「WTWオピニオン」

【第57巻の内容】


「米国の嘘、日本の嘘」
「得意技は暴走かい(河野と安倍)」
「とりあえず北の勝」
「軽はヤバいよヤバいよ」
「モリカケ問題の本質を誤解していませんか」
「自衛隊は合憲である」
「円はどうなる」
「反省しない人達」
「皆は一人のために」
「獄中日記で借り返す」
「制裁は弾圧に対して」
「国会を中継せよ」
「三文オペラ」
「どアホノミクス」
「欲望の民主主義」
「アベトラの暴走を阻止せよ」
「女性の時代へ」
「菓子折と小判の関係」
「忖度ではない圧力です」
「貧困からの脱却」



1121.米国の嘘、日本の嘘 18/2/11


2/9に、NHKの映像の世紀プレミアム(BS)第8集「アメリカ自由の国の秘密と嘘」の放映がありました。こういう場組が出来るのは、NHKが未だ完全には政権の支配下にないという証拠であり、国民が視聴料を払う理由です。

ベトナム戦争にしても、ウォーターゲートにしても、政府(もしくは大統領)が国民に嘘をついたことが、それぞれの政権の破綻につながりました。ニクソンは自分に批判的な要人を次々に解雇しました。いまのトランプと同じやり方です。しかし司法長官が立ちはだかり、裁判所から証拠の録音テープの提出を命じられて、不関与の嘘が公となり、任期途中で辞職に追い込まれた最初の大統領になりました。

ニクソンにはベトナム戦争を止めさせたという功績があるし、反対派の買収工作も実際には未遂だったのですが、自分は関与していないと最後まで言い張ったことが、裏目に出ました。

この光景は日本人にもなじみのある光景です。モリカケゲートで、自分は関与していないと言い張った首相がいたからです。いかに書き物や、肉声の録音のような物的な証拠がなくても、暗黙の指示、或いは側近の過剰な配慮(忖度)で、加計学園では結果的に自分(達)の「望んでいるように」ことが進んでいる。だから中止もしないし、再検討も白紙撤回もないのです。

仮に首相の意図しない方向で、事が進んでいるのなら、直ちに決定を覆し、再検討を命じるべきでしょう。でも自分の息のかかった委員ばかりで構成されている委員会を再編成しない限り、また同じ結論が出るだけなのです。でもそれはしない。その言い訳もまた、官僚が決めたことに口は出さないという理由です。

自分に都合の悪い時は総裁と首相の立場を使い分けて一言も二言も言うのに、都合の悪い時は見て見ぬ振りです。籠池を非人道的な方法で長期拘留させるべきではないのに、それは知らぬ顔です。その方が自分には都合が良いからです。即ち「警察」に「忖度」させているのです。

何事によらず、下々が全て首相の顔色を伺い、その意を汲んで、或いはその意に沿おうとして、時には違法な行為まで繰り返す。そんな社会が、どういう社会になるのか。一般論として首相のご意見をお伺いしたい。権力と制度が腐敗し、不正と不平等が当たり前の社会、それがあるべき日本の形なのでしょうか。政治から、正義と平等を取り去ってしまえば、それはもはや民主主義の国でさえない。醜い(即ち美しくない)独裁国家に過ぎないのです。

モリカケでは状況証拠がそろい過ぎているのです。行政が安部首相の意図した方向で進んだという結果自体が、揺るぎない証拠なのです。だから国民が怒るのは、不自然でも不当でもなく、当たり前のことなのです。

ニクソンを見れば、安倍首相も辞任に相当します。またトランプが、いかなる理由にせよ、北と第二次朝鮮戦争を始めれば、死ななくても良い命が大勢失われるのです。ベトナムで理由も分からずに死んだ米国の若者は5万人。ベトナム人の犠牲者はなんと380万人です。安倍首相がいかに戦後生まれでも、その事実くらいは認識できるでしょう。

一方、ネットではリベラルなメディアに対するネトウヨ(しかも名無し)の執拗な攻撃が続いています。それを見ていると、NHKでさえ、この番組のように健闘している場合があることだけは言っておかねばなりません。かたやネトウヨの特徴は、匿名性と事実の曲解です。即ちフェイクを作り出しているのです。言い換えれば、彼らもまたマクナマラやニクソンと同じ(または某首相のように)、「嘘つき」なのです。彼らがしきりに煽っている、対中、対北の戦争も、それが一旦始まれば、国民を置いて、最初に逃げ出すのもまた彼らなのです。
関連情報。映像の世紀プレミアム。
https://www.nhk.or.jp/special/eizo/program/

・米株、最悪期は脱したのか。
https://jp.reuters.com/article/us-stx-idJPKBN1FT2ZS
関連記事。投資マネー逆回転。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26791690Q8A210C1EA2000/
コメント:もともと大騒ぎするほうが間違っています。グラフは中長期で見るべきです。昨日の日経のTV番組で専門家が言っていたことですが、米国の経済成長が3.8%ある。だから今回の暴落の引き金になった金利上昇が仮に2・8%になっても、事業では利益が出るという点を指摘していました。右往左往してもあまり得することはありません。ちなみに日系のアンケートでは、景気回復の実感なしが国民の83%です。いま浜矩子の、「どアホノミクスへ最後の通告」という本と、丸山俊一の「欲望の民主主義」という本を読んでいますので、後日報告したいと思います。

・南北朝鮮対話。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13354850.html?iref=comtop_shasetsu_01
関連記事。金与正の青いファイル。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021000553&g=int
関連記事。五輪外交に期待できない。
https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2018/02/post-7.php
コメント:はやりトランプよりも(安倍首相よりも)北のほうが上手です。




1122.得意技は暴走かい(河野と安倍) 18/2/12


・外務省に国連制裁室。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180211-00000507-san-pol
コメント:河野の暴走。しかも最近では総理候補の声さえ。日本の国民は、どこまで騙され続ければ気が済むのでしょうか。日本の国民も、米国でトランプを支えている米国民と同じレベルまで下がったと思いたくはありません。問題は安倍晋三よりも、国民の羊化現象にあるのです。日本の国民が愚かであったが故に、権力者による戦争に巻き込まれて300万人の国民が命を落としたのです。70年もたつのに、未だに民主主義の理念も仕組みも、更に現代史から学ぼうとはしません。現状をひたすら肯定して、その結果ゆで蛙になっています。せめて安倍政権の言い分を「無条件に」信頼するのだけは辞めにしましょう。信じるのは自由ですが、せめて反対意見を聞いてからにしましょう。安倍政権が長続きしているのは、それで得をする人達が、(庶民にではなく)政策に影響を与えられる立場の人達に、大勢いるからなのです。

・9条改正、首相は大嘘。枝野。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021100446&g=pol

・韓国大統領。安倍首相に不快感。
https://this.kiji.is/334982545971004513?c=39546741839462401
コメント:逆の立場なら安倍首相も同じように抗議したでしょう。相手の立場(日本国民の立場にも)立つことができないから、安倍首相は使えないのです。

・ヘリ被害者に暴言。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180211-00000006-mai-soci

・クリーンなカジノ等あり得ない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52294
2/9に、NHKの映像の世紀プレミアム(BS)第



1123.とりあえず北の勝 18/2/13

・IOC会長、平昌五輪後に北を訪問。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180212-00000029-jij_afp-int
関連記事。金正恩妹、特使。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180212-00000019-yonh-kr
関連記事。米、北と対話の用意。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021200348&g=int
関連記事。揺らぐ日米間連携。
http://toyokeizai.net/articles/-/208497
コメント:トランプや安倍首相の思うように、世界は動かないということです。北だって、これまでさんざん恫喝してきましたが、実際に日米の外国の領土を攻撃したことはない。ところが日米は、実際に手を出すことを前向きに、即ち局地先制攻撃という形で検討しています。口先だけの国と実際にやりかねない国。両者の中でも、特に後者を、世界が歓迎するはずはないのです。今のところこの勝負は北の勝です。その理由はアベトラの知能程度がお粗末だからです。
対話の為の対話は意味がないと安倍首相は言います。対話しないのなら、無条件降伏を要求しているのでしょうか。それは最早準戦争行為です。降伏しなければ兄貴に頼んで武力で攻撃してもらうと言っているのと同じだからです。自分が北のリーダーならそんな(無)条件を受け入れますか。人一倍見栄に拘る首相なのです。
安倍首相も、俺が俺がと子供っぽく騒がずに、大人として狡猾に振る舞い、ここはプーチンに花を持たせればいいのです。北に核兵器を使わせないという実を取ることが重要なのです。
但し今回の首相の韓国訪問は評価します。でも基本部分で、外交が分かっていない、しかもタカ派の首相と外相では、国民は枕を高くして寝ていられないのです。国会議員は、定期的にIQのテストと憲法、国際関係論、それと倫理の試験を受けることを義務付けるべきです。



1124.軽はヤバイよヤバいよ 18/2/13

・75歳以上ドライバー、軽の致死率1.6倍。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180212-00050002-yom-soci
コメント:というより軽の事故率を公表すべきです。安定の悪い軽が、高速道で追い越し車線日本居座ったり、普通車を追い越す光景が普通に見られること自体異常だし、性能が過剰(或いはアンバランス)であることを示しています。無論その代償は普通車と変わらない燃費です。軽こそ安全にもっと金を掛けるべきです。



1125.モリカケ問題の本質を誤解していませんか 18/2/14


昨日の予算委員会で、長妻の森友の追及は全く精彩を欠いていました。江田憲司の追及の方が、声も荒らげずに、スマートで、しかも要点を突いて効果的でした。長妻の時代は終わろうとしているのでしょうか。無論、悪いのは佐川隠しの安倍政権の方ですが、立憲は枝野、長妻、蓮舫に代表される、堅苦しいイメージを変えていかないと、多くの国民の支持を得らえないでしょう。モリカケ問題では、証拠を論じるのではなく、一国の代表や政府が、嘘や忖度を黙認或いは事実上奨励(佐川の昇進)するような国が、将来どうなると思うか、子どもの教育上それが好ましい政治家と官僚の態度なのかを、淡々と質問すればいいのです。

忖度はゴマすりにすぎず、結果としてのえこひいきが、大手を振ってまかり通るような、徳川幕府の田沼政治の復活などあってはならないのです。行政は国民に対して、常に公明正大でなければならないのです。忖度があったかなかったかが、この問題の真の争点です。

また質問者に起用するのなら山尾の方がいいでしょう。辻元でもいいが、やや堅い感じがします。しかも辻元には安倍・麻生はいつもの冷笑で対応するでしょう。でもその冷笑こそ、実は国民に向けられたものであることを国民は理解する必要があります。安倍政権を批判する者は、彼らにとっては国民ではないようです。

満足に三度の食事もできない子どもが大勢いるような社会のどこに、基本的人権や平等があるのでしょうか。誰のための景気回復なのでしょうか。昨日の予算委で、無所属の会の原口が、日本の企業は、「いまだけ、カネだけ、自分だけ」の経営だと指摘していました。更にゼロ金利で、おカネが失業している状況が続いている。一般会計の歳出と税収の、いわゆるワニの口は開くばかり。株を買い込む日銀の当座預金の三階層構造を指摘し、日銀はバランスシートの安定を図るばきだと述べていました。管制株価ではなく、市場の事は市場に任せよと述べていました。

株価に政府が大きく関与しているのであれば、それは意図的な株価操作です。それで株価が上がったのなら、それは経済のファンダメンタルによるものではないし、だから「あぶく銭」として、企業が内部留保に回してしまう(それだけ企業が慎重だということです)のです。だかラ安倍政権は言わないが、日本経済は薄氷を踏んでいるようなものなのです。即ち何かの切っ掛け、例えば安倍首相の失脚で、将来暴落が起きても少しも不思議ではないということになります。

モリカケ問題も国の予算の問題の一つです。モリカケから、次第に国民の関心が薄れつつあることは事実です。しかしこれは政治倫理の根本的な問題である以上、結論が出ない内に蓋を閉じるわけにはいかないのです。なので、担当の野党議員を選別してでも、細く、長く追及を続けるべき課題なのです。

原口は総務相時代に、目前で話を聞いたこともありますが、江田と同様、バランス感覚を備えた数少ない野党議員です。
関連記事。首相と加藤大臣の答弁に無理。一日の労働時間23時間。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180213-00000127-jij-pol
関連記事。安倍首相またも朝日新聞非難。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021300629&g=pol
コメント:大人げない振る舞いです。それに働き方改革なるものの中味が、実は経営者のためのものだということがはっきり分かります。



1126.自衛隊は合憲である 18/2/15


昨日の予算委員会での、枝野の質問は当を得ていたと思います。元弁護士の面目躍如のロジカルな説明でした。とりわけ、首相の解散権には、根拠がない事の、歴史的な説明の前に、安倍、麻生は全く歯が立ちませんでした。麻生などは、事前通告がないとか、立って質問せよというのが精一杯の醜態でした。

質問の冒頭で指摘した、一般的な労働者の平均的な法定時間外働時間の数字が、一日1時間、一か月8時間という数字を出し、裁量労働制が長時間労働の拡大になる、それが首相の働き方改革だと指摘していました。

選挙ではミサイルが飛んでくるので存立危機が存在していると言いつつ、裁判では別の解釈を提示しているのもおかしいと指摘していました。首相による9条の改憲案も、立憲民主を含む、多くの議員が自衛隊は専守防衛の範囲で全く合憲だと思っており、改めてそれを憲法に明記する必要はないという主張もその通りだと思いました。

独や英では議会が解散権を持っていると述べ、内閣が議会の解散権を含む、絶対の行政権を持つのはおかしいと指摘していました。

なお希望の小熊も、脱原発で、要領よくポイントを突いていました。水力初でも未だポテンシャルがあると指摘していました。プルトニウムの在庫量についてさえ、政府は原則論を述べるのみで、まともに答えられませんでした。

なお希望の小熊(おぐま)も、脱原発で、要領よくポイントを突いていました。水力初でも未だポテンシャルがあると指摘していました。プルトニウムの在庫量についてさえ、政府は原則論を述べるのみで、まともに答えられませんでした。

原口は米国からの武器輸入が、納期にも品質にも問題があり、損害についての清算も行なわれていない。それがアパッチヘリの墜落にもつながった。日本はトランプの財布ではないと指摘していました。安倍首相の答弁はしどろもどろでした。

因みに沖縄・北方の江崎は沖縄の予算の事は何も分からず、ヘリ墜落の時に、当時沖縄に居たにも関わらず現場にも行かず、希望の後藤の質問に対する答は、完全に支離滅裂でした。
関連記事。首相が謝罪。
https://www.asahi.com/articles/ASL2G5F5RL2GUTFK017.html?iref=comtop_8_01




1127.円はどうなる 18/2/17


・円105円台。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180216-00000087-jij-bus_all
関連記事。政府・日銀、円高をけん制。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021601058&g=eco
関連記事。リフレ派起用でも止まらぬ円高。日経。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26999770W8A210C1000000/
関連記事。日銀、金融政策正常化に手詰まり感。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180216-00000106-mai-bus_all
関連記事。マイナス金利2年。苦しむ金融機関。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180216-00000028-san-bus_all
関連記事。日銀は出口戦略をコッソリと始めている。
http://toyokeizai.net/articles/-/207538
コメント:寺島塾で、専門家が、一層の金融緩和を叫ぶ人達よりは、黒田の続投の方が望ましいと述べていました。実は私もそういう印象を持っています。問題は出口戦略です。寺島は、資金需要が15%しか伸びていないのに、日銀は市場に4倍もの資金を供給し、じゃぶじゃぶの状態になっていると指摘していました。

・確定申告初日、各地でデモ。国税庁包囲。
https://www.asahi.com/articles/ASL2J3S09L2JUTIL011.html?iref=comtop_8_01
関連記事。知らんぷりダメ。長官辞めて。納税者怒り。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201802/CK2018021602000258.html

・家計消費、4年連続で実質減少。
https://www.asahi.com/articles/ASL2J5J0SL2JULFA02K.html?iref=comtop_list_biz_n02

・個人投資家が株の暴落からおカネを守る方法。
http://toyokeizai.net/articles/-/209138



1128.反省しない人達 18/2/17


五輪中継を良いことに、全国的な佐川抗議の運動を一切報道しないNHK。誰から視聴料を取っていると思っているのでしょう。会長以下、NHKから官僚色を一掃しない限り、国民の放送局にはなりません。その為にも、役員は、ネット投票による選挙で選ぶ仕組みが絶対に必要なのです。


・小池の政治塾大失敗。5カ月で幕。
https://this.kiji.is/337542444239946849?c=39546741839462401
関連記事。築地に市場作らず。
https://this.kiji.is/337440618966271073?c=39546741839462401
コメント:豊洲や築地もおかしなことに。小池百合子の野心に振り回された国民こそいい迷惑です。最初は都政改革などを打ち出し、クリーンさに都民の期待もあったのですが、希望の党で躓いたと言うより、超保守の正体が分かってしまい、それが早く分かっただけでも不幸中の幸いだったのかもしれません。小池の野心は、言うまでもなくポスト安部の女性首相です。でも安倍でさえ国民はうんざりしているのです。今更ミニヒトラーの後のミニ西太后など、誰が望むでしょうか。


・河野、北との対話に得るものなし。
https://www.asahi.com/articles/ASL2L02QJL2KUTFK00F.html?iref=comtop_latestnews_04
関連記事。北、米国には対話求めず。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180217-00000061-jij-kr
関連記事。南北首脳会談、急ぎ過ぎ。
https://www.asahi.com/articles/ASL2K6J92L2KUHBI01S.html?iref=comtop_list_int_n01
コメント:ところで変節漢の異名を取る河野です。子どもを諭すようで恐縮ですが、あえて苦言を申し上げれば、政治家で最も重要なものは理念と価値観であり、一番大事な姿勢は、それが「ぶれない」ことです。たとえ閣外に追いやられてもです。外相が首相(とトランプ)にゴマをすることなど、国民の誰一人望んではいないのです。むしろじぶの信念の為に、自ら内閣を作るくらいの意欲と気概を、国民は望んでいるのです。
現状では何と言い訳しようとも、連綿と続いた安倍政権のお友達内閣に、子分が一人増えただけのことです。前内閣の岸田も中谷も、国会の答弁の際に、歯を食いしばっていることが手に取るように分かりました。河野にはそういう苦悩は少しも感じられない。海外出張が大変だと苦情を並べただけです。これで首相候補の一人とは呆れます。
とてもではないが、ぶれまくる政治家には危なくて国政など任せられないからです。議員を支えているものは、その時の首相でも内閣でもなくて、国民の一票なのです。それさえ分からないようでは、議員さえ失格です。舞い上がるのは個人の勝手ですが、同じ自民党内でも人材は豊富だから、他に選択肢はあるでしょう。


・トランプ機密文書が民主主義を潰す。
https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2018/02/post-3.php

・トランプ慰問に偽善者と反発。銃乱射事件の地元当局。
https://www.cnn.co.jp/usa/35114862.html?tag=top;mainStory
コメント:それはそうでしょう。犯人は白人至上主義者なのですから。




1129.皆は一人のために 18/2/18


朝日新聞2月17日から

政治季評 「皆は一人のために」 新時代デモに精神宿れ
豊永郁子 早稲田大学教授

多数決で何でもできると思ったら。大間違いだ。18世紀フランスの
哲学者ルソーは面白いことを言っている。多数決が有効なのは、そう決め
る全会一致の合意が先行的に存在するからだ、と。ということは、多数
決で決められることがらも、この合意による制限を受けるはずだ。
ルソーは、文明社会の礎には、こうした原初的な、全ての成員が同意
した「社会契約」があると考える。
社会契約の目的を縷々論じたのが17世紀英国の哲学者ロックとすれば、
ルソーは社会契約が意昧する人々の結合のあり方に関心を寄せた。社会
契約によって人々はどのような関係に入るのか。
ルソーにおいて、社会契約は、自然状態では独力で生きていた個人
が、生存の前に立ちはだかる障害を克服できない局面に達したとき、複
数名で集まり、障害を乗り越えるに足る大きな力を共同でもつことを約
束しあうことである。この力は、個人が提供する力の総和でしかあり得
ない。しかし個人の力と自由とは、個人の重要な生存の手段である。で
は、個人がいささかの不利益も被らないかたちで、こうした共同の力を
つくることは可能か、とルソーは問う。

問題はこう言い換えられる。 「共同の力の全てをあげて各自が守られ
るような」、「各自が自分自身にしか従わず、以前と同じように自由であ
るような」結合の形態があるのか。
ルソーは、こうした結合を、各自がその一身と全ての権利を共同体全
体に譲渡する社会契約が可能にするという。そこでは、各自は全員に自
分を与えるのだから特定の誰にも自分を与えずに済み、権利を渡した全
員から同じ権利を獲得する。そして全員の力で守られる。
難しく聞こえるが、この結合の精神を簡明に言い表したモットーがあ
る。「一人は皆のために、皆は一人のために」だ。日本ではラガーマン
の標語として知られるが、元は、19世紀フランスの文豪デュマが生み出
したヒーロー、三銃土とダルタニアンの合言葉として有名だ。この言葉
の最も古い記録は、30年戦争(1618〜48年)前夜に、ボヘミアのプ
ロテスタントが出した声明文にさかのぼる。今日ではこの言葉はスイス
の国是にもなっている。
  もっとも日本では、前半部には強く共感するが後半部がピンとこない
という向きが多いようだ。一人が多数者のために犠牲となることをよし
とする土壌ではそうなるのかもしれない。そもそもルソーにしても、個
人は自らの全てを共同体に差し出し、共同体の「一般意志」に従うと
する論から、全体主義の思想家と誤解されることがしばしばだ。
しかし重要なのは、「皆は一人のために」だ。ルソーで言えば、共同
の力の全てをあげて個人を守ること。「一般意志」の中身も、この条
件に限定される。
一人のために全員が立ち上がりリスクを冒す。一人を助けるために全
員が犠牲を払うことを厭わない。ルソーによれば、このコミットメント
があるからこそ、社会は成立する。

例えばいじめの揚合のように、全員が一入を「見殺し」にすることが
まかり通る状態は、社会契約のある状態とはかけ離れているのだろう。
2009年、当時の鳩山由紀夫首相は、フランス共和国の理想である
「自由、平等、友愛」の「友愛」を政権のテーマとした。しかし「友愛」
(または「連帯」)は、共通の大義やお互いへの好感情だけでは成立し
ない。一人のために立ち上がる覚悟を必要とする。当時、この点が理解
されることはなかったように思う。
その後、縁あって、個人主義的だが連帯好きというフランスの人々の
間で暮らす機会を得た。彼らの日常に溶け込んでいるのが、マニフェス
タシオン(日本語でいうデモ)だ。
フランスでは大小さまざまなマニフェスタシオンが頻々と起こる人々
はこれに参加し、これを好んで話題にする。そもそもデモは、大義を広
めるにも権力者の行動を変えるにも、効率的な手段ではない。しかし
フランスの人々は、これを第一義的には、ある立揚の個人(ともにデモ
に集う個人はもちろん、どこか遠くで何かを主張したり苦しんだりして
いる個人であったりもする)を、体を張って皆で守ろうとする実践とし
て捉えているようだ。
時間や労力などのコスト、自己の立湯を示すことのリスク、弾圧やテ
ロなどの暴力にさらされる危険ーこうした不利益を度外視して、他人
を思って(他人に「連帯」して)参入する。それがマニフェスタシオン
の醍醐昧のようだ。そして、これに参加すること、これを見ることで、
人々は社会契約の存在を確認し続ける。
日本では、東日本大震災以降、デモへの関心が高まり、幅広い市民層
がデモに参加するようになった。2015年の安保法案反対デモが、国
会周辺に10万もの群衆を集め、参加者の多様さでも目を引いたことは記
憶に新しい。個々のデモの成杏はともかく(実際、それは国会や選挙が
形成する「多数派」に易々と打ち砕かれることが多いだろう)、こうし
た新時代のデモに、社会契約の精神が宿ることを期待したい。




1130.獄中日記で借り返す 18/2/19


今の日本人に最も足りないものは我慢だろうと思います。すぐに切れる若者、中高年、子供と若い親。見え透いた嘘だけでその場をごまかす政治家とお役人。その背景には閉塞感といらだちがあるにしても、こらえる事を知らない者に成果は訪れないのです。それを、私たちは五輪から学んでいるのです。

2/17の朝日新聞の川柳から。
好き嫌い会う会わないの駄々っ子よ
答弁の太郎の代わり寝る太郎
いずれ出りゃ獄中日記で借り返す

青木によると、籠池はいつになるともわからない公判まで拘留される可能性が高いとのこと。日本の司法制度には人権の思想はないようです。首相が悪人だと言えば、有罪が決まるのなら、そもそも裁判所もいらないではありませんか。刑法では、有罪が確定するまでは無罪ではなかったのでしょうか。立法(国会)、行政(政府)、司法(裁判所)、三権の権力を握る者は、自分が何をしても許されるし、一存で国民の生命財産も自由にできるという状況なら、それは悪質な、文字通りの独裁政治ではないのでしょうか。

もっとハッキリ言わせてもらうと、安倍皇帝陛下ご夫妻も、一度収監されて見てはいかがか。明恵夫人の、自分の方が知りたいとは、笑えないボケであって、よくも抜け抜けと言ったものです。皇帝閣下御夫妻に言えることはただ一つ。何様のつもりですかという事です。籠池の場合、少なくとも罪の軽い奥さんはすぐにでも解放すべきでしょう。根性のある籠池は次の大阪府の知事に推薦したいくらいです。超保守の信念を貫いている以上、日本会議の議長には向いているでしょう。検察は、収監する相手を間違えているのではないでしょうか。

そこで私も、羽生の勝利で興奮した某首相を見て一句詠んでみました。
民主主義、ミカンとともに、潰される。
関連記事。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180217-OYT1T50112.html?from=ytop_ylist

ところで早稲田の豊永教授の朝日新聞への寄稿、「皆は一人のために」は、リベラルな精神を貫いている多くの国民に捧げたい一文です。以下で紹介していますので、是非ご一読願います。某首相夫妻には理解さえ出来ない世界でしょう。
http://wtw.xsrv.jp/indexsekai1129.html

天災、乱射事件、疫病、列車事故に続いて、いま航空機事故が続発しています。世紀末現象ともいえる状況ですが、陰陽師の力は借りたくありません。せめて人災だけでも減らすために、行き過ぎた金融資本主義の見直しと、人権と人間性の再発見(ルネッサンス)、そして国連中心の平和活動をもっと啓発した方が良いと思います。



1131.制裁は弾圧に対して 18/2/19


・安倍首相は招かれざる客。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180218-00000058-jij-kr
コメント:五輪に政治的な意味しか見出さない北朝鮮などに、言われたくはありません。むしろ首相にとっては最近にない快挙なのです。

私は北に制裁を科するのであれば、核の保有よりは、民主主義のない国家による人権弾圧を取り上げて、厳しく王朝の体制を批判するべきだと思います。北にとっては、金体制の維持が至上命題らしいが、それは国民にとっては災難以外の何ものでもないからです。金体制などない方が国民は幸せになれるのです。

人権の観点では、中国も問題だらけです。中朝ともに、一党独裁というよりは、個人独裁(=崇拝)の弊害が顕著です。日本にとって自国の安全保障も大事ですが、相手国の国民の視点から現状を捉え直すべきなのです。その方が長期的に見て、世界的な安全保障にもなるのです。日朝の「国民」の平和と安全を最優先にすれば、現在の対立や制裁が、いったい何の為なのかという疑問も生じるはずです。

北の問題を、更に突っ込んで考えると、安倍首相が安倍体制を維持したいがために、狼が来るぞと騒ぐことで、逆宣伝として状況を利用していないと断言できないのです。それが衆院選での自民党勝利の一因でもあり、この理屈のほころび、即ち矛盾が端的に表れているのが、Jアラートの無様な現状なのです。

国民の視点、或いは人権の視点に立つことで、現在の不毛で出口のない非難の応酬にも、突破口が見えてくるはずです。国の安全ではなく、両国民の平和と安全という方向に、議論の舵を切り直すだけでいいのです。二言目には「国」の安全が大事だと叫ぶ安倍首相や河野外相と、戦前の日本の政府や軍事官僚と、どこが違うというのでしょうか。視点を国家の覇権から、国民(特にその主権)に変えることが、膠着した日朝冷戦の問題解決の決め手になるのです。

人権問題を持ち出すと、すぐに北朝鮮は内政干渉と言い出すでしょう。しかhしそんなことを言う資格は北の政府(=金王朝)にはないのです。北の国民は、ボコハラムに誘拐された女子生徒と同じだからです。国際的人権団体には、監獄半島を調査し、勧告を行う権利があると思います。国境という地図では見えない人為的な線などを超えて、人間は地球上では同じ平等な価値を持つ、一個の生命体であり、社会的存在なのです。

但し、一つ安倍首相にも申し上げておきたいことは、北では、経済制裁のせいかどうかは別にして、過去も現在も餓死者が出ています。いまの日本のような格差助長社会が継続すれば、近い将来日本でも餓死者が増えて、北のことなど言えなくなる恐れがあるのです。北と同時に、日本の国内でも、基本的人権は尊重・保護されなければなりません。



1132.国会を中継せよ 18/2/20


NHKは国会審議を中継せよ。日本人全員が五輪に夢中(と言うより五里霧中)な訳ではないのです。いま毎日のように国会では論戦が紛糾しています。全部流す必はないが、五輪を優先したければ、毎日1時間でも、30分でもいいから、論戦のダイジェスト版を作って国民に報告するべきです。五輪期間中は、国民は国会には関心がないと、一体誰が決めつけたのでしょうか。

そういうNHKの、「既得権」や「規制事実」優先、或いは「悪しき多数決」依存や「長いものに巻かれたがる」姿勢が、最近の大相撲の腐敗を生む背景にもあったのではないか。貴乃花の指摘の方が、誰が見ても筋が取っているのに、NHKが取り上げたのは相撲協会の反論だけでした。そこに暗黙の「既得権」へのえこひいきがなかったと断言できるでしょうか。

以前海老沢という、自分の権力を勘違いした会長がいました。この元会長は、日テレの渡邊会長と話し合って、巨人軍の試合をNHKで放映し始めました。まるで日本人全員が巨人ファンであるか、或いは巨人のファンになるべきかのように。

相撲や野球や五輪が好きではない国民だっているのです。そしてもっと多くの国民が、スポーツは好きでも、政治の方が重要だと思っているのです。NHKは、五輪や大相撲が好きではなく、「紅白歌合戦」を見ない国民は国民ではないという言い方が言い過ぎなら、少なくとも視聴者ではないと思っているのでしょうか。

メディアが国民の意見の多様性をないがしろにしはじめた時に、ファシズムの政治が始まるのです。NHKの一連の報道姿勢で許しがたいのは、安倍首相を、国民全体が支持している名首相でもあるかのように、もてはやしていることです。首相はトランプと違って、国民が直接選んだ訳ではありません。だから首相が民意の代表者であり、その背後に多くの国民の支持があるかのように見なすのはNHKの行き過ぎた態度なのです。後で御紹介する朝日新聞の世論調査でも分かるように、政府の支持と安倍首相の支持は異なるのです。

そこを百歩譲ったとしても、国民は首相に一時的に「国」の代表を、しかも間接的に預託しているだけなのです。、自民党の総裁だから「自動的に」首相になっているだけなのです。仮にその時の首相がどんなに優れた名政治家であったにせよ、それでもなお、指導者や政権からは一定の距離を置く。それが正しい公共放送の姿勢であり、正気のジャーナリズムなのです。そもそも国民が政権を支持しているかどうかは、メディアが決める事ではないのです。ましてNHKは公共放送なのです。

アンケートの数字は日々変化するし、世論調査で政治を動かせるのなら、逆に、とっくの昔に安倍政権は崩壊しています。世論(例えばモリカケ問題について)を無視するから、安倍政権が続いているのです。メディアの役割は、事実の報道を通じて、社会的な問題点を指摘し、それをなるべく客観的に国民に提示することです。それを判断材料の一つとして、選挙を通じて、民意を政治に反映させるのが、国民の役割なのです。

NHKも世論調査をしています。自宅にもよく機械音声の電話が掛かってきますが、まともに対応したことはありません。設問がおかしい上に、長時間、電話の前で拘束されるからです。いまやNHKの世論調査は信頼性が低い世論調査の一つになっています(但し産経ほどではない)。従ってあおの結果を引用する議員もまた多くはありません。新聞社の調査の方を重視しています。NHKの調査には政府からの有形無形のバイアスが働いているかどうかは知りませんが、少なくとも余り重視されていないということは、メディアとして恥ずかしい事です。

時の政権がどの政党の政権であれ、政権や政府と一定の距離を置くのが、公共メディアの至上の「命題」なのです。国民は金太郎あめではなし、放送局がNHKファーストでもありません。NHK職員の公務員にも似た身分保障も気になるし、なにより、番組の中に見え隠れする、NHKの役員、スタッフの思い上がり(朝イチを見よ)は鼻につきます。

国民の多様性を否定するような放送局は、米国における人種差別の大統領と同じです。仮にNHKが政府の宣伝機関のような放送局であり、国民へのサービス機関としての立場を忘れて、上から目線で、国民の代わりに意思決定するような放送局であれば、国民は用はないのです。

・佐川への抗議デモは立憲の指導と麻生。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180219-OYT1T50083.html?from=ytop_main6
関連記事写真。
https://this.kiji.is/338221008527246433?c=39546741839462401
コメント:後で訂正したらしいが、苦し紛れの麻生の弁明は転落の一途です。右翼の街宣車は街宣車ではないらしい。NHKが報道しなくても、私たちは情報をキャッチします。五輪とは別に、日本の政治は日々動いているのです。

・佐川の国会招致必要が67%。朝日新聞調査。
https://www.asahi.com/articles/ASL2M3GTPL2MUZPS001.html?iref=comtop_8_04
関連記事。回答の詳細。
https://www.asahi.com/articles/ASL2M3GTRL2MUZPS004.html?iref=comtop_list_pol_n01
コメント:数字をよく見ると興味がわきます。



1133.三文オペラ 18/2/21


待望の国会中継…、だったのですが、それを見た(見せられた)結果、私のような暇人ならいざ知らず、国民にこの中継に延々と付き合えと言う方に無理があると思いました。国会議員にとって、またとないパフォーマンスの場であることは分かるにしても、それが目的になって演技過剰になっており、なんで忙しいのに、こんな田舎芝居(または日光猿軍団)に延々と付き合わなければならないのかと思う人が必ずいると思います。

同じ質問を繰り返し、しかも答にならない同じ答を繰り返す。この態度のどこが真摯なのでしょうか。これでは国民にとっても、議員にとっても時間の無駄です。自民党の陣笠議員の質の低さにも呆れますが、どれだけ法案の不備を突かれても、言葉は柔らかいが、結論として法案を取り下げる気はないと、首相は言い放ったのです。

下げたくない頭を下げて、珍しく謝罪をしたのだから、それで十分ではないかと言わんばかりでした。謝ればなんでもチャラに出来るのなら、それこそ警察などいらないのです。この分では、モリカケ問題でさえ、一言謝るだけで、幕を引きかねないのです。

何がなんでも、多数決だけを根拠に、自分と自党に都合の良い法案を押し通す。それが慇懃無礼な安倍首相の正体なのでしょうか。それなら多数の暴力が平然と行われいる、いじめの国ニッポンになります。議論を尽くして、批判勢力に対して納得づくで政策を進める気などさらさらない事が良く分かります。相も変らぬ嘘つき内閣のままです。本当は国会審議も省いてすぐにでも決を取りたいところでしょう。採決にさえ持ち込めれば、絶対に与党が勝つからです。

審議もご意見も無用、それが安部首相の本音でしょう。だから安倍政権は、権力者による、権力階層の為の政府であると同時に、お粗末なおつむの持ち主が集まって、不適切な経済政策で国家を破綻させかねない、「国民の敵」でもあるのです。国税庁を取り巻いた国民の声には全く耳を傾けようとさえしない。なぜなら安倍首相にとって、首相や政権を批判する者は、国民ではないからです。安部首相にとって、日の丸を振って、首相万歳を叫ぶ者だけが国民なのです。東条英機と安倍晋三の、何処が違うというのでしょうか。

国会中継を見る気がしないのは、それが思い上がったり、嘘付きだったり、或いは要領を得ない、的確な追及が出来ない、いずれにしてもお猿さんしか出てこない、従って「見るのは時間の無駄の」お芝居だからです。以前なら命がけの前川や籠池のような、血の通った「人間の」役者も居たのですが。

関連記事。首相止まらぬ、朝日の攻撃。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180220-00000132-mai-soci
コメント:首相が攻撃しているのは朝日新聞ではなく、その背景に存在している、政権に批判的な国民なのです。安倍首相にしてみれば、そういう人たちは「非国民」なのでしょう。

関連記事。立憲議員、近畿財務局に入れず。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180220-00000036-asahi-pol
コメント:森ゆうこが、なんで私達が陳情と同じ扱いなのかとつぶやいていました。これでは確かに税金を払う気がしません。無論小池ゆり子の住民税もです。

関連記事。安倍首相、裁量労働の再調査せず。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018022000647&g=pol
コメント:新入社員に裁量労働の余地などないという、希望の山井議員の指摘には説得力がありました。

関連記事。法案3月にずれ込み。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180221/k10011336901000.html

関連記事。首相の答弁姿勢、責任は厚労省。
https://www.asahi.com/articles/ASL2N4KBKL2NUTFK014.html?iref=comtop_8_04

関連記事。立憲民主が曲がり角。
http://diamond.jp/articles/-/160674




1134.どアホノミクス 18/2/24


絶滅危惧種という言葉の他に、絶滅確実種という言葉もあるそうです。しかもその筆頭が書物だそうです。一般人どころか学生迄、本を読まなくなり、しかもそれは世界的な傾向で、米国では著名な本屋が大量のレイオフを始めています。昔は読書と映画鑑賞は趣味欄に書いたものですが、これからは読書は特技欄に書く必要がありそうです。

私も本をツンドクする時間が長くなり、やっと昨日、溜まっていた本の山に手を付けました。残された時間が限られている老いらくの身としては、速読(ななめ読み)で対応するしかありません。紹介する意味のない本は省いて、以前にも言及した以下の2冊を紹介します。

「どアホノミクスへ最後の通告」浜矩子 毎日新聞出版
副題が、自ら招いた恐怖へのカウントダウンです。読みやすい本で、アベノミクス、英国のUE離脱、トランプを取り上げており、特にアベノミクスには紙数を割いて、その問題点を経済学者の立場から論じている点で重要です。アベノミクスがおかしい、もっと言えばまやかしではないかと指摘する学者は彼女だけではないどころか、その方が多いのですが、それが何なのかを分かりやすく説明していることに、本書を手に取る価値があります。以下は同書で気になった部分の抜粋です。
…国民の相対的貧困率はほぼ一貫して悪化していて、日本国全体としては突出して豊かな国なのに、6人に一人が貧困者なのです。子供の貧困率も同様で、満足にご飯を食べられない状況にある。あふれんばかりの豊かさと贅沢さのただ中に、このような実態がある。これぞ不均衡、これぞ分配の失敗です。豊かな国なのに、そのことを世のため人のために生かすことができていないという問題です。
…ベーシック・インカムというのは全ての人間に、その能力や状況を問わず、生きるための所得を保証するという貴重な概念です。しかしそのベーシックな認識からかけ離れたところで、体のいい厄介払い政策に悪用される恐れがあります。最低限の所得を保証する代わりに、生活保護、医療保険、年金などの社会保障をなくし、富国強兵の邪魔になるような人達は安上がりに厄介払いができる、それを懸念しています。ベーシック・インカムの全額をギャンブルや飲酒に使ってしまう人もいるかもしれない。でもだからといって、彼らに生きる権利がないわけではない。自助能力のなさが生きる権利の否定につながってはいけないのです。
…長期的に見れば、1ドル50円に向かう動きが底流を形成していると思います。でも経済がメルトダウンしたら、急速な通貨安が起こります。アベノミクスがこの調子で経済的不均衡を助長し続けていくと、ある時点で日本は一気に通貨安に見舞われても不思議ではありません。円の暴落の不安があれば、日本の国債も買い手がなくなります。
…2018年が一つのポイントです。何故なら2018年には日銀の国際保有残高が日本のGDPより大きくなることがほぼ不可避的な状況だからです。これは実に異様な事態です。いかに経済運営がうまくいっていないかを、身をもって世界に示している格好です。中央銀行は通貨の番人どころか、政府の為の御用銀行と化すことで、自ら通貨の価値を毀損する役割を果たすことになるのです。その時、日銀が円の買い支えや、国債の直接引き受けに乗り出しても、炎に油を注ぐことにしかならないのです…。
関連記事。ドル97円も視野に。
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-masashi-murata-idJPKCN1G707H
関連記事。日銀は外債購入検討すべき。浜田。
https://jp.reuters.com/article/hamada-boj-idJPKCN1G608W




1135.欲望の民主主義 18/2/24


「欲望の民主主義」丸山俊一 幻冬舎新書
副題が、分断を超える哲学、または多数決の罠です。
本書はNHKの特集番組、欲望の民主主義の制作班が、海外の学者の意見を紹介しているものです。ここに数少ないNHKの良心が見られます。
例えば、論者の一人、米国の心理学者のジョナサン・ハイトは、当面は米国の民主主義は悪化の一途をたどるだろう、民主主義に期待しすぎてはいけないと述べています。
今回は、同書冒頭のハーバードの政治学者、ヤシャ・モンクの意見を紹介します。
…米国の民主主義が直面している問題は二つあります。一つは、人々がかつてのように民主主義に熱意を持っていないことです。人々は独裁的な民主主義に対して以前より抵抗がなくなっているのです。二つ目は、その結果、人々が民主主義の規範を大切にしない大統領を選んだということです。ホワイトハウスから平気で嘘を発信し、政敵に濡れ衣を着せるような大統領です。これは非常に危険なことです。なぜなら、民主主義に必要なのは憲法や法律だけではないからです。民主主義を大切にし、民主主義のルールを守る政治家と人々が必要なのです。
…米国で少数派が多数派になる大きな変化があったのですが、それは静かに進行したのです。私たちは民主主義を安定させるための前提条件が徐々に失われていることに注意を払ってこなかったのです。特定のポピュリストの発言力が徐々に大きくなり、政治システムに不満を持つ人達が少しずつ増えるなど、非常にゆっくりとした変化に、高をくくっていたのかもしれません。それが英国のEU離脱、米国の大統領選という出来事を切っ掛けとして政治への影響が表面化したのです。トランプが大統領になったのも、実際は長期にわたるゆっくりとした変化の結果なのです。
…ポピュリズムには二つの基本的な要素があります。一つ目に、ポピュリストは常に、政治はシンプルだと主張します。政治にまつわる問題は全て、腐敗したエスタブリッシュメントか、民族的、宗教的な少数派のせいにします。そして誰でも知っているようなありきたりな解決策を表明します。ヒラリーやオバマを悪者にして、移民の問題には壁を作れば一件落着だと言うのです。二つ目の要素は、政治はシンプルだと言う人が権力を握っても、問題を解決できないということです。その結果、ポピュリストは全てを外部のせいにします。
…グローバリゼーション、国家、民主主義のバランスは大事な問題です。私達は既にグローバル化した世界に住んでいます。グローバリゼーションの道を閉ざしたら、大量の失業者が生まれ、大きな経済危機が起こるでしょう。民主主義も必要です。規範的に正しいからです。人々は政治に対して意見を言いたいのです。国家も必要です。国家は自然に発生したものではなく、歴史的につくられた政治的なアインデンティティで、欠くことができません。
…米国の資本主義と民主主義はどちらも望ましいものだと思いますが、どちらかがどちらかに食われる危険性が常にあります。でもどちらか一方だけではシステムは機能しません。二つが両立するシステムが必要です。それは民主主義が資本主義を制御するシステムです。力のある富裕層が政治を牛耳る事がないようにして、一般市民に対応する政策がきちんと取られるようにしなければなりません。
…ベンサムは、最大多数の最大幸福という言葉を残しました。しかしベンサムもミルも、最大多数の最大幸福は、衆愚政治よりもたらされるとは言っていないのです。民主主義の問題の一つは、最大多数による衆愚政治の危険性があることです。多数者の専制の危険性です。即ち、多数派が残りの人に意見を押し付ける事です。米国の建国の父は、この危険性を十分承知していました。それまでの自治の試みは全て失敗しており、米国でも失敗する可能性があったからです。そこで、チェック・アンド・バランスのシステムを作りました。独立した裁判所、自由な報道機関、大統領、上院、下院があり、大多数の賛成がないと改正できない憲法がある体制です。このようなシステムを作ったのはまさに、多数者の専制や衆愚政治に陥る可能性を恐れていたからです。体制はすでに整っています。必要なのは価値と政策なのです。
…大切なのは民主主義ではなく、自由「民主主義」です。まず国民主権という民主主義の要素があります。つまり人々が自分の運命を自分で握っているという主体感があること、何か気に入らないことがあれば変えることが出来るということです。そして自由の要素もあります。多数者の専制や衆愚政治ではないということです。何を考えるか、何を崇拝するかしないか、何を食べるか、どの言葉を話すかを、個人が好きに決める権利があるということです。これは人類史上でもとてもユニークな状態です。国民全体として主権を持ちながら、個人の自由を認めるため、私たちは戦わなければなりません。この稀有な組み合わせを守るために。

NHKの同番組は、構成が悪いのか、正直、余り見る気になりませんが、原点となったこの論文集の方が分かりやすく書かれています。新書なので、ポケットにも入りますし、論者ごとに章分けされているので、短い移動時間で読むのにも適しています。現代の日本の政治状況に戸惑いを感じている人にとって、必読の書だと思います。




1136.アベトラの暴走を阻止せよ 18/2/25


トランプが「決してやってはならぬ」暴走を始める気配が濃厚です。

トランプに呼応して制裁強化を声高に叫ぶ、安倍、河野、小野寺。トランプはロシア疑惑で灰色どころか真っ黒であり、訴追は時間の問題です。安倍首相は安倍首相で、炭水化物疑惑で、これまた無県警ではないことが確定。具体的な指示をしたかどうかは、最後まで白を切るから藪の中でしょうが、それを側近が指示したとすれば同じことです。その責任は免れないのです。100万歩譲っても、モリカケスパを「知らなかった」という発言が嘘であることだけは誰の眼にも明らかなのです。だからこそ、絶対に佐川にも証言をさせず、籠池を無期限に拘留しているのです。その目的は、お上に楯突く不埒ものを遠ざけ、臭いものに蓋をするためです。

アベトラの共通点は、平和主義にも、民主主義にも、人権思想にも価値を置かないことです。ということは、民主主義の先進国の代表としては、これ以上はないほどふさわしくない二人だということです。ひたすら己の既得権だけにしがみつき、経営者、富裕層、権力者の飼い犬、彼らの代わりに国民を見張る番犬に成り下がっている情けない姿を、世界中に曝しているのです。

トランプはロシア疑惑を逸らすために、あらを探し、難癖をつけてでも、北に軍事攻撃を行い、ひいては米国の兵器産業にサービスをするつもりでしょう。ベトナムの泥沼の再現です。その結果「間違いなく」日本にミサイルが飛んできて、それでもおそらく北は核は使わないでしょうが、通常弾頭で一人でも民間人に被害が出たら、私は絶対にアベトラを許しません。日本人に30万人の被害があっても、北を潰せるのなら、仕方がないという話があったとも伝えられているのです。秘密保護法を盾にとって、二人が何を話し合ったのかは公表されない仕組みです。最悪の組み合わせのこの二人であれば、どんな話し合いが行われていても不思議ではないのです。

安倍首相が人質になった後藤さんを見殺しにしたことを、私は忘れていません。ということは、同じことが、もっと大きな規模で起きないという保証はないと言う糊塗を意味しています。人間、特にその価値観は、そう簡単には変わらないからです。国民主権と憲法を、ここまで徹底的に踏みにじってきた首相を、私は他に知らないのです。
関連記事。過去最大の制裁を発表。
http://www.bbc.com/japanese/43179972
関連記事。追加制裁、防衛相強く支持。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180224-00000067-asahi-pol
関連記事。戦闘機の配備充実検討。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27363700U8A220C1EA3000/?n_cid=DSTPCS001
関連記事。トランプ、制裁効果なければ軍事行動。映像。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20180224-00000025-nnn-int




1137.女性の時代へ 18/2/26


目に見えない圧力があります。それは政府の、政権批判に対するヒステリックな反応と、結果としての言論・表現の自由への弾圧です。真面目な(どこがと私は言いたい、与党利与党欲を優先しているのに)政治の世界を芸人風情がおちょくるとは何事かというわけです。ウーマンラッシュアワーは、国民の為に是非とも頑張って欲しい。

安倍政権にとって、米国は常に正しく、トランプは日本の味方、だから日本にとって米国はすべてである事が(その逆ではない事は決して口にしないけれど)自明の理であるかのように語られています。でもこの大前提に、日本と米国の国民の何人が、無条件に賛成するというのでしょうか。

トランプや安倍晋三が、「尊敬に値する」とみなす根拠がどこにあるのか。自らの権力の維持こそが最大の関心事であり、正義も民主主義も、国民の生命や福祉でさえも、彼らにとっては二の次だということを、「誰もが」うすうすと感じているのではないでしょうか。権力志向は政治家としては一種の職業病でもあるが、だからといって、状況が代われば、彼らが正義と国民のために、一転して自分を犠牲にすることも厭わなくなるとは、私には到底思えないのです。

政治家が、建前はどうであっても、事実上自分ファーストになるのであれば、国民までがそうした政治家の側に立つのは理屈に合いません。国民は自分達、即ち国民自身の利益を追求すればいいのです。権力のある彼らに、より非力な国民の一人一人が、協力する必要はないのです。国民は国のことなど考えずに、自分のことだけを考えていれば良いのです。

ところでやっと国会で質問に立った山尾ですが、残念ながら、期待外れでした。安倍政権も安心したと思います。小池、野田、蓮舫、福島は既に限界が見えているので、残る女性議員は自由の森裕子と、立憲の辻元くらいのものでしょう。出でよ、より多くの女性政治家、本物のジャンヌ・ダルク。右傾化に暴走する日本の政治を中道に戻すためには、他でもない女性の力が必要なのです。ヒラリーは時期尚早で、衆愚政治に負けました。でも次世代の日本は、女性政治家のためにあるのです。
関連記事。裁量労働制の対象拡大反対が57%。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180225-00000027-mai-pol
コメント:そして政府は、今回も国民の反対を押し切るのでしょう。これまでそうしてきたように。自民党の薄っぺらな建前はもう聞きあきました。本当の理由は経営者が残業代を節約できることにあるのです。権力者の為の政府、それが安部政権なのです。
関連記事。首相の指揮権明記へ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180225-00000005-mai-pol
コメント:今のままでも十分すぎるほど権力を持っているのに(おまけに条文にもない忖度まであるのに)、ことさらに安倍の独裁体制を強調するのは、自民党議員が安倍首相に胡麻を擦っているとしか思えません。それを文民統制と言い換えるところに、自民党の嘘つき体質があるのです。
関連記事。イバンカ訪韓の意味。
http://toyokeizai.net/articles/-/210208
コメント:女性の力に注目しているようです。




1138.菓子折と小判の関係 18/2/27


昨日の不毛な予算委員会を見ていて、つくづくうんざりしました。国会の時間を無駄に使っているのは野党というよりも、理屈にならない屁理屈を繰り返しては、しゃにむに法案を押し通そうとする自民党の方だと思います。国民の過半数の気持ちなど知った事かと言う政権の、どこが良い首相なのでしょう。国民の56%が反対する働き方法案の、言い換えればむしろ「少数意見」をごり押しするのなら、多数決の内閣でさえないのです。良かれと思って政府がしていることなのだから、国民はつべこべ言わずに従えば良いとおっしゃりたいのでしょうか。

森友の国有地払い下げには、首相も家族も一切関係ないと、首相は繰り返しています。しかし払下げ問題を「知らなかった。自分の方が知りたい」という夫人の意見には、秘書を使って財務省に働き掛けたという証言がある以上、さすがに気は確かか、記憶力は大丈夫かと言いたくなります。千歩譲って、モリカケでは具体的な指示を「首相自身の口からは」していなかったとしましょう。ではなぜ夫人付の担当官を海外赴任で「栄転」の名目で国民とメディアから遠ざけ、偽証を重ねた財務省の高官の出世を容認するのでしょうか。

政治や行政では、政治家への忖度等はあってはならないと、首相はただの一言でも言ったことがありますか。そもそもモリカケの問題は忖度(良い意味)でさえないのです。その中身は社会正義と国民を犠牲にした、首相「個人」への追従とおべっかに過ぎないからです。

本来であれば、首相の支持や了解なしに暴走する者、或いは首相の意に沿わないものは、即刻打ち首、もしくは懲罰の対象でしょう。かつて複数の閣僚がそういう目に会っています。ということは、今回、マイナスの評価の沙汰が出ていないということは、秘書や佐川の働きが、結果的に首相の意に沿っていたからではないのですか。懲罰がないどころか、むしろ栄転していることこそ、事前相談の有無は兎も角として、「忖度」があり、しかもその「効果=見返り」があったことの、動かぬ証拠ではないでしょうか。仮に担当官が、全く逆の方向、即ち条件が揃っていて資格には非の打ち所がないのに、森友や加計を対象から外していようものなら、それでも首相はその担当官を昇格させたでしょうか。

一方、今回の審議では、なぜか加計学園が全く議題に上がりません。しかも工事は着々と進んでいるはずです。これは、森友の件はこれ以上いくら叩いても、進展はない。しかも自分に歯向かった不埒者の仕業なので、自分と家族の顔さえ立てられればそれでいいが、加計は進行中だし親友の案件でもある。森友を野党に攻撃させておき、そのすきに加計学園からは国会審議と国民の目を遠ざけるというこそくな手段でははないのでしょうか。

無論、首相に質問をすれば、いつものように、昇格は関係ない、適材適所(首相が最も不適材なのです)とうそぶくでしょう。国民に嘘を吐く事に抵抗を感じない首相なのです。それでも、私が首相なら、佐川にはこう言うでしょう。「今は時期が悪い。国民に痛くない腹を探られている。だから将来必ずなんとかするから、今は少し我慢をしてくれ」と。私はどこでも、だれでもするような、そんな配慮(それこそ忖度)さえ出来ない(あるいはしようとしない)安倍政権の頭の程度が恐ろしいのです。

その程度の知能レベルしかないのであれば、有事に政府のまともな判断など全く期待出来ないからです。実際に、既にJアラートなどという子供だましが機能不全を起こすことで、無残にも、政府の無能さは露呈されているのです。首相に胡麻さえ擦れば後はなんとでもなる。警察も守ってくれる。出世も出来ると、誰にも思わせるような政治こそ、最悪の政治なのです。

モリカケの炭水化物疑惑では、小判の代わりに、「ご友人」へのサービスが、官僚から政権に差し出されたまんじゅうの箱の底に入っていたのです。それでは、まいないとワイロが横行した田沼政治(徳川幕府)と変わらないのです。私たちは価値観も、体制も、明治どころか徳川時代に逆行しています。安倍将軍と麻生大老による、独裁、暗黒(しかも暗愚)政治です。日本の国民が民主政治より、独裁政治を選択するのであれば、もはや金の掛かる国会議員などはいらないのです。

あたかも民主的な国であるかのような体裁だけを整え、実は安倍首相のやりたい放題という、お寒い日本の政治の現状を、国民に分かりやすく説明して、内閣と与党の支持率を、民意と同じレベルに戻すこと。それが野党の使命なのです。いまなお安倍さんがいいという人が結構います。ならばそのどこがいいのか、年寄りの私にも分かるように、教えて頂きたいのです。但し、他より良さそうだからという説明で納得するのは無理です。明らかにもっと良い人が他に沢山いるからです。
関連記事。強弁佐川をトップに据える官邸の鈍感。
http://diamond.jp/articles/-/134342
関連記事。裁量労働制、法案提出譲らず。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018022600743&g=pol
関連記事。次々に異常値。でも与党はゼロ回答。
https://www.asahi.com/articles/ASL2V5591L2VUTFK00R.html?iref=comtop_latestnews_04
コメント:無理が通れば道理ひっこむです。そんなに首相のメンツが大事なのでしょうか。国民の命よりも。



1139.忖度ではない圧力です 18/2/28


五輪が終わり、2月も終わります。昨夜のNHKの特番によれば、チェルノブイリの事故では、発生当日、ロシアの閣僚会議では、火事が出たのなら、消せばいいという議論しかなされませんでした。状況が判明した後でも、その事故が外国に知られて国の威信が傷つくことを恐れ、バスによる住民の避難を遅らせ、国の威信が人命に優先されたのです。同じことがいま、日本でも起きているのです。内閣(政府)の権威と威信の方が、国民の、特に労働者の健康よりも優先されているからです。

そもそも裁量労働制は連合の要求でさえありません。連合の要求は残業規制と、同一労働同一賃金です。裁量労働制は経団連の要求なのです。そして政策を決める委員会には労働者の代表は入っていなかったと共産党議員が指摘しています。

安倍政権は経団連に給与の引き上げを促しました。それでもなお、労働者(有権者)よりは、経団連の方を向いて政治をしていることは、皆が知っています。そういう自民党にとって、働き方改革は、経団連と連合の両方の顔を立てた、かつてない名法案だと思われたのでしょう。しかし安倍首相が自信を持って提示したこの法案に、首相自らがけつまづいたのは、「今回」も役人の「忖度」が原因です。ならばなぜそれを認めようとしないのか。それが私は解せませんでした。

官僚諸君の初歩的なドジのせいで、法案が難破しそうになったのです。首相は、ここは怒るべき場面なのです。いい加減な数字を出すから私は国会で窮地に立たされたではないかと。足し算もまともに出来ないような役人ならいらないと吠えるべきなのです。実際問題として、森友でも加計でも、官僚がもっとうまく準備して事を運んでいれば、国会で首相が苦境に立つことはなかったのです。ならば役所がすぐに底が割れるような、お粗末な数字の偽装を敢えてしたのはなぜだったのか。しかも後になってその証拠がぞろぞろと出てきたのはなぜか。そこに私の最大の疑問がありました。

そこには二つの理由があると思います。その一つは、どの役所でも、必ずしも政権寄りの一枚岩ではなかったのではないかということです。彼らには、政権が交代した後でも、自省庁を存続させる使命があります。しかも国民と全面対決したくもない。だから政権交代後の保険が必要だったのではないか。それが原データの保存だったのでしょう。

役所(行政機関)は、今まで大人しい国民の上に君臨して采配を振るい、国民を指導してきました。短期間在任するに過ぎない大臣など、経験の差もあって、手玉に取るのはたやすいことだったのです。ということは、今まで誰にも忖度する必要などなかった。即ち正しく「忖度」する経験がなかったということです。民間企業なら、上役に対するゴマスリ(忖度)はあたりまえです。でもプライドのある役人には、そういう経験があまりなかった。だから「技術的」に未熟で、ヘマをしたという解釈が成り立つのです。

もう一つの疑問は、果たして本当に忖度だったのかという疑問です。忖度は自分で計画することなので、優秀な官僚であれば、すぐにぼろが出るような事はしないでしょう。絶妙な言い訳も用意するでしょう。ところがモリカケも、裁量労働も、「権力側」からせっつかれて、いやいややって(やらされて)いるから、うまくいかなかったのではないか。しかし例え自分の意志でなくても、一度不正に加担してしまえば、後戻りはできない。ミスを認めることもできない。即ち窮地に陥っているのは政権ではなく、実は役所の方ではないか。しかも政権の方は、いざとなれば一切指示していないという「嘘」をついて逃げる事が出来るのです。書き物による指示などは絶対にしないからです。森友もそういう「強制的な阿吽」の例です。

しかもそういう指示(と言うより圧力)が首相や官房長官から直接出る事は考えられません。側近がうまく立ち回る。それが実態でしょう。しかも彼ら(参与や秘書官)は決して人前に出る(出す)ことはないのです。それは最早忖度でさえなく、暗黙の命令に他ならないのです。そういう押しつけられた「忖度」が「贔屓の引き倒し」になったのが、森友事件であり、加計問題なのです。もしこれらが官僚側からの忖度であるならば、「大変遺憾だ。そういうことが行政で行われてはならない」と、首相がどこかで言っていなければなりません。でもそうは言っていないのです。だからこそ、忖度ではないと私は確信するのです。

もっとマイルドな言い方をすれば、客観的な根拠、正当な理由がない「忖度」は単なる両刃の剣になり、忖度した方も、された方も傷つけることになるという事です。その事実こそ、メディアが指摘し、政府も認めなければならない、しかも一連の炭水化物疑惑から学習しなければならない「真実」なのです。今の状況は、その手際のまずさから見ても、忖度の結果としては違和感が強く残ります。なので嫌がる省庁に無理にやらせた結果だと思うと、全てのつじつまが合うのです。

政権の言いなりになり、国民に盾突くような役所は、国にも国民にも無用な存在です。大臣を首相が選ぶのなら、せめて次官は国民が選べる公選制にすべきなのです。
安倍首相の独裁志向で、日本の民主主義と議会政治は、いまや危機的な状況にあります。役所はその犠牲者の一人ですが、NHKも、連合も危うい状況です。WTWは、一人でも多くの国民に、この「事実」を認識して頂きたいのです。

関連記事。予算案28日に衆院通過。裁量制も押し切る。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018022700838&g=pol
関連記事。裁量異常値、野党は徹底抗戦。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180226-00000119-mai-pol.view-000
関連記事。仏では裁量労働制で長時間労働が拡大。
http://diamond.jp/articles/-/161587
関連記事。野中広務の神髄。
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2018022300004.html?iref=comtop_fbox_u08
コメント:まさに爪の垢を煎じて、安倍首相に飲ませたいところです。


【注目記事】

・経産省、2050年にも原発重要と明記。
https://this.kiji.is/341182777955861601?c=39546741839462401
コメント:森友の財務省、加計の文科省、裁量労働の厚労省、そして原発の経産省。官僚人事を官邸が握っているからという理由だけでは、この行政の極端な右傾化は説明がつきません。省庁自らが、政権と類似した価値観を持っているからこそ、こうした動きも出てくるのではないかという懸念が拭いきれないのです。

・カジノ実施法案、成長戦略として健全か。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180226-OYT1T50126.html?from=ytop_ylist
コメント:同感です。しかも読売の社説です。

・危なかった黒田続投。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/02/post-9618.php
コメント:それにつけてもなんという首相でしょうか。




1140.貧困からの脱却 18/3/2


NHKでベーシックインカムの番組がありました。費用負担額が大きいのが最大の問題です。勤労意欲の問題もあります。でも楽に生活出来る額が提供される訳ではありません。一人月7万では、母子世帯の生活費を完全にカバーすることは出来ません。でも生活保護の持つネガティブな印象はなくなります。それよりも、例えば米国の場合、就学児童が増えることで、国民の知的水準が上がり、その結果、国内の治安コストが下がり、何より労働生産性が向上します。無論購買力も拡大します。それらの副次効果を合算すれば、国として十分にペイすると思います。何より、人間が人間らしく生活できることの安心感は、貧困による格差を是正し、戦争より平和を好むようになることから、戦費や国防費の節約にもなり得るのです。

昨日の参院予算委でも、生活保護費削減について納得できる説明はありませんでした。144億円の削減が予定されています。一方で教育無償化の予算は7千億円です。これは福祉に関して、安倍政権には骨太の方針がないことを、いみじくも証明しているのです。

昨日の審議では、丸川などの与党議員のパフォーマンスはなれ合いで、しかもそれを延々と続けるので、見ている国民にとっては、もはや苦痛でした。質問に立つ野党では、民進の吉川沙織が目立っていました。野党女性議員として切れ味が際立っていました。
関連記事。山積する疑問に応えよ。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13381405.html?iref=comtop_shasetsu_02

因みにNHKの深夜番組の、プーチンとオリバーストーンの対話も、興味深く見ました。ストーンは大したものですが、それよりプーチンとトランプの知的レベルの違いに愕然としました。トランプを熱狂的に支持する福音派。信教の自由とは異なる、教理を超えた人類共通の価値観というものが存在している。それがなければ国連も存在できず、世界が均衡を保つことも出来ない。人類共通の価値観、いわばそれが、世界平和の担保なのです。トランプを含めて、世界市民はもう一度、この事実を認識する必要があると思います。

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