万円、政治活動費600万円。しかも議員立法で成立させた条例は25年間で1本だけ。そのうえ内田のような私利私欲の権益モンスターを作り出す。
私からの提案は、人数をまず半減して60人とする(現在127人)。会期は120日とする。但し月給100万、政活費月50万。これは現状とほぼ変わらない。しかも秘書の1名と事務所費の費用は別途でも良いものとする。その代わり半年に一度は都民に活動報告書を出す。それくらいでないと顔も活動も見えない。日本国憲法を守るという誓約書も必要です。
コンビニのバイトの店員さんと見た目の区別がつかないような都民ファの都議を見ていると、不安な気持ちになります。いかに反自民とは言いながら(多分それも小池の気分次第)このように頼りない人達で本当に都政が良くなるのでしょうか。



983.無党派層が決める日本の未来 17/9/24

・東京24選挙区で擁立方針。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017092302000136.html
関連記事。希望の党か。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/23/koike_a_23220158/?utm_hp_ref=jp-homepage
関連記事。小池は9条改憲で安倍と同調。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/23/koikey_a_23220109/?utm_hp_ref=jp-homepage
コメント:これでも新党に投票するとなれば、日本をおかしくしているのは、定見なき日本の無党派層ということになる。無党派層がある時は安部、ある時は小池では、まともな国民はたまったものではない。安部と同じ路線で安倍の後釜狙い。そのどこに国民や民意があるというのだろう。一番近いのは西太后ではないか。不倫が事実としても、なお山尾の方がましだし、そもそも右翼は希望などいう言葉を使うべきではない。軍国主義の先のどこに希望があるというのか。得体の知れない小池新党などより、自民のリベラルの方が遥かにましなのである。嘘つき安倍の後が嘘つき小池ではジョークにもならない。同じ右寄りなら、前原の方が、抑制が効いているだけ、未だ安全である。櫻井よしこは一人でも多いくらいなのだ。まして二人はいらない。国民が、目立つ人物の中に潜む怪物性に早く気がつかないと、取り返しのつかないことが起きる可能性もある。何度か説明してきたポピュリズムを背景に、女ヒトラーが登場することを懸念している。

・記録消去延期。財務相、変更認める。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017092302000132.html
コメント:麻生の安倍への反乱でしょう。菅長官が強引に国民に押しつけてきた、安倍ありきの風潮が、内部から崩れようとしています。加計学園の問題は、私が臨時の首相補佐官なら5分で解決して見せます。こういうセリフを首相の為に用意すれば良いのです。「大変残念なことに、政治家への行政の忖度という、絶対にあってはならないことが起きた可能性がある。行政の長として、こういうことが二度と起きないように、また各省庁は国民への奉仕機関としての、本来の職務を誠実に履行するよう、強く要望した。政治家としても、いかなるささいな疑惑も招くことのないように、選ばれた議員としての一層の矜持をもって政務にまい進するよう指示をしたところである」。何故こんなに簡単なことが出来ないのか、理解に苦しみます。それともやはりIQとEQの問題なのでしょうか。



984.権力の奴隷 17/9/25

・投票先自民27%、民進8%、新党6.2%。解散反対64%
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017092401001429.html
コメント:いかに国民の過半数、または大多数が反対しようとも、必ずそれを押し切ってきた安倍首相と自民党。それを支えるのが1/4の国民という構図も以前と殆ど変わらない。ならば聞きたい。この自民党を支持する一人と、不支持の三人の年収は同じなのか、それとも違うのか。そして何故73%の国民の意志より、27%の意志が優先されなければならないのか。その理由を政府と自民党(与党)がきちんと国民に説明できなければ、日本という国は、民主主義の看板を下ろすべきなのである。因みに山尾が無所属で当選することが、日本のリベラルにとってはどうしても必要なのである。何故ならそれが安倍首相がこの時期(=敵失)に解散に踏み切った理由だからである。山尾が日本の政治シーンから姿を消すことが、安部首相と価値観を共有し、しかも権力への野心を隠そうともしない小池百合子の政権への道を拓く事にもなるからである。二人にはもうひとつの共通点がある。それは国民に嘘をつく事を何とも思わない事である。あの老獪な内田都議や石原慎太郎を手玉に取った女傑なのだ。誰であれ、甘く見たらひどい目に逢うだろう。我々は安倍首相より頭が良くて根性のある、右翼の大姉御を眼前にしているのである。権謀術数が苦手の、甘っちょろい前原では歯が立たないことだけは間違いあるまい。こう考えてくると、いま日本に足りなくて、それゆえ最も必要なものは、前記の二名のようなタカ派の政治屋ではなく、民主主義の守護人としての、自分に厳しい、中道で、スケールの大きい政治家であることが良く分かるのである。
関連記事。勝敗ラインは自公過半数。
https://this.kiji.is/284651148198380641?c=39546741839462401
関連記事。7条解散は多数派に有利。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017092402000112.html
関連記事。日本では暴動が起きないの伝説が崩れる日。先進国有数の貧困大国。
http://toyokeizai.net/articles/-/189819
関連記事。小池百合子が日本会議?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10162081570
コメント:但し本流では無いらしいが、それは安倍首相も同じです。だから安倍夫妻は森友学園=籠池を裏切ったのです。しかもそれが今回の騒動の全ての発端だったのです。



985.日本政治の一大汚点 17/9/26

安倍首相の解散宣言。コメントする気にもなりません。なかでもモリカケ問題では閉会中審査で誠意をもって答弁に努めたと言ったのには、二の句が継げませんでした。TVを見ていた親たちは子供にこう言ったことでしょう。ああいう大人にだけは、なってはいけませんよと。

消費増税分を教育無償化に回すことと、北朝鮮に強硬姿勢を取る事を、国民に問い、(安倍将軍の命令の下で)日本が一丸となって国難に立ち向かうのだそうです。

世界が戦乱に巻き込まれないよう、武力紛争を回避するために汗をかく気などなさそうです。紛争を収めるどころか、国連という場で制裁強化と軍事力の行使を叫び(信じられない。これが日本の首相のする事か)、自ら火種の導火線を買って出ているのです。この時代に一億総火の玉ですか。その掛け声に、国民が盲目的に、従うとでも思っているのでしょうか。しかも安倍という信用できない人物の為に。

蟹が甲羅に合わせて穴を掘るように、自分の貧弱な理解力の届く範囲で、世界を考える。でも世界はそんなに単純なものではありません。

山口県民よ。もうこのような歩く公害兼口害を再選して世の中に放つのは止めにして頂きたい。本人は、どうせ比例で入るからと高をくくって(国民を愚弄して)、次の組閣でも考えているのでしょう。私一人だと思ったら大間違いなのです。山口の安倍、福岡の麻生。薩長の子孫たちが、平成の世に迷惑をかけているのです。

日本には無人島がいくつもあります。多分山口県にもあるでしょう。国民がその一つを買い上げて進呈しますので、安倍首相はそこで裸の王様にでもなって頂きたい。朝廷にふさわしい宮殿も用意します。一人では何かと不便でしょうから、運転手に菅、風呂焚きに萩生田をお付けします。それに掛かる費用は、今後、日本が首相の無能、愚策の為に被る被害に比べたら唯みたいなものです。

安倍首相は後世に語り継がれることは間違いありません。前例のない国民の大災難、国家にとっての災厄だからです。東京五輪の開会宣言などしなくても、ご本人の希望通り、日本の政治史に名を留める事になるでしょう。但し反面教師としてですが。
関連記事。解散は本当に総理大臣の専決事項か。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170925/k10011155781000.html
関連記事。与党過半数割れなら辞任。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8523.php
関連記事。北緊迫。こんな時に選挙?の声。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170925-00000082-mai-soci
関連記事。首相が加計学園の報道に注文。
https://this.kiji.is/285078213078959201?c=39546741839462401
関連記事。モリカケ問題説明78%が納得せず。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017092502000113.html
コメント:引責辞任はその場限りであって、どうせまた嘘も方便なのでしょう。そんなことよりモリカケでは、筋の通った説明をせよ。悪いのはメディアだと言わんばかりだが、悪いのは自分自身でしょう。加計理事長でさえ責任はないのかもしれない。なぜなら長い年月、請願を続けてきて、行政は少しも動かなかったからです。首相の腹心が異例の取り計らいをしない限り起こり得ない事態なのです。しかもそれを首相が知らない等という事はあり得ない。何故なら腹心は、腹心であるがゆえに、絶対に報告するからです。ましてそれが自分の首相に対するお手柄なら、尚更のことです。首相は加計学園に対する特別の取り計らいを、十分に承知していたとしか思えないのです。



986.朝日新聞から 17/9/26

朝日新聞2017年6月26日朝刊から気になった部分を断片的にご紹介したい。

まず天声人語から、

…夏の内閣改造で支持が少し上向いた局面で、首相が衆院を解散すると発表した
▼会見で首相は、税の使い道を変える以上、国民に信を問いたいと力説した。 「国難突破解散」という大仰な名も披露した。足並み
のそろわぬいまなら賊であり敵でもある野党を破れるのではないか。ロにはせずとも本音が透けて見えた
▼首相の熱弁を聞いてある歌が浮かんだ。<国よりも党を重んじ党よりも身を重んずる人の群れかな>。戦前戦中、国会で時局に流され
ない論陣を張った尾崎行雄の作である。戦後まもない1950年の歌だが、変わらぬ政治家の本能を突く
▼前回の解散から3年、私たちは幾度も首相の本心を見せられてきた。安保法制や共謀罪は数で押し切れる、側近の失態はあくまでかば
う、改憲論議は選挙中は伏せたい、退陣を求める有構者は敵だ。そうした「心中の賊」を首相は破れるのか。


次は川柳です。

難題をこなさず無理を通す人 兵庫県 KO氏
説明も対話も嫌いこの総理 東京都 TM氏
勢の選挙難民ワタクシも 東京都 ST氏
正直だ国民ファーストとは付けず 大阪府 YS氏 (確かに)
起きてるとロクなこど言わぬあのご仁 千葉県 MK氏 (麻生の事でしょう)


おしまいは【憲法ないがしろの果てに】から全文のご紹介です。現状を100%言い当てています。

「座標軸」論説委員 根本清樹

国の最高法規に背を向け、国権の最高機関を軽んじ、安倍首相が衆院解散を表明した。憲法あれどもなきがごとし、である。
内閣不信任が決議された場合は別として、いつ何時なら内閣は衆院を解散できるのか。憲法が明示しないことから、長く議論が続き、なお決着を見ない。
「なれあい」あり、「死んだふり」あり。戦後史上の解散は多様だ。有利な時に打ちたいのが権力者の常としても、憲法上4年とされた議員の任期を途中で
打ち切る責任は重大である。それでも断行するからには、当然ながら相応の「大義」が求められてきた。

2度目の「乱用」
「疑惑隠し」があからさまな今回の判断に、大義は見いだせない。野党の混迷もあり、好機と踏んだのだろうが、政略が過ぎよう。
消費増税分の使い道の変更は取ってつけたようだ。
議員の任期を2年も残していた2014年11月に続き、解散権の乱用を批判されるのは2度目となる。
もう一つの意昧でも、首相は憲法を粗略に扱った。
野党による臨時国会の召集要求を拒み続け、あげくに演説も質疑も飛ばして冒頭解散に及ぶ。
憲法53条は、衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は応じなければならないと定める。2分の1でも3分の1でもない。異例なまでに少
数の声に従うことを内閣に命じている。
立法府が自律的に動き出す道を確保する53条の意昧は、日本の議会制民主主義にとって極めて重い。
野党は15年の安保法成立後にも臨時国会を求めたが、政権は取り合わなかった。この憲法にもとる対応も、実質2度目となる。

横紙破りの連続
思えば、安倍政権の5年近くは、憲法に対する横紙破りの連続だった。
その最たるものが、集団的自衛権の行使を憲法解釈を変えて認めたことである。9条の条文を改正しない限りできないとしてきた
歴代内閣の立揚を、あっさり捨てた。
失敗したとはいえ、改憲の発議要件を緩める96条改正論も、 「ゲームに勝てないから、勝てるようにルールの方を変えてしま
え」という蕪理な発想だった。
環境権、緊急事態、自衛隊明記…。狙いをつける項目も入れ替わった。ともかく変えやすそうなところから。改憲の自己目的化というほかない。
コンテには現憲法への強い不満があるのだろう。「押し付け憲法」論日本ゆらいする思いか。かつて安倍氏が口にした、「みっともない憲法ですよ」という言葉を忘れ鵜訳にはいかない。
現憲法をないがしろにするこうした積み重ねの果てに、今回の解散はある。
その総体に対し、私たち有権者は審判を下すことになる。



987.信じ難い麻生発言 17/9/28

・麻生の発言大変遺憾。韓国。国粋主義的認識。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170926-00000120-jij-kr
関連記事。武装難民は射殺か。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092300610&g=prk
コメント:国粋主義ならまだましです。全体主義=ナチス、です。一体どういう教育を受ければこんないびつな(口の形だけでなく性格も)人間が出来上がるのでしょうか。国の舵取りは愚か、経済など到底任せられません。彼の思想では、南京虐殺も、関東大震災の朝鮮人殺害も、無かったどころか、あってしかるべきものかもしれないと思わせるものがあります。今回の発言(間違いなく本音でしょう)、は閣僚どころか、議員辞職に相当します。朝鮮人は射殺せよと言ったのです。フツーの人なら、考えもしないでしょう。第一なんで難民が武装しなければならないのか。日本を占領する為に来るのですか。
麻生は、それでも性懲りもなく福岡で当選して、また国会に不愉快な姿を現すのでしょう。一番辞めて欲しい菅長官も、神奈川で当選することでしょう。まさに憎まれっ子、世に憚るです。好ましからざる人物(ペルソナ・ノン・グラータ)として海外で入国を拒否されなければ、目が覚めないのでしょうか。
そもそも日本の国民は特段、麻生大臣を必要とはしていないのです。第一に全く財政は改善していない。何よりそれがまずい。麻生レベルの経済財政の知識なら、誰でも3日もあればマスター出来るのではないかとさえ思わせます。自分は経験があると、「自分で」言っているだけのことではないのか。その証拠に、世界で高い評価を受けている(そもそも英語は話せるのか)とは思えないのです。国際的な会議は、非常に厳しいもので、一言で人物を見抜かれてしまう世界です。そして一家言を持つ人が尊敬される世界でもあります。麻生大臣にどんな一家言があるのか、是非お伺いしたいものです。
お得意の断定的(で傲慢)な口調だけで全てが片付くのなら、内郭も国会も不要なのです。現時点で、金正恩に最も近い政治家(独裁)が麻生大臣であり、次が安倍首相、その次が小池知事なのです。それを大臣閣下が分かっておいでなら良いのですが。



988.リベラルの受け皿がない 17/9/28

小池知事が要注意なのは、その右傾化した思想傾向だけではありません。3月には既に党名も決めていたという準備体制や、外部への情報流出を絶対に許さない厳しい管理体制(都民ファを見よ)、そして相手によっていかようにも説明を変えるしたたかさにあるのです。その点でいつでも本音が丸見えの安部首相などは、大甘に見えてしまうほどなのです。国民はいずれこの容易ならざる強敵と正面から向き合わなければならない時が来るでしょう。でも当面は、なるべく多くの反安倍の自民党議員を新党に引きずり込む必要があるのです。反安倍、中程度の保守、そこそこのルックス、リスクを厭わない決断力、周到な準備、隙を見せない脇の堅さ、必要とあれば仲間でも切り捨てる事の出来る非情さ、そして何よりも、鉄のように強いその意志。安部首相に無い全てを兼ね備えた「ある意味で理想的な」政治家なのです。その匂いを敏感にかぎつけた議員が蜜に(花にと言った方がふさわしいのかも)集まるように取り囲むのはむしろ当然であって、そこには何の不思議もないのです。日本のサッチャーの第一候補です。
関連記事。希望の党、今日旗揚げ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092700189&g=pol

・新党入党条件は安保と改憲。
http://www.asahi.com/articles/ASK9W7HDWK9WUTIL065.html?iref=comtop_8_02
コメント:安保法制支持者と改憲論者でない候補者との共闘はしないと言い切った。一体この人物は平和憲法を何だと思っているのだろう。少なくとも憲法に対する敬意は感じられない。国民目線でもないし、根本で何かを誤解しているのではないか。我が強いだけでは国民は持て余してしまう。
安部晋三の女性版と言うよりは、石原慎太郎の女性版かもしれない。政治理念も価値観も小出し、民主主義を、自分の都合の良いように解釈している節も見える。保守というより超保守に近く、それを考えると、日本の未来を委ねる事に不安を感じる。国民は根拠のない過大な期待を持つことだけは避けないと、将来に大きな禍根を残すことになりかねない。安部晋三でも、徴兵制まではしないだろう。
選挙となると、毎回まともな選択肢のない日本の国民が哀れである。リベラルな国民には選択肢がないという「事実」を認識する必要がある。今のままでは、日本は保守一色に染まってしまう可能性がある。それが日本をどこに引っ張って行くかは、子供にでも分かる。だから今回の選挙は、共産党にとって最大のチャンスなのだ。党名さえ変えていれば。
関連記事。民進と合流せず。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170927/k10011158751000.html
コメント:誰でも尻尾を振ってついてくると思わない方が良い。



989.戦術としての選挙戦 17/9/29

今回の選挙は政権選択の選挙です。今後も、安倍晋三と自民党に日本の政治を任せるのかどうかを決心する選挙です。誰に投票するのかは全く自由ですが、その結果がどうであれ、反対した者も、その責任を等しく負わなければならないのです。過去6年間がそうであったように。だから自分さえ良ければという考え方は通用しないのです。不正や不満や摩擦がたまれば火を噴くからです。今の日本がそうであるように。

昨日のTVは、どこを見ても、安倍首相の長いだけで中身のない選挙演説ばかり。これに最も近いものはヒトラーのそれです。無理やり、取ってつけた解散理由。国民が選んだ議員を強制的に辞職させ、600億円もの選挙費用を国民に負担させるのには、それなりの理由が必要です。でもそれがない。何故いまなのかと言う声は街中に満ちている。世論調査がそれを示しているのです。でも今回、世論調査を実施したのは朝日新聞だけ。自民党の支持率は3割台です。いつも訳の分からない世論調査を、頼まれもしないのに実施するNHKが、今回のような肝心の機会にはやらないのです。公共放送機関ならなおさらのこと、今回の解散を国民がどう思うかという調査があってしかるべきなのです。

何故世論調査をしないかと言えば、与党に不利な数字がゾロゾロ出てくることが確実だからです。と言うよりまず設問のしようがないからです。今回の解散に賛成かと聞くだけでも政府と自民党の批判になるからです。ましてその結果を公表でもすれば、菅長官が怒鳴り込んで来ることは間違いないからです。でもNHKが公共放送なら、国民の7割の意志を伝えるのは、その役目ではないのでしょうか。解散の本当の理由がモリカケ疑惑隠しであることは国民は誰でも知っているのです。民意より政府の意向を重視するから、安部首相の犬、というより安倍首相のオウムに成り下がるのです。NHKが民意を政府に都合の良いように色付けする。報道機関であってはならないことなのです。

モリカケ問題では、疑惑を追及する側も、実は決定的な首相関与の証拠は出せていない。しかも政府に不利な証拠は全部政府側が握っていて、しかもその隠滅を図っている。政府側は知らぬ存ぜぬで押し通すだけで、反論となる証拠は一切出せていない。双方に決定的な首相関与の証拠も、無関係の証拠も出せていない。でも国民は安倍首相をクロと確信(断定ではない)した。捨て身の籠池と前川の証言を信じたのです。そして未だに安倍首相は自分が正しいと言い張り続けている。しかも国民には丁寧に説明したと断言しました。丁寧という言葉の意味は、相手が納得するまでという意味でしょう。でも少なくとも国民は納得などしていないことは、世論調査でもはっきりしているのです。

一方で、小池百合子は自分の立場が分かっているとは思えません。だから身も蓋もない言い方をすれば、本来は首相の器ではないのです。しかも、何を勘違いしたのか、蜘蛛の巣の張ったような安保理論を振り回している。そんなもので、選挙で勝てると思っているのでしょうか。

国民が小池新党に期待しているものは、反安倍の毅然とした姿勢であって、自民と連携しつつ禅譲を期待する姿ではないのです。本当に首相の座を狙うのであれば、都知事など辞職すればいいのです。実は豊洲の問題を初めとして、その方が実質的に都民も助かるのです。もはや小池都政は早くも行き詰まりを見せているのです。ただ小池自身がそれを認めていないだけなのです。小池知事は、新党を立ち上げて腐った自民都議(内田ナニガシ)を追い出してくれただけで、十分なのです。再選挙なら、都民には宇都宮を選び直す機会も出来るのです。

おそらくこの急転直下の展開は、小池自身が期待したものでも、予想したものでもなかったでしょう。いまの彼女のうろたえぶりがそれを示しています。慎重に準備していたのかもしれないが、解散は年末を想定していたのではないか。しかも今の彼女の混乱ぶり(そうは見えないかもしれないが)から、実は彼女には確とした政治理念のないことと、政治姿勢の大半がはったりで構成されていたことも暴露しているのです。

でも「それでも良い」のです。彼女には国民から期待された役割が、彼女の思惑とは別に存在しているからです。それは、腐り切って嘘が固められた安倍政治を打ち砕き、民主主義を国民の手に取り戻すジャンヌ・ダルクになる事なのです。彼女がその役割を認識し、超保守の古臭い価値観と我執を捨てられれば、本当の意味で女性首相への道も開けるのです。そしてこの計画がうまく機能すれば、それは小沢(の最後の大博打)と前原の勝利であり、そして国民の勝利でもあるのです。

すべては与党が過半数割れするところから始まるのです。いま何が一番大事かと言えば、野党が小異を捨てて大同団結することなのです。それは右傾化した細野も、態度を明確にしていない江田についても言えることです。新緑風会は、いま結党が難しければ、前原と同じように、とりあえずリベラル系無所属で立って欲しい。そうしないと小池百合子の右傾化した独裁体質を嫌う、リベラルな国民の受け皿が共産党しかなくなってしまうからです。希望の党には合流しなくても良いと思います。何故なら政策ごとに会派を組めるからです。

いまは「野党=反安倍」の数を一人でも増やすことが大切で、その為には「野党」全体としての求心力が必要なのです。だから一致団結が重要で、それは小異にこだわる小池百合子についても言える事なのです。求心力がそのまま議席数に反映するからです。そして何とか投票日には晴れて欲しい。首相の悪運が尽きていなければ、またもや悪魔の差配で、台風になる可能性もあります。安倍首相は、どうか投票日までに、日本の領土に向かってミサイルを一発撃ってくれと電話で金正恩に頼み込みかねません。いま一番驚いているのは、幽閉状態にある加計理事長自身でしょう。まさか自分のせいで、解散総選挙になるとは思ってもいなかったでしょう。

降って湧いたようなこの機会に、錦の御旗になれたことを、小池百合子は感謝すべきなのです。なぜならそれは日本の歴史(政治史ではない。そちらの方にはモリカケ問題で失脚する首相の名前も書かれるでしょう)に、名前が残ることを意味しているからです。
関連記事。自民vs希望。激しい舌戦スタート。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170928-00000092-mai-soci
コメント:これが重要です。戦う姿勢こそ、国民が小池百合子に期待するものだからです。
関連記事。解党了承。
https://this.kiji.is/285949706289300577?c=39546741839462401
関連記事。前原、無所属で立候補。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092800758&g=pol
コメント:民進の籍は抜けないと言っています。
関連記事。重大な背信と共産。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092800623&g=pol
関連記事。民進と希望の溝。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news1/20170929-OYT1T50033.html?from=ytop_top
関連記事。管、野田の希望の党の公認拒否。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092801652&g=pol
コメント:細野の度量の狭さを示しています。今回は事実上の旧民主・現民進の解体ですが、新緑風会は動き方を間違えないように。山尾もいるし、無所属もしくは民進党籍で戦ってほしい。しかも仮に落選しても、また立候補してほしい。国民は新緑風会の集団的自衛権や共謀罪、モリカケ問題での奮闘ぶりを忘れてはいません。それに比べると離党組や、小池百合子などは手を汚してはいないのです。これから自民党とどう戦うかで、希望の党と、小池党首の真価が問われているのです。
関連記事。仰天野望。
http://toyokeizai.net/articles/-/190749
関連記事。問われる小池の手腕。
http://jp.reuters.com/article/election-analysis-idJPKCN1C313T
関連記事。真珠湾だと思って突っ込んだらミッドウェーだった。自民党幹部。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21627180Y7A920C1000000/
関連記事。希望の党に希望はあるのか。
http://diamond.jp/articles/-/144028
コメント:希望の党の希望は打倒安倍政権という希望です。それだけです。いま野党には勢いがある。それがなにより大事なのです。泣いても笑っても、選挙まで20日しかないのです。
朝日新聞2017年6月26日朝刊から気になった部分を断片的にご紹介したい。



990.個人に投票を 17/9/30

安部・山口がいかに希望・民進を批判しようとも、今回の解散に大義がないことの説明にも言い訳にもなりません。公明も少しは恥を知って欲しい。国民の7割の民意は自公連合にはないという事実を再認識して欲しい。その証拠は都議選の結果です。今回の解散に反対した国民は優に過半数を超えているのです。何事につけても、自分達だけに都合の良いように考えてはいけないのです。

山口もあれだけ安倍首相に批判的だったのに、手の平を返すように尻尾を振っている。自党のアイデンティがないのか、あっても安倍政権の補完政党なら、自民党に合流した方が国民には分かり易いのです。しかも安倍首相はもう半分死んでいるのです。今更ゾンビの側についていかなる展望があるというのでしょうか。

自民党でないと対応できないから、自民党に投票せよでは理屈にはならないのです。自民党だから経済・財政でも、防衛・外交でもうまくいっていないのです。公明を含む国民は、現状をしっかりと、安倍首相の眼ではなく、自分自身の眼で見て頂きたい。

トランプを含む世界のトップに聞いて見れば良いのです。彼らだって今回の解散は、モリカケ疑惑が原因であることくらい、百も承知しています。だからモリカケ解散なのです。民意が安部政権にはないことも分かっています。だから、これ以上、脛に傷のある、うしろめたい人間、しかも国民が信用していない人間に、日本の代表を務めさせていたら、安全保障と経済は愚か、その他の外交だってうまくいく訳がないのです。

個人的な理由で、人物として足もとを見られているのです。そんな人間を代表にしておく国が信用される訳がない。国としての尊厳が損なわれていれば、対等な交渉等できないのです。

今回の選挙は安倍政権認否の為の選挙なのです。安倍首相は自分でも信任を問うと言いました。安倍首相のだらだらした中身のない演説の中で、唯一この点だけが正しいのです。しかもそれが安倍首相の本音であれば、自民は真珠湾ではなく、ミッドウエーに船を出してしまったのです。

なぜなら本質が悪あがきの選挙なので、自公で過半数は無理かも「しれない」という見通しが最初から背景にあるのです。改憲勢力2/3だって希望次第なのです。何故なら、もし自民党が自党の支持率に自信があれば、このような無理な解散はする必要がなかったからです。支持率が危ないと見て、一か八かの賭けに出たのが今回の選挙なのです。

ここで安倍首相がずるいのは、自民党支持と安倍首相支持はイコールではないのに、それを一緒くたにしていることです。自公が勝てば安倍政権が肯定されたものとするのです。なんとも身勝手な解散なのです。これは安倍政権の切羽詰まった博打解散なのに、決してそうとは言わない。だから嘘つき解散でもあるのです。

後は安倍首相が自公で過半数を割ったら退陣するという約束を守るかどうかです。さんざん約束を踏みにじってきた人間です。今回だけ約束を守ると保証はないのです。

多分実現するであろう過半数割れで、退陣する時にも、条件が付くでしょう。それはモリカケ問題のもみ消しであろうことは容易に想像がつきます。でもそんなことになれば、日本には法も正義も存在しないことになります。退陣しようが、するまいが、それは安倍個人の勝手であって、不正はあくまで不正なのです。

もともと憲法さえ平気で無視する首相だから、どうせ何でもありなのでしょう。それにしても人間として卑劣だという事が、私にはどうにも我慢がならないのです。
関連記事。安倍政治問う選挙。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017092902000129.html
関連記事。安部は北利用。NYT.
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/29/sosenkyo-what-is-going-on-in-japan_a_23226951/?utm_hp_ref=jp-homepage
関連記事。小池は極右変更の歴史認識。韓国。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/28/yuriko-koike_a_23226758/?utm_hp_ref=jp-homepage

関連記事。選挙難民、リベラル票はどこへ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00000048-mai-pol
コメント:これまで申し上げてきたように、リベラルな有権者には冬の時代です。それでも、いま一番大事なことは安倍政権の退陣です。右傾化だった前原も変わってきています。今やその主張はおおむね正しいのです。それでも希望の党はどうもという方は、政党は無視して、これという個人に投票して欲しい。狙い目は元新緑風会で活躍した人達です。彼らが仮に希望に公認されても、それでも投票して頂きたい。何故なら彼らはいずれ、希望を内側から変える力になるからです。

私自身は小池百合子は「大嫌い」です。女性なのに保守、それもタカ派だからです。本当はこういう人には何ものも託したくはない。酷い言い方かもしれないが、安倍首相と石原慎太郎を足して割ったような人です。これという主張もなく、時流に乗って、小沢の後押しを受けて進んでいるだけなのです。本音を言えば安倍首相と対決もしたくはないのでしょう。でも対立軸を持たないと、選挙では勝てない。

時の勢いなのに、自分に人気があると思い込みかねない。傲慢さだけは以前からたっぷり持ち合わせています。傲慢さは格の歪みなのです。本来なら、ここは自民党のリベラル派に期待したいところだが、いま自民党に勝たせるという事は、安倍首相の続投を意味するので、それだけは絶対に出来ないのです。まさに背は腹に替えられないのです。

関連記事。排除の理論、小池の一存。左だからダメ。
http://www.asahi.com/articles/ASK9Y5FHQK9YUTFK01B.html?iref=comtop_8_01
関連記事。民進の名前は残る。
http://toyokeizai.net/articles/-/190995
関連記事。枝野無所属。
https://this.kiji.is/286545000043693153?c=39546741839462401
関連記事。共産、社民が共闘。
https://this.kiji.is/286490893413139553?c=39546741839462401
関連記事。小池出馬に戦々恐々。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00000113-jij-pol

関連記事。比例投票先 自民34%、希望19%。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00050131-yom-pol
コメント:あとは自民のスキャンダル待ちですが、一番良いのは、加計理事長を捕まえてインタビューすることです。そこでメディアの根性(どこに雲隠れしているかを見つける)を見せてもらいたいのです。

関連記事。詩織さん、真相究明求め、民事訴訟へ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00000065-mai-soci
コメント:この事件は、国民もメディアも総力を挙げて応援して、安倍政権と警察・検察の黒い関係をあぶりだしてほしい。

関連記事。トランプ、アジア歴訪。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092901316&g=pol
コメント:それが分かっていての解散だから、安倍首相に退陣する気などこれポッチもないことが分かります。選挙で勝って、晴れて胸を張ってトランプと富士桜を回る心積もりでしょう。でもそれほど国民は甘くはない、いや甘くては困るのです。国民は首相の国の私物化にはほとほと嫌気がさしているからです。

関連記事。北がSLBM発射準備か。映像。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170929-00000098-jnn-int
コメント:北がきな臭いのは分かっているのに、なぜ安倍政権はこういう時期に解散したのか。それは国の都合より、個人の都合を優先したからです。安倍首相の自分勝手な価値観なら日本の領海に落ちる事さえ期待しかねない。そうなると最早売国奴どころか、国賊です。

関連記事。首相は読み違えた。村上。
http://www.asahi.com/articles/ASK9Y7SYHK9YUTFK025.html?iref=comtop_list_pol_n02
関連記事。国難は便利な言葉。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/27/kokunan-toppa-kaisan_a_23225405/?utm_hp_ref=jp-homepage



991.岐路に立つ平和 17/9/30

 朝日新聞 2017年9月29日 「岐路に立つ平和」から

「国難」は自作自演、勇ましい首相発言、和平壊した過去も
思考停止棄権、北朝鮮の説得、日本がしないと

衆議院が解散された。安倍晋三首相自ら「国難」と表現した情勢下、国民は政権選択を迫られる。与党が3分の2以上を占めたり、同調する勢力が増えたりすれば、9条を含めた憲法の改正は現実昧を増す。今回の選挙が日本の歴史で持つ意昧は何か、国民は投票で何が問われるのか。昭和史を見つめてきた半藤一利さんに聞く。

―半藤さんは昭和を中心に日本の近代史を深く見てきました。そうした歴史的な視点から見て、今回の解散、総選拳の意昧をどう考えますか。

「これからの日本の針路が戟争と平和のどちらを主軸に進むのかを左右する、極めて重要な選拳だと思います。岐路に立つ日本で、冷静な議論が求められるときに、安倍さんが今回、 『国難突破解散』とおっしゃって危機感ばかりをあおっていることに強い違和感を覚えます。国難といって現在、最大の問題は北朝鮮情勢でしょうが、これはご自分がつくっていま
せんか、自作自演の危機ではないか、と申し上げたい。安倍さんは国連総会で、今は対話の時でなく圧力をかけるべき時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです」

「昭和史で似たようなケースがありました。日中戦争が姶まった後、ドイツが間に入って和平工作を手がけました。まとまりかけたのですが、現地軍がこれを無視して進撃を続けて当時の首都南京を陥落させてしまう。和平の条件をつり上げて中国国民党を率いていた蒋介石を怒らせてしまう。この時、近衛文麿首相が『蒋介石政権を対手にせず』と言い放ち、解決は遠のきました。結局、戦争は泥沼化していきます。このように和平の結実は実に微妙なものです。それを勇ましい言葉で台無しにした歴史の戒めを思い起こします」

―現在の北朝鮮情勢の中で、日本ができることがありますか。

「不幸な経験ですが、日本には対立が不毛な結果しか招かなかったという痛みの過去がある。また唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたヒトラーのドイツと組んで三国同盟を結び、破局へ導いた時代が脳裏に浮かびます」

ー野党やマスコミは「大義なき選拳」と批判しています。

「そうとばかりはいえないでしょう。大げさに言えば、日本の選拳ではありますが、トランプさんがやっている力の誇示と威迫の手法を信認するか、しないかを問う選拳にもなるのです。安倍さんが国難突破と位置づけたことで、そのパートナーであるトランプさんと合わせて、平和を維持するために動くか、逆に制裁をさらに強めることを支持するのか、期せずしてそうした大問題を問い直す選挙になったと思います」

ーかつて日本で、危機を前面に出して戦われる避挙などがあったでしょうか。

「灘挙ではありませ。が、権力闘争に使われたことがある。第2次大戦で、ドイツがフランスへ攻め入りパリを陥落させた際、日本国内では三国同盟に反対してきた米内光政内閣を『バスに乗り遅れるな』のかけ声の下、引きずり下ろす材料にしました。畑俊六陸軍大臣を辞任させ、陸軍が後任を出さず内閣総辞職に追い込んだ。
ドイツと組むため都合のいい内閣として第2次近衛内閣が組閣され、三国同盟が締結される。太平洋戦争への道を一瀉千里に進み、揚げ旬、亡国寸前まで至ります」

―安倍首相は、 「日本を取り戻す」と言い、言論の自由を侵しかねない特定秘密保護法を施行させ、内心の自由を損ねると批判がある共謀罪の内容を含む組織的犯罪処罰法を改正しました。憲法9条に抵触する疑いのある安全保障関連法なども手がけてきました。

「かねて安倍さんが言ってきた『戦後レジームからの脱却』というのはこうしたことだったのでしょう。私たちは戦後、国民主権、基本的人権の尊重、平和国家を三本柱とする新日本を建国したと思っていました。安倍さんが『脱却』と言っても、『そんなことができるか』と高をくくっていた。
しかし、3年ほどであなたが指摘した法律を次々と実現させた。改憲したわけではないが、緊急事態法制以外は、ほぼ目的を達成させてしまいました」

「以前、麻生太郎副総理がナチスドイツの手法を引き合いに、『ある日、気がついたらワイマール憲法が、ナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどろか』と言って問題化しました。しかし集団的自衛構の行使容認について、憲法を変えずに、閣議決定で可能にした。まさにナチスの手法を学んだようです」

―衆院選の自民党公約に憲法9条への自衛隊明配を盛り込むと安倍首相は明言しました。

「今度の選挙で与党で3分の2、あるいは安倍さんの改憲案を支持する勢力がそれに匹敵する勢力を持てば可能でしょう。しかし、その前提としての諸法律はsでに整備済みで、いわぱ'9条改憲派集大成に過ぎません」

「戦前の軍機保護法にかわる機能を特定秘密保護法が担うでしょうし、政府に反対するものたちを次々に抑さえることも共謀罪を駆使すれば可能です。メディアの統制も、政権に不郡合な取材を共謀行為と認定すればわけないことです。記者が3〜4人も引っくくられれば、新聞社も一気に委縮するでしょう。改憲の前に、そうした道具を着々と整えてきたんです」

「平和や自由という帆後の日本人が得た価値を守るのは、若い世代の人たちの役測です。しかし、それらが当たり前のものとして育った世代には、本当の大切さ、失った時の怖さが骨身にしみていないのでしょう。Jアラートが鳴って、頑丈な建物に避難する、机の下に潜り込む。それらが全く無駄とは言いませんが、本質はミサイルが飛ばないよう、政府に外交を展開させ、平和を確実にさせることです」

「私が子供の時は戦争中でした。爆弾なんか怖くないとか、焼夷弾もすぐ消せる、なんて歌を教えられました。信じた人が、昭和20(1945)年3月10日の東京大空襲の際、自ら消そうとして火炎の渦に包み込まれました.。そんな愚を繰り返してはなりません」

―小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党は憲法改正に肯定的です。民進党も党の方針がぐらついて見えます。半藤さんがおっしゃる政策や外交の受け皿になる政党が、見当たりません。

「野党の離合集散が始まったようですから、先行きは詠めません。ただ、都民ファーストの会の都議に、毎日新間が憲法改正の賛否を問うたら、ほとんどが無回答でした。.自民党予備軍かどうか、見極めが必壊でしょう」-

―日本の将来をどう築くかといった本賀的な問題より、目先の利害調整、例えば消費税の使い途や、どこの政党がくっつくか、安倍さんと小池さんがどうやり合ったか、といったおもしろさ、すなわち政治の劇場化の様相が濃くなってきました。

「満州事変の際、国際連盟の派遣したリットン調査団の報告に基づく満州撤退の対日勧告を不服として、日本代表の松岡洋右が連盟の議場から退湯した時、日本の世論と新聞は喝采しました。当時は犬養毅首相が海軍の青年将校に殺される5・15事件の発生もあり、政党政治が液状化していました。国民が松岡のパフォーマンスに反応したのは、そんな閉塞状況に思考停止に陥っていたからでした」

「森友、加計両学園問題を抱える安倍政権が、高い支持を得ています。それが信頼からだ、とは思われません。低成長や高齢化などによる閉塞感が背景にあって、『日本を取り戻す』という掛け声にいちるの望みをかけているとしたら、不健全で危険な兆候です」。

―結局、どういう未来を選択するかは私たち有権者です。今度の選挙で、国民は何を問われ、突きつけられていると考えますか。

「冒頭、極めて重要な選挙になるといいました。問われるのは、有権者の世界観です。日本だけでなく、米国も欧州も内向きになっている。世界全体で取り組まねばならない、環境や平和、貧困や格差是正も、自国ファーストで解決しようとする。しかし全体で譲り合い、
合い、調整しなければ大きな問題は解決できません。北朝鮮の問題についても、自国の安全だけを大事に考えていては、本当の解は得られないでしょう。この地域で利利害を共有する日中韓3力国が北朝鮮を説得して、話し合いのテーブルに戻すしかないでしょう」

「1930〜40年代の日本は、まさに今の北朝鮮の似姿です。あのとき、日本をなだめたり説得したりできる国はなかった。しかし、今は日本がそうした役回りを発揮できるはずです。針路を決めるということは、そうした大戦略を持つ政党があるかどうか見極めこと、無ければ有権者自らが声を出して政党を叱咤激励することです。そこまでの積極的な関与が求められる複雑でやっかいな時代に入ってしまったのです」

半藤一利 作家 1930年生まれ 文藝春秋編集長などを努める。著書に「日本の一番長い日」など。
聞き手 朝日新聞編集委員 駒野剛



992.選挙と米国 17/10/1


今朝のサンデー・モーニングで、民意と詮索のねじれを一回の選挙で解消し続けてきた自民党と言う説明でなるほどと思いました。小池が自分に従いそうもない者、しかもリベラルはお断りとはっきり言い切る傲慢さの背景に何があるのか。今の混乱した状況の中に、どこに国民と民意が存在するというのでしょうか。ここでは何故小池が対立軸になり得たのかを、そして国民はこの選挙にどういう立場で臨むべきかを、いままで誰も言及してこなかった米国の存在を考慮しつつ説明したいと思います。

その前に言っておきますが、脱原発と言いながら、かつて小池は(日本の)核武装容認派であり原発肯定派だったのです。いま小池が問われているのは、自身の政治理念と価値観なのです。しかもこの点になると、彼女には確たるものがない。それこそが大問題なのです。私は前言を訂正します。小池では日本のサッチャーは無理です。都民ファが勝ったのはリベラルが乗ったからです。小池新党が第二自民党の為のからくり屋敷なら、リベラルは乗らないでしょう。だから都民ファと同じようにはいかないのです。これははサンデー・モーニングのコメンテーター、寺島実郎の言葉の引用です。

さて本論です。田原総一朗が提案した、日本が、と言うより安倍首相が、北朝鮮と米国の仲立ちをするという案は(WTWも以前から提案)、直後の米国での2+2で河野がティラーソンに強く申し入れたものの、拒絶されました。その理由は二つあると思います。

一つは北の核放棄が、交渉開始の前提という立場を米国が崩していない(水面下の交渉は別に行われており、これも日本の介入を米国が嫌がるもう一つの理由)からで、核を持ちながらという議論は(米国から見れば)筋違いであること。

もう一つの理由は、田原(安倍・河野)の提案では、段階が多くて、手間が掛かるうえに、実質6か国協議と変わらないことです。

この意見交換の結果分かることは、米国が強硬な姿勢や国家的体面を変えるつもりがないということだけではありません。米国は日本が今回の緊張関係の中で、重大な意思決定に関わることを望んではいないという事なのです。北朝鮮の問題を決めるのは米国であって、日本ではない。日本は米国の決定に従い、米国の作戦を支援するだけにしろと言われたと考える事が自然なのです。もっとはっきり言えばそれ以上、余計なことは言うなと言われてしまったという事なのです。

その「現実」を安倍首相は無論のこと、メディアも絶対に報道しようとはしない。これは国家安全保障上の重大な「機密」だからです。

何故そう断言できるのか。ミサイル実験(?)の情報が流れた時、米国(ティラーソン、またはマティス)は、グアムに向かって日本の上空をミサイルが飛行しても、日本は絶対に手を出すなとくぎを刺したのです。これは一部のメディアが伝えたものの、なぜか大きく取り上げられることはありませんでした。

そこにも或いは何らかの日本政府の意向が働いていたのかもしれません。共謀罪と秘密保護法で、日本のメディアは、特に安全保障や国防関係の情報は事実上厳しく制限されていると見るべきです。仮に現在はそうではなくても、一旦有事になったら、報道は信用しない方が良いと思います。安倍政権下では「大本営発表」以外の情報は、警察権力を行使してでも禁止される可能性が高いからです。

前記の米国の発言には、二つの意味があると思います。一つは、米国の公式見解、即ち日本を含めた極東の友好国の、特にミサイル防衛は米国に任せておけという意思表示です。もう一つはその裏返しですが、日本は中途半端に介入して状況を混乱させるなという意味(指示)です。それがあるので、自衛隊の対応は後手後手の上に、何かもどかしい。イージス艦は一発のミサイルも発射しない(米国の指示で発射できない)、その動きさえ良く分からないという事だと思います。即ち、半分有事の現在、既に日本の自衛隊は、事実上米軍の配下に組み込まれていると見るべきなのです。だから日本の政府が、日本の国民に対して出来る事(サービス)は、Jアラートくらいしかないのです。

トランプが予想に反して大統領に当選した直後(しかも就任前)、安倍首相は誰より早く、祝賀に駆け付け、弟分としての盃を頂戴しました。その時に米国従属第二章の幕が開き、結果として日本を現在ののっぴきならない状況に追い込んだのです。

北との交渉という観点で日本政府を見た時に、安倍首相のトランプにすり寄る姿勢を見ていれば、金正恩でなくとも、日本をまともに相手にする気にはなれないでしょう。しかも(なぜか)この人は自分が国際的な場において、重要不可欠な人間だと自分勝手に思い込んでいるようなのです。自分がこれまでISの誘拐事件から始まり、TPPへの無理で無駄な固執など、国際的な交渉で何も得ることなく、国民に不安と不満だけを押し付けてきたことを、全て棚に上げているのです。

日本が多少とでも国際的に評価・信頼されているとすれば、それはたった一つの理由からなのです。それは日本、具体的にはその国民と平成天皇が、必死になって70年間平和を守りとおしてきたことなのです。

そもそもむし暑い中の、広島の平和祈念式典に、あれだけ多くの外国の要人が参加しているのは、どういう理由かを、安倍首相はきちんと理解できているのでしょうか。核兵器を保有している米国の大統領でさえ参加したのです。

それは戦争を起こさない、中でも核兵器は絶対に使用してはならないという切実な思いを各国が共有しているからなのです。安倍首相も口先では平和が大事だと言いますが、その言動は裏腹です。今回の北朝鮮との対応からは、そんな気持ちはみじんも感じられないのです。

一昨日の朝日の朝刊に、半藤一利の対談が載っていました。朝日を購読していない読者の為にほぼ全文を引用してありますので、是非そちらもご覧ください。平和(即ち紛争解決の手段として武力を行使しないこと)を憲法の基盤にする国の代表が、国難を煽っているという二律背反の異常な状況を御理解頂けるものと思います。

北の問題に日本が口を出すことを、少なくともトランプ政権は認めていない。なぜなら日本は同盟国という名の属国=委任統治国民であって、それは大統領就任前に、朝献外交を自らしてしまったのだから、今更否定しようもないのです。

では宗主国(組長)としては日本に何を望むかと言えば、言うまでもありません。それは攻撃計画の実質的な支援であり、集団的自衛権(しかも今回は日本の安全保障に直接関わるという理由が成り立つ。そこでは武力行使に日本が参加し、市民を含む応分の犠牲を甘受すること)の約束の履行です。

即ち、今はいついかなる時にでも米国から日本(というより自衛隊)に出動命令が掛かってもおかしくない時なのです。でもそこで何が障害と言えば、それは日本のリベラルな政治家と論者、何より平和を志向する国民です。そこで選挙を行い、安倍首相に続投させて、安倍に指揮権を持たせ、米国の号令で、北に攻め込む体制を作っておくことが重要なのです。それがこの有事に、あえて選挙をする理由の一つだと思われるのです。

3回の安倍とトランプ電話会談で、何が語られたのかを安倍首相は言わないが、それが何かは容易に想像できるのです。北との紛争解決に積極的に参加(=戦争)する気があるのかないのかを問われたに違いないのです。自民の山本一太も言っていたが、日韓で2万人程度の犠牲で済むのなら米国は武力行使を辞さないという情報もあります。

安部が首相を続けることが、「トランプの米国にとって」望ましいことだという「事実」を忘れてはなりません。選挙の構図は、自民対希望ではないのです。安部首相に、北朝鮮攻撃を可能にする指揮権(緊急事態条項という名前で)を与えるかどうかを決める選挙なのです。米国の保守派(=安倍首相)と、日本のリベラルの戦いであり、その中で、対立軸と「思われ、或いは思わせられている」希望の小池が、実は安倍晋三以上の保守であることも、背後に米国(=安倍首相)の意図を想像させるものです。そうでなければ米国が今回の選挙(の特に結果)を認める訳はないのです。

即ち、今回の選挙は、日本の国民にとって、好戦・改憲の保守か、平和・護憲のリベラルかの、選択なのです。決して、これを保守対マイルド(どこが?)な保守の選択だなどと、思ってはならないのです。小池百合子が正直(?)だったおかげで、国民は騙されずに済むのかもしれないのです。自由の山本共同代表でさえ、希望との連携には腰が引けているのです。
関連記事。半藤一利対談。
http://wtw.xsrv.jp/indexsekai991.html
関連記事。希望の選別に民進・連合から反発の声。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170930-00000003-fnn-pol
関連記事。希望に公認申請せず。北海道で拡大。
http://www.asahi.com/articles/ASK9Z6RCZK9ZIIPE02M.html?iref=comtop_8_04
関連記事。民進リベラル系、新党準備。
http://www.asahi.com/articles/ASK9Z5GF0K9ZUTFK00F.html?iref=comtop_8_03
コメント:これを待っていたのです。



993.過程を問う 17/10/1

朝日新聞 2017年10月1日朝刊

2077衆院選

「過程」問わぬ政治でいいのか

政治に求められるものはなにか。国民が「公平・公正」だと思えるその信頼感
にこそある。
森友・加計学園問題でそこに強い疑問符が突きつけられた。安倍晋三首相は
 「政治は結果だ」と言うが、公平・公正が求められる「プロセス」への気配り
がおろそかだったのではないか。
官僚を束ねる内閣官房副長官を2003年まで8年半務めた古川貞二郎氏は在任中、
自室の床を足でとんとんとたたきながら、「自分はまっすぐに立っているか。
公平・公正か」を顧みていたという。官僚の影響力が強かった時代のことだが、
政治主導が強まる中、床をたたくような慎重さを政治家がより求められることは
言うまでもない。
「民主主義国家で、国民が様々な判断をするために正しい事実を知る」。政権
をあげて、政策決定の過程を記した公文書を後世に残すことに取り組んだ福田康
夫元首相の言葉だ。
 翻って安倍政権はどうだろう。文書を安易に廃棄し、存在する文書を「怪文書」
と言い、記録はあるのに「記憶がない」と繰り返す。陸上自衛隊の「日報」問題も
同じ構図だった。
国会でも、ぞんざいな姿勢は際立った。有権者の負託を背にした議員が疑問を
ただし、政権の説明を国民に打ち返す。政治のもっとも大事な装置だからこそ、
歴代首相は立揚が異なる野党議員にも丁寧な答弁をするよう心がけていた。
ところが、安倍首相は「国民の声に耳をすます」とは言うものの、国会で厳しい
批判を受けると「印象操作だ」「責任を取れるのか」などと憤る。聞かれていない
のに、持論を延々と話し続け、あげくに、街頭演説で反対派に「こんな人たちに
負けるわけにはいかない」という言葉を浴びせた。
 希望の党代表の小池百合子氏にも同じ疑念がつきまとう。リセット一の一言
で全てが白紙になり、政策、意思決定過程も不透明だ。小池氏は「情報公開」
を唱えるが、築地市場の移転問題で記録がないことを記者に問われると、「AI
(人工知能)、つまり私が決めた」とけむに巻いた。
 国を背負い、政党を率いる政治家にリーダーシップが求められことは当然だ。
だが使いようによってはたちまち独善に陥る危険もはらむ。結果だけでなく
プロセスも大事にすることが、政治に対する国民の信頼の礎になる。
(西山公隆)



994.リベラルはぶれるな 17/10/2

希望の党の議員の数を増やすことが、安倍一強を突き崩す最強の手段であり、それは自民党自身が認めています。但しそのためには小池が知事を辞めて出馬することが必要です。

但しこの戦略は、毒をもって毒を制すという手段であって、リスクの大きい方法です。なぜなら今まで余り公にして来なかった(WTWは以前からそれを指摘してきています)小池百合子の超保守、しかも独裁の体質が国民の眼にも次第に明らかになってきているからです。

これではリベラル派は希望に投票など出来る訳がない。それが都民の眼には明確でなかった(というより、意図的に隠されていた)都議選とは状況が違うのです。

リベラル派の票を希望に集める事が、小池百合子の超保守体質の暴露で絶望的になった以上、国民がこの大博打に乗るのかどうかも、見直されなければなりません。せっかくの小沢、前原の捨て身の作戦も、組む相手が悪過ぎたのです。

要はマイルドな保守などではなく、ガチガチの保守を選んでしまったからです。私も小池が政治家としてこうまで程度が低いとは思ってもみませんでした。なにより悪い、いや許せないのは、豊洲で分かるように、政治的妥協の為に、結局都民(国民)の安全をニの次にしたことです。これが国政、特に防衛面で起きたら取り返しのつかないことになります。

おそらくリオの五輪でライトを浴びた時に、彼女の心は最大限に高揚したことでしょう。そう見ると、防衛相会議ではしゃいだ稲田朋美とそれほど中身が変わらないような気もします。という事は私が小池の立場になってアドバイスすれば都、知事のままでいた方が、自分の為だろうという事です。既にその本性を国民に見抜かれてしまっているからです。

同じ女性政治家なら自由の森(或いは元民進の山尾、或いは辻元)の方が見識でも政治理念でも、遥かに上です。政治姿勢として安倍晋三とも通じるものを持つ。だから自身でも一切、安倍首相を否定してこなかったのです。

なので、この混乱の中で、リベラルな国民が絶対にしてはならないことは、妥協です。ぶれないことです。有権者が自らの価値観を変えないことです。なので、政党より個人を選んで頂きたいとお願いしているのです。定見を持たない浮動票が、希望に行ってくれるのは一向に構いません。どうせ姿かたちは変わっても、自民党なのです。しかも、少なくとも、腐り切った安部晋三(とチルドレン)よりは、いくらかましな部分もあるでしょう。

でも希望の議員は、経験という面でも、政治家の矜持という面でも、自民の「リベラルな」議員にさえ及ばないのです。端的に言えば、小池を首相にするくらいなら、石破の方が遥かにましなのです(石破は小池を支持していますが)。要は安部チルドレンの代わりに、小池チルドレンを量産するようなものなのです。そういうチルドレンが、国民の代わりに(即ち小池の操り人形ではなく)、国会でまともな質問が出来るとは、私には到底思えないのです。

それでもなお、いまは安倍政権を倒すことが最重要だと思う方が、小池チルドレンに投票することはお止めしません。しかし希望の超保守の体質だけは見誤らないようにお願い致します。

参考までに、昨日の朝日の論説を引用しました。但し長くなるので、サイトを分けましたので、以下を合わせてお読み下さい。それほど長いものではありません。
・「過程」問わぬ政治でいいのか。
http://wtw.xsrv.jp/indexsekai993.html
関連記事。内閣不支持、支持を逆転。自民24%、希望14%。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21759370R01C17A0PE8000/?dg=1
関連記事。政権抗議デモ。小池も非難。
http://www.asahi.com/articles/ASKB16DCXKB1UTIL024.html?iref=comtop_list_pol_n05
関連記事。民進リベラル、希望不信。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100102000106.html
関連記事。辻元余裕。
http://toyokeizai.net/articles/-/191183

・三極の争いに。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100100264&g=pol
関連記事。希望の踏み絵がリベラル動かす。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100100623&g=pol
関連記事。民進地方議員に怒り。使い捨てか。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171001-00000015-khks-pol
関連記事。話ちゃうやろと前原さんに言わなあかん。辻元。
http://www.asahi.com/articles/ASKB16KKYKB1PTIL00S.html?iref=comtop_8_03
コメント:それもこれも小池に共闘の意志がない(独裁志向)ことが原因です。

・長野県の民進党議員から、希望入党条件は「とんちんかん」。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news1/20171001-OYT1T50031.html?from=ytop_main5
コメント:いや「とんでもない」の間違いでしょう。政治家によくも簡単に主義主張を捨てろと言えたものです。自分が言われたらどう思うかを考えてみればいいのです。相手の気持ち(都民を含む)を考える事の出来ない人間に政治は無理です。小池は一時的に頭がおかしくなったのか、さもなくば、未だに安倍晋三に忖度しているかです。

・希望、民進の資金に着手。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171001-00000043-jij-pol
コメント:中核となる人材を排除しておいて、虫が良すぎるでしょう。これではカネメです。

・小池は出ても無責任、出なくても無責任。進次郎。
http://www.asahi.com/articles/ASKB16R02KB1UTFK015.html?iref=comtop_8_05
関連記事。若狭。出馬しなくても構わない。
http://www.asahi.com/articles/ASKB142MWKB1UTFK003.html?iref=comtop_list_pol_n04
コメント:安部晋三は存在そのものが無責任。

・希望、複数の代表容認。
https://this.kiji.is/287268017254057057?c=39546741839462401

・改憲隠し。衆院解散何故今か。道内で怒り。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/134536?rct=n_hokkaido

・自民の誤算。東北各地の前哨戦。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171001-00000016-khks-pol
コメント:メディア選挙では、既に安倍政権はボロ負けです。



995.戦うWTW、対晋三、対百合子 17/10/3

WTWの使命は、不正な政治権力と、権力に媚びを売り、真実を国民の目から隠そうとする、メディアと戦う事です。ネットを使ったささやかな市民運動です。
関連記事。権力への迎合はメディアの堕落。健全な批判精神がジャーナリスムの命。前川。
http://webronza.asahi.com/journalism/articles/2017091600001.html?iref=comtop_fbox_u07
関連記事。自民の改憲案、論理も歴史感覚も何もない。保阪。
http://www.asahi.com/articles/ASK9W4HBFK9WUTIL01L.html?iref=comtop_8_04

いまリベラルな国民は二重の災厄と戦わねばなりません。安倍政権を退陣させることと、小池百合子の台頭を許さないことです。
関連記事。排除の論理は何故心を打たないのか。排除される側はたまったものではない。
http://www.huffingtonpost.jp/nobuto-hosaka/election-edano_a_23229550/?utm_hp_ref=jp-homepage

小池百合子は、希望の党の公認候補になりたい者には、安保法制と改憲に賛成する旨の書類へのサインと、500万円の寄付を要求しています。これは、自民党が公認で議員を縛り、官邸が官僚の人事権を握ることで、事実上の専制国家を築いてきた手法と全く同じやりかたです。
関連記事。希望の党の低すぎる品位。
http://toyokeizai.net/articles/-/191422

国民は安倍政治の不正にはほとほと嫌気がさしているのです。外国ならとっくに大規模なデモや暴動が起きていても少しもおかしくない状況なのです。

そもそも国会封止などは、議会政治ではあってはならないことなのです。国民(の代表)の議論を禁止するなどは、専制政治の極みです。しかもその決定については、弁解さえしていないのです。何故3か月も、国会を開かなかったのかという質問に、無言なのです。

国会議員は国会があって初めて存在理由があるのであって、国会を開かなのなら、無用な存在だから全員クビが相当なのです。働かざる者に歳費を払う必要はないからです。議員ではなくなるので、首相も職を失うのです。

外遊を国民が首相に頼んだ覚えはありません。お手盛り以外の何ものでもないのです。しかもすることと言えば、外国にすがることだけです。国連で制裁強化を叫んではみたものの、北でさえ歯牙にもかけませんでした。完全にシカトされたのです。

これほどまでに、日本が世界で馬鹿にされているのも、首相が外交の能力もない「無能」な政治家だからなのです。国難と言いながら、していることと言えば官邸を留守にして、内容のない選挙演説を繰り返しているだけではないですか。
関連記事。安倍首相は真の保守ではない。
http://diamond.jp/articles/-/144344
関連記事。自民勝利でも安倍降ろしの可能性。
http://diamond.jp/articles/-/144336

無能な政治家による独裁政治。小池百合子が五輪と共にそれを安倍晋三から引き継ごうとしているのす。私の目には、安倍晋三が小池百合子と五輪会場で、笑顔で握手している場面が絵のように浮かんで来るのです。それは悪魔から魔女へのバトンタッチです。

小池百合子の希望の党の意味は、希望の国を作るという意味でしょう。それは旭日の国であり、軍国主義の国のイメージとも重なるのです。安倍首相と価値観を共有する小池百合子に、後を託したいという(旧民進議員や無党派層の)気持ちが、私には理解できないのです。それでは安倍政治を否定したことにはならないからです。

安部チルドレンの代わりに、魂の抜けた(思想的には1から10まで小池百合子に従え、余計なことは考えるな、言うな)小池チルドレンを量産する事にはいかなる意味もないのです。でくの坊、泥人形のような小池チルドレンが、議席を占め、ぞろぞろと国会内をゾンビのように歩き回る姿は、ホラー映画以外のないものでもありません。しかもそれが、既に都議会の議場で起きているのです。

人間的にも「見下げ果てた」安倍首相の代わりが、より保守的で、より権力志向の強い小池百合子しかいないとしたら、どこに国民の救いがあるのでしょうか。

いま安倍内閣の汚い戦術で、準備する時間もないこの状況でも、出来る事はあるし、それもすぐに実行しなければなりません。

まず旧民進の議員で、特に参議院議員として残っている者、特に新緑風会を中心に新党を結成することです。事実枝野新党が立憲民主党という名前で旗挙げしました。当面の代表は枝野でも良いと思いますが、本当は女性党首の方が、タカ派の小池百合子に対抗する上では、良いと思います。

そして選挙の後で、無所属で当選した議員を新党に再結集します。共産党との合流は無理でも、選挙と、政策で同じ会派(リベラルな)を作る事です。この動きが大事なのは、これから大事に育てて、花を咲かせなければならないリベラルの樹の苗木を、日本という国土に植える事になるからです。

さらに余力があれば、民進から希望に移ろうとしている議員に個別に働きかけて、思い止まらせることです。これについては、街頭に立つ候補者に、市民が自ら翻意を呼び掛けても良いと思います。

次に大事なことは、安倍政治に不満を感じていた、自民党内のリベラルな(石破はリベラルとは言えない)議員に働きかけて、新体制下での合意や共闘の下地を作っておくことです。

いまはリベラルな議員や国民が、小異を捨て、大同に集結する、またとない機会でもあるのです。早めに小池百合子が正体を現してくれたことに、感謝すべきなのかもしれないのです。

最も大事なことは今こそ、リベラルな国民の気持ちの受け皿をきちんと構築しておくことです。それは雑多な寄合世帯の民進が、その中途半端な性格ゆえに、支持率を落とす原因にもなっていたからで在って、今度こそピュアなリベラル野党として、妥協の必要のない戦いが出来るのです。

リベラル新党は、支持率も期待できないし、議員の数も少ない(離党者がいたり、希望との合流を呼び掛けた以上、旧民進より確実に少ない)でしょう。でも日本の政党政治、議会制民主主義の場において、リベラルな国民の民意の受け皿となり、その意見を代表する政党があるのとないのとでは、日本の未来にとって天地の違いなのです。

この少数政党が、超保守政治のミスリードで日本を巻き込むであろう戦禍から、国民を救う事にもなるのです。希望の党は失望の党であって、真の国民の希望は、リベラル新党に託されているのです。

自民、公明、希望を合わせれば、いわゆる保守が議席の過半数を占めるでしょう。今後とも政治の保守的な体質は変わらないという事です。でもそれは、国民が今回の選挙で望み、また期待している方向とは違うと思います。その結果、またもや、民意と当選者の数合わせが、大きくねじれてしまうのではないかと思います。

安倍政治を否定しているのかどうかさえ明確でない小池百合子は、しがらみのない政治と言っています。でも小池百合子は過去、君子豹変を繰り返してきており、約束を守ることは全く期待できません。それに反保守の受け皿が、超保守では、悪い冗談にも程があります。

いま日本が必要としているものは、国民の冷静な判断力です。自民党も、希望の党も、共に近い将来に亡国の政党になることを、客観的に認識して頂きたいのです。以下は広い意味での関連記事です。

・枝野が立憲民主党。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100302000122.html
・合流断念、小沢と玉城は無所属出馬へ。
https://this.kiji.is/287562076036727905?c=39546741839462401
コメント:小沢と前原の、民進の右派を希望に集めるという作戦が、最終的などのようは方向に進むのかは分かりません。だから大博打なのです。
・前原の誤算。
http://www.asahi.com/articles/ASKB24STYKB2UTFK00F.html?iref=comtop_8_01
コメント:そうは思いません。前原は正しかったのです。と言うより小池という悪女に騙されたのです。ところが、いざとなると民進(特にリベラル)に乗っ取られることを危惧した小池と、包容力に欠ける細野のおかげで、希望の党が早めに本性を現したのです。私は東京で立候補(実際には京都)すれば、前原に投票します。考え方が一番近いからです。枝野では、一党を率いるには印象が弱すぎます。しかし前原も今更合流はできないでしょうから、しばらくは無所属で様子を見てもらしかありません
・自公党首、希望批判抑制。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171002-00000082-mai-pol
コメント:手のひらを反すように連携姿勢ですか。腐りきった日本の保守政治の体質です。



996.政治風刺 17/10/4

安倍首相は様々な「悪法」を強引な手口で成立させてきました。憲法も人権も、平然と軽視する(しかも筋の通らない言い訳をまくしたてつつ)という、まさに稀代の悪の帝王ぶりを、この5年間、「遺憾なく」発揮してきました。

まもなくその実績に裁定が下ります。いま100%確実に言えることは、自民党の議席は、減ることはあっても増える事だけはないという事です。

但しその点は安倍首相も計算して、覚悟の上の解散総選挙でしょう。それで議席が「大幅」に減りさえしなければ、彼としては「大成功」であり、自分が蒔いたモリカケ問題の責任を自分で取ったということにしたいのでしょう。全く不要な、600億円もの選挙費用を国民に負担させておいてです。森友の8億円、加計への90億円など、選挙費用と国民の不便に比べれば、取るに足りない金額に見えてきます。嘘を正当化する為に、更なる嘘をつき、嘘に嘘を積み重ねてゆくうちに、とうとう600億円の税金の無駄遣いに発展したのです。

それも安倍首相が最初についた嘘、即ち森友に関係があれば、首相も議員も辞めるという嘘を守りたいが為に、更に嘘をつき、そこに政治と行政を巻き込んだことが発端です。それがとうとう最後の大嘘である解散に至るのです。解散理由に、言うに事を欠いて、国難解散とは呆れます。国の災難ではなく、安部家の災難でしょう。それを国難と言い換えて、なんとも思わない異常な神経の持ち主。首相から常々感じる被害妄想の言動とともに、もはやこれは国会での議論の問題ではなく、精神病の世界、入院加療の是非を問う問題なのです。

選挙を国民に強制し、モリカケ問題を含めて自分の政治に、国民の裁定が下ったことにして、「難局=国難?」を自分で清算したことにしたいのではないか。そして万が一、議席の数が大幅に減らずに、改憲勢力で2/3、自公で過半数が維持できれば、大勝利として、首相を続投し、改憲に突き進むつもりでしょう。

但し大敗すれば、さすがに首相の続投は無理でしょう。でもその時の用意もしてあります。既に言い含めてある、岸田に禅譲する事にして、その時も改憲発議の条件だけは付けるでしょう。どこまでも国民不在の卑しい政治屋です。いまや安倍首相に最も似ている動物は、狸でも豚でもありません。畑(日本)の作物を食い荒らす野ネズミです。即ち安部マウスです。

数ある安倍首相の悪徳の一つに、有形無形の言論の弾圧があります。全ての自由な言論を封殺するというよりは、具体的で切実な問題として、政権批判を封殺することが目的です。第一次安倍内閣では、メディアに足を引っ張られたという恨みを持っているからです。そこで、あろうことか放送局や新聞社のトップ人事にまで介入しました。そのお手伝いに「狂奔」したのが菅長官と萩生田議員です。人事以外にも、手紙は送りつけるは、街頭取材に文句をつけるは、果ては首相お気に入りの記者だけを招いて食事会を持つはと言う、なりふり構わぬメディア対策を展開してきました。その結果、時事通信を始め、安倍寄りの論者を作ることにも成功しています。

それでもありがたいことに、見識と矜持のある新聞・放送(毎日=TBS、朝日など)は政府批判を続けています。

しかし、最近メッキリ減ったのが政治風刺漫画です。これは安倍首相が、自分がおちょくられることを、病的に嫌っていることを意味しています。それは彼にとって、見栄、体裁、見てくれが何より大事であることを示しています。残念ながらその中には、プライドだけは含まれていないようです。モリカケ問題への対応から、プライドは全く感じられないからです。

一方、外国では政治風刺漫画を自粛するという文化はありません。ニューズウィークの10.3号の冒頭に風刺漫画が載っています。今回の漫画の中に、良く見かける人類進化の図があります。最初は前足を地面につけて歩いていた猿が、やがて背筋が伸びて直立歩行し、人類として歩き出すという有名な影絵ですが、この漫画ではその続きがあります。

即ち、人類がまた背が曲がって、やがて猿に戻って行き、その最後のものは、金髪の庇があり、左手を地面につきながら、片手にスマホ(おそらくツイッター)を持っているというものです。

誰か安倍首相を思い切り揶揄するような、気の利いた漫画を描いてくれないものでしょうか。それが出来たらTシャツに印刷して、着て歩くのですが。



997.育て立憲民主党 17/10/4

・希望の党の選択基準が不透明。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00000112-mai-pol
関連記事。生き残り模索。
http://www.asahi.com/articles/ASKB36KRKKB3ULZU017.html?iref=comtop_8_01
コメント:小池百合子には、解党を決意した前原の気持ちを配慮する余裕も、野党共闘の人間味も一切感じられません。肥大化した自己顕示欲と権力欲だけがギラギラしています。実際に離党のリスクまで取って新党を立ち上げてきた若狭や細野なども全く眼中にはないのです。小池の言う事を聞かなければ、追い出すだけでしょう。最初から小池独裁ありきでスタートしているのです。独裁という事は、民意を尊重するつもりもない、国民は従わせる存在でしかないという事なのです。

この女帝は、途中で有利と見ると、「リセット」と称して、直接手を伸ばして新党を「掠め取り」ました。これは精神構造が安倍首相と全く同じであるばかりか、精神力が強い分だけ、より悪質であることを意味しています。WTWは、蟹が作ったお結びを奪った猿がどうなったか、小池ザルの行く末を拝見させて貰うつもりです。

希望の党で外された元民進党員は、何も思い迷う事はないのです。立憲民主党に加わるのが今回の解党から必然的に導かれる「正しい」選択なのです。

希望の党は、無所属とは対立しないが、立憲民主党とは正面対決する姿勢を打ち出しました。リベラルを排除するどころでなく、潰しに掛かっているのです。野党連合もへったくれもあったものではない、民意などどうでもいい、自分さえ良ければの唯我独尊の政党、というより党首なのです。

これまでWTWでは、ポピュリズムの勉強もしてきました。まさか日本で早速その弊害が具体的な姿を取って表れるとは思ってもいませんでした。こうなれば少なくも30%はいるリベラルな国民は、超保守と、ポピュリズムの双方と戦っていかなければなりません。日本という船が超保守と無党派層(希望の党)で全体的に大きく右に傾こうとしている時に、どこまでそれを食い止める事が出来るかは、リベラルな国民の覚悟と決意に掛かっているのです。とりあえず国民的規模でのデモが必要です。

・モリカケ問題は国民の脳裏に焼き付いている。
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201710/0010609450.shtml

・枝野新党、背中推した協定書。
https://news.yahoo.co.jp/feature/763

・立憲民主党、50人超擁立へ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171004-00000002-mai-pol
コメント:目指せ全員当選。リベラルな国民の為に。一方、国民は所属政党よりも、個々の政治家の質で判断して投票して頂きたい。新党だが顔も主張も良く分からない小池チルドレンよりは、自民党のリベラル派を選んだ方が、最終的に間違いが少ない場合もあるのです。無党派層は、安倍チルドレンの度重なる不祥事から学習していなければならないのです。政治は政党ではなく、人だからです。なぜなら、所属政党は変わるが、人間は基本的に変えられないからです。またそういう観点で、小池百合子自身を評価する事も必要なのです。この20日間は、21世紀の日本の運命を決める、極めて重要な20日間になるでしょう。

・立憲民主党を駆け込み寺に。
http://toyokeizai.net/articles/-/191560

・細川、小池批判。選別はこざかしい。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00000004-mai-pol

・小池百合子、ファクトがない時の最強弁法。
http://toyokeizai.net/articles/-/191245

・二都議が都民ファ離党。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00000088-asahi-pol
コメント:内部で情報統制され、自由に議論できなかったとして、そう言えば音喜多は得意の暴言ブログも中断していました。でも議員なら猶更、沈黙を続けられる訳がないのです。独裁は続かないのです。それが分からないから小池百合子は駄目なのです。まさか麻生が推奨するナチスの手法でも真似たのでしょうか。



998.何めざすリセットか 17/10/4

希望の党については、以下の文章が、過不足なく、更に礼を失することもなく、問題点を浮き彫りにしています。希望の党に投票するなとは申しませんが、せめて以下を一読してから投票に臨れますよう、お願い致します。

朝日新聞7年10月4日朝刊の社説から
「希望の党、 何めざすリセットか」
「日本をリセット」して、何をめざすのか。相変わらず、その核心部分が像を結ばない。
小池百合子・東京都知事率いる「希望の党」が衆院選の公認候補192人を発表した。さらに追加し、最終的に過半数に届く候補を擁立したいという。
衆院選は「自民・公明」「希望・維新」 「立憲民主党や共産党など野党共闘勢力」の三つどもえの構図となることが、いっそう鮮明になった。
小池氏は衆院選での政権奪取に意欲を示す。だが見えてきたのは希望と自民党の対立軸というよりむしろ、近さである。
たとえば民進党からの合流組に、希望が公認の条件として署名を求めた政策協定書だ。
民進党が廃止を求めてきた安全保障法制については「適切に運用する」と明記されている。
憲法改正については「支持」するとされた。外国人への地方参政権付与には「反対」と右派色の濃い主張も盛られている。
「社会の分断を包摂する、寛容な改革保守」という党の綱領と、どう整合するのか。
一方、自民党との明確な対立軸になり得る「原発ゼロ」については協定書に記載がない。
多くの選拳区でほかの野党との競合が目立つのも疑問だ。非自民でつぶし合うような候補擁立は結果として、安倍政権を利することになる。
小池氏自身は立候補を否定している。では、選挙後の首相指名投票でだれに投じるのか。党運営をだれが統括するのか。
誕生したばかりの希望の党の統治能力は未知数だ。政治経験の乏しい候補も多い。選拳結果によっては、実質的に自民党の補完勢力になりはしないか。
そんな懸念がぬぐえないのは、小池氏が自らの自民党時代の総括をしていないからだ。しがらみを断ち切って、何をするのか。自民党ではなぜできないのかを語るべきだ。
菅官房長官は「政策に賛同いただくのであれば、しっかり対応していく」と、選拳後の希望との連携に期待を示す。
希望が政局の主導権を握ったとしても、参院は自公が圧倒的な議席を占める。希望と自公が手を組むシナリオが早くも自民党内でささやかれている。
今回の衆院選は、おごりと緩みが見える「安倍1強」の5年間への審判と、次の4年をだれに託すかの選択である。
「安倍政治」をどう評価し、'どこを変えるのか。
まずそこを明確に説明することこそ、全国規模で候補を擁立し、政権選択選挙に挑む政党の最低限の責任ではないか。



999.オピニオン171004 17/10/4

私が新聞の投書欄を読んで、常々思う事は、同じ価値観を持つ市民が少なからずいるという心強さと、文章が簡潔で要を得ていることです。今回は朝日新聞の投書から2篇を御紹介します。いずれも、私と価値観を共有する内容になっています。

朝日新聞2017年10月4日朝刊のオピニオンから

【首相と都知事似た政治手法】
大学非常勤講師 桑山俊昭
衆院選をめぐり、メディアが「安倍自民党対小池新党」という構図を伝えてきた。しかし、安倍晋三氏と小池百合子氏は似た者同士ではないだろうか。
安全保障や憲法改正などの政策で政治的立揚が近いことは言うまでもない。選挙後に連立政権を組むことに何の支障もないほどだ。私がここで強調したいのは政治手法も両者はうり二つではないかという点だ。
安倍首相は地方創生、1億総活躍、働き方改革など次から次へと目玉政策を掲げたが、めぼしい成巣は上げていない。しかし、国民から見ると、いつも何かに極的に取り組んでいるという印象だけは受ける。
小池都知事も、東京五輪の会揚や経費の見直し、築地市揚の移転問題などで大胆な政策的アドバルーンを揚げたが、良い結果を出したとは言えないだろう。
要するに、改革のキャッチフレーズを更新しながら人心をつなぎとめる、という愚民的な政治手法で両者は共通する。
どちらかが政権を担うことになったとしても、実の薄いパフォーマンス政治が統くのではないだろうか。


【平和は小さな努力の積み重ね】
大学教員 岡本康哉 
「平和ボケ」という言葉を聞く。国際情勢の現実を認識せず理想論ばかり、といった意昧だろう。
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」などという日本国憲法前文も、そういう批判を受けることがある。
しかし、憲法は同時に「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」といっているのであり、ただ願っているわけではない。また、自由や権利を守るのは「不断の努力」による、ともいっている。平和も同じだろう。
夢想していては平和は守れない。 「全力をあげて」維持していかなければならない。戦争という手段に訴えずに、平和を守るにはそれなりの英知や忍耐が必票だ。
具体的には、民間交流の力、音楽や芸術の力、スポーツの力、文学の力、外交の力、皇室の交流の力など、あらゆる力を使って実現に努めてきた。経済援助による貢献もあるだろうし、被爆園としての発言力もあったろう。
一つ一つは、ハチドリのひとしずくのような微々たる力かもしれない。しかし私たち怯こうして平和を守ってきた。恥じることなく不断の努力を統けたいと思う。



1000.地獄の使者と大連立の野望 17/10/5

安倍政権を倒し、日本という船が右側に大きく傾いて、やがては沈没(戦争、経済破綻、そして貧富の差を背景にした、極端な階級社会=不平等社会になる)してしまわないように、政治の舵を取り直して、王道を進むようになってほしいという事が、私の悲願でした。

ところが、あろうことか、米国でトランプ大統領を誕生させた、或いは英国をEUから離脱させたあの力、即ちポピュリズムが日本を迷走させようとしています。現状のまま推移すれば、自民が35%、希望が12%、そこに公明を加えた「保守勢力」が、議席の過半数を占める事になります。

リベラルは今のところ13%ですが、立憲がもっとアピールして、有権者の意志がより明確に票に反映されれば、もっと増えると思います。但し棄権も増えると思うので(混乱にさじを投げて)、予断は出来ないものの、改憲勢力2/3はさすがに無理でしょう。それも、モリカケ問題を国民が完全に忘れていなければです。それこそが解散の原因であり、今回の選挙で安倍首相が最も気にしている政権信任の争点なのです。それを言わないメディアもおかしいのです。

仮に小池百合子が安部晋三よりましな政策を打ち出したとしても、それは彼女が国民に与えるものであって、国民の意志を尊重したものではないのです。決めるのはあくまで小池百合子個人であり、国民ではないからです。これは安倍晋三と全く同じ政治姿勢、即ち国民不在の自分ファーストだということです。

安部でさえなければというのは、自民でさえなければと、都民ファを選んだ都民と同じ気持ちであり、即ちリベラルな国民が切羽詰まった気持ちになっているからです。その心のスキを、自分の野心の為に、二度までも使おうとしているのが他ならぬ小池百合子です。元はと言えば、前原が「安倍政権を倒す」為に、大盤振る舞いの譲歩をしたことが、棚ぼたになったのに、そういう経緯など全くなかったかのように振る舞い、自分が国民に期待されていると過信しているのです。その思い上がりが、そのまま表れたのが希望の党の政治姿勢なのです。自分が緊急避難先として選ばれているという意識がない自我肥大であって、この点でも安倍晋三とうり二つなのです。

前原は前原で自分の判断は間違っていなかったと言っているが、さすがにそれは言い過ぎでしょう。踏み絵を踏まされ、寄付金を巻き上げられた民進党議員の気持ちになってみれば分かることです。何故その時に、小池百合子に激しく抗議しなかったのか。それだけは理解できません。今更ですが、枝野を代表にしておけば、このようなことは起きなかったでしょう。

前原は正直だったがゆえに、小池百合子に翻弄され、期待も信頼も裏切られた。それがいまの民進が置かれた状況なのです。目的は違うが、安倍総裁が野田首相を騙した時と良く似ています。解散して政権を取った後は、約束を次々に反故にしていったからです。小池百合子の場合は、政権を取る前から約束違反を始めたという違いだけです。

しかもそういう独裁、秘密主義に業を煮やした都議が、小池政治に嫌気がさして、離党しました。昨日の朝日新聞に、次の次、そのまた次が都民ファーストという川柳が載っていました。都政(というより自分が作った政党)をないがしろにしているという皮肉です。

小池百合子は、安倍晋三より個性が強く、更に独裁的で、意志も強い。日本の武力行使を憲法で認めさせ、安保法制を追認するとなれば、次に来るものは徴兵制です。安部はしなくても、小池百合子ならそこまでやりかねない。言い換えれば、平和という言葉だけは、彼女の辞書にはないらしいのです。

希望の党の候補者200名の内の100名が元民進の(右派またはノンポリの)議員です。覚悟と熱意で頑張ってきたリベラルを、右翼でないという理由で(維新と同レベルです。民進の背景にいる国民など眼中にはないらしい)締め出し(という事は国民も締め出し)、あまつさえ、選挙区では立憲民主党と正面から対決する姿勢を鮮明に打ち出しています。

候補者が200名でも、実際に当選するのは70名くらいでしょう。100名いけば上出来です。しかもその多くが実質的に民進出身者でしょう。何も背景がない新人よりも、実績がある元民進議員の方が、地盤の面でも有利です。国民から見ても、素性の知れない小池チルドレンではにわかに信用できないでしょう。希望の党に足りないものは政党の政治的信条と、国民の心情にアピールするスローガンです。しかもこれが決定的に欠けているのです。それも党首が余りにも自民党寄りだからです。

野党共闘など、ハナから小池百合子の念頭にはなかったことが良く分かります。「自分」が勝ちさえすれば(ある程度の議席さえ取れれば)、それでいい、後は安倍政権と裏で手を結び(保守勢力で過半数になるから)、影響力を行使するという筋書きがはっきり見えてくるのです。一体全体、この女帝は何様のつもりなのでしょうか(多分女帝になったつもりでしょう)。都知事としても、騒いだだけ、これという成果は上がっていないというのに。

日本版ポピュリズムの上に咲こうとしている食虫植物(うつぼかずら)の花のような政治家の存在は別にしても、世界で見れば同じようなことが随所で起きています。いま考えてみれば、比のドゥテルテもその現象のはしりだったのかもしれません。

私は無宗教ですが、今の世界の様相は、伝え聞くアルマゲドン、即ち神と悪魔の最終戦争を彷彿とさせます。しかもこの正と悪との戦いで、国民は、いや人類は負けるわけにはいかないのです。ポピュリズムが勝った時に、多くの犠牲の上で勝ち取られた民主主義はおろか、人権も自由も平等も平和も、理性さえも失われて、時計が巻き戻され、中世どころか、紀元前や、石器時代に戻り、混沌とした地獄が地上に出現してしまうからです。悪魔に魅入られた(或いは悪魔の手先の)政治家はトランプと安倍晋三(と金正恩)だけで充分です。日本にもう一人の必要はないのです。

ともあれ、私が綱ない文章で書くよりも、以下の昨日の朝日の社説が、状況を過不足なく説明しています。WTWでは本文節約のため、重要な引用資料は別サイトに載せています。
関連記事。何めざすリセットか
http://wtw.xsrv.jp/indexsekai998.html

いま問われているのは、希望の党や小池百合子というよりは、むしろ投票に臨む、国民の見識と覚悟なのです。そういう意味で、昨日の朝日新聞への一般市民からの投稿は、一有権者として大いに参考になり、また勇気づけられるものです。特に平和を守る為には不断の努力が必要だという意見は、新聞を煎じて安倍晋三や小池百合子に飲ませたいくらいです。
関連記事。オピニオン170104.
http://wtw.xsrv.jp/indexsekai999.html

関連記事。比例、自民35%、希望12、立憲7、公明7、共産6。
http://www.asahi.com/articles/ASKB43J6DKB4UZPS002.html?iref=comtop_8_01
コメント:そんなものでしょう。但し無党派層では拮抗しています。
関連記事。立憲民主、東京で16候補。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100400939&g=pol
関連記事。立憲のツイッターのフォロワー10万。希望は2500。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/03/cdp-kibou-twitter_a_23231462/?utm_hp_ref=jp-homepage
関連記事。ろくに政策も出来ていないのに尊大。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100400957&g=pol
関連記事。自民との大連立を考えているとしか思えない。
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/10/post-944.php
コメント:そのどこに民意があるというのでしょう。我執と自己顕示欲だけではないでしょうか。

・真実を語ることが公務員の役目。前川前次官。
http://www.47news.jp/47topics/e/295590.php
コメント:比べて、反省が全く無いのが、安部ナニガシ。

記念すべき1000号目のエッセイがまさかこんなタイトルになるとは思いもしませんでした。でも日本という国は二匹もモンスターが飼えるほど広くはないのです。どうか二人(二匹)とも、他の国にバサバサと飛んでいって頂きたい