「WTWオピニオン」

【第55巻の内容】


「NHKの立ち位置」
「企業と軍備の為の個人増税」
「核抑止論は核拡散を正当化する」
「スター・ウォーズ、最後のジェダイ>
「インフラに投資を」
「ヒューマニズムの復権を」
「税制の不備と政治家の不遜」
「HV・EVの問題点」
「悪いのは相撲協会ではないのか」
「宗教戦争をやっている場合か」
「2017年という歳」
「2018年は歴史に学ぶ年に」
「タレントの質」
「さらばレンゴー」
「なんで日本の国民が原発ビジネスの後押しをしなければならないのか」
「年末年始の番組から」
「日本経済要注意」
「問題意識の有無が問題」
「首相の嘘には飽き飽きです」


1081.NHKの立ち位置 17/12/14

私はBBCの事は良く知りませんが、同じ公共放送を名乗っていても、BBCとNHKでは、根本的な違いがあるように思われます。BBCは政権を国民の立場から批判します。でもNHKからはその姿勢は感じられないのです。

NHKは不偏不党、中立の報道の努力をしてきたと主張したいのかもしれません。そして最高裁もNHKのその部分だけを強調・評価し、中立で無色という性格(実際にはそうではないが)を、(政権の為に)今後も維持したいという隠れた政治的な『意図』があって、NHKの料金徴収は違憲ではないという判断を下したのではないでしょうか。

ここに最高裁とNHKの(善意で言えば)勘違いがあります。それは何の為に公共放送があるのかという大前提、いわば経営理念、存在理由が実に曖昧だという点です。端的に言えば、公共放送の存在理由は、『政権を含む』権力から、民主主義と国民を守る為なのです。それが必要なければ、民放だけで充分なのです。ところがNHKは、あろうことか政権と国民の『間に立って』、そこで『中立』の立場を取ろうとしているかのようなのです。

これまで何度も申し上げてきたように、無色の情報などというものは存在しないのです。フェイク(意図的な虚偽)情報かどうかは別にして、報道には多かれ少なかれ、記者や編集者の価値観が反映している、いわば色がついてしまうのです。その出来事に関心を持った瞬間に、即ちその事件を取り上げるべきだと思った瞬間から、個人の価値観が報道に入り込むのです。また逆に、人間でなく、意志を持たないロボットの『報告』(報道ではない)などに意味はないのです。それだと風景をのべつ映しているだけの定点カメラと変わりがないからです。

なので、自分と価値観を共有する記者による報道を望むようになるのは当然であり、むしろそれが報道のあるべき姿なのです。それは無色透明な報道はあり得ないからです。無論、状況認識の前提としての、場所や関係者、数字などの情報は客観的かつ正確であることは当然です。しかし報道で真に重要なのは、客観的な事実よりも、主観的な事実(選択理由、報道の目的)の方なのです。そこでの、NHKの『主観』は、国民の『主観』でなければならないという事を申し上げているのです。

ところがNHK,特に経営委員と会長には、自分達が国民に『雇われており』、国民に奉仕すべき立場にあるという意識がほぼないようなのです。歴代会長はもとより、NHKのOBである黒柳や池上にも、自分を一段高いところに置いて、いわば上から目線を感じて、彼らがTV画面に登場すると、私はいつも落ち着かない気分にさせられのです。

NHKが政権と国民の間に立つ、(政権に忖度しまくる)NHK独自の正義や中立など、誰も望んではいないのです。NHKでも特殊番組の場合は、国民目線で製作されている番組もないわけではありません。それでも、ニュース番組で、相手が時の政権だからというだけの理由で、安倍首相に忖度するなどはもってのほかなのです。徹頭徹尾、とことん最後まで、国民目線でなければ『ならない』のです。本当のボスが誰かも分からないようでは国民に『解雇』されても文句は言えないはずなのです。国民が選んだり、解雇する手段もないのでは、到底公共放送とは言えないと思いますし、そのあたりに本当の違憲の理由があるのかもしれません。籾井のような心得違いの大バカ者、三井時代でも失格経営者、料金泥棒を、国民がなぜ解雇できなかったのか、私にはさっぱり分からないのです。

NHKは悪い意味での『中立』であってはならないのです。料金の国民負担が違憲なのではなく、目的と運営方法にこそ違憲の可能性があるのです。有志による、次回の提訴ではその点を徹底的に追及すべきだと思います。現在のNHKの姿は、国営放送ではあっても、決して公共放送にはなっていません。それが最大の問題であり、料金を不払いにしたい本当の理由なのです。




1082.企業と軍備の為の故人増税 17/12/15

・NHK,合憲でも山積する課題。
http://toyokeizai.net/articles/-/201055

・個人向け増税続々。法人税は増減ゼロ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24643390U7A211C1MM8000/
関連記事。消費に悪影響のおそれ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171214-00000095-mai-bus_all
コメント:可処分所得を減らしておいて、景気回復など出来る訳がありません。増税したいのなら、実収入が増えてからです。先取などもってのほかです。こうした経済のからくり、まやかしこそがアベノミクスの正体です。そしてこれこそが、国民が自民党を選んだ結果なのです。まさに自分で自分の首を絞める行為です。

・生活保護引下げ5%。
https://this.kiji.is/314084969016362081?c=39546741839462401
コメント:なぜこんな重要な変更(改悪)が既成事実(=ありき)として語られるのでしょうか、メディアも野党もなぜ猛反対しないのか。私にはさっぱり分かりません。

・日英、ミサイル共同開発。
http://www.asahi.com/articles/ASKDG4FX3KDGUTFK00Q.html?iref=comtop_8_06
関連記事。陸自英軍、日本で訓練。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171215-OYT1T50001.html?from=ytop_main2
関連記事。メイ政権、与党の11人が造反。
http://www.bbc.com/japanese/42347987
コメント:軍国主義への一層の傾斜を象徴する出来事です。いまごろ日英軍事同盟とは、時代錯誤も甚だしい。しかも相手のメイ政権は死に体です。安倍政権もモリカケで追い詰められているから同じだからでしょうか。黒を白と言い張り続ければ、いつかは黒が白になる社会とは、法も正義もないということです。憲法でさえないのと同じであり、ならば改正も不要なはずです。

・巡航ミサイル。米国から買うより、日本で作るべき。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51834
コメント:日本に技術はあるでしょう。でも日本は武器を作っても、売っても(本当は買うのも)いけないのです。それが非戦を定めた憲法の精神と、歴代『与党』の国是に違反するからです。紛争は話し合いで解決するしかないのです。現在の米朝の緊張関係も、軍事行動では解決にはならないことは、誰が見ても明らかなのです。
私はBBCの事は良く知りませんが、同じ公共放送を名乗っていても、BBCとNHKでは、根本的な違いがあるように思われます。BBCは政権を国民の立場から批判します。でもNHKからはその姿勢は感じられないのです。



1083.核抑止論は核拡散を正当化する 17/12/15

朝日新聞171215の声欄から。

核抑止論は核拡散を正当化する
元中学校教員・枡田 重忠 (長崎県65)

 国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)がノーベル平和賞を受賞した。
核兵器を持つことで平和が保てる。攻めてきたら核兵器を使う準備があると示して
おけば、わが国を攻められなくなるからだー。
この「核抑止論」をどう思うか中学生に質問したことがある。生徒たちは答えた。
「国同士で脅しをかけているだけ。核で手に入れる平和は真の平和ではなく、
私たちが望み求めている平和ではない」
 ICANの受賞に政府は「核廃絶というゴールは共有している」というが、北朝鮮の
核開発に対し、 「核兵器による抑止はどうしても必要だ」と言う。北朝鮮も言う。
 「核兵器は、米の核の脅威に対する強力な抑止力だ」と。「核兵器による抑止が
必要」と言うなら、北朝鮮の論理も認めなくてはならない。結局「核抑止」の考え
方は「核拡散」を正当化する。
  6800発もの核弾頭を保有する米国と共に、北朝鮮の核開発を批判するこの国。
72年前の広島・長崎で、原子爆弾によって生きながらに焼かれ殺された人々の魂に
言うのだろうか。 「大丈夫です。国民は今、同じ米国の核兵器で守ってもらって
いますから」と。



1084.スター・ウォーズ、最後のジェダイ 17/12/16

「スターウォーズ、最後のジェダイ」を昨日の初日に見ました。

ところで以前の7作品、デススターの設計図入手のエピソードの外伝「ローグ・ワン」を加えれば8作品の中で、一番衝撃的(印象的)なシーンと言えば、無論ダース・ベイダーが、ルーク・スカイウォーカーに言い放つ「ユー・アー・マイ・サン」でしょう。

「最後のジェダイ」では、『全ての映画』の中で、最高の興行収入の映画になりました。シリーズとして人気というだけでなく、SFアクション映画なのに、娯楽映画の枠を超えて、『感動』を与えてくれるという、数少ない、言い換えれば10年に一度の作品になっています。但し感動を得る為には、このシリーズをかなり深いレベルで理解し、登場人物(キャラクター)を熟知している必要があります。但しどの部分が感動的かは、ネタバレにつながるので、ここで申し上げる事は出来ません。申し訳ありませんが、間違いなく感動するとだけしか申し上げられないのです。

ネタバラシがなぜ犯罪行為なのかは、見る者の期待を踏みにじるからです。私は何百という映画の解説記事や、紹介記事を書いてきましたが、関心を掻き立てることはあっても、ストーリーを明かしたことはありません。なので、今回も「当たり障りのない」形での説明となります。
関連記事。予告編。
http://starwars.disney.co.jp/movie/lastjedi.html

まず道具立てですが。ミレニアム・ファルコンは健在で、パラボラ・アンテナの形以外に変更はありません。前回からこれを活用しているのは、レイです。お供はチューバッカです。ファースト・オーダーの宇宙戦艦も、帝国軍の後の時代なので、進化拡大しています。かつて帝国軍で最強を誇ったのは、皇帝の全長は3キロの旗艦でした。今回はファースト・オーダーの軍艦中で、最強のドレッドノートがのっけから登場します。但し最高指導者スノークの旗艦は更に大形で、もはや形もデストロイヤーのような尖った三角形ではなく、B2爆撃機のような扁平な三角形です。
関連記事。ファースト・オーダー宇宙軍。
http://ja.starwars.wikia.com/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%BB%8D

地上兵器では例の、のそのそ歩く象型のATATの後継機、今回はゴリラからイメージしたAT-M6が登場します。デザインしたのは日本人です。
関連記事。ATAT。
http://ja.starwars.wikia.com/wiki/%E5%85%A8%E5%9C%B0%E5%BD%A2%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E8%A3%85%E7%94%B2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88
関連記事。ファースト・オーダーの新兵器。
https://theriver.jp/at-m6-dreadnought/

主人公は前作から女性(レイ)になりました。前作で、初めて使うのに、ライト・セーバーを使いこなし、カイロ・レンと対等以上に渡り合ったことからも、ただの娘でないことだけは明白でした。前作の最後のシーンでは、ルークが隠遁する小島に、レイが上陸する所で終わっていました。無論今回はその続きが語られますが、それはドレッドノートとの戦闘シーンの後です。

レイはルークにジェダイとして反乱軍への参加を求めますが、ルークは耳を貸そうとはしません。それは何故かが、本作品の重大なテーマの一つです。ルークの生活スタイルが変わっていて、宇宙生物(家畜)の乳を呑み、海で怪魚を仕留めます。ルークは島で、レイにジェダイのフォースの本質を教え、その使い方を伝授するシーンもあります。

本作品の特徴は、リアリズムです。SF作品はともすれば荒唐無稽、即ち非現実的になりがちです。またそれが許される分野でもありますが、宇宙船内部の質感や戦闘シーンに、初めてリアリズム(現実感)を持ち込んだのが、他ならぬスターウォーズの第一作(新たな希望)でした。その精神は、本作品にもきちんと受け継がれています。だからこそ、この作品は正真正銘のスターウォーズなのです。

例えばこのようなシーンがあります。スノークの前に立ったカイロ・レンに、スノーク(相手の考えている事が全部分かるので、誰も攻撃できない。しかもダークサイドの最強のパワーを持つ)がこう言います。ダース・ベイダーに憧れて、そのヘンテコなマスクをいつまでかぶっているのだ。それは己の弱さを隠すためでしかないと叱責します。ダース・べーダーのマスクは焼けただれた顔を隠す為と言うよりも、呼吸器を兼ねていたのです。だからシューシューという音がしていたのです。またカイロ・レンはダース・ベイダーの孫でもあります。しかしその場でマスクを取った彼は、以後は素顔で戦います。即ちこの映画では心理描写がリアルなのです。そしてその点で、レイもカイロ・レンも好演しています。

それから、これも大事なことですが、全篇に渡り、キャリー・フィッシャー(レイヤ姫)が出演しています。ご承知の通り、彼女は昨年急逝しています。でも代役でも、CGでもないので、前作と同時に撮影したものと分かります。但し、外伝のローグ・ワンでは、若い頃の姿が必要なので、レイヤ姫はCGで登場しています。

マーク・ハミル(ルーク)も、本人が全篇出演してます。戦闘の舞台になる惑星にはこれまでさまざまな惑星(砂漠、沼、森、氷など)が登場しましたが、今回登場するのは塩の惑星です。反乱軍のスピーダーが疾走すると、白い塩が舞い上がって、下の赤色の地面が現れます。一説では本作品のイメージ・カラーは赤だそうです。

スターウォーズの伝統で、相変わらずメカは精密でリアルであり(無論CGが多い)、スケール(規模)も拡大しています。質感を含めて、メカに関する違和感は殆どありません。格納庫なども一層巨大化しています。細かいところでは、宇宙船の操縦席の回転でも、ぎくしゃく感はありません。宇宙人にも新顔が加わっています。今回は鳥のペットが加わります。

それでは皆様も、機会を見つけて、2時間半の映像をお楽しみください。ベスト・シネマです。

ところで突然ですが、安倍首相は国民の権利よりも、国民の義務ばかりを強調しています。その証拠が増税であり、改憲への動きです。それがもたらす、或いは現にもたらしている者hが、社会の階級分化です。もはや日本の社会には、米国と同様に、民主主義の大前提である、『平等』は存在していないのです。一部の特権階級(安倍首相を支える人達)と、庶民(労働者、低所得者)に二分化し、その間の格差は広がるばかりなのです。虐げられ、搾取されている国民に必要なものは、国民主権を取り戻し、格差を解消する為の『市民革命』なのです。そして権力におもねる(忖度という言葉にすり替え)ものが優遇され、批判する者は『排除』されるのです。

安倍信三のプーチン(背広が似合う皇帝)化が進んでいます。五輪の後でも、首相を辞める気などはさらさら無いようです。アベノミクスですらまともに機能していない(累積債務は少しも減らず、日銀総裁に出口戦略はない)のに、その後の計画まで言い出しているからです。

安倍独裁政治がいかに安定した社会を作っているかのように思えても、その陰(または下)には悲惨な生活を強いられている多くの物言わぬ国民がいるのです。それを(政権が)見て見ぬ振りをしているだけなのです。そうでなければ生活保護費を増やすどころか、削るなどは絶対に出来ないはずなのです。5兆円もの武器を、米国のいいなりに購入しているのにです。
・生活扶助、最大13.7%減。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121401165&g=soc
・閣僚の平均資産。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121500878&g=pol
・歳出最大97.7兆円。
https://jp.reuters.com/article/japan-finance-idJPKBN1E9248
・防衛費、過去最高の5兆1900億円。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24695880V11C17A2MM8000/

しかも現在の安全は、将来の国民が全滅する危機と引き換えに現在の国民(特に権力層)が享受しているものなのです。核兵器による平和は本当の平和ではないのです。本件については、以下の朝日新聞への投書(の引用)を参照願います。
・核抑止論は核拡散を正当化する
http://wtw.xsrv.jp/indexsekai1083.html

我々全体の9割を占める国民にとって、いま最も必要なものは、反乱軍を率いるレイヤ姫です。またはその後を継ぐであろう、レイです。但しそれは小池百合子のような偽物であってはならないのです。ダークサイドに堕ちた闇の帝王は(迫力には欠けるが)言うまでもなくA首相です。



1085.インフラに投資を 17/12/17

一昨日のBS11、寺島の未来塾に、土木学会の大石会長が出演していました。テーマは人口減少時代の国土計画です。中国とGDPを比較し、以前は中国を超えていたGDPが今や中国の1/3なった。但し数字では、日本のGDPは4.5兆ドル(17年)の前後で推移しており、日本のGDPが下がったというより、中国が増えたのです。

公共事業費の比較では、GDPとの比率を定めているドイツ以外の先進国では毎年増えているのに、唯一日本だけが減っていて、20年前の半分になっています。そこにはコンクリートから人へという政策の変更も影響しているでしょう。

次は日独のインフラの比較です。人口は日本1.2億人に対して0.8億人。面積はほぼ同じ。高速道路の延長もほぼ同じ。しかし鉄道は日本27千キロに対して42千キロ。労働時間は日本1700時間に1400時間、しかも一人当たりGDPは日本39,000ドル、独は42,000ドルです。

この表を自分なりに解釈すれば、日本の労働者(勤労階級)が、より厳しい労働環境に置かれていることを、端的に示していると思います。『その結果として』生産性も低いという事ではないのでしょうか。鉄道路線の差で、すぐに思いつくのは、相も変らぬ日本の通勤地獄です。そのうえ世情の悪化で人身事故が増え、頻繁に運転中止。通勤者には踏んだり蹴ったりです。何故ここにもっとインフラ投資をしないのか。どこまで勤労者を痛めつければ政府は満足するのかと言いたくなります。インフラの投資を削減するから、GDPも増えないという説明に説得力があります。

少子高齢化という現状を踏まえ、ワニの口が開いている(財政の収支のインバランス)ことを認識したうえで、GDPに寄与する労働環境の改善のインフラに、(選択と集中で)公共投資を集中すれば、もっと住みやすい国になるし、GDPも増えるのではないでしょうか。

アベノミクスのような偽もの(金融拡大)ではなく、実体経済をベースにした本物の景気浮揚策になるのではないか。但しこれまでのインフラ開発といえば、五輪の工事が代表格で、土木業界が談合し、タコ部屋や人手不足、結果、工事品質に問題があり、後で重大な事故が起きるという悪循環でした。それは業界の体質に問題があります。もともと日本の土木技術は世界一ですが、その技術開発を一層進める事で、旧態依然たるドボクの体質から脱却できるし、将来大きな果実を生むことになるのではないか。

その為には前提となる視点を変える必要があります。即ちインフラを与える(用意する)側から、利便性を享受する側(=国民)に180度変えることです。どこをどう直すか、何を追加するのかを、ゼロベースで、根本から見直すことです。私はそれが政府と国交省に課せられた大きな使命だと思います。その為にも、国交省は国土と交通の御役所ではなく、ミニストリー・オブ・インフラストラクチャー(=インフラ省、今は国土、インフラ、輸送、観光省という長くて取り留めのない名前)にした方が良いと思います。やっていることは変わらなくても、名前を変えるだけで、印象も使命感も変わるのです。経産省も産業(振興)省にするべきです。一方、政府も、武器に回す金があれば、インフラ(と平和外交)に投資して頂きたいものです。

ところで、土曜日のNHKBSの経済フロントラインは、分かり易く経済状況を解説しているので、お勧めです。




1086.ヒューマニズムの復権を 17/12/18

私の学生時代は吉本隆明の時代ですが、ノンポリ学生だった私は全く読んだことがありません。それより一生懸命に読んだ本は、小説としても面白かった高橋和巳の作品です。虐待される庶民の側から社会を描いた作品で、「我が心は石にあらず」、「邪宗門」などがあります。アニメ(元は小説)で近いものは、「火垂るの墓」です。

著者は1971年に亡くなっていますが、分からないのは、その後全く顧みられていないことです。個人主義、権威主義、利益至上主義、そして格差と階級の時代。最近の低所得層の救いのない悲惨な事件が象徴するような、虚無的で人心が荒んでいるこの時代に、彼の作品はもっと見直されても良いのではないでしょうか。イデオロギーや哲学を振り回す難解さは全くなく、小説として(まさに小説そのものです)一気に読めます。

「君たちはどう生きるか」で、吉野源三郎が(下手な)漫画で復活しています。アニメでも、「君の名は」や「この世界の片隅で」がヒットしています。いずれもささやかな生活を守りたいだけの庶民と、その生活を蹂躙する巨悪や、外部の力との不条理な関係を描いています。でもそうした作品が評価されていることに、独裁政治が支配する今の日本でも一抹の希望があるように感じています。なお吉野とともに、山本有三の「心に太陽を持て」も、もっと読まれるべきだと思います。「心に太陽を、唇に歌を」という人生論です。

現代の日本と世界にとって、市民が経済(特に資本主義の論理)や技術に、一方的に支配されずに、人間性を復権する21世紀のルネッサンスを実現する為には、経済的平等と共に、これらの作品が取り上げている、人間への深い慈愛のまなざしと共感、即ちヒューニズム(人間主義)の復権がぜひとも必要なのです。しかも高橋和の昨比の主人公はスーパーマンではありません。私達と同じ、弱い人間なのです。「沈黙」(映画と小説)では「転んでしまう」宣教師が登場します。またキリスト自身、救世主というより指導者ではあっても、やはり我々あと同じように、悩み苦しむ一人の「人間」でした。

実はこれが意味することはとても重要なのです。自分を、人々を、そして世界を救う者は、超能力を備えた(奇跡を行なう)偉人ではなく、平凡な、普通の人間だという事です。では何がその人を、他の人々寄り卓越した存在足らしめているのでしょうか。それはその人が誰に対しても「分けへだてなく」共感を感じる事が出来るというただその一点だけなのです。聖書の、汝の敵を愛せは、その究極の状況なのです。

他者に共感を持てない人間が、自分だけは特別の存在だという特権意識におぼれ、持ってはならない権力を持ち、使ってはならない力(武力、警察力)を使う。そこに(万人にとっての)不幸が起きるのです。

いま世界中で不平等になっています。安倍首相を見れば分かりますが、経済格差を指摘されることに露骨に嫌な顔をしています。格差はあるし、特権階級がそれを享受(株高や内部留保)していても、それを言われたくはないという、身勝手な理屈なのです。18世紀に市民革命が起きたように、いずれこの経済的不平等はなんらかの力で是正されることになります。しかもそれは私が革命を扇動するからではなくて、歴史の必然なのです。特権階級に片よった振り子はいずれ元に戻らざるを得ないからです。トランプは、米国の大衆迎合主義が生んだ(一時的な)怪物ですが、その背景には、虐げられた低所得者層の不満があったことを忘れる訳にはいかないのです。

平等思想が英仏での市民革命を生みました。それは民主主義の為に血が流れたという事でもあります。今後の階級間の闘争でも、流血が起きる事を暗示しています。即ち平等の概念だけでは、流血や戦争(国同士の平等を求める闘い)を回避できない可能性が高いのです。しかしいかなる戦争でも否定するのがヒューマニズムなのです。核廃絶も根本にあるのはヒューマニズムです。

幸福追求の権利の大前提は人命の尊重です。北朝鮮を非難する時には、外国が持っていて北には許さない核兵器の保有で非難するのではなく、むしろ北朝鮮の国民の悲惨な生活を糾弾すべきであり、だからこそ現政権の容認などという政治的解釈ではなく、現政権の失脚と退陣しか本当の問題解決はないのです。北朝鮮の国民の手に政治を取り戻させること、世界中で独裁者から政治を国民の手に取り戻す事しか、世界平和を実現する方法はないのです。

我々、現在の日本に生きる者にとっての最大の課題。それは外国の事を言う前に、まず日本でヒューマニズムを復活させることです。そして経済的不平等をなくす、せめて減らすことなのです。特定の少数だけが大学に進学できる社会より、皆が高校に進学できる社会の方が、間違いなく豊かで、幸せになれるのです。その為にも、市民目線の高橋和巳を読んで頂きたいのです。

ところで安倍首相が、メディアの著名人をチヤホヤしています。かつてはタモリ、爆笑問題、田原総一朗、そして今度はあろうことかダウンタウンの松本です。さすがにまともなリベラルは対象外のようですが、世論形成に影響力のありそうな者と見れば(安倍首相には多分にミーハーの要素もあるように感じます)なりふり構わず仲間、もしくは理解者に引き入れようとしています。それで少なくとも痛烈な批判は封じることができる。稚拙なメディア操作、世論操作だと言ってしまえばそれまでですが、私はそこに安倍首相の人間的な孤独感と弱さを感じます。まさに独裁者の孤独です。この「現象」の見方を変えれば、安倍首相には、見栄はあっても本当のプライドはないという事にもなります。敵にすりより、味方を求めているからです。

しかしこの状況は、そろそろ首相自らが交代を考えるべき時期にきているという事ではないでしょうか。まして身近にいる自民党議員が、そういう首相の心境の変化に気が付かないはずはありません。後継者には、核武装論者の石破より、ハト派の岸田でお願いできればと思います。
関連記事。わが心は石にあらずの感想文。
http://ishibashimasao.at.webry.info/200507/article_3.html
関連記事。心に太陽を持ての感想文。
https://bookmeter.com/books/382531



1087.税制の不備と政治家の不遜 17/12/19

昨日の米ABCニュースによれば、米国の減税法案(法人税を35%から21%に引き下げ)で、最後の段階で、上院案に下院案にもなかった一項が追加されたことを取り上げていました。リポーターのステファノポラスが、共和党の上院院内幹事のコ―ニンに質問していました。この法案は最近では最も不人気な法案であることに加えて、最後に不動産の有限会社に対する特別減税が追加されました。従って不動産業で収入を得ている政治家(トランプを含む)が数億円を手にすると言われています。この法案自体、もともと企業と富裕層が恩恵を受ける内容であり、トランプの公約とも異なるため、米国民に不人気です。しかも共和党のマケイン議員は、この法案には投票しないと言われています。

番組中で、経済学者のクルーグマンも、この法案が経済を押し上げると考えている専門家は一人しかいないと述べていました。また法人税を下げれば株価が上がるのは当然だが、ドルはトランプ就任以降下がっており、これは米国が投資に適した国だと見なされていないことを意味していると指摘していました。同席のエコノミストが、法人税減税が成長を促すと弁護したのに対して、クルーグマンは、この法案は所得税の増税を引き起こすので、結果的にはマイナスだと指摘していました。

日本の政府が、この米国の法人税減税と同じことを、しかも先取りでしているように見えます。何兆円も内部留保が積み上がっているのに、法人税を減税し、しかも所得税は増税しているのです。まさに安倍首相は日本のトランプです。アドルフ・ドナルド・アベ将軍閣下なのです。しかも日本では、増税に対する国民への世論調査さえ行われていないのです。

米国のリポーターは明確な価値観と視点を持っており、追及にも容赦はありません。日本の国民も、池上程度で満足していてはいけないのです。どうやらその辺にもWTWの存在理由はありそうです。忖度だらけの日本の放送局や、リポーターの「穏やかな」指摘、ではなく、米国流の白黒をはっきりさせる(草の根の)ジャーナリズムが機能できる余地があるのではないかと思われるのです。

但しここで注意しなければならないことは、感情的で知性も品性を欠いた、匿名のヘイト・コメントや無責任なツイートと一緒にされないようすることです。彼らと異なるのは、WTWはいかなる相手(トランプでも安倍首相でも、英語でも日本語でも)であっても、正面対決することに躊躇しないことです。無責任なネット発言者は、匿名を外せば、いかなる議論にも耐えられないでしょう。ジャーリズムとやじ馬の違いは、知性と信念です。WTWは、日本のジャーナリズムの在り方を問い糺してゆく所存です。

・マイナス金利分、GPIFが負担検討。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20171218-00000018-jnn-bus_all
コメント:金融機関の損失を何故年金機構が負担しなければならないのか。マイナス金利は最初から分かっていたことであり、ならば海外の金融機関を使えばいいでしょう。マイナス金利を決めたのは日銀なのだから、日本の金融機関の損失は、日銀(と政府)が対応を考えるべきです。しかもGPIF金は政府が自由に使ってよい資金でもありません。

・河野が専用機おねだり。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171218-00000547-san-pol
コメント:その運用にどれだけ費用(税金)が掛かるのか分かっているのだろうか。しかもいま国民には所得税増税が政府から突き付けられているのです。河野の玩具を買う為に増税する訳ではないでしょう。舞い上がるのも、自分を特別扱いするのも良い加減にしないと。移動は民間航空のビジネス席にするくらいの覚悟こそ、国民は期待しているのであって、空港で夜間待つのが嫌だからなどと、どの面下げて他の国民に言えるのか。悪い意味で甘やかされたおぼっちゃん議員を、国民は必要としていないのです。本人には一度通勤電車に乗ってみる事を勧めます。
自分が国民の期待を裏切り、安倍首相におもねることで、閣僚になったことをお忘れか。父親とはなんという違いでしょうか。三代目だから堕落するのでしょうか。北への制裁を強調するタカ派でもあります。米国追従外交(=外交努力は不要)なのだから、出張も不要だし、専用機が必要なら、トランプに買って貰えばいいのです。
ところで沖縄の小学校であわやの事故がありました。なぜ学校の上空は、ベストエフォートでなく、飛行禁止に出来ないのか。東京上空の半分が米軍の管理下にあるので、旅客機は我が家の上空を通ります。地位協定の見直しの話も政権から出てきません。
とにかく安倍首相には、訳の分からない閣僚を引き連れて、一日も早く退陣して頂きたい。専用機の問題で言いたいことはそれだけです。

・生活保護費、5%削減。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121801153&g=eco
関連記事。社会保障費と防衛費が過去最大。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20171218-OYT1T50134.html?from=ytop_main5
コメント:野党はなぜ強く反対しないのか。竹下議員は、地方の若手議員は議員年金がなければ生活保護の対象になると言っているのです。ということは、生活保護は議員自身の問題でもあるのです。そもそも過去最大の国家予算なのに、生活保護は削減というのでは、筋が通りません。

・政党支持率。無党派層増える。立憲支持低下。
http://www.asahi.com/articles/ASKDL3GXPKDLUZPS002.html?iref=comtop_list_pol_n02
関連記事。民進の改革案。
http://diamond.jp/articles/-/153463
コメント:枝野が結党当時の筋を通しているのは認めますが、それが排他的なイメージにつながっています。だから支持率が急落しているのです。その事実に早く気が付かないと、取り返しがつかなくなります。国民は野合を求めているのではないのです。希望を取り込めと言っているのです。野党の共闘は『国民の願い』なのです。前原にも枝野にも、足りないものは包容力を前提にしたリーダーシップです。大衆は理屈だけでは動きません。




1088.HV・EVの問題点 17/12/19

・トヨタ、エンジン車だけの車種ゼロへ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171218-00000045-asahi-soci
関連記事。
http://toyokeizai.net/articles/-/201853
コメント:駐車場で経験することですが、突然隣の車が無音で動き出して、あわてて飛びのくことがあります。これはいずれHVやEVで、無音性が原因の事故が起きる事を意味しています。トヨタくらいの会社になれば、動き出す前になんらかの警告が出るようにするのは、技術的にも容易なはずです。事故が起きてからでは遅いのです。



1089.悪いのは相撲協会ではないのか 17/12/29

貴乃花への風当たりが強いが、この事件で貴乃花は被害者です。加害者側であり責任もあるのは、力士への指導を怠った相撲協会の方です。協会に最初に報告すれば、必ずもみ消される。だから自分の部屋の弟子を守り、傷害事件として公にする必要から、警察に提訴することは当然の行為なのです。これまで相撲界では、何回もスキャンダルが起きており、死者さえ何人も出ているのに、体質は変わらない。そこに協会の重大な問題があります。貴乃花はおおっぴらに協会を批判して波風を立てたくないから沈黙を守ったとも考えられるのです。一方で力士のトップに君臨する白鵬は、暴力の現場にいて、口論の原因さえ作ったるのに、何の是ず、事件の責任感さえ感じられない。一体どこの国の力士なのか。
モンゴルの力士には、相撲で最も重要とされる要素、即ち日本人の価値観とその背景となる歴史観が通用しないように思われるのです。肌の色や、日本語がしゃべれることよりも、相撲の精神をきちんと理解し、継承していないと、そもそも相撲が成立しないのです。だからこそ朝青龍は失格したのです。それも心技体の『心』がなかったからです。
今の日本の相撲界は、正常な形でないことを、誰もが感じているのに、どういう理由か、相撲が聖域化してしまい、誰もその矛盾を指摘も批判も出来ない。日本の政治と似たような状況です。ハッキリ言えば日本の相撲が、中身でモンゴルの相撲になってしまっているのです。しかもモンゴル力士『同士』の間で、傷害事件まで起きてしまいました。だから貴乃花が無言という形で、相撲界の在り方に抗議したのです。
結論から言うと、この問題には実は解決策があるのです。しかもそれはドメスティックな既得権の固まりのような相撲協会には発想さえ出来ないことです。それは相撲を国際的なスポーツに育てるという姿勢なのです。アジアだけなく、各国に普及させ、その後で国別の対抗戦、出来れば五輪参加スポーツまで育てる。その後なら、各国の強い選手が本場である日本に集うであれば、それは自然な成り行きです。野球と同じです。プロ野球がそういう構図です。相撲界には『独占』と『既得権』と『秘密主義』が影を落としているのです。それこそが今回の暴行事件の本当の原因なのです。もし今のような状況のままで国際化を図るのなら、稽古は英語にして、髷や回しも自由にすべきです。
しかも我々国民全員が相撲ファンでもないのです。だから相撲だけが特別扱いされて、『国技』として、我々国民が強制的に、NHKを通じて支援させられるのはおかしいのです。NHKには、相撲人口と野球人口と、サッカー人口を常に比較する義務があります。
相撲協会はかつて国が丸抱えだったのに、自力で損益が出せるようになり、公益法人になった。そのころの相撲協会には気概がありました。でもいま残っているのは、権威主義と既得賢者の意識だけです。改革の意欲も、ファン本位の思想もない。内輪主義、秘密主義も変わらない。ならばそろそろ一歩先を進めて、完全に民営化し、官僚化した公益法人ではなく、プロ野球と同じ立場に立つべきなのです。協会の古い体質に風穴を開けるのなら、貴乃花の犠牲にも、意味はあるのです。
関連記事。貴乃花の降格はバランス欠く裁定。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171229-00000001-wordleafs-fight



1090.宗教戦争をやっている場合か 17/12/30

昨夜の寺島実郎の番組によれば、米副大統領のペンスがエバンジェリカルのキーパースンなので、米国の運命はペンスが握っているのだそうです。という事は、今我々が見ている世界の風景は、中世のそれ、即ち十字軍の亡霊がポピュリズム(衆愚政治)に姿を変えて立ち現れ、世界をかき回しているということになります。言い換えればキリスト教の原理主義とイスラムの宗教戦争の再現であり、トランプはただのお神輿ではないのか。しかもトランプは、平気で前言を翻すことも特徴です。ついでに言えば、約束を無視するのは安倍首相の得意技でもあります。似た者兄弟です。
トランプの言葉を信用できないということが、世界を一層混乱させることは、容易に想像できます。更に、トランプのアメリカ・ファーストも矛盾だらけであって、白人の低所得者層から支持されているのに、減税策は富裕層向けでした。またネオコンは一人も政権に入っていません。即ちトランプ政権には政治理念さえ存在していないのです。あまつさえトランプは民主主義さえ尊重する気はないようです。独裁に支離滅裂となると、どんな災厄でもあり得るのです。しかもいまや安倍首相にもその兆候が現れているように感じられます。
米国は自分では北には手を出したくないので、中国に対応して欲しい。北が脅威などとも思ってはいない。その為ならば、北への中国の軍事駐留もあり得る(ひいては朝鮮半島の支配)と、番組では指摘していました。それもアメリカ・ファーストだからです。相かが得t来ると、安倍・トランプのお友達関係など、いかに根拠のない脆弱なものかが、賢明なる読者諸兄諸姉にはお分かり頂けると思います。
2018年が日本にとって、どんな年になるのかは分かりませんが、少なくとも大きな変動だけは避けられないような気がします。世界から見れば、取るに足りない存在の我々に出来る事はあまりありませんが、せめてその時に、慌てないようにはしたいと思います。




1091.2017年という歳 17/12/31

紅白歌合戦には全く興味がなく、録画でさえ見ない年もあります。理由も単純です。NHKの番組中で、最も品格のない番組だからです。

どんな『理由』(自衛と敵基地の先制攻撃を含む)があっても、戦争=殺し合い、があってはならないのです。理由の一つは、相手だけが全滅して、自分達は無傷などという戦争などあり得ないからです。それが本当にトランプと安倍首相には分かっているのでしょうか。本音は多少の損害はやむを得ないと思っているのではないか。しかも、安倍首相は、何かと思いついたように例外を設けては、いつでも自衛隊の外国での戦闘が可能なように、仕向けて来なかったと断言できますか。例外なき戦闘の禁止。それが本当の平和の形なのです。ISのテロは、彼らにしてみれば聖戦かもしれないが、それが『殺戮であるが故に』悪なのです。仮に無抵抗により、一度は外国や悪の政権に支配されたにせよ、後で『無血』革命を起こせばいいのです。人間は本来自由な存在であって、いかなる圧政(独裁を含む)にも、そう長くは(5年以上も)我慢できないからです。

今年1年間のご愛読ありがとうございました。誠に今年は変動の年でした。米国でも日本でも、民主主義や議会政治、国民主権とは正反対の、政権のトップと支配層さえ良ければそれで良しとする、利己的で独善的(独りよがり)な独裁政治が吹き荒れました。

5年も経つのに、未だに景気浮揚の名のもとに、経済破綻を先送りした膨大な予算を編成し、そのくせ生活保護などの福祉は切り詰め、消費税と所得税は増税し、法人税は3割も減らしました。その結果、国民の経済格差は拡大し、生活は徐々に苦しくなる一方です。

北の脅威については、説得の努力は一切放棄し、強硬路線だけを振りかざし、それを軍備拡張と選挙の道具として、安倍政権の都合の良いように利用しました。Jアラートなどという内容もなければ意味もない、まともに機能すらしない絵空事で、国民を混乱させました。

これらを突き詰めて言えば、国民の知性と判断力を、安倍政権がとことん愚弄した年でした。馬鹿(自分は馬鹿だと思っていないでしょうが)に、馬鹿にされることほど腹立たしいことはないのです。トップ自らに正義の意識がないのですから、当然の如く、その下の議員も、官僚も、財界も、正義や倫理や法を無視する風潮が出来てしまったのです。これは由々しき事態であって、もはや私たちは、子供や若者の不正行為を咎める事が出来なくなったという事を意味しています。政権のトップが憲法や法の精神を無視しても咎められないのですから当然です。財界、スポーツ界、芸能界ではスキャンダルの枚挙にいとまがない程でした。

その場の言い訳と、一度頭を下げれば、後は何でも通るという風潮を首相自らが率先して作ってしまったことは、即ち法治国家の否定であり、法は踏みにじる為にあると言わんばかりなら、これこそが安倍首相の最大の罪なのです。言い換えると、悪のお手本が、首相の肩書を持ち、高価なスーツを着て、大手を振って闊歩しているようなものなのです。

それを見習って、安倍首相に取り入りさえすれば、あとは何をしようと咎められないことが分かったので、官邸、幹事長、閣僚、高級官僚、経営者、果ては元TBSの御用記者までが、やりたい放題になったのです。その結果、社会正義が失われ、企業からはコンプライアンスが失われました。のぞみの台車の亀裂が大事故につながらなかったのは単なる偶然の賜物でしかないのです。

いまの社会に必要なものは、景気の回復より、分配の正常化(皮肉なことにこれを官房長官でさえ指摘しているのです)です。しかも労働者への分配を増やすことで、景気も回復するのです。そしてなにより必要なものが、公平と平等の意識です。人は貧しくても、大きな差がなければ耐えられるのです。そして貧しいながらもお互いが助け合う気持ちが生まれるのです。カネが全てという社会を作り上げてきたことで、自民党と、それを支えてきた経営者と官僚には大きな責任があります。救いのない、悲惨な事件が起きているのは、社会の底辺層ですが、富裕層は使い切れない程の富を持っているのに、明日の生活も分からない底辺層を拡大したのは、他ならぬ安倍政権なのです。いまや、安倍政権下での世間のモラルの低下と、世相の悪化は目を覆うばかりです。首相は、出処進退をきれいにして、国民に日本がどうあるべきかの範を垂れなければならない立場にあるのです。

ところで私事ですが、年末には96歳の母が生涯を閉じた年でもあり、私にとって終生、忘れ得ぬ2017年となりました。

来年が、良識を備えたリベラルな国民が、ついに立ち上がって、世の中を正しく、住みやすく、助け合う社会に変えて行く努力に着手する事を、心から願っています。

少なくとも2018年が、今年よりはまともな年になり、読者の皆様にとって、幸多い年になりますことを祈念して、今年最後のご挨拶とさせて頂きます。

関連記事。イージスアショアは中距離ミサイル転用可能。露が指摘。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017123100080&g=int
コメント:政府は一言もこの点には触れていません。
関連記事。米紙、伊藤さんはレイプに対する沈黙破った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017123000283&g=soc
コメント:下手人は元TBSの安倍首相御用記者です。
関連記事。米国で高まる白人至上主義。
https://jp.reuters.com/article/global-poy-stories-3-idJPKBN1EF0JZ?il=0
コメント:米国が民主主義の守護神を放棄することが、どれだけ世界の安定にマイナスの影響を及ぼすことになるのか、おツムの弱い(エクソンのCEOのティラーソンに、一不動産業者のトランプが馬鹿にされるのは当然です)トランプには想像も出来ないようです。
関連記事。加計だけ2大学に補助金。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017123190071223.html
コメント:独裁政治家による政治の私物化。なにをか言わん。
関連記事。路上で年越し、行き場失う人々。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171230-00054041-gendaibiz-bus_all
コメント:日本でもホームレスが現実の問題になっています。これも格差拡大のナンタラミクスのおかげです。
関連記事。信号機無い横断歩道、他の車も止まらない。
https://www.asahi.com/articles/ASKDW11LPKDVUPQJ00K.html?iref=comtop_8_06
コメント:これが日本人の本性とは思いたくありません。情け無さ過ぎます。



1092.2018年は歴史に学ぶ年に 18/1/1

今年もよろしくお願いします。WTWは年中無休です。
喪中(と言うより未だ忌中)なのでアケオメ・コトヨロは(昨年はメリクリも)なしです。

『徹底非戦』。これだけが日本が世界のリーダーになれる唯一の『条件』です。
ポピュリズムと言えば聞こえはいいが、はっきり言えば衆愚政治です。米国では低所得白人層が、きれいごとばかりの民主党に愛想をつかして、トランプを担ぎ出しました。日本では、首相や官僚が不正行為を働こうとも、社会に閉塞感が満ちていようとも、現状のささやかな安寧(別名ぬるま湯と申します)を失うのが怖い。しかも野党は信用できないと思う人たちが、自民党と安倍政権を支持しています。自分達は、アベノミクスが優遇している、富裕層でも経営者でもないのにです。

日本、いや世界の諸悪の根源(テロの言い訳にもなっている)は、身分(所属階級)と経済的な『格差』なのです。人は決して平等ではないのです。しかも支配層や富裕層が見て見ぬふりをするのなら分かるが、私たちが、自分達への差別を見て煮ぬ振りをするのは、おかしいでしょう。明日も生きられるかどうか分からないという人達が大勢いるという『事実』から、『我々=被害者』だけでも目を背けてはならないのです。私たちに今最も必要なものは、実は『知性』なのです。知性と知識(情報)と判断力なのです。米国を席巻している白人至上主義の背景は反知性主義です。日本に反知性主義が入ってきた時に、日本は滅びるのです。

日本でポピュリズムが吹き荒れた衆院選で、国民の多数が自民党を選んだ結果どうなりましたか。法人税を減税して、所得税を上げ、生活保護をカットしたのです。国民は何故、自分で自分の首を絞めているのに気がつかないのでしょうか。それとも自分は一般国民とは別格の、富裕層だとでも思っているのでしょうか。知性も情報も不足し、判断力もまともとは思えない。だから私は日本が『衆愚』政治だと言うのです。無論米国の国民もです。

貧富の差をゼロには出来ないし、その必要もないけれど、その差を縮める努力こそが、民主主義の根幹なのです。何故なら、人間というものは生まれながらにして、大きな差はないし、それゆえ、平等な権利と義務を背負っているからです。

今朝はいつもより遅い5時に起きて、生さだの録画を見ながら原稿を書き始めましたが、ピコ太郎が出てきてしまったので、途中で朝生の録画に代えました。なんで忙しい私たちが地回りのチンピラの相手をしなければならないのか、さっぱり訳が分かりません。一方、朝生は朝生で、KYの上に、女性論客としての品格も教養も足りない片山さつきがやたらに口を出すので、うざったくなりました。中ではウーマンラッシュアワーの村木が、不完全なりに、主張ははっきりしていました。

大晦日は大晦日で、大掃除もしないで、「報道の日2017」というTBSの6時間番組を録画で見ていました。朝鮮半島の過去半世紀の歴史を映像でたどる番組です。我々の記憶にある、ほぼすべての出来事が再生されていました。過去の歴史を知らずに、現在の北朝鮮と、米朝関係、日朝関係を論じる事がいかに危ういことかを痛感しました。北が間違っている、米国は正しいと思いこむことで、問題は解決しないし、そもそも米国が(日本政府も)正しい行動を取ってきたわけではないのです。実際に北と南の間で、お互いのトップを暗殺する計画が何度も実行されているのです。北に身構えるなと言うことには無理があるのです。北が核開発の方に傾いた時でも、金正日が一度は話し合の場についたのです。それを米国がマネーロンダリングだと言って、ちゃぶ台返しにしたという経緯もあったのです。

私たちには歴史に学ぶという習慣がありません。そういう習慣を学校では教えないからです。あるのは現状肯定だけなのです。日本に不利な事や不名誉なことは無視する。その極端な例が日本会議です。自民党政権が長く続き、徳川幕府ならぬ安倍幕府の体制が出来てしまった(安倍将軍)おかげで、政府に対する批判も、反省も(忖度を含めて)十分に行われなくなった。歴史が全く顧みられなくなっているのです。もっとも自分が言った言葉でさえ、記憶にございませんと平気で言う政治家なのだから、歴史など知った事ではないのかもしれません。

だからこそ、未だ資料や映像や証言者が残っているうちに、繰り返し、過去の反省と総括をしておかないと、時の政権の都合の良い話だけが後世に伝わってしまい、事実認識がおかしくなって、誤った前提で将来の方向性が決められかねないのです。それこそが正に、将来に禍根を残すことになるのです。このまま大戦の総括もしないままで進んでしまえば、また日本が全く同じ間違いを犯さないと誰が言えるでしょうか。そうなると2017年は戦後ではなく、戦前になってしまうのです。だって国としては反省していないのですから、また戦争に踏み切るのです。

メディアには(膨大な)映像も資料もある。だからメディアの映像の倉庫は、時の政権から独立した情報源として、メディアが命掛けで守らなければならない、貴重な宝物庫なのです。玉音放送のレコ―ド盤みたいなものなのです。そういう意味で、NHKが本来の使命感に目覚めて、まともに国民の為に機能してくれるのであれば、視聴料は惜しくありません。それはその情報が、国民を守る武器になるからです。しかもそれはメディアにしか出来ないことなのです。

好むと好まざるとに関わらず、肯定と否定とに関わらず、現在は現代の延長線上にある。現代は近代の延長線上にあるのです。それを無視して、自分達の都合の良いように歴史を書き換えていたら(歴史修正主義=日本会議、安倍首相)、人類の記憶も文化も成立しなくなるのです。そうはさせないために、即ち子孫の為に、真実と歴史を保管する。それがメディアの仕事なのです。

話は違いますが、NHKで、今一番面白い番組は「チコちゃんに叱られる」です。質問(但し雑学)に答えられないと、CGの5歳児(口の悪い女の子)が「ボーッと生きてんじゃネーよ!」と湯気を立てて怒る番組です。スミマセン、(私も)ボーッと生きています。

なお首相の年頭所感は割愛させて頂きます。まず首相の長期政権を国民は望んでいません。まずそれをはっきり言っておきます。しかも守るつもりもないお子様の発言をいくら拝聴しても『イミネー』のです。先月、翁長知事が安倍首相に会いに来たのに、安倍首相は面会を断り、ダウンタウンの松本と会っていたと言われます。松本の方が翁長より、首相にとっては重要な存在だったということです。だからこそ首相から、毎回漫画(またはお笑い)のような政策ばかりが出てくるのでしょう。



1093.タレントの質 18/1/2

結局『紅白』を録画で見ました。少なくとも、これまでの同番組の中では、最もまとまっていたことは認めなくてはならないと思います。とりわけ(グランド)オープニングが良く組み立ててあり、アカデミー賞やトニー賞の授賞式を意識したものになっています。司会の内村も一応そつなくこなしていましたが、最後まで素でやればいいものを、ハゲ上がったかつらは全く余計です。

歌では安室と、高橋真梨子が、歌唱力(表現力)で群を抜いており、彼女たちに比べると、それ以外の歌手、特に松たか子は、歌手として未だアマチュアの域を出ていないという印象でした。だから演歌歌手が良いかと言えば、石川のようにアクが強くて、もう沢山といういう場面もありました。但し演歌歌手なのに、島津亜矢のThe Roseは、ベット・ミドラーの名唱には及ばないまでも、十分、聞くに堪えるものでした。

歌は、歌詞とメロディーがマッチして、それを歌手が巧みに表現し、聴衆の共感を呼び起こす時間芸術であって、(空疎な)言葉を並べれば、歌になるというものではないのです。松たか子の作った朝ドラ(笑ろてんか)のテーマ曲は、歴代の中でも、最も印象の薄い作品になりました。

松たか子が、歌手として成功する為に必要なこと、そしてプロの歌手として最低限度の表現力を身に着けるために必要なことは、自分が書いた曲ではなく、プロが書いた曲でいいから、とにかく一曲でもヒット曲を出すことなのです。俳優としての知名度だけで引き付けようとすれば、それは同情票でしかなく、視聴者に対して失礼だという事を、彼女自身が理解する必要があるのです。

ゆずの曲をトリに持ってきたのは正し選曲だったと思いますが、同じシンガー・ソングライターとしては優等生の彼らでさえ、表現力という点でも、歌唱力でも、未だ円熟とは程遠い段階だと思います。

ついでだから書いてしまいますが、紅白を見ていて不愉快なもの(者)が3つありました。それは黒柳徹子、加藤一二三、そして渡辺直美です。彼らのNHKへの貢献度がどの程度のものか私は知りませんけれど、少なくも前の二人は老醜の域に達しており、もう一人も、見ているだけで辛いものがあります。無論ビヨンセとは似ても似つかないのです。

この3人は、多分才能にも恵まれており、人柄も良いのかもしれません。それはそれでTVに引っ張り出す意味はあるのかもしれませんが、ならばそういう場面、即ち、その才能を発揮できる場面だけにして欲しいのです。黒柳ならトーク、加藤は将棋の解説などです。ちなみに直美の適切な使い道は、私には分かりません。それがぜい肉を震わせる、ぞっとするようなシーンでないことだけは確かだと思います。

一方で、紅白とは関係ないが、見てくれだけでなく、人柄にも問題があるのは、ビート・タケシと、梅沢富美男です。思い上がった態度と、ぞんざいなタメグチが、この二人の特徴です。同じ高齢のタレントでも、所とサンマを上げないのは、後者は、自分の立場と限界を弁えているからです。しかも自分の存在が、同席のゲストや視聴者に不快感を与えないように、細心の注意を払っています。それはプロのタレントに最低限、要求されるマナーでもあります。

TV局も、ちょっと知名度があって、使いやすいからというだけで、消耗品としてタレントを使うのはそろそろ止めにして欲しいと思います。勉強する時間もなく、本を読む時間もない彼らは、質が落ちる一方だからです。それはタケシについても言える事です(徹子の場合は全く違っており、勉強も、社会活動もしていた)。そもそも番組とタレントの好感度のアンケート(理由のついた)が定期的に必要なのです。

以前の雑誌のアンケートでは、クリームシチューが好感度で下位でした。それはそうでしょう。司会をしていて、ゲスト出演者をおちょくるはおろか、馬鹿呼ばわりの悪口三昧。それを見ている視聴者が、気持ちの良いはずがないのです。同じダミ声でも、鶴瓶の場合は相手に対する配慮があります、だから「家族に乾杯」の視聴率が安定しているのです。

いま、一社で番組を持つところは少ないので、商品の不買運動が出来ない以上、私達視聴者に出来る事は、ツッパリ芸でタメグチの(若手を含む)、好感度の低い芸人が出てきたら、チャンネルを変えることくらいしかないのです。
関連記事。紅白大成功。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180101-00000144-sph-ent
関連記事。山中教授、仕事の半分は寄付活動。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180101-00010000-newswitch-bus_all



1094.さらばレンゴー 18/1/4

・連合が民進再結集模索。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010300303&g=pol
コメント:連合が日本の労働運動に果たした負の役割には計り知れないものがあります。民意を無視して、民主、民進を保守の方向(例えば原発再稼働)に捻じ曲げてきたことを許すわけにはいきません。連合の価値観が最も近い政党は民進ではなく、せいぜい希望か維新でしょう。リベラルの中の保守どころか、『保守の中の』リベラルでさえないのです。自民党支持に回ってくれた方が、分かり易いくらいです。なぜなら経団連と同じ価値観だからです。連合も経団連も、311で何かしたという記憶がありません。それは自分達さえ良ければいいという、トランプと相通じる価値観を持っているからではないでしょうか。
そもそも立憲の中には、連合の存在する場所などないのです。既得権に胡坐をかき、集団的自衛権でも秘密保護法でも汗はかかずに、偉そうに構えるだけ。それを国民が評価する訳がないのです。立憲は、『リベラル』な国民の為の政党なのです。
野党の党首が時々口にする、保守でもリベラルでもない、という言葉にも違和感があります。いまこそ、リベラルが復権しないと、本当に日本はおかしくなってしまうのです。なぜなら日本の超保守化にブレーキを掛けられるのはリベラルしかないからです。マイルドな保守が超保守にブレーキをかけるというのは幻想です。権力者による支配の構図という意味では、両者は同根だからです。
いま日本とその国民に最も必要なものは、21世紀にふさわしい、全く新しい概念と体質の労働者の、押し付けでない『自発的な』組織なのです。連合のような形骸化した組織の出番ではないのです。連合は、渡部恒三や仙谷と共に消え去るべき過去の遺物なのです。
以前から言っているように連合の役員の待遇は公表するべきです。何故ならそれは労働者の組合費で賄われているからです。連合は放送局の中でのNHKのような存在です。NHKも職員の待遇を明らかにすべきです。費用負担だけを組織員(或いは国民)に強制し、自分がなすべき役割は果たさない。政権と国民の間でバランスを取ってくれと国民は願っている訳ではないのです。NHKのあるべき姿は、『常に』国民の側に立った報道姿勢を取ることなのです。そして労働組合にも同じこと(労働者の為に)が言えるのです。
政府の御用組合などに存在価値はないのです。だから野党がいつまで経っても政権が取れないのです。それは、最後には企業寄りになる連合の影がちらつくような『偽』のリベラリズムを、国民が嫌っているからなのです。
結局『紅白』を録画で見ました。少なくとも、これまでの同番組の中では、最もまとまっていたことは認めなくてはならないと思います。とりわけ(グランド)オープニングが良く組み立ててあり、アカデミー賞やトニー賞の授賞式を意識したものになっています。司会の内村も一応そつなくこなしていましたが、最後まで素でやればいいものを、ハゲ上がったかつらは全く余計です。



1095.なんで日本の国民が原発ビジネスの後押しをしなけばならないのか 18/1/4

・英に原発輸出。政府が債務保証。1.5兆。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180103-00000000-mai-bus_all
コメント:これは明かに買う側、即ち英国側の問題でしょう。彼らが世銀から金を借りればいい話です。それともまさかメイ首相の来日帰国時のお土産(裏約束)ではないでしょうね。とにかく外交の情報は全部、外交機密をいいことに闇の中です。だから政権のやりたい放題です。こんな状況では、安倍首相がどんな約束をトランプにしていても不思議ではありません。なにしろ全部自分で決められると思い込んでいる自我肥大症(ついでに誇大妄想狂)なのですから。
なぜそこまでして、安倍首相は、自国の国民に負担を強いるのでしょうか。生活保護費を削ってまで、法人税を下げ、防衛費を増やしているのです。そのうえで、企業の債務保証まで国がするというのでしょうか。個人的な見栄のためなら、いっそ全額寄付にすればいいのです。それも首相と経団連会長のポケット・マネーで。
現代の(特に重厚長大な)日本の大企業のように、コンプライアンスも不在で、内容がスカスカになった空疎な企業体は、中身の腐った大木と同じであって、『必ず』倒れます。それが歴史の必然なのです。それが株価の暴落となり、大恐慌の引き金となるでしょう。だから2018年は危ない年になると警告する専門家もいるのです。
日本の財政は国債で支えられている。でもその裏付けになっている国民の貯金にも限界があるから、それを当て込んでいる国債も総崩れになる可能性があります。利払いさえできなくなるデフォルトの状態です。それ等は全て、過度に企業に偏ったアベノミクスと、『不健全な』財政政策の責任、即ち安倍首相の責任なのです。



1096.年末年始の番組から。18/1/5

年末年始恒例の特番は、皆長いので、録画して早回しで見ました。紅白も同様です。紅白の裏場組で定番のガキ使いは、最後は下ネタに頼るので、後味が良くありません。今回はエディ・マーフィーに扮した浜田のメイクが物議をかもしました。でも私は人種差別には当たらないと思います。

報道トーク番組では、朝生より、テレ朝の、(司会でない)田原と室井、青木が並んだ5時間の討論番組の方が活気がありました。

ドキュメンタリーではNHKの「伊藤英明の大シベリア」(2回)が、日本人の知らない世界を紹介していました。

そして数ある番組で一番『良かった』のは『歌唱王、選手権」です。予選で勝ち抜いている選手ばかりなので、素人と言っても、CDを出せるレベルにあり、(名ばかりの、或いは学芸会のような)下手ピイは一人もいません。下は10歳から上は66歳まで。職業もバラバラです。下手でないどころか、歌唱力だけでなく、表現力も備えており、曲の意図する感情を、自分なりに表現していました。プロを超える歌手さえいました。

中でも塾の講師の「ラブ・イズ・オーバー」と、路上シンガーの、「旅立つ日」には、総毛立つ(鳥肌が立つ)思いでした。ショウとしては紅白の方がまとまっていますが、歌番組としてなら、選曲でも、歌唱力でも、完全にこの番組が紅白を凌駕していました。

ところで、ついでに見たNHKの「ピタゴラスイッチ」が面白い話を紹介していました。それは鳩にフランスパンを与えていけないという話です。試しにフランスパンを輪切りにして鳩に与えてみると、何が起きると思いますか。鳩はフランスパンの内側の柔らかい部分をついばみます。そして万垢に大きな穴を明け、パンが固い皮だけになっても、未だつつこうとします。するとその勢いで、パンの輪が跳ね上がり、鳩の首に掛かります。その結果、ここでもあそこでも、鳩がパンの輪を首に掛けたまま、歩き回る姿が見られるようになるのです。鳩の首が締まる訳ではないし、遅かれ早かれ、パンの輪は鳩の首から外れますが、一時的に珍妙な光景が現出するのです。



1097.日本経済要注意。18/1/6

今年最初のWTWの警告です。

100年前、即ち1918年が日本にとって大きな節目の年だったと、寺島実郎が昨夜、解説していました。日英同盟を結んだ日本は、『英国との集団的自衛権を理由に』、中国に進出し、ロシアから権益を奪い取ろうとした。しかもそれは英国でさえたしなめたというものです。そこから植民地主義にのめり込み、太平洋戦争で全てを失うまで、日本の帝国主義と軍部主導による泥沼の戦争が始まったのです。

昨年も申し上げましたが、私たち現代に住む日本人にとって、たった一つだけ大事なことは、歴史、特に近世以降の現代史を学び、同じ失敗を繰り返さないことです。正しい歴史観を持つことでしか、歴史修正主義者に事実を捻じ曲げられ、子供たちが嘘を刷り込まれることを回避する方法はないのです。とりわけ保守の政治家は、今も昔も、巧言令色の専門家ですから、彼らの言葉を信じて、彼らに『判断の全て』を任せることほど、危険なことはないのです。

信じるべきは自分の信念と良識以外にはあり得ないのです。権力者(いまなら独裁者の安倍晋三)に依存し、自ら考える事を放棄した結果が、原爆投下を含み、日本が打ちのめされ、焼け野原になった原因でもあるのです。それを思えば、核を使えば国が亡くなると北を威嚇している現在の日本の立場が、いかに異様な価値観(戦争の加害者でも被害者でもあったのに、いつの間にか攻撃する側に回っている)に基づいているかも、『正しく』理解できるでしょう。

関連記事。核使えば北はなくなる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180105-00050089-yom-pol
コメント:防衛省の発想は硬直化しています。そうした態度が戦争の引き金になるのです。
関連記事。南北会談に日本警戒。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010501163&g=pol
コメント:なにを言い出すのやら。緊張緩和は好ましい事ではないか。それとも平和や自国民の安全より、国家(と言うより安倍個人)の見栄や、権益の方が気になるとでも言いたいのでしょうか。それとも北が動いたのも、圧力の結果だと言いたいのかもしれません。しかし制裁の為の制裁では意味がないのです。どうすれば相手を動かせるかが問題なのです。
関連記事。EEZ権益、法整備へ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010501131&g=pol
コメント:戦前の日本のデジャブです。

現在の株高には、戦争の臭いを嗅ぎつけた金融業界が、はしゃいでいるからだという見方もあると、寺島が述べていました。経済も本来が産業論であるべきなのに、株価の話に引き寄せられている。マネー・ゲームでの勝者を目指している。金融市場がビデオ・ゲーム化していると警告しています。ビット・コインのような『合法的な』過熱気味の取引も、そういう歪んだ経済状況を映し出している、だから危ういように、私には思えるのです。

寺島文庫に出席した専門家も、日本ほどマネー・ゲームに適さない国はないと言っていました。未来永劫勝ち続けることなど不可能なのです。株価だけを気にするように、企業の体質が変わってきていること、そして技術力が落ちてきていることは、最近の企業コンプライアンスの劣化を併せて考えると、無視できない危険な兆候のように思えます。それらが連動して、結果的に、私が申し上げてきたような(金融)バブルの崩壊につながるからです。しかもマネー・ゲーム市場を、今や必要のない官製相場が押し上げている。このような先見の明を欠いた日本経済が危ないと思うな、と言う方が無理なのです。

そしてもう一つ。我が国の国民には基本的な認識が欠けています。それは米国の抗議行動のポスターにもある通りです。それはWe are 99%です。そしてTaxed Enough Alreadyなのです。ロバート・ライシュが講義したNHKEテレの経済特別番組で紹介されていました。エコノミック・フェアネス、インカミング・インイコーリティという概念、そして格差は努力が報われるという約束と矛盾している(アバマの演説)という理解が、日本では欠如しているように思えるのです。

関連記事。世界株高どこまで、投資指標に割高感。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25377450V00C18A1EA2000/?nf=1
関連記事。株高で生活豊かになったか。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010501137&g=pol


【注目記事】

・生活保護引下げ反対デモ。
http://diamond.jp/articles/-/154619

・南北会談は吉報。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/post-9257.php

・モノ作りの現場を蝕み、産業を滅ぼす日本病。無責任。問題先送り。
http://diamond.jp/articles/-/154056
コメント:安倍政権と同じです。



1098.問題意識の有無が問題。18/1/7

・国交省、橋・トンネル修繕に本腰。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180106-00000054-jij-pol
関連記事。開かずの踏切解消へ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25417780W8A100C1MM8000/
コメント:結構と存じます。出来るかどうかは別の問題です。問題意識を持つことが大切なのです。国交省よ、日本の行政の星になれ。

正しい問題意識を持てないことが、安倍政権の欠点です。政府の北への対応を見ているだけでも、誰にでもそれは分かります。間違った『忖度』が悪いのは、政権の歪んだ価値観を助長することが多いからです。真の『忖度』は、結果として政権による政治の評価を高める事で、そのためには政権が見当違いのことを始めたら、おおそれながらと諫める事なのです。

現政権の(余りにも数が多い)見当違いは、IQが低いからと言うよりは、間違った価値観(歴史観)にしばられているためです。それこそが目に見えない『岸の亡霊』による呪縛なのです。日本にいま最も必要なものは、改憲などではなく(どの国で首相が改憲を言い出すのでしょうか。それをやっているのは、憲法が邪魔な独裁国家のトップだけです)、あべ(安倍清明)による、あべ(安倍晋三)に対するお祓いなのです。歪んだ価値観に色付けされている安倍政権。だからこそ、一日も早く交代させたいのです。

岸の呪いの一つの例が、企業、それも大企業だけを優遇することです。その結果何が起きたのか。国民の可処分所得は増えずに、企業には膨大な余剰金が溜まったのです。使い道に困った企業は、海のものとも山のものとも分からない海外企業の買収に、しかも大盤振る舞いのように使っているのです。一体、日本の企業は何回海外企業のM&Aで失敗すれば懲りるのでしょう。結局自分の金ではない、即ち博打で儲けたあぶく銭という意識があるからこそ、そういう無駄遣いを平気でするようになるのではないでしょうか。

何故、自社の技術開発や新事業の為に資金を使おうとしないのか。そのどこに『進取の気性』があるというのでしょうか。既存の企業や技術に投資するのではなく、新しい技術や、新素材、新サービス、それらを支える将来性のある人材に投資するべきではないのか。実力も、理念も展望もない、しかも頭の固い二流の経営者しかいない日本の企業に、誰が投資するというのか。だから早晩、日本の大企業は経営の行き詰まりで凋落し、株価も暴落することになるのではないか。それも無能な経営者の続投を前提にした、安倍政権の経済政策の失敗です。日本の経営者とイーロン・マスクとの間の距離は、最早天文学的な数値なのです。

様々な既得権や利権を優先した結果、階級差が拡大し、不満のやり場のない低所得者層を中心に、悲惨な事件が量産されています。国民の存在と、個人の権利(基本的人権を含む)の軽視。首相のみならず、麻生も二階も国民目線とは程遠く、政権と自分の権力にしか関心はないらしい。それが安倍政権の正体だとしか考えられないのです。首相の自分は一般の国民とは違う特別な存在だという意識が、衣の下の鎧のように見え隠れしているのです。

政権のトップに順法の精神がないのだから、その下々(佐川など)が何をしても一向に不思議ではない。その結果、日本の国と国民から、社会正義が失われてしまっても至極当然なのです。モリカケ問題の本質は、政治の公正、透明性と、社会正義が失われていることであり、だからこそこれ以上、日本の政治で不正がまかり通らないようにするために、忖度の構造を徹底的に究明しようとしているのです。ゆえにこの問題追及に、いくら時間を掛けても掛け過ぎる事はないのです。その目的が『日本の政治の不正と歪み』を根元から糺すことにあるからです。
関連記事。9条支持、国連決議を。日独学者。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201801/CK2018010602000138.html
関連記事。改憲阻止が歴史的使命。共産。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010600420&g=pol
関連記事。監視社会と民主主義。朝日社説。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13302712.html?iref=comtop_shasetsu_01
関連記事。私の顔を忘れて頂きたい。前川前次官、民間人へ。
http://www.huffingtonpost.jp/abematimes/maekawa-kihei_a_23325574/?utm_hp_ref=jp-homepage
コメント:前川の顔は忘れても、佐川の顔は忘れない。




1099.首相の嘘には飽き飽きです。18/1/8

安倍首相の年頭の辞、「国民を守る為に真に必要な防衛力の強化に取り組んで行く」とは、どの国の首相の言葉なのでしょうか。彼の頭の中の『王国』には、少なくとも平和憲法やその精神が存在する余地はなさそうです。
憲法の9条の自衛隊へ併記案の本当の目的も、この言葉でバレバレです。相も変わらず、本音を隠して嘘をつき通し、国民をその場限りで騙しておけば、後はどうとでもなるという悪循環を性懲りもなく繰り返して、ここまで来たのです。
トランプの暴露本が出た以上、AB晋三の暴露本が出ても少しもおかしくはないのです。出版の差し止めに向けて政官は(忖度=ゴマすりで)必死になるでしょう。それでも私は出版に必要な資金と、著者の弁護費用のためなら喜んで寄付する覚悟があります。子供や孫を、戦火や兵役から守る為なら、それが10万でも、100万でも安いものです。
いま日本に必要なものは、安倍政権の続投を許さない、国民の意思表示と、大きな声なのです。安倍首相を三選どころか、選挙なしで続投させようという二階などは、野心だけのゴマすり茶坊主でしかなく、だから国にとっても、国民にとっても、有害無益な存在なのです。
関連記事。国産のミサイル量産へ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180107-00000002-mai-pol
関連記事。枝野、国税庁長官の辞任要求。
https://this.kiji.is/322624992485934177?c=39546741839462401
関連記事。枝野、統一会派は自己否定。
https://this.kiji.is/322580701914858593?c=39546741839462401
コメント:私もそう思います。今は立憲を支持してくれた国民の気持ちを大事にして、立憲の理念を揺るがさず、支持者を拡大することの方が重要です。急がば回れです。右傾化して崩壊した民主の二の舞は御免です。日本のリベラルには後がありません。同じ間違いを二度もやっている余裕はないのです。図体が大きくても、力の弱い烏合の衆よりは、主張と価値観が明確な、小さい集団の方が将来強い力を発揮するのです。成長の芽がそこにあるからです。共闘も否定はできないが、それも政策ごとの緩い結束であることが前提です。特に希望は右傾化した小池・前原の縛りもあって、結党の経緯から言っても自民党寄りであり、民意という観点からは、立憲が一時的に組むのなら、むしろ自由と共産でしょう。



1100.危機を作り出す人々。18/1/9

・日本外交危機。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180108-00000033-asahi-pol
コメント:何を言うとかと思えば。危機を作っているのは、定見も理念もない首相と外相自身ではないか。それからいい加減に専用機の(甘えた)希望を取り下げよ。この二人に共通しているのは甘えん坊のお坊ちゃん体質であり、そういう人は、他人への思いやりの能力が欠如している(要は火とよがり)ので、本来人の上に立ってはいけないのです。この二人の欠点は、共に自分の言葉に責任を持たないこと(平気で前言を否定する。約束を守れない)であり、だから責任のあるリーダーには不向きなのです。

・明治維新から150年。保阪。
http://toyokeizai.net/articles/-/203511

・史上最低の大統領グラントとトランプの類似点。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52009