「WTWエッセイ」
【2001年の内容】
2001/1/6
読者の皆様、明けまして、おめでとうございます。今年というより、21
世紀最初のエッセイです。今年もご指導、ご支援の程をよろしくお願い申
し上げます(ご鞭撻は不要です)。今年度は通年で良い業績
を期待したいものです。
この年末、年始はパソコンで暮れ、また明けました。連日2時、3時まで
パソコンに取り組みました。まず、自宅のデスクトップに接続した3台の
ハードディスク(各20GB)の全てに、ウィンドウズ2000をインストール
し、娘や息子が、スウィッチで自分のディスクを選べるようにしました。
こうすれば、他人が使った後で、セッティングを全部やり直す手間が省け
ます。OSとしては、98MEではなく2000 で統一したのは、98系のOS
では、いつか必ず不具合が生じるからです。そして問題が起きたら、元に
戻せるように、バックアップ用のCDを作成しました。
昨年は、家内を含め、我が家のIT元年でした。今年は、私はモバイルIT
元年を目指そうと思っています。と言うのは、昨年末、思い切ってB5版の
パソコンを買ってしまったからです。当初富士通の中古を探しましたが、
A4ノートサイズはともかく、B5版は中古市場に全くありません。そこで
薄型のソニーのバイオにしました。中古で13万ですが、新品でも18万で
すから、あまり得をした気分にはなりませんでした。それでも外付けなが
ら、フロッピーもCD-ROMもありますし、ハードディスクも4GBでなく
6GBがついていたので、まあいいかとなった次第です。多少の外観の擦り
傷等、機能に支障のない部分には目をつぶりました。
最初は98が入っており、すぐ手持ちのMEにアップしたものの、やはり
フリーズが起きるので、2000に入れ換えました。ここで面白い体験をしま
した。私が持っているMEと2000はアップグレード版なのですが、98を
MEにし、更に2000にした途端、今まで見た事もないエラーメッセージが
出ました。それは、レジストリの長さが不十分だというものです。さだめ
し、追加、追加で、その度にレジストリが長くなっていったのだろうと思
います。そういえば今年の干支は蛇でした。アップグレードも一度くらい
にしておかないといけないようです。
これに携帯電話用のカードをつけ、出先で、いつでもメールが見られる
ようにしようというものです。但し一つ問題があって、大容量のバッテリ
ーが4万円近くもすることです。当分、ACで使うしかありません。昨日は
再度秋葉原に出かけて、中古のMOを買ってきました。画像処理が多いの
で、記録媒体としてフロッピーでは到底容量が足りません。新品で3万以
上するMOも、中古だと1万円台からあります。なんだかんだとアクセサ
リー類を揃えてバッグに納めて見たら、とても気楽に持ち運べる重さでは
なくなりました。
私がいつも買う中古屋はソフマップですが、店員の対応も親切です。機
会があった一度お試し下さい。基本的に保証やマニュアルのついていない
中古は、パソコンを知らないと、手が出しにくいかもしれません。でも基
本的にパソコンは皆同じなので、それほど怖がる必要もありません。家内
は昨年ままから本格的に使い始めて、この年末年始は年賀状(特に宛て名)
を書くのに、筆まめを使って多いに重宝していました。このあたりから入
門すれば、パソコンの便利さも良く分かると思います。
「年末年始番組」
この年末年始はあまりテレビを見ませんでしたが、紅白はショウとして見
せようという意図が明確に出ていました。それはそれで悪い事ではありま
せん。しかし年初の報道が一家惨殺ではやりきれません。ものとりでない
事は明らかで、ご主人の仕事がらみの組織犯罪である事は間違いがなく、
手口の残忍さからみて外国人の可能性も多いにあります。日本の警察の名
誉にかけて、犯人グループを追い詰め、極刑を与えて、この機会に組織を
根絶やしにして欲しいものです。
2001/1/9
皆さん、こんにちは。昨日は、我が八王子近辺では、積雪17センチの
大雪となりました。午前中は近所の家庭では一斉に道路の雪かきをし、
我が家も家族で雪かきをしましたが、娘によると、うちは口数は多い
が、作業はあまりはかどっていなかったとの事で、我が家の様子を象徴し
ていたようです。今日、会社で聞くと、都心では1センチ、湘南ではぱら
ついた程度と、場所によってかなりばらつきがあったようです。
いささか旧聞ですが、昨年11月15日づけの雑誌ジュリストを、図書館
で借りて、読み直ししました。最近のビジネス方法の特許の傾向に関して、
F総研のN会長が産業界を代表して、意見を述べておられます。企
業が特許を申請する場合ならともかく、個人が特許を持ってしまうと、業
界や社会に大きなダメージを与える場合があること等、興味深い対談にな
っています。鳴戸会長は、ビジネス方法特許を野放しにする事は、社会と
経済の発展にマイナスになる可能性のある事を示唆されており、業界代表
のご意見としてしかるべき御発言になっていたと思います。先駆者の権利
擁護も大切ですが、一人が法外な利益を手にするかたわら、そのツケを大
衆が肩代わりしたり、技術や社会の発展を阻害するようでは、悪法になり
かねません。雑誌のコピーもあります(16ページ)ので、関心がある
方はご一報下さい。
世田谷の一家殺人事件は、亡くなられた奥さんの、塾の関係者の遺恨に関
係する単独犯の線が出てきました。手形や指紋等証拠もかなりあるようで
すので、捜査を進めてほしいものです。組織の殺し屋では、解せない事も
ありそうです。
成人式で若者が騒ぐので、橋本知事がうるさいと一喝し、それに出ていけ
コールで答えたという事件がありました。もともと役人の祝辞などに若者
は関心を持たない、いっそお祭りにして、そのかわりに入場料を取れとい
う意見があります。しかし、これは一喝するのが正しいのであって、他人
の話を聞けない者は、他人にも自分の言い分を聞いて貰う資格がないので
す。TVの報道を見ていると、いかにも暴走族がやってきたといわんばか
りの無責任な若者達で、若者の価値観が軽佻浮薄にある事が明確にわかり
ます。要は目立ちさえすれば、見た目がおかしかろうが、アホらしかろう
が、かまわないという事です。しかし、米国を含む外国の若者達が、どれ
だけ努力しているかを考えると、この分では日本がアジアの三流国に転落
するのは時間の問題のような気もします。
ビデオ化された、映画「グラディエイター(奴隷剣闘士)」が面白かったの
で、昔見たカーク・ダグラスの「スパルタカス」を、DVDをレンタルして
見ました。ローレンス・オリビエ、チャールス・ロートン、ピーター・ユス
ティノフ等、豪華な脇役陣の演技の素晴らしさは、往年のスターの演技力が
中途半端でなかった事を実感させます。ラストシーンは相変わらず涙なしでは
見られません。「グラディエイター」と違って、これは歴史上の事件でもあり
ます。見ていない方は是非ご覧下さい。他にはメル・ギブスンの「ブレイブ
ハート」が同じような系統です。
2001/1/12
皆さん、こんにちは。あっという間に21世紀も半月、過ぎてしまい
ました。本当にこの年齢になると、月日が飛ぶように過ぎて行くという
実感があります。
「本の話題」
最早残り少ない人生ですので、つまらない本を読んで、無駄に過ごすよう
な時間はありません。以前から、暮になると必ず買う本がありました。
それは「ステレオの全て」、「カメラ年鑑」、「天文年鑑」です。これは、
以前の趣味がそういう分野だったからです。その後、それらが「間違いだ
らけの車選び」、「ステレオ・サウンド・ベストバイ特集」、「このミステリ
ーが凄い」になりました。昨年末は、この他にミステリー(文庫本)を10冊
程買い込んだものの、「間違いだらけ」と「ステレオ・サウンド」をこな
すのがやっとで、殆ど手がついていません。
「間違いだらけの車選び」によると、2000年のベストカーは、トヨタの
「オーパ」だそうです。カローラと同じ外寸で、室内はクラウンと同じ大
きさなのだそうです。また出来の良いCVT(新型のオートマ)もつくそうで
す。今年買い換えを予定している方は一度ご検討下さい。なお、以前私も
乗っていたエスティマは3000ccのFFとなり、ベストセラーだそうです。
ワゴン車のクラウンという位置づけで売れているのだそうです。しかし
スライドドアにしても、撥ね上げのリアドア(高いくせに頭がぶつかる)
にしても、車高が高くて乗り降りが大変な点も含めて、クラウンとは
決定的に正確が異なりますので、車を多用途に使うのでない限り、ワゴン
車はお勧め出来ません。それになにより、あのガスの食い方も相当な
ものです。
外国車では、ビーエムとベンツは別として、私が3台乗り継いだゴルフの
評判が芳しくありません。それだけ日本車の性能が上がったのかもしれ
ませんが、私は、日本車の小型車は、未だあの重厚な乗り心地と、楽しい
ハンドリングを実現出来ていないと思います。ゴルフ我が家のファンカーゴ
も一応推薦に入っています。しかし外観はアグリーだし、路面の突き上げは
強いし、馬力も実用上は十分でも今一つと、誰にでも無条件で勧められる車
でもありません。但しそれらを差し引いても余りあるのは、視界の良さです。
4駆の実用性とスピードという観点では、どうやらスバルの水平対向6気筒
を積んだ車が良さそうです。私の僅かな経験でも、スバルは運転して楽しい
車だったような記憶があります。後は作りがやわでないかどうかという事だ
と思います。それでも高い買い物なので、自分で試して見る気にはなり
ません。むしろ今関心があるのは大型スクーターの方で、ヤマハが出す水冷
エンジンのTマックスは、一度試乗してみたいものです。
「ステレオ・サウンド」はオーディオ界の動向をキャッチする為と、万一
買い換えの必要があった時や、他人に尋ねられた時の為に、年鑑として揃
えているものです。しかしオーディオも、50万、100万単位の買い物に
なってしまっており、バブル期でもあるまいに、教育費その他で、可処分
所得の殆ど無い身の上では、あまり実用的な知識ではありません。
「カメラ年鑑」を買うのを止めたのは、これからはデジタル・カメラが主
流になるのに、機種が少ないからです。
年が明けて買った、中古のノート(バイオ)は一応動いており、キーボード
もこれ以上小さいと打てなくなるという、ぎりぎりの大きさです。毎日、
鞄に入れて持ち歩き(さすがに電車の中での使用は無理)、昼休みには自分
のホームページの制作等に使っていますが、一つ良い事は、自分のパソコ
ンを使い、自分のIDと携帯でアクセスしている限り、気兼ねがいらない
という事です。しかしインターネットやホームページを、ケータイでアク
セスしていると、回線の速度が遅くて(14K)、やたら時間が掛かるので、
通信費が心配です。
「このミス(このミステリーが凄い)」の昨年のベストテンで、ハードカバー
しか出版されていないものは、図書館から借りています。今そのうちの
泡坂妻夫著「奇術探偵 曽我佳城全集」を現在読んでいますが、3200円も
するこの本は、過剰な暴力シーンの心配なしに読める数少ないミステリーに
なっています。ちなみに佳城とはお墓の事なのだそうです。なお、これは
短編集です。
「スポーツ」
原田選手がジャンプで頑張っています。年配者でも実力は維持出来るという
事を実証しているので、我々中高年の励みになります。話は変わってお相撲
ですが、あれ程短い時間で決着が着くスポーツもないのではないでしょうか。
もちろん、槍投げも重量挙げもそんなに時間はかからないのでしょうが、
格闘技としてはという意味です。観客の為に、この対戦時間を延長すると
すれば、手っとり早いのは土俵の直径を今の二倍にする事でしょう。
2001/1/14
本の話題の続きです。この週末は、晴れていても、風もあり、寒さの厳し
い週末でした。私は老母の送迎以外に、これといってする事もないので、
溜まっていた本に取りかかり、昨夜は午前3時まで読書しました。そして、
中でも下記の本は、是非とも皆様にご一読をお勧めしたい本です。
「そうだったのか、現代史」集英社発売
この本の著者は池上彰ですが、この名前に記憶がなければ、NHKの「週
間こどもニュース」の、お父さん役のアナウンサーと言えば、お分かりに
なるかもしれません。
現代史というと、私たちは結構知っているつもりで、例えば、湾岸戦争も、
CNNで実況中継を見ていますし、概要はつかんでいるつもりです。しかし、
起承転結で話をしようとすると、実は案外知らない事が多い事に気がつき
ます。それは客観的な全体像をつかんでいないからです。同じ事は、パレ
スチナ問題にしても、文化大革命についても言えますし、少し古いところ
では朝鮮の動乱や、ベルリンの壁についても言えると思います。
この本で他の本には無い特徴は、書かれたのがごく最近で、キューバ問題
ではエリアン・ゴンザレスまで言及しているし、パレスチナについてはク
リントンの調停にも触れているという事です。即ち今日の時点から見た現
代史になっているという事です。
1700円のB5版(やや大きい)の本なので、私は図書館で借りて読んでい
ますが、一冊買って手元に置いても良いと思っています。学生のいる家庭
なら、歴史の質問にはこれで答えられるし、それも面倒なら子供に直接読
ませても良いと思います。
少し内容を紹介しますと、まず湾岸戦争から話が始まりますが、何故湾岸
戦争が起きたかというと、それは冷戦が終わったからなのだそうです。隣
国のイランを米国が支援し、イラクをソ連が支援してきました。しかしパ
ーレビ時代のイランでは国内の貧富の差が広がり、国民の不満から、イス
ラム原理主義のホメイニによる革命が起きました。そこでイランを牽制す
る為、米国と西側諸国もイラクを支援するようになりました。湾岸戦争の
空爆の初日に、フランスは参加しなかったのは、かつてフランスがミラー
ジュを供与した事があり、敵味方の誤認が起きる事を恐れたからと言われ
ています。
東西冷戦時代なら、何か行き過ぎがあれば、どちらかの陣営が締めつけや
警告をしたので、ある種の秩序が存在していました。しかしゴルバチョフ
が西側敵視政策を止めてから、別の秩序が出来ないうちに、イラクの侵攻
が起きたました。フセインは冷戦の崩壊で、米ソともにこれからの事で頭
が一杯で、中東にかまっておれまいという判断があったと言われます(ちな
みに中東は、イギリスを中心とし考え方で、この場合の東とはインドをさ
すので、日本は極東となる)。しかしイラクにとって大きな誤算は、米ソが
揃ってクウェート侵攻を非難した事です。フセインはイラク軍の撤退の条
件として、イスラエルの占領地からの撤退という奇策を打ち出します。PLO
はうっかりこの策に乗ったものの、アラブ諸国がこれを無視し、イスラエ
ルもミライル攻撃に反撃を控えた為、結局効果はありませんでした。
別名ニンテンドーウォーと呼ばれるこの戦争では、米国のミサイルがこと
ごとく命中していますが、質問に答えた軍事評論家は、命中したシーンだ
けを放映しているから当然と答えたとの事で、この戦争が徹底した宣伝情
報戦争であった事の証左となっています。
この本で一貫しているのは、独裁政権が権力を握ると、その途端に民主主
義が有名無実になり、無実の人間が100万人単位で処刑されるという事で
す。スターリンに至っては、殺した自国民の数は1000万人を超えると言わ
れています。国民の自由な選挙によって選ばれたはずの代表が、次の自由
な選挙を阻止して、独裁が始まります。民主主義は、制度面の維持なくし
て存続は不可能という事なのでしょう。
こう考えて来ると、馬鹿だ(Stupid)と散々言われながらも、それが米国民の
総意なら、その結果を受け入れようとする米国の立場も理解出来ます。例
え押しつけられた憲法であっても、日本で民主主義を維持している事が、
どんなに大切な事かを思い知らされます。
この本は一党独裁による社会主義に対しては、厳しく批判しており、文化
大革命は毛沢東が権力の失墜を恐れておこした、権力闘争に過ぎないとい
う見方をしています。
今朝の10チャンネルのサンデー・プロジェクトでは、田原総一郎がフジモ
リをつかまえて、ペルーに帰れ等と言っていましたが、少し気負いすぎで
す。一国のもと元首を捕まえて話す内容ではなく、私は田原には多いに失
望しました。最近では、大前にも少し失望しています。フジモリに対する
質問の内容は同じで良いが、表現と質問のマナーには多いに問題があり
ます。何度も同じ質問を畳みかけるのは見苦しいし、片言でも英語くらい
は話すべきです。日本では所詮、トム・ブロコーや、ピーター・ジェニン
グスのような、国際的な良識とセンスのあるジャーナリスト(またはアナウ
ンサー)は育たないのでしょうか。私は批判は多々あるが、TBSの森本に
やらせたらどうなるのか興味があります。
以上昨日のステレオの話題の続きですが、これから買うのならCDも、スーパ
ーCDも、DVDも演奏出来る装置が必要でしょうし、そういう装置も現に市場に
出ています。しかしいろいろな方式が存在する事自体、ユーザーにとっては
甚だ迷惑な事です。無論私としてはコンベンショナルなCDで十分ですし、
装置やソフトの買い換え等は思いもよらない事であって、それより、我が家
で現在なんとか稼働中の(但し、最近では余り聴かない)200万円のシステムと、
100万円のシステムが、少しでも長く働いてくれる事を願っています。
2001/1/20
皆さん、こんにちは。本当に寒いですね。ここ八王子では、外は雪です。
金曜日には仕事で、日帰りで関西に行ってきました。関西というより関西
空港そのものです。幸い、晴れ間がありましたので上空から写真を撮りま
した。結果は、ホームページに掲載してありますのでご覧下さい。但し全
日空の飛行機の窓が汚れていて、思うようには撮れませんでした。
それはそうと「月刊経営塾」という雑誌に、F社の記事があり、I社と
A社とS社の海外ビジネスが足を引っ張っている、2−3年
前に海外ビジネスを整理すべきだった、業績の先行きの見通しは十分では
ない、半導体頼みは危険だ等という記事がありました。NECや日立の方
が余程健全なのだそうです。T専務が自ら悪者になっており、この記事
が本当なら一人泥をかぶられてお気の毒としか言いようがありませが、こ
の手の雑誌は、時に総会屋が発行している事があり、高額の上納金を払わ
ないとこてんぱんに書かれる事もあります。
「エッセイ社説」
年初からさまざまな事件や犯罪がありました。未だどれも解決には至って
おりません。日本は物質的には豊かになったかもしれないが、精神的には
むしろ後退しているのではないでしょうか。和歌も機を肇として、国中に
閉塞感と虚無感が漂っています。気持ちが豊かな生活を送れる人達が、果
たして何人いるのでしょうか。老化と失職と犯罪の影がいつも見え隠れし
ています。正義と安全の保証もありません。人心は荒廃し、連帯の気持ち
は薄く、未来の希望が見えません。新興宗教がはびこり、庶民から上納金
を巻き上げ、組織の幹部は腐敗しています。それは日本という大きな組織
においてもしかりです。日本は、もはや人生の目標も張り合いも持てない
国になったのでしょうか。日本に一番必要とされるもの、それはとりもな
おさず経済の復活に必要なものと同じだと思うのですが、それは金でも技
術でもなくて、心の豊かさと思いやり、正義感、そして希望と意欲です。
企業の締めつけが厳し過ぎて、社員の意欲の芽もつまれています。コスト
ダウンはともかく、生産性と開発能力を増やす為の工夫は手つかずです。
世界は主として人間で構成されており、人が消えてしまったら後には何も
残らないのです。人間が住みにくい社会は、社会ではありません。21世
紀は、物言わぬ市民が立ち上がって、自分達の力で社会を変えて行く時代
であって欲しいと思います。平成維新などという言葉もありましたが、維
新では権力者の交代に過ぎません。精神的には市民革命である事が必要で
しょう。そして多分、インターネットによる意見交換が、今後政治を変え
て行く大きな力になるでしょう。
「サラ川」
サラセンといってもサラセン人とは何の関係もない、実はサラリーマン川
柳の事です。1年に一冊ずつ出版されていきた「平成サラリーマン川柳傑
作選」講談社発行も、今年で10年、10冊目となりました。数々の名作
を生んだこの本も、最近では少しペースが落ちてきたようです。ではその
中からいくつかご紹介します。
「ストレスはなぜか血となり肉となる」
私も極めてストレスの多い仕事をしていますが、なぜかあまり体重は減り
ません。
「プロポーズあの日にかえってことわりたい」
3人に一人が離婚する現代の若者には、昔の主婦の苦労はわからんだろう。
むしろ彼らは「出来ちゃった結婚しちゃった飽きちゃった」の口かもしれ
ません。
「妻テレビオヤジ会社でサスペンス」
会社というところは、実に謎と謀略と危険に満ちたところですな。
「社長なら向いていますと占われ」
社員には向いていないという事ね。
「一生を賭けた会社に先立たれ」
そうはさせじと頑張っている訳ですけどね。
「虎元気千里走って元の位置」
私はタイガース・ファンではないのでどっちでもいいが、阪神は優勝した
ければ監督代えた方がいいじゃないの。あのおっさんでは、イメージ悪す
ぎまっせ。
「気分良く100円ショップで無駄使い」
これは実は要注意だ。ストレス解消になりそうで、実はゴミが増えるので、
結果的にストレスは増える。いかに100円で買ったものとは言え、新品
では捨てられないからだ。しかも安物に囲まれていると心まで貧しくなる。
まだまだいろいろあるが今日はここまで。
2001/1/21
皆さん、おはようございます。昨日のエッセイは、自身やや落ち込んでい
た雰囲気もあり、ネガティブな印象になっていたようです。私の雑文は、
やや辛口のというコメントを良く頂戴するように、本来批判や苦情が多い
のでしょう。もっと楽しい話題を心がけるべきだと反省した次第です。と
言いつつ、最初は政治の話題です。
「ブッシュ就任」
米国民といえども、全員が保守的である訳ではありません。保守色を弱め
ようとするブッシュ陣営(今は新政権)の苦心にもあるように、国民はブ
ッシュを選んだと言って、その政策を無条件に支持する訳ではありません。
政策、施策の全てに国民の厳しい眼が注がれる事になるでしょう。しかし、
ブッシュ氏がマスコミでとかく揶揄されてはいるが、その評判を鵜呑みに
する訳にはいきません。彼が当選したのはそれなりの理由があるからです。
即ち、その人柄が信頼に値するものとして、評価されたからです。パウエ
ル国務長官は、未知数だが前任者よりましなような気がしますし、副大統
領のチェイニー(同氏が国防長官の時代に、小職もワシントンでスピーチ
を聞く機会があった)も人物的にはかなりの人ではないかと思います。N
HKの報道によれば、ブッシュの就任演説のキーワードは、コンパッショ
ンとキャラクターという事だそうです。NHKの手嶋支局長(この人にも
米国でお会いした記憶がある)の解説では深い同情と、高い品位という意
味だそうです。同情する相手はマイノリティーや社会的弱者でしょう。そ
もそも大統領の演説ほど分かりやすい英語はありません。全国民に対する
呼びかけなのだから、当然です。
そして、私は日本を振り返ってみて、昨日の私のエッセイの厭世的な気分
の原因をこう理解しました。即ち日本という国に希望が見えないのは、国
民がよって立つべき理念と、自信が失われているからだというものです。
やりきれない世相を作ったのは、相次ぐ為政者側の腐敗と汚職と無能、非
人道的な犯罪の増加、若者達の理念なき無軌道ぶり、そして景気の停滞を
原因とする、厳しい雇用環境です。
確かにIT等、いくつかのキーワードを政府は提示しました。しかしまず
為政者側(含む官僚)が信頼と尊敬に価する人たちでなければ、その言葉
も空疎に響きます。いくら政府が理念らしい言葉を並べても、国民は少し
も動かされないのです。政府の支持率が下がっても、あまりそれを気にし
ないという政治家の感覚が、端的に彼らの姿勢を表しています。政府が国
民に支持されなくなったら、どこの国でも大騒ぎになるのに、なぜか日本
では国民の諦めが良すぎます。こういう時に強烈なキャラクターをもった
人物が現れると、国民はそれに惹かれます。第一次大戦後のドイツを引き
合いに出すつもりはありませんか、例えば将来、極右の石原首相が実現す
る可能性もないではありません。そこで、昨日と同じ結論になるのですが、
市民の一人一人が、自覚と確信をもって政治に、或いは経済に参画して行
く事こそ、日本が本当に世界に認められ、少しでも住みやすくなる為の唯
一無二の方法だと思います。その為にも、もの言う国民でなければなりま
せん。そして実力主義と言いながら、未だに肩書や形式に拘る風潮も今一
つ理解出来ません。
「雪害」
東北、北陸を肇として大目気が降りました。一晩に1メートル20センチ
などいうのは、聞いた事もありません。我が家も、積雪量は少ないながら
も、都心とは違いますので、これからまたもや雪かきをしなければなりま
せん。今回の大雪では、全国で13名の方が亡くなったと報道されていま
す。生活もままならぬ状態になっていると思います。今こそ、自衛隊に出
動して貰い、国民生活の安全を守って貰いたいものです。場合によっては、
ヘリによる生活物資の輸送や、病人の搬送も必要でしょう。その辺の鈍感
さこそ、我々が自国の政治家や官僚を信頼出来ない所以なのです。いや、
また苦情になりました。
「エルサレム」
エルサレムには3つの宗教の聖地があると言われます。だから紛争が絶え
ないし、不必要な犠牲者も出ています。以前ご紹介した池上彰の「そうだ
ったのか、現代史」では、この地域の国連による共同管理を提案していま
す。また本来寛容であるべき宗教が争いを起こす事の理不尽さにも言及し
ています。この本は、本屋でも在庫がなくて入庫待ちですが、是非とも皆
様方にご一読をお勧めしたい本です。常識のある一市民が世界の情勢を考
えるとこうなるという大変分かりやすい本です。この本の影響力は相当な
ものになるでしょう。なぜなら、TVに登場する自称ジャーナリスト、実
態はタレントの皆さん方は、揃ってステューピッド過ぎるからです。いか
んなあ。また批判になってしまいました。
「サラ川、続き」
更にいくつかご紹介します。
「粗大ゴミ家事を仕込んで再利用」
家事も出来ない私は再利用の道もなし。
「ぼくファミコンパパはパソコンママリコン」
昔私がドラクエに凝っていた時、家内は本当に離婚を考えたという。パソ
コンではそこまで行かないだろう。なぜなら家内にパソコンを仕込んだか
らで、それも元上司の奥様のアドバイスのおかげ。
「午後からは睡魔が来たりて船を漕ぐ」
そういう事がないと言わせない。そこで、職場でウトウトしない為に、ど
うでも良い会議と、移動の車中を利用する事にしている。
「ダイエット形状記憶で元通り」
「ようやった!事情が変わったなぜやった!!」
うーむ、現在の某大手電子メーカーのようだ。
「バット持つ、この子は不良か一億か」
凶器は隠すのが一番。
「ハイとオイ、サラリーマンの二枚舌」
最近オイが増えて、少し反省。
「ふりむくな、運転中と化粧中」
「忘年会、図に乗りすぎて送別会」
私は毎日が忘年会。失言は数知れず。
「逆境をバネにしすぎて伸びちゃった」
「簡単に借りられますが、どう返す」
「棚ぼたはいつも隣に落ちてくる」
日本版マーフィーの法則ですな。
「家を買いそれから何も買ってない」
パソコン以外は買ってない。
「披露宴あれだけ褒めて島流し」
外国ならOKかも。
「早くやれ、そういう事は早く言え」
これも反省ネタ。但し、私の場合は待てないので自分でやってしまう。従
って下が育たないという悪循環。
「ウィンドウズ窓はあけたがしめられず」
実際にいます。特に我々ファミコン世代以前の人には。
「銀行の看板変わって道迷う」
これもありそう。しかし、ミズホに至ってはどういう命名のセンスをして
いるのだろう。
「持ち唄も、それだけはずれりゃ隠し芸」
だから私は人前では歌わない。
そして最後は、自分をいましめて、
「ノー天気暗い時代に希少価値」
2001/1/24
皆さん、こんにちは。前回2回文のエッセイを読み返してみたら、どちらにも
ひどい変換ミスがあり、読み難かった点をお詫びします。一応見直しはしてい
るのですが、後で追加した部分でエラーが起きるようです。「始め」を「肇」と
書くのはともかく、若者たち等は判別出来ない文字列に変化しておりました。
そこで一句詠める。「皆様の、判読頼みの、ヘボエッセイ」。読み人知らず。
「機密費」
外務省の機密費の漏洩には呆れました。しかし、容易に想像がつくのは、省内
の連中は、先刻そんな事は承知の上で、犯人にたかっていたのではないかとい
う事です。私ならこういう結構な予算があれば、全く別の、というより本来の
目的に使います。テロ対策部隊の設立と訓練が一つ、また海外各所にスリーパ
ーを配置し、世界有数のインテリジェント・ネットワークを構築する。スパイ
のボスなどという仕事は一度やったら止められないでしょう。また高度な、探
知機やセンサーを用意し、防諜活動を行う。スパイ衛星も欲しい。その気にな
ればいくらでも「楽しい」使い方が出来るのに、馬などを買っているようでは
所詮はアマチュアに過ぎない。そもそも発想が貧弱なのであって、スパイ装置
を満載したヨットでも、ビジネス・ジェットでも買ったらいいのです。本当に
度胸があるのなら、フセインにヒットマンを差し向けるという手もありますぜ。
「川柳」
前後2回に渡ってお送りしたサラリーマン川柳は、毎年11月に第一生命が募
集し、優秀作品100を選んで、12月に発表するものです。腕に自信のある方は
応募してみて下さい。なお過去10年、1000作の中から、私が選ぶ最優秀作品
は以下の句です。
「まだ寝てる、帰って見ればもう寝てる」
意味が分からない人は、下の句を参考にして下さい。
「通勤は、一都三県またにかけ」
小生も少なくも一都一県は股にかけてる旅烏です。
それでは、カアーなんちゃって。
2001/1/27
皆さん、こんにちは。皆様方のお宅では、積雪の状況はいかがでしょうか。
我が家は関東南部山沿いという事で、土曜日午後5時の時点で既に30セン
チを超える大雪となっています。昼からは雨の予報が、気温が低くて雪が
続いて、首都圏は大混乱だと思います。いつも律儀な近所の住民も、今回
ばかりは完全にお手上げで、雪かきをせずに、ひたすら雪が止むのを待っ
ています。少なくも公道に関しては、地方自治体が除雪車を出すべきです。
ニューヨークでも結構雪は降りましたが、市役所が、前にシャベルをつけ
た4駆を持っていて、少し雪が降ると、早朝の内に除雪します。私道は基
本的に対象外ですが、頼めばやってくれます。日本のお役人は、公僕とい
う表現は使いたくはないが、公共の精神、或いは市民に対する義務と思い
やりの精神という点で、いささか希薄な感じがします。但し、地域によっ
てはトラックが来て雪を持って行ってくれた所もあり、先週、雪ダルマを
作り損なった子供が出たという実話も聞きました。こちらは、今日は外出
もままならず、明日は明日で雪かきが待っています。これで1月の週末は
雪で全部おじゃんです。かといって、スキーに行こうとしても高速道路は
通行止めです。
「パソコン」
携帯用のパソコンを買ってはみたものの、出先で電源コンセトが近くにな
い場合もあり、電車の中でも膝の上では作業が出来ず、電池も長持ちしま
せん。ネットとの接続で携帯電話を使えば、料金はともかく、電話の電池
がたちまち空になります。つまり、未だこれという実用的な局面を経験し
ていません。鞄に入れて通勤に持ち歩いていますが、今のところは重いだ
けです。正直言って、これなら、10倍ズームのついた高性能デジカメの方
が良かったかなと思わないでもありません。しかしメインのPCがダウンし
た時を考えると、やはり予備機は必要でしょう。
結局我が家のパソコンは、デスクトップが2台、ノートブックが2台の計4
台で、一応皆稼働しています。デスクトップの一台は山小屋用で、ノート
ブックの一台は家内専用です。私がエッセイを書くメインのデスクトップ
はISDNに?がっていますが、富士通製で、1年半前に一番安かった機種
を、秋葉で10万円前後で買ったものです。その後、メモリーを128MBに
したのを始め、周辺機の数がいつのまにか増えました。それも半端ではあ
りません。まずモニターを17インチにし、キーボードはローマ字用(子供
用)とオアシス配列用(私専用)の2台を常時接続。 ハードディスクは私と子
供二人用に各1台と、共用1台の4台、CD-ROMとCD-Rが各一台、MO
は640MBを2台(1台はコピー用)、プリンターがレーザー(モノクロ)とイ
ンクジェット各一台を切り替えて使用、スキャナー、スマートカードリー
ダー(デジカメ用)各1台、コンパクト・フラッシュ・カード・リーダーに至
っては何故か2台です。他にペン入力タブレットだとか、音声入力用マイ
クだとか、使わない機器も山ほどあります。300MZの本体にはいささか重
い構成で、スカジーカードこそ2枚使っているものの、足が沢山あって、
頭の小さいタコみたいなパソコンです。
「渚にて」
最近これという新作ビデオがありません。しいて選べば、私が飛行機の中
で見た「ミッション・トゥー・マーズ」がSFですが、面白いと言えば言え
ます。そして最近、何気に「エンド・オブ・ザ・ワールド」というビデオ
を、パニック・ムービーの一つくらいに思って借りてみて、驚きました。
なぜなら、それは私がベスト映画の一つだと信じている「渚にて」のリメ
イクだったからです。英語の題名も、On the beachとそのままです。しか
もネビル・シュートの原作をなぞろうという努力の跡も見られます。当然
ながら俳優は総入れ替えです。中でも前作でグレゴリー・ペックが演じた
原潜の艦長は、今回では知性派ではなく、マッチョ系なので、かなりイメ
ージが狂うのを始め、エバ・ガードナーが演じた未亡人やら、アン・パニ(ア
ンソニー・パーキンス)の士官役等、原作を知るものには「いやなんともは
や」という配役です。一番ずれていたのは前作でフレッド・アステアが演
じた博士で、今回は完全に喜劇系です。核戦争後(今回は米中の戦い)、放射
能が世界中を汚染し、やがて南半球に至るという筋書きは同じですが、前
作では、建物はそのまま残り、ただし路上には人っ子一人いなかったサン
フランシスコが、今回はビルは破壊され、ゴールデン・ゲート・ブリッジ
は無残に歪んでぶら下がるという映像表現になっています。アステアが、
フェラーリで無茶なプライベート自動車レースに参加して優勝し、ガレー
ジで排気ガスで自殺するくだりも、今回はフェラーリのモデルが新しくな
っており、ストーリーも変わっています。特記すべきは、アラスカから届
く電波が生存者を暗示しているので、原潜で確認に行くというくだりでは、
今回はモールス信号の代わり電子メールが届くという仕組みです。確かに
前作の時点ではコンピュータが、これほど普及するとは思ってもいなかっ
た事でしょう。前作ではコーラのビンと窓のシャッターと、モールス信号
の発振器が、風のイタズラで意味不明の信号を発信していました。今回は
前作と違ってカラー作品ですが、正直言って私はこの作品をお勧めする訳
にはいきません。前作を見た後に感じた深い感動を、この映画は殆ど与え
てくれないからです。しかし、その意図迄否定していはいけないと思いま
す。冷戦が雪解けしたとはいえ、核爆弾ある限り、核戦争の可能性が残っ
ている事を、忘れてはなりません。なお私は苦労して、米国で「渚にて」
のビデオテープを入手した事があります。
最後に川柳を一句。
「判読は、読者任せの、ミニエッセイ」。
大鼻赤人(おおはなのあかひと)作。
2001/2/1
皆さん、こんにちは。初めての方は、初めまして。ドクダミとヘンシンの
辛口エッセイです。週一の配信ですが、不要な方はその旨ご連絡下さい。
「ニアミス」
いや、本当に良かった。これは大惨事のギリギリ寸前で助かった、極めて
珍しいケースだからです。なぜか。まず、管制官が不慣れだった。新聞に
管制塔と機長の会話が収録されているが、見習い管制官は958便に対して、
最後まで908便という間違った呼びかけをしている。これでは機長も答え
ようがない。次に、せっかく自動回避装置が働いて、907便(負傷者を出し
た便)の方が上昇(従って958便が下降=自動回避装置は、2つの航空機が接
近すると自動的に相手と反対の行動を自動的に取るようにプログラムされ
ている。しかしその方向は左右にではなく、上下にかわす事になっている。
これは失速を避ける為に当然の処置だろう)を始めているのに、何故か907
便の操縦士は、装置に逆らうかの如く無理に急降下させて、かえって相手
の航空機に接近している。装置に任せておけば負傷者も出なかったはず。
パニックを起こした管制官と、パニックを起こした操縦士が重なり、完全
に衝突コースに乗っていたのです。それが僅か10-60メートルの差で助か
ったのですから、奇跡です。一人冷静だったのが自動回避装置に任せた958
便の機長です。今回は徹底的に原因を究明して、二度と事故を起こさない
ようにしなればなりません。以前ビデオで航空管制官をテーマにした映画
を見た事がありますが、レーダーの映像だけで、縦一列に航空機を並べて
順次着陸させるようなベテランの管制官(ジョン・キューザック主演)が、ほ
んの一つの信号を見逃したばかりにニアミスをおかして、プッツンしてし
まうというストーリーでした。私も最近国内便に乗る事が多いので他人事
ではありません。極端にストレスが掛かる仕事である事は分かるが、絶対
にミスは起こせない仕事です。管制官には、映画「ダイハード2」でも見て
貰うしかありません。
「スキー・ジャンプ」
ニアミスの後の話題としてはふさわしくないかもしれません。私は余り雑
誌を読みませんが、「NAVI」という自動車雑誌だけは良く買います。この
雑誌は、車の話題だけでなく、自転車あり、戦闘機あり、ファッションあ
りと、何でも取り上げる雑食性と、バイタリティーが売りです。今回はそ
の最新号から、ジャンプ・スキーの話題が面白かったので一部を紹介しま
す。レポーターは、ジャンパーが空中で操縦しているに違いないと思って、
スキーヤーにインタビューしていますが、大体は踏み切りで決まってしま
うそうです。空中にいる時間は3-5秒。着地の衝撃は2メ―トルの高さか
ら飛び下りるくらい。いわゆるK点は、それ以上行くと斜面の角度が緩く
なって危険になる点ですが、平均着地点にはP点という名前もついている
そうです。踏み切りの地点からは着地点が全く見えないとの事で、素人に
は到底無理なスポーツのようで、まず必要なのが勇気だというのも分かり
ます。なおジャンプはスポーツというよりアートだろうと評しています。
「新大久保の事故」
酔って線路に転落した人を助けようとして3名が亡くなりました。国境を
超えた勇気に国民が感動しました。しかるにJRはなんと言ったか。操縦に
落ち度はない。非常停止ボタンは誰にでも押せると。そして、いつもすい
ている駅だから、駅員も十分に配置しなかったと。追悼の言葉一つないそ
の無神経さ。誰かが言っていました。柵があれば起きなかった事故だろう
と。柵をつけて、決まった位置に電車を止める事がそんなに難しいか。JR
の幹部さん達よ、地下決の南北線の駅を一度見てごらん。ちゃんと出来て
いる鉄道会社もあるんだ。民営化しても、客を客とも思わない元国鉄の腐
った体質だけは受け継いでいるようでは、国民は迷惑です。
「機密費」
森総理は、官房機密費は減額の必要なしと言い切った。時世を弁えぬ無神
経な発言だが、この人が日本の政治を担うのは無理なのではないかと思え
てきます。議員が外遊する度に500万(50万ではない)を官邸から出すとい
う。飛行機代も、ホテル代もただで、現地のアレンジと費用も全部在外公
館まかせなのに、どこにその金を使うというのか。それが税金だと思うと
やり切れません。どこまで国民を食い物にすれば貴方たち政治家と官僚は、
気が済むのでしょうか。むしろ組織の下の人達ほど、まじめに国の為に働
いてくれているのではないでしょうか。
「市長」
成人式でクラッカーを鳴らされた高松市長に、日本中から抗議の手紙が殺
到しているという。その内容は、何故対抗しなかったのかというものです。
毅然とした態度で、例え高校生に殴られようと、刃物で切られようと、正
論を通して欲しかった。それが市民の願いです。事なかれを身をもって示
して、どうやって若者や市民の上に立つ事が出来るのでしょうか。それに
しても、長野の田中康夫の支持率92バーセントは無茶苦茶です。作品を読
むまでもなく、「笑っていいとも」の出演当時の軽さを見るまでもなく、そ
れほどの人物だとは到底思えないが、要は、それほど迄に長野市民が改革
を、新しい何かを望んでいたという事なのであって、それは実は日本国民
全体についても言える事なのです。
「鳴戸特命顧問」
これは富士通関係者だけの話題ですが、鳴戸特命顧問(前副会長)が、3月の
3日と5日に、NHKのBS1に出演されるとの事です。
3月3日(土)13:00-13:49 IT革命(有名企業経営者の対談の司会)
3月5日(月)10:00-10:49 特許戦争
ビデオに収録してご覧下さい。
2001/2/3
皆さん、こんにちは。このエッセイが初めての方は、初めまして。今日は快晴
で、気温は低いが、外出して気持ちの良い日でした。このご時世、気持ちの
良い事はそう多くありませんし、まして外に出て空気を吸うだけですから、
安上がりです。
以前のエッセイを読み返して、誤字はともかく、内容がない(空疎)のに
うんざりしました。文は人を表すとか。自分もその程度に中身のない人間で
あったのかと、まあ今更思ってみても仕方のない事です。
サラ川にお便りを頂き、ありがとうございました。しかし所詮他人の作品
で、私はそれを紹介(受け売り)しただけです。エッセイも軽くて明るい
内容なら喜ばれるが、しかしあまりそれを追求すると、ウケを狙うだけに
書くようになります。私が書きたい事は、つまりはエンターテイメントでは
なく、苦情や意見や小言であり、それは即ち憂鬱なテーマという事です。
ニアミスの件は、管制官のミスで一見落着のようですが、警察が機長に事
情聴取しようとしたら、弁護士を通せとは驚きました。国民には事実を知る
権利があります。まして今回、管制塔の支持通りに動いた(実は動くべき
ではなくて、不要な急降下等しなければ負傷者は出なかった)のなら、なお
さらの事です。未だにパイロットはエリートだとでも言いたいのでしょうか。
なお今日レンタルビデオ屋で確かめたところ、前回ご紹介した航空管制官を
テーマに主役にしたビデオの題名は「狂っちゃいないぜ」でした。参考になる
と思うので、今回の事件に興味をもたれた方には、一度ご覧になる事をお勧め
します。題名通りかどうかは別としても、管制官(見習い)もパイロットも
少々常軌を逸していたようですし、大体操縦は機長だったのか、それとも同乗
していた他の人間だったのかも知りたいところです。
今日は節分なので、豆まきを予定しています。そう言えば「鬼が笑う」という
言葉の本当の意味をご存じでしょうか。ここでいう鬼とは、閻魔大王に仕える
鬼の事で、人間の寿命のろうそくを見張っていて残りを知っているので、貴方
が来年の話をしたら鬼が笑うというのは、本当は怖い話なのだそうです。但し
これもラジオの受け売りでした。
最近のビデオ・リリースの映画では「U-571」という潜水艦の映画を、割合
面白く見ました。漂流中のUボートから暗号解読機エニグマを奪取しようと
する、連合軍潜水艦乗組員のアクションを描くフィクションですが、Uボート
襲撃直後に自艦が攻撃されて撃沈し、やむなく故障したUボートで脱出しな
ければならなくなるというストーリーです。ちなみにUボートはドイツ語の
潜水艦で、Uはuntersee(ウンテルゼー=アンダー・ザ・シー)の頭文字でしょ
う。英語ならご承知の如くサブマリンです。
2001/2/4
さて今回は昨日の続きの雑学です。
話は変わりますが、私は口コミというものを重視しています。大学の専門
がマスコミだった事もあって、流言蜚語の研究等もしましたが、このささ
やかなエッセイでさえ、別のグループにも加入している読者を経由して、
他の情報ネットワークに?がって行く可能性があります。私の情報は他言
無用等という内容ではありませんし、私にもたまには他のネットの情報が
入ってきます。インターネットというハードなネット以外に、口コミ(電
子メール)によるソフトな情報ネットが存在しているのです。従って、も
し広めたい話やご意見があったら、私にご連絡頂ければ、私のささやかな
ネットから、更にその先まで広がって行く事が予想されます。ネットワー
ク時代がもたらした、新たな草の根民主主義の可能性と、友達の輪。そう
考えると、なにをおいてもパソコンを入手し、ニフティーに加入しなけれ
ばという気持ちになりませんか。
「地ビール」
私はとんと不調法で、お酒は頂きませんが、日本人でアルコール分解酵素
を持たない人は4割もいるのだそうです。欧米人は殆どこの酵素をもって
いるというですから、日本人は格段に下戸が多い訳です。そう言えば、自
分の周囲にも結構お酒の呑めない方が多いのに気がつきますし、この割合
を知ってからは、これまでの肩身の狭い思いも多少は薄れてきました。
さて酒税法の改正で、年間2000キロリットルだった最低製造数量が、
60キロリットルに引き下げられた為、全国どこへ行っても、村興しを兼
ねた地ビールが盛んです。我が家の近くにも多摩ビールがあります。東京
の中でも、「赤坂地ビール」というブランドがあり、名前から見るとうさん
臭そうだが、実は大メーカーのビールより、格段にうまいのだそうです。
このビールのメーカーはそれまで、低アルコール飲料のホッピーを作って
いたメーカーの、ホッピー・ビバレッジという会社だそうです。小売りは
ないそうなので、有名デパートやスーパーで探して下さい。
なおこの情報は大手電子メーカー勤務の高校時代のポン友が送ってくれた、
早川光著「東京名物」という本に掲載されていたものです。なおこの本に
は友人の実家も掲載されています。
「ペンギン」
1983年のフォークランド紛争の時、英国はフォークランドに基地を構
えて、南極にヘリを飛ばしていました。南極と言えば、ペンギンですが、
おりしも王様ペンギン(皇帝ペンギンのことか)の群れがおり、上空を飛
ぶヘリコプターを一斉に見上げました。そしてヘリが移動したので、頭を
動かして、のけぞった拍子に後ろに転び、その為にペンギンの群れが次々
にドミノ倒しになったのだそうです。
この話には後日談があります。その話を聞いた他の英国人が、それでは是
非その様子を再現したいものだという事で、10年近くたった後で、また
ヘリで南極に行き、撮影の準備をしてペンギンの群れの上を飛びました。
しかしこの時は、空を飛ぶ騒々しい鉄の鳥がもう珍しくなかったのか、上
を振り仰ぐペンギンは2−3羽しかいなかったそうです。これもラジオの
受け売りでした。
2001/2/15
皆さん、こんにちは。今回のエッセイは、新幹線の中で書き、パソコンと
携帯を使って送信しています。
「バレンタイン・デイ」
我が渉外部では、昨年から義理チョコを廃止しました。女性社員の乏しい
給料をそんな目的の為に使わせる訳にはいかないからです。(ちなみに渉外部
では年賀状も廃止)。従って今年も社内ではチョコがありませんでした。
つーことは、本気チョコもなかったつーことね、と言われてしまえばその通り
ですが、本気チョコは家族から貰えば十分でしょう。但し、ホワイト・デイ
だけは残してあります。さて、プレゼントという話題になると、いつも私が
思い出す話があります。それは、イタリアの「クオレ」という少年向きの本
の事です。邦題は「愛の学校」等という、クサイ題がついていますが、内容は
一読の価値ある本です。学校で無意味なホーム・ルームで時間を潰すくらい
なら、この本を読ませた方が、よほどよろしいかと思います。さて、その
いくつかある小話の中で、貧しい人にコインをあげると言う話があります。
その時、渡す(施しをすると言ってはいけないことになっている)人の手から
2つの物が渡されるといいます。一つはむろんお金ですが、これは受け取る
人の手に留まる。そしてもう一つは、花で、これは受け取る人の心に留まると
いうのです。人の命をなんとも思わないような最近の日本の風潮の中にあって、
体制側の支配に悪用されないような情操教育もあってしかるべきだと思います。
日曜学校などのシステムは日本にはありませんし、若者に限らず、昨今の
非人間的な犯罪の多くが、虚無的な精神の産物であることもまた確かです。
粗悪な劇画や、ドラマくらいしか、精神に取り込むものがないという、貧しい
文化的な環境がまず問題です。そして、いわば精神的な弱者を食い物にする
ような新興宗教にすぐだまされるのも、日本人が精神的なよりどころを見失
っているからだとも言えます。だからといって、決して私はコンベンショナ
ルな宗教をお勧めしている訳ではありません。私はどちらかといえば無宗教
です。今我々に出来るせめてもの事は、本を読み、考え、話し合い、そして
ささやかに行動する事くらいです、でもそれが出来れば、日本ももっと良く
なるでしょう。いつもの私らしくない事を書いてしまいましたが、そこで映画
の話題です。
「ペイ・イット・フォワード」
前回、試写会のお話をしましたが、評判の良い映画があれば、年に2―3回
は自ら映画館に出向く事があります。先週末、アカデミー賞確実という
映画を見に行きました。今回の映画は、「キャスト・アウェイ」より社会的な
映画です。詳しくご紹介する事はルール違反なので控えますが、ラス・ベ
ガスのダウン・タウンに赴任してきた、障害を持つ社会科の教師(ケビン・
スペイシー)と、彼に「世界を変えよ」という宿題を貰う中学一年生(シッ
クス・センスのオスメント)と、カジノで働くアルのその母親(ヘレン・ハン
ト)の物語。ペイ・フォワードとは、見返りを求めずに身近な3人の人間に
善行を施し、それが連鎖していけば、世界が少しは良くなるだろうという
少年の発想です。果たしてオスメントのこの思いつきは機能するのでしょ
うか。ケビン・スペイシーは「アメリカン・ビューティ」でオスカーをと
りました。ヘレン・ハントも受賞していますし、オスメントも候補になり
ました。この3人の組み合わせなので、さすがに演技力に不足はありま
せん。米国の社会的弱者の怒りと悲しみが背景になっている映画です。
お勧めの作品です。
「サラ川最新情報」
最近の日経に載っていたので、お読みになった方もあるでしょうが、昨年
12月の第一生命のサラ川の入選作が決まったという記事がありました。
サラ川も有名になったものです。以下は新聞の転載と私のコメント(の川柳)
です。
「ドットコムどこが混むのと聞く上司」
インターネット、どっと混むのは夜半過ぎ
「物賞与、めっちゃくやしい金がいい」
現物支給、銀行何を出すのやら
「金メダル、おれにも取れる投げやりで」
投げやりの、部下の仕事のあと始末
「18になって周りは安心し」
18になっても周囲は心配だ
「IT化、いいえ我が家は愛低下」
ITか、いいえ私はETだ(ETフォーン ホーム)
「ニアミス」
いささか旧聞になってしまいましたが、航空会社の人と話す機会があり、
ニアミスは管制官の失敗ということで一応の結論は出ているものの、二機
がすれ違ってから、更に急速に高度を下げており、その時に負傷者が出た
のではないか、即ち、全く不必要な操作があったのではないかという指摘が
出ているとのことです。その時スチュワーデスは天井に叩きつけられたが、
むしろ、後から天井から落ちてきた重いカートの下敷きになった事のほうが
ダメージが大きかったとのことです。スチュワーデスは、乗客に大丈夫かと
尋ねられ、大丈夫ですと答えて気を失ったとのことです。操縦ミスは本当に
なかったのか、原因の究明が望まれます。
「笑点」
「笑点の謎」という本を立ち読みしました。こういう本を買う気にはなかなか
なれないものです。内容としては、番組と出演者の宣伝が主なものですが、
確かに昔は金曜夜席と言っていた時代がありますし、座布団運びも松崎真氏
でした。司会も前田武彦や、南伸介がやっていた時代があります。出演者達
の珍答、迷答が、そのまま本にもなり、今は退職された海外営業の下形さん
が愛読されていたのを思い出します。今回の立ち読みで面白かったのは、あの
座布団は最高級品を使っており、一枚35000円するという点です。TV番組の
三大小道具というものがあって、NHK素人のど自慢の鐘と共に、笑点の座布団も
その中に入っているのだそうです。以上、今回の雑学でした。
2001/2/25
皆さん、おはようございます。土曜日は肌寒い霧雨の一日でしたが、今日
日曜は、一転快晴です。
現在このエッセイをどうするかで、いささか迷っております。一つにはホ
ームページの方の読者が増えてきており、いっそホームページにエッセイ
のコーナーを設けて、そちらに移してしまおうかという案です。写真だけ
だと、あくり知識好奇心を刺激しないらしくて、見て頂けないというケー
スもあるからです。また今後ADSLが普及すれば、画像が入っていても、
閲覧が格段に速くなり、ストレスがなくなるので、一層インターネットの
利用に弾みがつく事もあるでしょう。今までダウンロードに何時間もかか
っていて、離島でしか意味のなかったソフトのダウンロードも、ADSLで
急速に利用者が増えたとの事です。高速通信は日本では極めて短い間に普
及すると思われますし、それが日本の競争をアップさせる事にもなるでし
ょう。しかし、それでもいちいちパソコンを立ち上げ、ホームページを開
くのは面倒だ、メールなら仕事で開くので、ついでに読んでやってもとい
う読者もあるでしょう。
また私の毒舌をうっかりHPに掲載すると、思わぬところから抗議を受け
る可能性もあります。(ホーム転落事故については、私のHPで、初回で言
及している)。私は写真を撮る時に、個人店舗の場合は、できるだけお店の
人の承諾を得てから撮影する事にしています。しかし通行人の一人一人に
了解を取る訳にはいきません。今後ホームページを運用するにしても、知
的財産権やらそういう問題を避けて通る訳にはいかないでしょう。ナップ
スターの例もあります。そういう事もあって、昨日、無理をお願いして、
鳴戸特命顧問に時間を取って頂き、特許や知的財産権等のお話を聴かせて
頂きました。ついでに業界の話も聞きましたので、差し支えない範囲で、
皆さんにもご紹介したいと思います。今日のエッセイは長いが、読んで損
はないと思います。
「N顧問のお話から」
1.T社訪問(鳴戸顧問はT社のIT技術開発センターの会長に就任され
ており、この度、初めて名古屋のT社の工場を視察されたとの事です)
T社では新型Xローラの売れ行きが好調で増産が間に合わない。Xッツ
ベースのBbもよく売れている。工場からは58秒で一台の車がラインから
出てくる。工場は質素で、昔の富士通の川崎工場の本館を思わせる。製造
の精度は極めて高く、車体の工作位置のポジショニングは0.2ミリ以内の誤
差だ。ハイブリッド・カーとして評価の高い、Xリウスのインバータの製
造工程等も見学した。社員の士気は極めて高く、F社の幹部が訪問して
もなかなか会えないような常務以上の役員を含め、挨拶の席に出られた全
員がノートを用意されており、私の話をメモされていた。また年寄りの社
員の眼が輝いており、いきいきと働いているのが印象的だった。これは
Oさんの、社員を絶対に解雇しないという方針の成果かもしれない。社内
の雰囲気は、F社なら昭和30-40年代だ。T社の場合、役員といって
もF社のような立派な部屋がある訳ではなく、平土間をパーティション
で仕切ってある程度だ。質素を旨としており、社内で紙は少なく、封筒を
裏返して使うという社風だ。そういう会社に対して、私がもっと節約をと
言ったので、先方も驚いたらしい。私は、私のような者を雇うのはもった
いないと言ったつもりだ。但し、私は社用車も報酬も一切お断りしている。
T社に限らず、後援会や、TV出演、新聞への執筆でも、報酬を受け取っ
た事はない。社会への奉仕だと思っている。
T社には創意工夫の精神があり、それはカンバン方式に限らない。技術
力のレベルは、半導体一つ取っても、非常に高い。半導体ではF社の上
を行っているだろう。東芝、日電等とも共同研究をしており、その成果か
もしれない。同業他社との技術力の比較という点でも、F社のレベルが
見劣りしていないか心配である。
2.海外出張のエコノミー症候群について
座席クラスの問題ではない。じっとしている事が問題だ。いわゆる塞栓症の
原因は太股にある。血行を良くする為に、体操が必要だ。飛行機に限らず、
じっとしていればバスでも5時間で塞栓症になる。
3.ナップスターとブックオフ
ナップスターは作曲家や作家から提訴されているが、おそらく利用者に有
料の鍵を与える事で決着がつくのではないかと思う。むしろ今問題になっ
ているのはグヌーテルだ。これはある情報を求める人が、その複数の知り
合いに情報を依頼する。そうするとその知り合いがまた自分の複数の知り
合いに尋ねる。そういう具合にネズミ講式にネットワークが広がってゆき、
どこかで、必要な情報に行き当たると、またこのコースを逆戻りで質問者
に情報が返って来るという仕組みだ。これはピア・トゥー・ピアの分散ネ
ッワークと言える。そういう時代に、従来の著作権法で対処する事には無
理がある。似たような事が新刊本についても言える。ブックオフという古
本屋がチェーンを拡大している。そして新刊書の売れ行きが落ち、つぶれ
る本屋さんで出ている。それは新刊書を買った人が、読んで直ぐに新刊書
をブックオフに売ってしまい、一冊の本が何回転もするからだ。新刊書が
出て一週間もすればブックオフで買えるのだから、新刊書を買う人はいな
くなる。似た様な事は週刊誌についても言える。ホームレスの人達が、鉄
道弘済会のおばちゃん達と手を組んで、網棚に残された週刊誌を集めて、
路上で販売している。今後は音楽にしても本にしても、ネットに掲載し、
無料のもの(私のエッセイが引き合いに出されましたが)はそのままとして、
有料のものはその旨、ライセンスが必要な事をウェッブ・ページのヘッダ
ーに明記する事が必要になるだろう。即ち本やCDという形での売買では
なく、個人的なライセンスの対象となる。著作権法は死に体だというのが、
前回参加したダボス会議でも大勢の意見だった。今までは、作曲した途端
に権利が発生していた。しかしこれからはウェッブに掲載し、ライセンス
が必要な事を意思表示した時から、権利が発生するものと考えられる。
4.ビジネス特許についておさらいをお願いしました。
ビジネス特許のポイントは3点である。
1)パテンタビリティー
2)先端技術についてはデータベースがない事
3)エンフォース(強制執行でしょうか)出来ない事。エンフォースすればネッ
トが止まってしまう。
なお、前回の特許戦争の収録は、ぶっつけ本番でリハーサルはなし。強烈
な照明の下で相手の顔も見えない中での収録だった。光が反射しないよう
に顔は念入りにメークする。同席の若手東大教授はもと特許審査官で、サ
ーバーとハブの関係のビジネス特許を拒絶し、悩んで東大に移られたとい
う進歩的な考えの人だ。
「雑談」
1.世田谷殺人事件
週刊誌では引退間近のヒットマンの仕事だろうと書かれています。後を乱
したのはカモフラージュだとか、板橋で右手に怪我をしたヤクザを治療し
た病院を見つけたとか、本人は行方が分からない等と書かれています。も
う一つの情報は、亡くなられた奥さんが韓国籍だった事と、残されたスニ
ーカーの靴跡のサイズが、韓国でしか売られていないものだというもので
す。捜査員が韓国を訪問したとも言われています。この二つの噂に共通し
ているのが、公園予定地にポツンと残った2軒の一つが被害者の家だった
事と、もう一つがその親戚の家だったという、土地買収の問題です。犯人、
または犯人を雇った者が明らかになるのは、そう遠い先でないような気も
します。
2.潜水艦衝突事故
前艦長が独自に弁護士を立てる等、先方は不利である事を認識している様
子で、民間人に対するデモを優先して安全確認を怠ったという事実は否定
出来ないようです。しかし、衝突から沈没迄の10分間に何があったのでし
ょうか。潜水艦が傍観していたというのは、えひめ丸の船長が指摘してい
ましたが、では自分はどうしたのでしょう。あっと言う間の出来事でうん
ぬんでは船長のセリフとは言えません。無電や、救命具や、やる事は沢山
あったはずです。今回は人為的な事故だが、例えば嵐の中の座礁だってあ
り得るし、10分というのは決して短い時間ではありません。救命具を身に
つけて海に入るのは十分ではないでしょうか。また日頃から遭難対策の訓
練はきちんとやっていたのでしょうか。日米の裁判になれば必ず追求され
ると思います。今回の事故では、日米共に、人命救助の気持ちが感じられ
ないのが一番嫌なところです。底引きの実習でハワイに行くというのも本
当に必要なのかという気もします。昔から船長は最後迄船に留まると言わ
れましたが、その辺もどうなのでしょうか。私は事故発生後の対応に、大
きな疑問を抱くものです。
3原価
衣料品がずいぶん安くなりました。シーズン・オフかという事もあるでし
ょうが、数年前一着1万円前後だったダウン・ジャケットが3000円以下に
なり、私もつい余分に買ってしまいました。例えばユニクロが有名になっ
たフリースがあります。安くなったといっても1500円くらいでしょうが、
最近輸入雑貨商の話を聞く機会がありました。中国での原価は300円だそ
うです。そして100円ライターですが、最近ディスカウントショップでは
一つ29円で売るところもあります。そしてこの原価は3セントだそうです。
2001/3/3
皆さん、こんばんは。今週末は余り天気はよろしくないようです。このと
ころ仕事というよりも、それにまつわる諸事雑用、特に部下の方々が指示
通りに動いて下さらない為の作業もあり、いささか疲労気味です。今まで
の7時50分出社、5時半退社という原則が、もろくも崩れ、実働時間も
延長気味です。それでも自宅にパソコンがあるので、土曜出社をしないで
済むので助かります。投資は身を助けるとでもいうところです。来週は、
とても出来そうにない宿題の為に、またもやサンノゼに出張しなければな
らず、現地での会議と会議の間も開くので、東京にいればやる事が山積し
ているのにと、二重の意味で気乗りのしない出張です。無論、エコノミー
症候群の問題もあります。さて、今回は字数の節約も兼ねて、いつもの、
ですます調でなく、である調で述べさせて頂きます。読者の多くが私より
先輩であるのに、内容が元々辛口なので、一層文の印象がきつくなる恐れ
はありますが、一度トライしてみたいと思います。
「IT革命と企業革新」
本日(3月3日土曜日)13時よりBS1で、掲記フォーラムの放映があった。
この番組の率直な感想を述べさせて頂きたい。出席者は、ソニーの井出会
長、花王の常盤特別顧問、トヨタの張社長、イトーヨーカ堂の鈴木社長、
三井物産の島田副社長という、そうそうたる面々である。そして司会はF社
の特命顧問、N氏。この番組の収録は、前回のビジネス特許戦争
より以前であった為か、司会の顧問も出張やつれがないだけ顔色も良
かった。しかしフォーラム全体としては、今一つ盛り上がりに欠けていた
と言わざるを得ない。理由の一つは、白熱した議論がなかった事で、多分
にこれは前回の特許論争と違ってパネラー同士の討論でなく、一人一人の
静かな意見陳述に終始した事が挙げられよう。また大変申し訳ないが、経
営者としていかに優れた人達であっても、話術はまた別という印象もあっ
た。その結果、N顧問の健闘こそ目立ったものの、視聴者にはあまり受
けなかったのではと心配である。知名度のやや低い、島田氏の発言が多か
った事も影響しているかもしれない。その中では、鈴木社長の意見が一番
分かり易かった。いわくイトーヨーカ堂は、成功体験に頼りがちだが、去
年の売れ筋商品は、むしろ今年は絶対に売れないといっても良いこと、そ
の点セブンイレブンは失敗が当たり前という状況から出発しているので強
いという話などである。常盤元社長は、これからは量より、質でビジネス
の勝負をする時代だと述べていた。良く聞けばなる程という内容ばかりな
のに、何故か今一つピリッとしたものに欠けるという印象だった。N顧
問に以前伺った時に、司会がしゃべりすぎるという指摘を受けたと苦笑し
ておられたが、もし顧問の発言がなかったら、それこそ、とらえどころの
ないフォーラムになってしまったのではないかと思われる。
「イチロー」
イチローが初打席でヒットを打ったといって、NHKが大騒ぎだ。確かに投
手なら、日本から何人も渡米してそれぞれ頑張っているものの、打者とし
ては初めてのケースだから、期待が大きいのは分かる。打者なら毎回の出
場もあり得る。それは確かに分かるけれども、所詮、佐々木もいるマリナ
ーズ、即ち任天堂球団だよね。大リーグかもしれないが、なんとなく釈然
としないのは私だけだろうか。スクラッチでドジャースやヤンキースに入
って、下積みからはい上がり、実力で認められ、トレードの悲哀も身をも
って知るというのとは訳が違う。私にとって真の日本人大リーガーと言え
ば、やはり無口な野茂しかいない。
「潜水艦衝突事故」
前艦長が謝罪に来日した。だからというのではないが、原因は、ほぼはっ
きりしてきているし、家族を失った悲しみは一生いえる事はないだろうが、
そろそろ視点を変えないと、むしろご遺族の気持ちの転換も出来ないので
はないかと思う。遺体の捜索、船体の引き上げについては、今後も日本政
府も支援して、ご遺族の納得のゆくまで続けるべきだろう。しかし米国を
恨む気持ちは、徐々に別の方向に変えていけないものかと思う。そして言
いにくい事を申し上げれば、日本側の実習のシステムや事故対応に、本当
に問題はなかったのかの、冷静な分析を始めるべき時期に来ていると思う。
それは、同種の悲劇を繰り返さない為にも必要な事のように思われる。
「モリザウルス」
政権運営には絶対の自信をもっているそうだ。不支持率80パーセントでも、
この発言。凄いとしか言いようがない。本来なら小泉にでもサラリと席を
譲って、有終の美を飾れば、多少は名も残せるのに。しかしそれを思いつ
きもしないからこその森ザウルスなのだろう。
「コーヒー・ルンバ」
井上陽水が何を思ったか、昔、西田佐知子が歌ったコーヒー・ルンバをリ
バイバルし、それでもヒットチャートの10位以内に入っているらしい。昔
から、この曲の歌詞で分からない言葉があった。それは「モ、カマタリ」
という言葉だ。藤原の鎌足とコーヒーの関係はこれいかに。ところが陽水
の説明を聞いて分かった。モカ・マタリというコーヒーの種類だったので
ある。それが分かったので、直ちにコーヒー店に赴き、モカ・マタリを入
手し、試飲に及んだ次第。
「口内炎」
我が家は遺伝的に口内炎が出来やすい質らしい。風邪気味の時にうっかり唇
の裏側でも?もうものなら、傷跡が必ず潰瘍になる。食物がしみて、飛び上がる
程だ。食事が憂鬱になる。例え?まなくても、犬歯が当たるだけでも傷に
なる事がある。といって自然治癒を待っていては、1週間も掛かる。そこで
薬のご厄介となるが、場所が場所だけに、塗り薬も絆創膏も効きにくい。
有名な薬品としては、張り付けるアフタッチと、塗り薬のケナログだが、水分
を吸って膨れ上がるのが難点。それに軟膏は傷に付き難い。イソジン等
ヨード系のうがい薬の原液をつけるという方法でも、やらないよりはましだ。
最近ではどういう仕掛けか、傷口に割合良く付くサトウ口内軟膏(なんとも
工夫の感じられない名前だ)を使っている。昼間は付けても食事等ですぐ
取れてしまうので、夜寝る前に塗布する。それで痛みが取れる迄に3晩は
かかる。口内炎になって分かるのは果物のジュースが一番痛いという事だ。
口内炎を自然治癒にまかせていた人は、塗布薬を試してみても損はない
だろう。
「出張必携品」
これはレンターカーを使わざるを得ない西海岸だけの事かもしれないが、
いつも困るのが、朝露の降りた自動車のウィンドウをどう拭くかである。
大体はホテルに内証で、浴室からタオルを持ち出すのだが、今回は万全の
体制を敷いた。即ち大型のスポンジと、ゴムの手動ワイパーを用意したの
である。
「親戚の話」
長野県在住の家内の甥(16歳)が、昨年独立系からCDを出したが、やっと
コマーシャルで曲を使って貰えるようになった。資生堂の観月ありさの出る
「ふふ」とかいうパーフェクト・ディスクの化粧品のコマーシャルで15秒。
放映は3月中旬から。また3月17日からはサッカーの中田の出るキャノンの
プリンターのCMで曲が流れるらしい。どちらかというとテクノ系のサウンド
だが、本人は至って純朴な少年で派手さは全くない。名前はコーキで本名(大口
功貴)である。
いかがでしたか。やはり言葉使いによっては、尊大な印象を受けたでしょ
うか。ご意見をお待ちしています。
2001/3/5
皆さん、こんばんは。ですます調か、である調か、では、である調で十分
とのお便りを2通頂戴しました。その1通では、今まで表現には気がつか
なかった、従って内容しか見ていなかったのだろうというお言葉を頂戴し
ています。私も悪のりしやすい(即ちおっちょこちょいな)質ですので、しば
らくである調でやってみようかと思っています。
「飛田給と給田」
どちらも京王線の駅の名前だ。とびたきゅう、と、きゅうでんと読む。急
行も止まらないローカルな駅だが、前者は調布の近くで、サッカーのワー
ルドカップを開催する東京スタジアムの最寄り駅なので、最近、宣伝で盛
り上がっている。そこで名前の由来だが、朝廷から田を賜ったから給田、
それが飛び地だったから飛田給というのはどうだろうか。ともあれ変わっ
た名前には違いない。
「ブッシュ」
イラクの爆撃にはうんざりした。何の必要あっての戦争か。軍部に対する
アッピールと、経済問題から国民の関心をそらそうとでもいうのだろうが、
愚帝(という言葉があるかどうかは知らないが)の馬脚を、そうあわてて出さ
なくても良いのにと思う。米国の経済が下降してゆく中で、この人では建
て直しは到底無理なのではないかと思ってしまう。フロリダの票の数え直
しを途中で放棄した事が、後々まで米国民の後悔の種にならねば良いのだ
が。
「床屋」
本日床屋に行ったら、珍しい事をされた。左分けだった頭髪が、いつのま
にか右分けになっていたのだ。床屋でも間違えるし、記憶にない事もある
のだなと思った。何も言わずに代金だけ払って退散した。
「日本ザル」
日本ザルの生態をとらえた文庫本の写真集がある。名前は忘れたが、その
写真の中で仰天したのは、小猿が雪玉をもって遊んでいる写真があった事
だ。遺伝子の数も人間とそう違わないし、もし言葉を持っていたら亜人類
くらいにはなったのかもしれない。ちなみに日本ザルは、サルの中で一番
頭が良いのだそうだ。そして(勘のよい貴兄貴姉ならお分かりのように)、サ
ルにも及ばない日本人が最近増えている事が嘆かわしい。
2001/3/10
皆さん、おはようございます。今日はお彼岸ですが、未だに春の実感がわきません。但し、
気温は確実に上がっており20度近い日もあります。どういう服装をしたらよいのか迷って
しまいます。
そろそろホームページの容量が足りなくなったのを機会に、大整理を行いました。画質の
良くないもの、ローカルなもの、独りよがりなもの等を削除し、一つのファイルに統合し
ました。今後は一つ記事が増えれば、一つ削除というように、コントロールして行きたい
と思っています。タイトルに使っていた写真画像は、頁を開く度に時間が掛かりますので、
これも削除しました。この機会に未だご覧になっていない方は一度訪問願います。最近の
米国出張の写真等もあります。そう言えば、富士通ビジネスの矢島さんも最近サンノゼ
に出張されたそうです。
「花粉症」
私はもともと鼻が悪く、幼い頃は肥厚性鼻炎等と言われて、ちり紙が手放せなかったので、
まさか今更自分が花粉症になる等とは思っていなかった。しかし鼻血が混じる時もあるの
で気になり、昨日医者に行った。とにかく夜鼻が詰まって寝られないのだ。仕方がないの
でブリーズ・ライトという、鼻の上から貼る絆創膏を買って鼻孔を広げていたが、この製
品、なぜか日に日に価格が上がるという、デフレの昨今珍しい商品である。最初は実買450
円だったのが、550円になり、650円になった。10枚しか入っていない上に、使い捨てだ
から馬鹿にならない。そこで決心して、耳鼻科の医者に診て貰ったら花粉症という事にな
り、飲み薬と、鼻孔に塗布するカプセルを貰った。そして、実はこれがかなり効いたのだ。
今のところ絆創膏の厄介にならずに済んでいる。鼻がおかしい人は、一度耳鼻科に行かれ
る事をお勧めする。
「ベーグル」
家内は、ニューヨークにいる頃からのベーグルのファンだ。ベーグルというのは、もとも
とはユダヤの(但し家内はユダヤ人でも、ユダヤ教でもない)、輪の形をしたパンの事である。
製法が普通のパンと異なり、一度蒸してから焼く為、目の詰まった重いパンになる。もっ
ちりとした食感だ。プレーンの他、芥子粒(ポピーシード)をまぶしたものや、生地にブルー
ベリーやオニオンを混ぜたもの等、何種類もある。これを軽くトーストして、真横にスラ
イスし、クリームチーズを塗る。これにサラダかスープでもあれば、立派なランチだ。な
にしろヘビーなので、一つでもなかなか食べきれない。しかしこの本場のベーグルが、な
かなか日本では売っていない。ベーグルのような形のパンはあるが、生地が違う。それは
持って見れば軽いのですぐ分かる。そこで、米国に出張する機会があれば、必ずベーグル
を買って帰っていた。サンノゼにも、ノア(Noah's)というニューヨークのチェーンの支店が
出来たというので(何故かスターバックスの隣にある事が多い)、今回もそこで買って来た。
日本では、新橋にBストリートという名前の専門店が開店したという話は聞いたが、どこ
にあるのか分からない。しかし最近、東京駅の八重洲口の地下街で、偶然米国と同じベー
グルを売っているのをみつけた。店の名前はKベーグルで、立川の伊勢丹にも支店がある
らしい。これで当面、ベーグルの問題は解決した。後は、米国にあるような大きなクロワ
ッサンの店が出来ないものかと思っている。
2001/3/12
皆さん、こんばんは。6日間のサンノゼ出張から戻りました。土曜日にサン
ノゼ発なら、帰国を一日延ばしてゴルフでもやったらどうかという話もあ
りましたが、ゴルフはこの3年間全然やっていないし、エコノミーのチケ
ットはキャンセルも変更もきかないのでとお断りしました。それでもOEM
時代の人達と歓談出来たのは収穫でした。最近、孤軍奮闘ばかりなので、
旧知の人達と打ち解けた話が出来る機会があるとホッとします。考えてみ
れば、私が良く知っている人達の多くが海外で働いているのだと気がつき
ました。但し、仕事の方は予想通りの難航で、問題の解決には至りません
でした。二つのグループから、それぞれに話を聞くと双方に理があるので、
調整が難しく、両者の歩み寄りには、感情的なわだかまりを取り除く事が
まず必要と感じました。
サンノゼは既に春で、桜も咲き始めており、花壇にも花が咲いています。
気温が高く、車のウィンドウの結露もないので、せっかく持参したワイパー
やスポンジを使う機会は一度もなく、かといって捨てるのも勿体ないので、
そのまま持ち帰りました。
今回はサンノゼの話題です。
「飛行機」
今回はいつものJALを止めて、ノースウェストを使った。その理由は、JAL
はエコノミーからビジネスへのアップグレードは一切ない(JALカーゴとこ
れだけ仕事でつきあっていても、絶対にない)が、ノースとANAは、エコ
ノミーで往復チケットを買うと、片道をアップグレードしてビジネス・ク
ラスにしてくれるからだ。ビジネス・クラスが空いていればという条件は
つくが、大体は空いている。ノースはサービスが悪く、特にアテンダント
の質が悪いという評判だが、日本人スチュワーデスならその心配も少ない。
但し折角のビジネス・クラスの座席が高めで、なんと私の足が床につかな
い事が判明した。これでは太股が圧迫されて、ビジネスにいながらエコノ
ミー症候群になってしまう。私は足の短さでは人後に落ちないものの、私
より更に身長の低い方はご注意頂きたい。足乗せの台が出るようになって
いるので、これを活用した方が良い。帰路はアップグレードがないので覚
悟していたが、隣の座席が空いているという幸運に恵まれ、空路に大きな
問題はなかった。但し往路で、期待後部の油圧系統から異音が出るという
ので、成田の滑走路に出た後で駐機場に引き返し、再点検の為1間半離陸
が遅れたという出来事はあった。
「サンフランシスコ空港」
この半年の間にSFO空港が大改造して大きくなった。デューティー・フリ
ー・ショップも多少大きくなったが、中身は殆ど変わらない。目新しいの
は、ゴルフ・ショップが出来た事だが、米国での買い物に慣れない日本人
をカモにする意図がバレバレで、キャラウェイの大型ヘッドの新ドライバ
ーが500ドルという値段だった。デューティー・フリー・ショップも元の
値段が高いのでお買い得ではない。また、あのショップのメガネをかけた
日本人中年女性(特定の個人ではないが、どういう訳か皆中年で、メガネを
掛けている)のイヤミな対応は不愉快極まりないもので、市内の店の米国人
店員の方がどれだけましか分からない。あれこそ在外日本人の恥といって
も良いくらいだ。とにかく買い物は街で、それも出来ればアウトレットや
プライス・クラブに、誰かに連れて行って貰うのが一番だ。私は車がある
ので地図を描いて貰ったが、土地勘がないと迷うおそれがある。
SFO空港が大きくなって良いことばかりではない。それはレンタカーのプ
ールが別ビルになって、遠くなった事だ。借りる時はともかく、返す時に
は101号線のどこから入ったら良いか迷う。しかも、離れているのでバス
に乗る時間も長く、以前より15-30分は余分に時間を見込まないと、慌て
る事になる。
「宿泊」
今回宿泊のエンバシー・スウィートは、かつて96ドルくらいだったと記憶
しているが、今回は諸物価値上がりのおり、なんと296ドルにもなってい
た。一番高いダブル・トリー・インに至っては400ドルという法外な値段
だ。エンバシーには、かつてさんざん宿泊したが、以前に比べてかなり古
びてきているという印象が拭えない。ようするに汚くなっているのだ。そ
れを勘定に入れると、価格の値上がりは数倍ということになる。朝食付き
も以前と変わらないし、そのメニューも変らない。それでも私がエンバシ
ーを使うのは、FAI,FPCA,FPC,ACのどれにも近いからだ。但し、買い物
と食事については、エル・カミノ沿いのドライブ・インの方が便利だろう。
「レンタカー」
米国出張とレンタカーは切っても切れない関係だ。価格も安くて、一日
60-80ドルだ。私はフォードのトーラスの新型を借りたかったのだが、発音
が悪いせいかフロントに通じず、しかたなくリンカーンのタウンカー(これ
は発音で間違えられることが少ない)にした。しかしこれが結構でかくて、
米国の道が太いとはいえ、Uターンで苦労する。4人フルにのって荷物を積
むという状況でもない限り、コンパトクトカーを使うべきだろう。米国の
新型車としては、一度だけクライスラーのPTクルーザーを見かけた。日本
の自動車雑誌で見ると、1920年頃の雰囲気を漂わせた、むしろアグリーと
言って良いスタイルの車だが、実物はかなり小さい。米国人にも人気があ
り、価格が高いそうだ。しかし日本でも230-280万なので、解せない。
8000-12000ドルで新車が買える国だから、高いのかもしれない。普通乗用
車を買おうとすれば250-300万は覚悟しなければならない日本の事情の方
が、米国人から見たら異常なのかもしれない。クライスラーのクルーザー
は私も一度乗ってみたくなった。理由は性能ではなくデザインである。一
方タクシーは極めて少ない。今回タクシーを見かけたのは一度しかなかっ
た。しかしレンタカーで一番屈辱的なのは、ヘッドライトが消えない事だ。
これは法律で定められているそうで、多分レンタカーの事故が多い為だろ
う。昼間からライトをつけて走っている車が多く、レンタカーが多いのか
と思っていたら、個人の車でも結構あった。その方が安全なのだろう。
「映画」
JALで一番良いことは、エコノミーの席でも映画が選べる事だ。ノースは
ビジネス・クラスでないと選べない。機内で最新の映画が見られるので、
寝ている暇はない。また、ホテルでも、一本9.90ドルという法外な料金さ
え払えば、新しい映画が見られる。ただし機内と違って、こちらは吹き替
えも字幕もない。字幕のない映画を見て、つくづく自分の語学力の限界を
思い知らされた。映画を完全に理解出来たら、貴方の語学力は完璧だと言
って良い。教育映画や政治家の演説なら、分かりやすさが一番大事だし、
何度も繰り返して説明してくれるが、映画の場合はスラングやら、わかり
難い(気のきいた)セリフや言い回しが多くて、所詮ネイティブではない我々
には、即座にピンと来ない事が多い。たった一言で映画の筋が変わったり、
背景が明らかになったりするので、完全に言葉が理解出来ないと、筋さえ
分からなくなる事がある。そいうい点では、セリフの少ないアクション映
画の方が分かりやすい。なお蛇足だが、ノースは台湾やフィリビンを目的
地にしている事が多いので、映画の字幕も中国語が多い。それう見ていて
実に日本語と共通点が多いので驚く。なおサンフランシスコは三潘市(漢字
フォントのないパソコンをお持ちの方には失礼)、またバゲージは行李とな
っていた。
ホテルのTVだけでは面白くないので、一晩は映画館に行った。今でもチャ
ートの上位にいる「ハンニバル」を見る為だ。私は既に原作は読んでいる。
「羊たちの沈黙」の続編で、ハンニバル・レクター博士が、フィレンツェ
で(当然イタリー語で)中世の歴史を講義している。その命を狙うグループと、
10数人を殺害しているハンニバルを、犯罪者として追うFBIのクラリス・
スターリング捜査官、野。そして常に裏をかくアンソニー・ホプキンスの
レクター博士。これに、例の如く血なまぐさいシーンが続くが、前回より
更におぞましいと言って良い。前作との違いは、まずスターリング捜査官
を演じる俳優が、ジョディ・フォスターでない事で、これはフォスターが
出演を拒否した為と伝えられる。しかし今回の女優もフォスターのイメー
ジから余り離れないように努力しているようだ。映画は原作にかなり忠実
だが、それが故に正視に耐えないシーンも多く、絶対子供に見せてはなら
ない。TVのトーク・ショウ(米国で最新の放送が見られると楽しみにして
いたのに、なんの事はない、毎夜再放送だった。米国の放送局は実にいい
加減だ。これなら日本のトーク・ショウ、即ちタモリの方が、再放送がな
いだけ余程まし)で、「ハンニバル」の最後のシーンの為に、ポップ・コーン
の紙の空きバケツを取っておいた方が良いというジョークがあったくらい
だ。しかし、あまり陰惨になってもと思ったか、敵役にはレイ・リオータ
を起用し、多少コミカルな味を出している。但し原作を読んでいる人に言
っておきたい事は、全てが原作通りではなく、過剰な期待はしない方が良
いという事だ。
他に、機内や有料TVで見て面白かったものに、ロバート・デ・ニーロが元
CIAの頑固オヤジを演じる「ミート・ザ・ペアレンツ」がある。娘の花婿
候補に何かといちゃもんをつける役どころだ。エディー・マーフィーの「ナ
ッティー・プロフェッサー2」は、そもそも1が全然ヒットしなかったとい
う背景もあり、またマーフィーが、例の如く一人何役も担当しているが、
そのセリフがあまり面白くない。ジャイアント・ハムスターも登場するが、
ご推薦という程でもない。「チャーリーズ・エンジェル」は、アリー・マイ・
ラブの女優も出演しているが、こういう程度の映画を喜んで見ている米国
人は、どの程度のものかと思わせる。インテリジェスのある人には勧めら
れない。(但し私がインテリジェンスがあると言っている訳ではない。誤解
のないように)。
さて、もう一つ、「シックス・センス」の監督(インド出身)の二作目「アン
ブレイカブル」は、同じブルース・ウィリス主演で、雰囲気はやや似てい
るものの、内容はとても前作には及ばない。参考迄に粗筋を紹介すると、
ブルース・ウィリスは大きな列車事故にあい、ただ一人生還する。かたや、
生まれた時から骨粗鬆症にて悩まされる漫画の収集家がおり、自分の体の
弱さに苦しんでいる。彼は、自分がこれだけ不運なら、もっと幸運な人間
がいるに違いないと考え、人を探し始めている。漫画に出てくる無敵のヒ
ーローという訳だ。果たしてウィリスこそがその人物なのか。当然オチも
あるが、「シックス・センス」に比べれば見劣りする。
さてもうすぐアカデミー賞の発表があるが、作品賞に「グラディエーター」
その他がノミネートされたものの、トム・ハンクスの「キャスト・アウェ
イ」はともかく、「ペイ・イット・フォワード」が候補に残らないのは残念
だ。そもそもグラディエータは作品賞というより、むしろ主演男優賞や女
優賞の候補のほうがふさわしいと思う。一度授賞式の現場に居合わせたい
ものだが、「オペラ座の怪人」の主役の怪人役を演じるのと同じくらい、難
しいだろう。
「パソコンとケータイ」
帰りの機内でレポートでも纏めようと、持参のパソコンを広げてみたもの
の、結局一文も書けなかった。最大の理由はローマ字変換である事で、二
番目の理由はキーボードが小さい事だ。今後はノートパソコンより、実際
のノートに書いた方が、そもそも荷物も少なくて良さそうだ。帰宅してか
ら、自宅のオアシス鍵盤の付いたバソコンで清書すれば良い。
出発の3日前迄なら、ドコモがケータイを貸してくれるという話だったが、
土曜日は3日の内にカウントしてくれないので今回は駄目だった。米国の
空港で借りられたが、ケータイは出張者の必携アンテムである。というの
は、いちいちホテルに戻って伝言を確かめる暇がない事と、自動車の中か
らも連絡が取れるからだ。但し、レンタルした機種はニッカド電池でも使
っているのか、しょっちゅう充電しなければならなかった。但し、車のシガ
レットライターからも充電出来る。また日本のそれと違って重い。期待して
いたパソコンとの接続は、ジャックの形状が違うので不可能だった。しかし内の電話なら、日本と全く同じように、PC側で設定さえすれば使えるとの事である。
長くなる(長くなった)ので、続きは後日と致します。出張の写真については
順次、ホームページに掲載の予定です。
以上
2001/3/14
皆さん、こんばんは。昨日は長いメールをお送りして、大変失礼しました。
早速家内からもクレームがつき、行間が詰まって読みにくい等と指摘を受
けました。今日エッセイを読み返してみて、修正もれがいくつかある事に
も気がつきました。重ねてお詫び致します。現在、土屋賢二という哲学者
の「われ多いに笑う、故にわれ笑う」というふざけた本を読んでいるので、
その悪影響のせいか、生硬な文章になっておりました。さて、昨日は、どち
らかというと趣味に振った話題でしたが、今日はその他の話題です。なお、
森紘一さんから早速メールを頂戴しており、シンガポールではベンツが1400
万円、コロナが700万円だし、日本でも150万から車はあるのだから、むしろ
米国こそ異常に車が安い国なのではないかという指摘を頂きました。また
スウェーデンでは雪の反射が強くて車が見え難いので、エンジンが掛かって
いる間ヘッドライトが消えないのだそうです。質問も頂きましたが、レンタ
カーだけが、ヘッドライトが消えないと聞いています。なお州によって様々
で、私がNYに居たころは、雨の日のヘッドライト点灯が義務付けられると
いう事もありました。
「電子メール」
以前はそれほどメールの数は多くはなく、日に10通程だったのが、最近は
倍増している。複数のプロジェクトに関わっている事が最大の原因だが、
一応報告しておこうというメールやら、写しが多い。上位の方ほどメールの
数は更に多いだろうから、これではメールを読むだけで半日終わりかねない。
小島専務が、メールは10行以内でとおっしゃるのも分かる気がする。少し
放っておくと50通以上の未読メールが溜まり、メールを読むのも気が重く
なる。しかも添付としてやたら大きなファイルがついて来る事が多く、メ
ールを開くのに時間が掛かって、ますますメールを開くのが憂鬱(ゆうう
つ=なぜ読み仮名をふるかというと、たまに漢字フォントにない場合があ
って、クェスチョンマークだけが送信される場合があるからである)にな
る。忙しい人には、下らぬエッセイ等を送るのが憚られる次第である。
「イスラム原理主義」
アフガニスタンの仏像破壊の暴挙には世界中が眉をひそめた。こういう国
には一切援助などするべきではない。日本では世界遺産の破壊に反対する
という立場だろうが、欧米では信仰の自由に対する侵害だという見方があ
る。ともあれ他者を一切認めないとする排他的な宗教は、迷惑以外の何者
でもない。ようするにオーム真理教が大規模になったようなものだ。宗教
の名の元に全てが許され、人命を奪う事すら認められるようでは、もはや
邪教の集団に過ぎない。
「ブッシュ」
馬鹿だ馬鹿だと言われていたが、やはり馬鹿だったのかもしれない。今イ
ラクを叩く必要がどこにあるのか。困るのはイラクの国民だけだ。それな
らむしろフセインに非合法工作員でも差し向けた方が、少なくも国民は迷
惑しない。そもそもチェイニー副大統領とパウエル国務長官では、湾岸戦
争の時と同じ顔ぶれではないか。かつてどこかの新聞が、今回の政府はデ
ジャヴだと書いていた。今回の訪米中(という程でもなく、ただの出張だが)、
TVの報道ではチェイニーが心臓発作で緊急入院(但し翌日は職務に復帰。
これで数回目との事)した事を大きく取り上げていた。やはり激務は無理な
のではないかと思わせるものがある。
「銃乱射事件」
滞米中の一番大きな報道は、サンディエゴの学校で少年が銃を乱射し2名
が亡くなり、10名以上が負傷した事件だ。この少年は大型のリボルバーを
持ち込み、何度も弾を込め直しては撃ったというから一時的な錯乱とは思
えない。何かしらの憎悪を感じさせる。無論米国の事、本人の写真も名前
も公表された。親のインタビューも放映された。報道では、少年は何事に
よらず全てに怒りをぶつけていると報道していたが、その後、更なる問題
が起きた。即ち、ものまね(コピー・キャット)が多発したのである。あちこ
ちの学校で銃による脅しを始め、射撃事件が起きている。とにかく刃物と
銃を絶対に学校に持ち込ませない事が第一歩だろう。
「新聞」
サンノゼではニューヨーク・タイムスを買うのが難しい。そこでウォール・
ストリート・ジャーナル(WSJ)を読む事になる。USAトゥディやサンノゼ・
マーキュリーはあまり読む気にはなれない。日経は日本のWSJである。今
回は現地の先週の新聞記事の中から、いくつかご紹介したい。(ニューヨー
ク駐在員の頃を思い出す。NYに居た当時は、新聞雑誌を含めて、通読する
のにほぼ一日かかっていたが、今なら2時間もあれば片づけられるだろう。
なぜなら、一目でどの記事が重要か分かるからだ)。
昨日NY市場で株価が下がった。日本でもバブル後で最低の株価指数とい
う。今朝の日経では、田中直毅が、IT、ITで浮かれた為と酷評していた。
但し、ITが個人レベルという本来の姿を取り戻しつつあるとも述べていた
が、全体的にきつい意見だと思う。むしろ、秋草社長が日経で昨日述べて
いたように、企業の投資意欲はそれなりにあるというのが実態に近いので
はないか。さて、3月8日のWSJによれば、景気後退(リセッション)の危
機感は依然あまり大きくないと報道している。無論これは株が下がる前の
記事ではあるが。シリコン・バレーでは労働市場は緩和、というよりレイ
オフも増えているが、危機感というものはあまり強く感じられなかった。
またグリーンスパンを経済成長の聖人のように見なしている記事もあった。
むしろ危機感が強いのはエネルギーの方で、北東部では暖房、南部では冷
房、中西部では石油が、それぞれ不足する可能性があると述べている。更
に日本円が下がった事で、サムライ・ボンドを借りている国が得をしてい
るという記事もあった。広告では京セラの多機能携帯電話が大きく取り上
げられていた。これは画面を広くとって、多機能にしたもののようである
が、iモードではない。なおUSAトゥディに、グリーンスパンの魔法の秘
密は生産性だという記事があり、グリーンスパンは、技術の進歩がインフ
レを抑制出来ると述べたと伝えていた。3月9日のWSJでは、日本のGDP
は5パーセント増えたが、実質成長率はインフレを折り込まなければなら
ないので、インフレを2パーセントとして、実質3パーセントの成長とな
る、しかし物価が下がっているので、実際経済成長率はノミナルなものよ
り良いはずだと述べている。
「馬車」
今日、東京駅の、丸の内中央口の前に、菊の紋章のついた馬車が止まった
ので、早速野次馬に加わった。外国人らしいカップルが乗り込むと、3台の
馬車と騎馬警官からなる一行は、皇居を目指して走り去った。駅員の説明
によると、チェコの大使(多分新任)が、天皇から認証を受ける為に皇居に向
かったのだそうである。写真も撮ってあるので、追ってホームページで御
紹介したい。東京駅のもう一つの顔であった。
2001/3/18
皆さん、こんばんは。昨日は長いメールをお送りして、大変失礼しました。
早速家内からもクレームがつき、行間が詰まって読みにくい等と指摘を受
けました。今日エッセイを読み返してみて、修正もれがいくつかある事に
も気がつきました。重ねてお詫び致します。現在、土屋賢二という哲学者
の「われ多いに笑う、故にわれ笑う」というふざけた本を読んでいるので、
その悪影響のせいか、生硬な文章になっておりました。さて、昨日は、どち
らかというと趣味に振った話題でしたが、今日はその他の話題です。なお、
森紘一さんから早速メールを頂戴しており、シンガポールではベンツが1400
万円、コロナが700万円だし、日本でも150万から車はあるのだから、むしろ
米国こそ異常に車が安い国なのではないかという指摘を頂きました。また
スウェーデンでは雪の反射が強くて車が見え難いので、エンジンが掛かって
いる間ヘッドライトが消えないのだそうです。質問も頂きましたが、レンタ
カーだけが、ヘッドライトが消えないと聞いています。なお州によって様々
で、私がNYに居たころは、雨の日のヘッドライト点灯が義務付けられると
いう事もありました。
「電子メール」
以前はそれほどメールの数は多くはなく、日に10通程だったのが、最近は
倍増している。複数のプロジェクトに関わっている事が最大の原因だが、
一応報告しておこうというメールやら、写しが多い。上位の方ほどメールの
数は更に多いだろうから、これではメールを読むだけで半日終わりかねない。
小島専務が、メールは10行以内でとおっしゃるのも分かる気がする。少し
放っておくと50通以上の未読メールが溜まり、メールを読むのも気が重く
なる。しかも添付としてやたら大きなファイルがついて来る事が多く、メ
ールを開くのに時間が掛かって、ますますメールを開くのが憂鬱(ゆうう
つ=なぜ読み仮名をふるかというと、たまに漢字フォントにない場合があ
って、クェスチョンマークだけが送信される場合があるからである)にな
る。忙しい人には、下らぬエッセイ等を送るのが憚られる次第である。
「イスラム原理主義」
アフガニスタンの仏像破壊の暴挙には世界中が眉をひそめた。こういう国
には一切援助などするべきではない。日本では世界遺産の破壊に反対する
という立場だろうが、欧米では信仰の自由に対する侵害だという見方があ
る。ともあれ他者を一切認めないとする排他的な宗教は、迷惑以外の何者
でもない。ようするにオーム真理教が大規模になったようなものだ。宗教
の名の元に全てが許され、人命を奪う事すら認められるようでは、もはや
邪教の集団に過ぎない。
「ブッシュ」
馬鹿だ馬鹿だと言われていたが、やはり馬鹿だったのかもしれない。今イ
ラクを叩く必要がどこにあるのか。困るのはイラクの国民だけだ。それな
らむしろフセインに非合法工作員でも差し向けた方が、少なくも国民は迷
惑しない。そもそもチェイニー副大統領とパウエル国務長官では、湾岸戦
争の時と同じ顔ぶれではないか。かつてどこかの新聞が、今回の政府はデ
ジャヴだと書いていた。今回の訪米中(という程でもなく、ただの出張だが)、
TVの報道ではチェイニーが心臓発作で緊急入院(但し翌日は職務に復帰。
これで数回目との事)した事を大きく取り上げていた。やはり激務は無理な
のではないかと思わせるものがある。
「銃乱射事件」
滞米中の一番大きな報道は、サンディエゴの学校で少年が銃を乱射し2名
が亡くなり、10名以上が負傷した事件だ。この少年は大型のリボルバーを
持ち込み、何度も弾を込め直しては撃ったというから一時的な錯乱とは思
えない。何かしらの憎悪を感じさせる。無論米国の事、本人の写真も名前
も公表された。親のインタビューも放映された。報道では、少年は何事に
よらず全てに怒りをぶつけていると報道していたが、その後、更なる問題
が起きた。即ち、ものまね(コピー・キャット)が多発したのである。あちこ
ちの学校で銃による脅しを始め、射撃事件が起きている。とにかく刃物と
銃を絶対に学校に持ち込ませない事が第一歩だろう。
「新聞」
サンノゼではニューヨーク・タイムスを買うのが難しい。そこでウォール・
ストリート・ジャーナル(WSJ)を読む事になる。USAトゥディやサンノゼ・
マーキュリーはあまり読む気にはなれない。日経は日本のWSJである。今
回は現地の先週の新聞記事の中から、いくつかご紹介したい。(ニューヨー
ク駐在員の頃を思い出す。NYに居た当時は、新聞雑誌を含めて、通読する
のにほぼ一日かかっていたが、今なら2時間もあれば片づけられるだろう。
なぜなら、一目でどの記事が重要か分かるからだ)。
昨日NY市場で株価が下がった。日本でもバブル後で最低の株価指数とい
う。今朝の日経では、田中直毅が、IT、ITで浮かれた為と酷評していた。
但し、ITが個人レベルという本来の姿を取り戻しつつあるとも述べていた
が、全体的にきつい意見だと思う。むしろ、秋草社長が日経で昨日述べて
いたように、企業の投資意欲はそれなりにあるというのが実態に近いので
はないか。さて、3月8日のWSJによれば、景気後退(リセッション)の危
機感は依然あまり大きくないと報道している。無論これは株が下がる前の
記事ではあるが。シリコン・バレーでは労働市場は緩和、というよりレイ
オフも増えているが、危機感というものはあまり強く感じられなかった。
またグリーンスパンを経済成長の聖人のように見なしている記事もあった。
むしろ危機感が強いのはエネルギーの方で、北東部では暖房、南部では冷
房、中西部では石油が、それぞれ不足する可能性があると述べている。更
に日本円が下がった事で、サムライ・ボンドを借りている国が得をしてい
るという記事もあった。広告では京セラの多機能携帯電話が大きく取り上
げられていた。これは画面を広くとって、多機能にしたもののようである
が、iモードではない。なおUSAトゥディに、グリーンスパンの魔法の秘
密は生産性だという記事があり、グリーンスパンは、技術の進歩がインフ
レを抑制出来ると述べたと伝えていた。3月9日のWSJでは、日本のGDP
は5パーセント増えたが、実質成長率はインフレを折り込まなければなら
ないので、インフレを2パーセントとして、実質3パーセントの成長とな
る、しかし物価が下がっているので、実際経済成長率はノミナルなものよ
り良いはずだと述べている。
「馬車」
今日、東京駅の、丸の内中央口の前に、菊の紋章のついた馬車が止まった
ので、早速野次馬に加わった。外国人らしいカップルが乗り込むと、3台の
馬車と騎馬警官からなる一行は、皇居を目指して走り去った。駅員の説明
によると、チェコの大使(多分新任)が、天皇から認証を受ける為に皇居に向
かったのだそうである。
2001/3/18
皆さん、おはようございます。しばしのおしゃべりにおつきあい願います。昨日
の土曜日は、殆ど一日掛かりでサンノゼ訪問時の写真のホームページを作成しま
した。最近行っておられない方も、どうぞご覧下さい。既にレンタル・サーバー
の無料の容量10MBプラス有料の20MBを使い切り、今また家内の分の無料
10MBが底をつきかけています。一大決心で、古いものから整理して、見応えの
あるものだけに絞ろうと思います。かなりの工数が掛かるでしょうが、資源の有
効活用も必要ですし、訪問する人から見て、楽しい、或いは有益なものであるべ
きだという観点からの見直しも必要でしょう。
「出張時の会議の心得」
これは外国での会議の心得というより、多分シリコン・バレーの事だけかもしれ
ないが、カンファレンス等の大規模な会議や、契約交渉等予め準備が必要なもの
を除き、いわゆる打ち合わせ程度の場合は、以下のルールが有効なように思われ
る。即ち普通の打ち合わせは1時間を標準とする。少し込み入った内容や、参加
者が多い時は2時間を見込む。会議の種類はこの二つだけで良い。30分というの
もやってみたが、まずそれで納まる事は少なく、結局、タイトなスケジュールを
組んだ挙げ句、後の会議の出席者に迷惑を掛ける事になる。挨拶でさえ、30分で
納まる事は少ない。また会議と会議の間は、例え車で10-20分で移動出来る地域
でも、1時間の余裕を見た方が良い。会議が延びる場合もあるし、交通渋滞に出
会う場合もある。こうして1時間単位でスケジュールを組んでしまうと、後は実
に楽だ。時間が余っているようでも、移動の時間が馬鹿にならない。時間が空い
たので、ちょっと買い物でも等と考えるのもやめた方が良い。米国なら、店は8
時迄は開いている。ちなみに食事は昼食で1時間、夕食で2時間見た方が良い。
以上1アワー、2アワーズの法則である。
「英語力」
語学の習得には限りがないと言われる。というより最近気になるのがむしろ語学
力の後退である。僅か1週間前に米国から戻ったばかりだというのに、今朝、昨
夜収録したトークショウを見ていたら、最初の1時間は良く聞き取れなかったの
で愕然とした。コロンビア大学に留学していた家内の知人でさえ、映画は完全に
理解するのは難しいと言っていたという。トークショウやスタンダップ・コメデ
ィーは、時事ネタやスターのゴシップ等が多いので、英語は分かっても、内容は
分からない事が多い。しかし、それは仕方がないのであって、我々は米国で生活
している訳ではないのだ。問題は英文が聞き取れないという事だ。数年前に
TOEICのヒアリングの満点495点で490点を取った事等、嘘のような話である。
今、再挑戦すればどんな点数になるか分かったものではない。年を取るにつれ、
能力は後退する覚悟をしなければならない。従って一層努力の手を緩める訳には
いかないと自戒した次第である。ちなみにスピーチとなると更にボロボロで、少
し調子が戻るには現地でも最低2-3日の滞在が必要だ。
「スターウォーズ、次回作」
米国でスターウォーズの専門雑誌、スターウォーズ・インサイダーというのを買
って来て読んだら、既に次回作、即ちエピソード2の撮影が始まっているという
記事があった。ロケ先はオーストラリアとチュニジア(エピソード1のポッドレー
スのシーンでも使われていた)等。出演者は前回(エピソード1、ファントム・メナ
ス)と同じ顔ぶれなのは、オビ・ワン・ケノービ役のイアン・マクレガー(多少老
ける)と、アナキン・スカイウォーカー(=ダース・ベイダー)と多分結婚する事に
なるであろう、パドメ役のナタリー・ポートマンだ。前作で味を占めた、サミュ
エル・ジャクソンも出演している。ロボットのC-3POとR2-D2は、成長や老化
という事がないので毎回同じ姿で登場する。ちなみに、この二人(2体)は、ハリウ
ッドのチャイニーズ・シアターの前の道路に、足型を残しているのを、かつて現
地を訪問した時に確認した事もある。前作同様惑星ナブーを巡っての宇宙戦争と
なりそうで、前回と同じロボット戦士も登場する見込みだ。今回はダース・ベイ
ダーも青年に成長し、ハイデン・クリステンセンが演じるという。ちなみに原題
はStar Wars Episode II, Invasion of Theed(シードの意味は分からない)。
秘密が好きなスターウォーズ・シリーズだが、既にイメージ的な一部のスチル
写真が公開されており、関心のある方はwww.starwars.comをご覧頂きたい。
スター・ウォーズとは良く言ったもので、毎回が戦争である。
「森後継」
私の出張中に首相の辞意が確定した。小泉が中継ぎだけするというのなら、やら
せて見ればよかろう。ところが、野中がむきになって邪魔をしている。野中は、
自分は絶対総理にならないと公言しているが、本当の腹の内は分からない。今ま
でを見ても、どういう小細工をするか分かったものではない。野中は実力があっ
ても、平気で嘘をつくような人だ。今はもはや腹芸の政治の時代ではない。
「個人認証」
日経によれば、指紋や網膜に変わって、指の血管のパターン(日立)やマウスの握
り方(ゼロックス)で個人を識別する新装置が開発されたそうだ。これまでの装置
に比べてごまかしが困難という。指紋はゴム等で複製が可能だという指摘はされ
ていたので、新たな識別装置の開発は必要だろう。
「土屋賢二」
このお茶の水女子大の教授の本も、私は3冊目だが、この「人間は笑う葦である」
をまもなく読了する予定だ。私は冗談が好きである。冗談の分からない人はとは
おつきあいを遠慮したいくらいだ。一方よくしたもので、きまじめな人達も私を
好きではないらしい。悪ふざけが過ぎるとたしなめられる事も多い。そこでこの
文春文庫から、ごく一部をご紹介したい。
高級レストランでのふるまい方という文から、
始めに断っておくが、高級レストランというのは次の条件を満たすレストランの
事である。1.カウンターがない、2.ウェイターまたはウェイトレスがいる、3.食券
を買う方式でない、4.注文を聞きに来る人と調理をする人が違う人間である、5.
そこで働いている人が同一家族でない、6.テーブルが回っていない、7.店の下に
車輪がついていない
ちなみに、著者は高級レストランで最大の問題はウェイターだとしており、
問題はマナーではなく人間である。とくにウェイターが問題である。普通の人は
どうしてもウェイターに圧倒されてしまう。ウェイターは立派に見える実践的練
習を積んでいる。「立派になりたい」と願っているだけの一般人とは大きい違いで
ある。もしウェイターにしかるべき扱いを受けて平然としている人がいたら、そ
の人は尊大である。ウェイターに圧倒されてへりくだる人がいたら、その人は卑
屈である。どちらにしても立派な人間とは言えない。
と述べている。
しかし取り分け立派でない私は、久しく高級レストランには行っていない。モー
ターでテーブルが回転する回転寿司には行くが、カウンターに(従って寿司屋は料
金は高いが、基本的に高級レストランではない)座る事はない。テーブルが回る中
華にも滅多に行けない。さりとて著者が想定しているような、高級フレンチ・レ
ストランにも興味はない。私が今一番行きたいところは、数種類のカレーとナン
を出す、リーズナブルなインド料理店である。料理は味が全てであり、後は清潔
で、店員の感じがよければそれで良い。無論値段は安い程良い。
2001/3/31
読者の皆様、おはようございます。なんで今頃になって、雪が降らな
ければならないのでしょうか。お花見を予定した方はがっかりでしょ
う。私も先週、冬タイヤを夏タイヤに交換したばかりです。私はタイ
ヤの交換は以前から自分でする事にしており、これは数千円を節約す
る事が本来の目的ですが、油圧ジャッキを持っているので、使わない
と損をするという、せこい気持ちもあります。
先週の月曜は名古屋でトヨタさんにプレゼンをしてきました。パソコン
で資料を作る為に土曜日は出勤し、半分徹夜になりました。部下が作って
私がチェックするのではなく、私が作って部下にチェックさせるという
パターンです。今週はそういう作業がないだけに、気が楽です。いつもの
ように名古屋訪問の写真を、ホームページに掲載してありますのでご覧
下さい。名古屋城が、ことのほかきれいに見えました。
「仕事」
今まで所属していた国際営業本部が、正式になくなる事になった。今
どき国内、海外という分け方もなかろうという事で、海外部門も、地
域別営業の一つとなり、我々物流部門も名前が変わる事になった。私
としては、伝統ある渉外部という名前を是非残したかったのだが、輸
出部という名前に変わった。即ち、最後の渉外部長という訳だ。ソフ
ィアの駐在事務所がなくなり、ニューヨークの事務所は、なくならな
い迄も極端に縮小され、富士通トレーディングはなくなり、今また渉
外部がなくなる。一帯これはどういう事なのかと考えざるを得ない。
まさか店じまいの達人と思われている訳でもあるまい。しかし今回の
組織変更には私もいささか責任がある。
今回の組織の正式名称は、グローバル事業支援統括部の輸出部という
もので(但し輸出だけやっている訳ではない)、私はラインの部長を
続投するので、今迄とあまり変らない。パスは増えるが、本質的に仕
事の性質も変わらない、しかし新しい宿題を専務から与えられている
ので、仕事量は増える。以前から私が主張していた、旧渉外部で手配
から出荷迄を一貫してサポートする事で、工数を削減したいというア
イデアが正式に取り上げられた為、試験的にアジア市場向けからやっ
てみる事になったからだ。全体を一気にやれないのは残念だが、言い
出した以上、軌道に乗せなければならない。
現在の仕事でも、夕方の6時とか7時から始まる会議が増えており、
帰宅時間も遅くなりがちだ。私は生来処世術が下手で、頼まれて余計
な仕事を背負い込む事も多いが、自分から仕事に背は向けない等と威
張ってみても、所詮は逃げ損なっているだけなのだろう。他にやる人
がいないから、仕方なくというのが本音かもしれない。
対人関係が多くなると、仕事の上での不愉快な経験も増えてくる(多
分、私も相手に不愉快な思いをさせているのだろう)。最初から悪意
で接して来る人もいる。しかし最近では、気持ちの切り換えが少し出
来るようになって、嫌な事はすぐ忘れるように、翌日まで持ち越さな
いように努力している。
仕事が増えると、議論の機会が多くなるので、反対意見を述べる事を
躊躇していられなくなる。だからまた敵を増やす事になるのだが、相
手が誰であれ、口論を恐れず、自分の主張を言わなければならない。
これは仕事のプラスの面かもしれないし、ここに私の開き直りもある。
即ち、私には失うものは何もないのだから、自分の言いたい事くらい
言いたいという事だ。それは例え相手がどんな人であってもである。
もはや私にとって、肩書や権威等なんの意味もなく、意味があるのは
その人の主張の中身と正当性だけである。
自分を必要としている仕事や人がいる間は働く。そして、その後の事
はその時になったら考えるよりしかたがない。これもまた開き直りな
のだろう。
「名刺」
家族全員のメール・アドレスと携帯の番号(除く長女)の載った名刺を
作った。使う者は、自分の名前の四角い箱にチェックを入れて相手に
渡す。家族全員のアドレスが分かったからといって、特に不都合はな
い。これは仕事以外のつきあいや、仕事のつきあいでも、自分のプラ
イベートなメール・アドレスやホームページのURLを教えたい場合
に使うものだ。今後はプライベートな名刺が一つの流行りになるかも
しれない。これからは肩書のない個人としての価値が、どう評価され
るかという時代が来るだろう。
「タイムワープ」
年一回の会社の成人病検診は、気乗りのしない行事のナンバーワンで
ある。何か見つかったらどうしようかという事ではなくて、強制され
る事が嫌なのだ。私は血圧が高めになってから、日大病院に毎月通っ
て降圧剤を貰っており、そのおかげでいちおう正常値を維持している。
またこの病院で半年に一回は検査を受けている。また消化器について
は30年来お世話になっている新橋の病院があって、そこでやはり定
期的に検査をしている。だから会社の検査は私にとって大きなお世話
なのだ。以前、会社の検診の胃のバリウム検査でひっかかり、是非と
も胃カメラの検査を受けろと言われた。私は嫌だったので、行きつけ
の病院でバウリムで再検査したらシロだった。しかしそれを連絡して
も、会社の検査報告では半病人にされてしまった。会社の言うとおり
にやらないと認めないという事なのだろう。また最近では、血糖値が
高めだという判定を出され、要再検査と言われ、日大病院で再検査を
したら、正常値だった。本当にいい加減にして欲しいというところで
ある。
ちなみに、胃カメラ(内視鏡)といえば大変に評判が悪い。前回紹介し
た土屋という哲学者の随筆でも、検査室から出てくる人は例外なく皆
青い顔をしている、といいつつ、自分の検査の様子は絶対に述べてい
ない。また胃潰瘍を患った私の母も、二度としないと言っており、私
も内視鏡はやるまいと思っていた。実は私は、内視鏡検査の経験があ
る。ニューヨークにいた頃、ストレスで胃を悪くした時、麻酔をかけ
てくれるというので一度検査をしたのだ。その時は、麻酔で眠ってい
る間に済んだので苦痛はなかった。結果も異常なしだった。
最近自分から進んで行きつけの内科でバリウム検査をして貰い、軽い
胃炎があると言われた。必ずしも必要はないと医師は言ったものの、、
検査で苦痛のない病院はないか尋ねたら、赤坂見附のM病院を紹介
された。それでもあまり気が進まなくて2回程延期していたが、一昨
日思い切って行ってみた。
ベッドがいくつか並んでいて、中高年の男性患者が横になっている。
ゴーゴー鼾をかいている人もいる。やがて自分の番が来て、横になっ
て腕に注射をチクリとされ、息を大きく吸ってと言うので、深呼吸を
して、息を吐いたら、もう終わっていた。時計を見ると一瞬の内に30
分が経過していた。私は早く覚めた方なのだろうが、未だグーグー寝
ている人もいる。直ぐに検査結果が出て、やはり胃炎以外のものはな
い事が判明した。多少ふらつくので、タクシーで帰宅した。しかし麻
酔は不思議な経験だ。夢のない眠りというのだろうか。完全にある時
間が欠落して、突如30分後にタイムワープするようなものだ。麻酔
も絶対に安全とはいえないだろうが、手術の時の麻酔とは違うよう
な気がするし、私も責任は負いかねるものの、苦しいことは嫌という
普通の方は、一度検討されていはいかがだろうか。保険を使って費用
は3000円くらいだ。
2001/5/9
皆様、おはようございます。るる 1ケ月ぶりのエッセイです。
連休中はいかがお過ごしでしたでしょうか。私は連休の真ん中の日が、
事務所の移転があり、強制休日も返上して、2日間出勤し、後半は
どこで貰ったか分からない風邪で体調が優れず、どこにでも出かけ
られませんでした。
前半は半年以上も行っていなかった山小屋の点検に出かけました。草刈り
には未だ早かったものの、テレビのアンテナは倒れて映らず、風呂の蛇口は
凍結したのか、ひび割れして水が吹き出す等、修理する所が多く、休日に
なりませんでした。但し、山は春の真っ盛りで、写真だけは沢山とりました
ので、ホームページでご覧下さい。毒舌エッセイも掲載中です。今回は久し
ぶりなので、大部分は、ですます調になっています。
「国内政治」
小泉政権が発足したものの、たちまち政界、官界(例えばあれだけの不祥
事の後始末を起こしておいて、とかげの尻尾切りで逃れようとしている外
務省)の守旧派による妨害工作が始まっていると、週間現代は伝えていま
す。しかし、そういう人達は、80パーセントを越えるという小泉内閣の支
持率の意味が分かっているのでしょうか。今までの自分達の施政方針が、
いかに国民の支持を失っていたのかという事から、故意に眼をそらして勝
手な事を述べているようでは、日本にとって全く不要な人達と言われても
仕方がありません。守旧派の人達は、小泉首相に対する反感憎悪を募らせ
ているようですが、仮に参院選で自民党が大敗して、それを口実に小泉首
相の足を引っ張ることが出来たとしても、少しもその立場は改善されない
でしょう。なぜなら、小泉氏を下ろす事が仮に出来たとしても、国民は第
二、第三の小泉氏を選ぶだろうからです。自民党が参院選で勝つ方法はた
だ一つ。小泉氏の下で一致団結するしかないという事すら理解出来ないよ
うでは、まず政治家として失格です。
新内閣で一番気になるのは経済政策ですが、起死回生の方法があるとは思
いません。まして若年の竹中氏に多くは期待出来ないと思います。堺屋氏
のようなしたたかさもありませんし、これまでも政策立案に関わってきて、
これという施策はなかったように思うからです。むしろ、経済問題につい
ても、小泉氏の指導力の方が有効でしょう。経済問題の要点は、国民の気
分をどれだけ明るい方向に変えられるかという事です。本当の経済の建て
直しは、国民一人一人が、政府に頼るのを止めて、自ら経済を再建しよう
と決心した時に始まると思います。いわば民活が決め手です。
私がデフレを肯定出来ないのは、国民の労働意欲と購買意欲をそぐからで
す。もはや企業の力だけで経済は回復出来ません。国民一人一人の消費動
向が変わらないと無理だと思います。今やるべき事は大減税と、教育費等
の国民の重圧を少しでも減らす事です。
ちなみに私は、小泉政権が保守党、公明党との連立を解消し、他の革新政
党との連立を考えた方(実際にやらなくても考える振りをするだけでも良
い)が、更にダイナミックな政治の浄化と改革となり、日本の復活につなが
るのではないかと思っています。
「国際政治」
ブッシュ政権は明らかな軍需産業政権で、米国は軍備強化への傾斜を強め
ています。しかしこれは明らかに現在の世界の動きと逆行する動きです。
どうしてもブッシュ政権が米国の軍需産業におもねりたいのなら、いつか
来る小惑星の直撃災害を掛ける為の探査と、迎撃の対策の方にこそ投資す
べきです。今の方法では、単に米国のマイナスのイメージを累積している
だけに過ぎません。ブッシュを選んだ米国民の選択は、少なくも今のとこ
ろ正しかったとは思えないのです。
「犯罪」
無抵当な相手に刃物を振るう。火をつける。大勢で襲撃する。最近の犯罪
に共通しているのは虚無的な非人道性です。結論から言えば、私は社会病理
現象だと思います。昔は世紀末現象だの、人心の荒廃だのという表現があり
ました。しかし、最近の犯罪に見られるのは人心の荒廃ではなくて、人間性
の喪失だと思います。一言で言えば、彼らはもはや人間ではなくなっている
と言う事なのです。彼らが何故人間らしい心を失ったのかを、逮捕した後で
克明に分析する必要があり、そこに社会病理学の出番があります。行き場の
ない閉塞間、自暴自棄、金が欲しくてやった等々。理由はともあれ、何故
彼らは人間である事を放棄し、いともやすやすと一線を越えてしまったのか。
彼らには罪悪感すらなく、あるのは虚無感だけだと思います。実際に手を
下した彼らは責任を逃れる事は出来ませんし、極刑を与えるのをためらう
べきでもありません。一方、社会が彼らをそこまで追い込んだのなら、
誰が、或いは何がここまで彼らを異常な心理に追い込んだのかという事を
分析すれば、犯罪防止の手がかりが見つかるかもしれません。
最近道を歩いていても、自分の事しか考えない人達(或いは自分の中に
閉じこもっているのかもしれない)、他人に対する配慮の全くない若者や
中年が増えています。車の運転しかりです。信号を守ることすら出来ない
(一見)普通の人達が増えているのです。これは企業内でも同じ事だと
思います。即ち、他人の事を考える事の出来ない(という事は、社会性
のない)人(というより人でなし)の増加です。他人に対する配慮や思い
やりのない社会。国家レベルの自閉症という事にでもなれば、国が滅びても
少しもおかしくありません。
なお被害者側の論理としては、自分で自分の身を守る必要があります。
というより守るべきです。一般人も全て警察任せ、無防備でいて良いという
事には決してなりません。そういう場面に遭遇したら、まず必要な事は
お互いに助け合う事です。束になって虚無的な怪物に立ち向う事で、
勝つチャンスも出てきます。犯人にむざむざ殺されるのではなくて、
非力でも立ち向かう、その精神が大切です。
ちなみに、非常時には警官はもっと気軽に発砲すべきだと思います。
「ウィンドウスExと、オフィスEx」
マイクロソフトのウィンドウの新版が今秋。同オフィスの新版が6月にリリース
されるという。また物入りか。どなたか評価用に貸して下さる方があれば良いのに
と思う。そもそもマイクロソフトのソフトは高過ぎる。完全に独占価格である。
OSには必ずバグがあるしで、同社とビル・ゲイツに好意を持つ事等は出来る
訳がない。
「eカラ」
バンダイの画期的製品、eカラを買った。実買6000円程度。
要はテレビにつないで使う、マイク型のカラオケ・マシンだ。別売りのメモリ
カセットに20曲弱の曲が入っていて、テレビ画面に動かない背景と一緒に次々と
歌詞が映し出される。演奏は、電子音よりましという程度。欠点は、あまり音が
大きく出来ない事である。長所は手軽に何処でも持って行ける事と、ラジ
カセにもつなげる事(但し当然絵は出ない)。カセットは一個2500円程度。英語
の歌が少ないのは不満だが、これは私だけの問題かもしれぬ。買って気がついた
が、いかに深夜とはいえ、家族の耳に届くところで大声は出せないものだ。
結局カラオケに行く事になる。しかし、独りでカラオケというのもいささか暗い
趣味かもしれない。
2001/5/11
皆さん、こんばんは。蒸し暑い日が続き、早くも梅雨の到来を予感させま
す。前回から未だ一週間も経ってはいませんが、訂正もありますので、手
短にお送りします。まず冒頭文字化けがありましたので、お詫びします。
また午前3時に書いたせいか、全体的に締まりのない文章になって、読み
難くなっていたようです。
「東京、大阪、名古屋」
本屋の文庫本コーナーに大阪学、東京学、名古屋学という本が並んでいた
ので、次々に読み、現在続大阪学を読んでいます。この中では名古屋学と
いうのが一番面白くて、信長、秀吉、家康という3人の盟主が出ているの
に名古屋は首都になった事がないだとか、中日ドラゴンズの悪口だけは言
ってはならないとか、そして私もそれは気がつきましたが、名古屋のタク
シーの運転手が親切な理由等、寝ころがって読めますので、是非ご一読を
お勧めします。また、トヨタの経営が何故しっかりしているのかも、分か
ります。3冊の中では東京学が真面目過ぎて、取り付きにくい感じがしまし
た。ちなみにこの東京学という本では、秋葉原の地名の由来を紹介してい
ます。元はやはり秋葉(あきば)という地名だったようで、それがなまったよ
うです。
「田中真紀子」
とかげの尻尾切りの為に、怪しい部下(垂れ込みをしそうな)を海外に出した
次官が、かつての汚職の責任を追求されており、今回辞任はさせなかった
ものの、単に時期を見るだけで、それも時間の問題という展開になってい
ます。考えてみれば、大臣の仕事で一番大事なのは人事です。存分におや
り下さい。国民が田中外相にその権限を与えたのですから。
「憎っくきマイクロソフト」
マイクロソフトの新しいOS、 ウィンドウズXpと、オフィスXpの概要が
明らかになってきました。性能を強化し、使いやすくなる事は無論歓迎で
すが、その度に、何万という金を取るのだけは止めて頂きたい。なぜなら、
我々は既にパソコンのハードを買う以上の金をマイクロソフトに支払って
いるからです。改良版ならもっと安くて、しかるべきでしょう。司法省は、
一日も早く互換OSの開発を認めるべきです。誰かユーザーの代わりに、マ
イクロソフトを提訴してくれる人(ラルフ・ネーダー等)が出てきてくれない
ものかと思います。
しかもXpからは、買ったそのままでは使えずに、インストールしたらいち
いちマイクロソフトに問い合わせをしないと動かないという事です。これ
は不正コピーを防止する為だそうです。法外に搾取しておいて、今更何を
不正コピーかという気がしますが、私は早々と自衛策を決めました。それ
は新しいOSは断固として買わない。今のOSとオフィスを使い続けるとい
うものです。
ワードで書いた文章が、ワードがフリーズしたばかりに飛んでしまった経
験を何度もしています。しかしマイクロソフトが何かの補償をする訳では
ありません。日経クリックという雑誌を読んでいたら、ユーザーの苦情が
出ていて、そもそもエラーメッセージが高圧的だというのがあり、エラー
が起きるのはユーザーの責任という表現はおかしいと述べていました。本
当か嘘かは知らないが、Xpからは、メッセージの中で、「ご迷惑をおかけ
しますが」という文章が入るそうです。
2001/5/20
皆さん、おはようございます。仕事の上で体制がかなり変わり、その調整
で苦戦しています。しかし受注から出荷迄の一貫体制にして効率化を、と
いうのは以前から私が提唱していた事でもあり、なんとか軌道に載せない
と私の顔が立たないどころか、グローバル営業部門の存続にも影響が出か
ねません。新しいスタッフを受け入れて、部門の人数も2倍になりました
が、企業文化というか、仕事の価値観が全然違うので、小さいながらも企
業合併に起因する融和の問題を自ら体験しているところです。
「小泉政権」
未だ未知数というのが実感です。しかしなにが良いと言って、変化のきざ
しが大変よろしい。米国はこういう事には敏感ですから、無論前向きに受
け止めているでしょう。株価も上がるでしょう。小泉氏は理論武装した上
で、米国を早めに訪問すべきです。暴論ですが、靖国問題も防衛問題もほ
どほどに納めて先に進むべきです。そんな「瑣末」な問題で、全体の改革
の気運を損ねてはなりません。軍隊はあっても使ってはいけないとかいう
論理事態がそもそも間違っているのであって、それならあっさり自衛隊を
解散すれば済む話です。(多分自民党は逆方向を狙うのでしょう。そこが田
中真紀子の保守的体質で、困ったものです)。国民の圧倒的支持を得て、日
本の意識を変革する事が、小泉氏に課せられた使命なのです。自民党内部
からも野党からも、即ち前からも後からも足を引っ張られている状態です
が、小泉氏には他の政治家が望んでも得られなかった物を手中にしていま
す。それは国民の支持であり、最大の強みです。首相公選制で議員の使命
が最初に必要などという発言は気になるし、田中真紀子は早晩米国ともん
ちゃくを起こすだろうが、実はそれさえもどうでも良い事なのです。変化
に向かって動き始めた国全体のムードが一番重要なのであって、それだけ
は維持しなくてはなりません。(生意気な事を言うようですが、読者の皆さ
んには、それが本当にお分かりでしょうか)。
「メル友」
メールで知り合った女性を、土木作業員が連続殺害するという事件が起き
ました。ネット社会の負の側面です。相手の顔は知らない。でも手紙をや
りとりする内になんとなく人となりが分かったつもりになる。おそらく男
の方は、あること無いことおべんちゃらや、甘い言葉を並べたに違いない。
女性は言葉に弱い。女性は一人で生きて行くのが苦手(男性でもそうだが)
だから、友人やボーイフレンドを求める。犯罪の温床は既に出来上がって
いたのです。昔は似たような手口で、よく暴力団が女性を風俗産業に引き
込んでいました。
ウェッブ時代になってフェイス・トゥー・フェイスの関係(いわゆるオフ
ライン・ミーティング)が減って来ると、人物を見定める機会がなく、あ
ってもその時間が短いので、嘘はつき放題、犯罪者でなくとも詐欺行為が
用意になります。この手の犯罪はますます増えるでしょう。インフラ提供
側としては、この問題をどうさばくのか。
しかしこのテーマは、表現と通信の自由と、個人の責任という、短い文章
で論じるには大きすぎる問題です。
2001/5/28
皆さん、今晩は。折角の日曜ですが雨に降られてしまいました。
週末は新着ビデオが多数リリースされ、私も9本を立て続けに見ました。
しかし面白い映画はあまりなく、かろうじて楽しめるものはクリント・イ
ーストウッドの「スペース・カウボーイ」とサミュエル・ジャクソンの「シ
ャフト」くらいでした。
「テレビ買い換え騒動」
TVが一台壊れたので買い直す事にしました。しかし良く調べもしないで
買ったのでいささか失敗したようです。
まずハイビジョンは高いので対象外です。以前の50万よりは下がってい
ますが、折角ハイビジョンを買うのなら、他社のものよりきめの細かいソ
ニーの高精細のブラウン管のものが望ましいところで、これが30万円以
上します。普通のTVでも、チューナーさえつければハイビジョン放送は
受けられます。但し、D3かD4の端子が必要で、この端子があれば走査
線が2倍(1250本)の映像が受信出来ます。よくあるD1端子ではデ
ジタル放送は受信出来るものの、通常の500本での再生となり、ハイビ
ジョンも普通の映像となります。
なお、地上波が全てデジタルになるのは2004年と言われています。
私は元々、普通の画像を横に引き伸ばし、登場人物が太めに見える横長画面
は好きではありません。それより、横長映像の受信時だけ上下に黒い部分
が出る方が、視覚的には納得出来ます。そして今後3年も両横に黒い部分
のある映像を見る(即ちより小さいサイズで見る)気になれませんでした。
ところがハイビジョンも受けられるD3端子付きの通常画面のテレビが、
機種切り換え時期のせいか、殆ど市場にはありません。止むなくハイビジョ
ン映像は諦めて、D1端子付きのソニーの普通の29型にしました。しか
し、横長画面でD3端子付きのものの方が市場に多く出回っていますし、
現時点では横長の製品の方が絶対にお買い得です。
色彩面でも、ソニーはやや地味な感じで、ビクター、東芝、松下の方が鮮
やかな色あいです。普通サイズの画面にこだわり過ぎた為に失敗したよう
です。
「ナベツネの逆襲」
NHKの大河ドラマは我が家でも見ています。今年は北条時宗が主役で、
蒙古来襲のテーマです。ところが日本テレビは何を思ったか、1ト月程前、
特番を組んで、時宗の生涯を紹介していました。しかもNHKの大河ドラ
マに出演中の、渡辺謙と西田ひかるを登用しての暴挙です。これは大河ド
ラマを楽しみにしている人には甚だ迷惑です。ミステリー映画の犯人を
バラスようなものです。NHKに対する嫌がらせの意図は明白です。
大NHKは、民放や映画とは違ったとらえ方をするでしょうし、そう簡単
に視聴率も揺らぐ事はないでしょう。しかし、民放にプライドはないのか
と情けなくなります。何かと評判の悪い大ボス、ナベツネ氏も、そろそろ
政権交代の時期ではないでしょうか。何にしても、権力の集中は良い結果
にはなりません。
2001/5/30
皆さん、今晩は。本当に日の過ぎ去るのが、やたらと速く感じられる年に
なりました。電車の中で30分も時間があれば、昔は本がなければ退屈した
ものですが、今ならちょっと眼をつむれば直ぐに経ってしまいます。待つ
事自体が苦に余りならなくなりましたが、長い間座っていると腰の痛みで
それと分かります。
さて、我が家の庭でアマリリスが咲きました。水仙に似たその花の大きな
事は、エンジェル・トランペット(朝鮮朝顔)どころではありません。それが
一本の茎の先端に四方を向いて4つ同時にさくのだから壮観です。その様
子は我が家のホームページ(www.nishimaki.org)でご覧下さい。
「政権支持率」
小泉氏の市場空前の支持率。まさかこれが熱しやすく、冷め易い国民性を
象徴しており、単なるスター人気だとしたら、それはそれで、またそら恐
ろしい事です。とはいえ、小泉氏の改革には、やはり多いに期待したいと
ころです。その改革が、多少いびつであろうが、偏っていようが、改革を
する事に大きな意義があります。
「テレビ」
森さんからお手紙を頂きました。前回のテレビの話ですが、「そうか買った
か、でも俺は買わない」というのが結論だそうです。但し、私は未だデジ
タル・チューナーは入手しておりません。チューナーの実勢価格は、パラ
ボラ込みで10万程度だと思いますが、実は私の買ったテレビはそれ以下の
価格です。森さんがデジタル対応テレビに手を出さない理由とは、以下の
ようなものです。即ち、外付けのBSデジタル・チューナーを買ったとしま
す。そして米国の映画等を高画質(ハイビジョン)で鑑賞したとします。当然
録画がしたくなる。ところがチューナーにしっかりガードが掛かっていて、
普通の画像でしか録画が出来ないのだそうです。それはハリウッドが圧力
を掛けて、ハードのメーカーに強制しているからだそうです。無論、ハイ
ビジョン専用の録画装置、特にハードディスク内蔵の高価な装置はまた別
の話です。なるほど映画好きの人にはそういう問題もあるのかと思いまし
た。私が気付かなかったのは、私の場合、映画は全部レンタルビデオかDVD、
或いは劇場で見てしまうので、TV放映を宛にしていなかったからです。し
かしハイビジョンとなれば、また別の世界が開けるのでしょう。しかしエ
アーチェックで、二百五十本もテープ(8ミリ)を持っているというのも、森
さんはかなりのマニアとお見受けしました。
2001/6/2
皆さん、おはようございます。
このところ立て続けですが、手短にご報告させて頂きますので、おつきあ
い下さい。ホームページのエッセイ欄をご案内しているのですが、内容が
過激なせいか、はたまたインターネットにアクセスするのが面倒なせいか、
立ち寄って下さる方も少なく、確実に読んで貰おうと思えば、このメール
のようなプッシュ型の方が効果が期待出来そうです。
「ボランティア」
最近地域のホームページを立ち上げました。地域のパソコン普及率は50
パーセントを超えているはずなのですが、そのわりにヒット率が少なく、
尋ねて見ると中高年層や主婦層でパソコンを使えない人か多いからだと
いう事が分かりました。教育指導の希望も出ています。どう対応するかが
問題です。私が週末に2日休日があるとして、現在その1日は確実にパ
ソコンで取られていますので、更に1日潰すのかどうか、考え所です。結
論としては一人でやるのではなくて仲間を募るしかないのでしょうが、そ
のあたりが私の一番苦手とするところです。
「運動不足」
最近、まったくスポーツをやらなくなり、肥満の兆しも出ています。そこ
でまず室内歩行器を買いました。しかし仕事で出歩く機会が多く、歩行距
離はかなりあると思います。テニスはきついので、ゴルフの練習を再開し
ようかと思っています。考えてみれば、これまで優に100回以上(米国で
の回数を除く)はプレイしているので、旅費を含めてざっと300万、用具
は10セットは買い換えているのでざっと200万、それに練習代だなんだ
と言えば、会員権こそないが500万以上の投資は既にしている訳です。
それに比べれば200万のステレオも、100万のパソコンも大した事はあ
りません。そこでここ3年全くやっていなかったゴルフを再開しようと思
いついたのですが、パソコンもここまで来ると手を抜く事は出来ませんの
で、コースに出るのは年2回と定めようと思います。念願の100は既に
切っていますので目的はスコアの改善ではありません。肥満対策につきま
す。なお話は変わりますが、鳴戸特命顧問がお持ちのビッグバーサの新ド
ライバーを拝見する機会がありました。見た目はゴツイが、とても軽いの
で驚きました。
「元気の元」
私は超能力の存在を認めてはいますが、無批判に信奉している訳でもあり
ません。しかし気孔を始め、いわゆる気というものの効果は、認めざるを
得ないのではないかと考えています。気の内で一番大事なものはやは元気
(まさに元になる気)でしょう。5体があり、栄養を摂っていれば、生存は
可能です。しかし元気がなければ生きていく事は出来ません。どうやった
ら定年を控え、デフレで生活の見通しも立たない世の中で、元気を持ち続
けていられるのでしょう。飲めばそれだけで元気の出る、元気の元でもな
いものでしょうか。これで首相が小泉でなかったら、これ以上真面目にや
ってられるかという事になるかもしれません。
2001/6/3
皆さん、おはようございます。週末は大変天気も良く、気持ちの良い日でした。
「ペンギンとウェッブ」
タスマニアでは、石油流出事故でペンギンの羽に重油がつき、この身体を洗ってやろうと
しても、なにしろ数が多いので、待っている間にくちばしで油をとろうとして飲み込んで
死んでしまうので、ペンギンを待たせておく為に、セーターを着せておくという方法を考
え出したそうです。しかしそのセーターの枚数が足りないので、ウェッブにサイズや型紙
を載せて、協力を呼びかけたところ、二千着程出来たが、未だ足りないそうです。しかし
こういう時こそ、ウェッブの真の力が発揮されます。ティーンズのつまらないおしゃべり
や、援交まがいの出会いサイト等が、いかに低次元かがわかります。なおこのペンギンは
小型のアデリー・ペンギンとの事です。
「新聞記事」
日経の講読を止めてしまったので、毎朝駅で日経産業を買って読んでいますが、最近富士
通の方の記事が多いのに気がつきます。最初は田尻さんで、当然の事ながらアムダール再
建の話。次は法知本の山地さんで日本の特許収入の話。そして先週の金曜日は鳴戸特命顧
問で、9月に開催される電子商取引に関する世界ビジネス会議の話題でした。鳴戸特命顧
問は世界ビジネス会議の世界共同議長だそうです。B2B、B2Cを問わず、ECの為に
どれだけ有利な環境を整備出来るかどうかが、国益を掛けた議論になりつつある。規制は
強すぎても弱すぎても駄目、との事でした。鳴戸さんも、もう押しも押されもせぬ、業界
の顔になられたようです。今が一番良い時期かもしれませんねとお尋ねしたら、そうかも
しれないが、それも富士通あっての事だからねと言っておられました。新聞の写真の写り
が悪いのが惜しまれます。
「歯間ブラシ」
歯が丈夫な方はそれだけでうらやましいと思います。私は小さい頃から虫歯に悩まされ、
日本のみならず、ロンドン、ユーゴ、ニューヨークでも治療を受けました。無論の事、日
本の技術が世界一で、ニューヨークでも日本の女医さんに見て貰っていました。現在では
近所の関戸クリニックというところに通っており、技術も超一級だと思っています。最近
歯周病と言われました。昔で言えば歯槽膿漏です。歯が抜けるのも困るが口臭も問題なの
で、歯と歯の間を磨く歯間ブラシというものを永年使っていたのですが、効果が充分では
なかったようです。しかもこの歯間ブラシという代物が、細いい針金にブラシをまきつけ
てあるので、なるべくきついものを使うべきなのですが、実に簡単に曲がってしまいます。
しかも一本80円くらいで、歯ブラシより費用が掛かります。そこで歯医者さんに尋ねた
ら、最初から全体を少し丸く曲げて置くと良いのだそうです。歯間ブラシをお使いの方は
お試し下さい。
2001/6/4
皆さん、こんにちは。昨日のメールは改行マークを入れ忘れたので、受
信時に読みにくい方もあったと思います。不手際をお詫びします。北里
さんから、早速楽しい返信メールを頂戴しましたので、ご本人の了解は
頂いておりませんが、内容に差し支えはないものと判断しましたので、
ご披露させて頂きます。
「NTT批判」
ブロードバンド(ADSL)の東京メタリックが経営危機に陥っています。
原因は、加入者が増えない事です。それは、後発のNTT等が横から奪っ
ているからです。雑誌の比較でも、東京メタリックの実際の回線が一番速
いのです。企業顧客という意味では、批判すべきではないのではという理
屈はさておき、コミュニケーションの一ユーザーとして言わせて貰えば、
また大手が出てきて競争を排除し、高止まりの料金を払わされるのかとい
う印象を持ちます。大手が資本力にものを言わせて中小の競争相手を排除
する、それが独占でなくてなんでしょう。正直言って、私だって同じ料金
ならNTTを選びます。その方が安心だからです。でもそんな事を繰り返
していたら、中小の起業家達もやる気を失い、技術も進歩しません。政府
は、日本の将来にとって何がベストを良く見て、業界の発展(一部大手の
既得権益の保護ではなく)と、加入者の利益を優先する施策を考えて欲し
いものです。
2001/6/8
皆さん、こんばんは。私は、自分が少し口数が多すぎるのではないか、書
生のような雑文を書き散らしているだけで、実は読んで下さる方も苦笑し
ているだけなのではないかと思わない事もありません。しかし、当分この
個人的な発信を続けてみようと思っています。皆さんと考えが違えば、そ
れはそれで反面教師としての役くらいは立つでしょう。一言で言えば、私
は黙らないという事です。
「安全ではない社会」
今日は会食の帰路、久しぶりにタクシーに乗りました。私は自分で言うの
もおかしいが、タクシーの運転手との会話には慣れています。そしてその
運転手から、今朝大坂で起きた悲惨な事件を初めて聞きました。運転手さ
んも話しながら涙ぐんでいました。
狂人が取り押さえられたのは不幸中の幸いです。しかしこの犯行のやりき
れなさは、精神異常者の不満と自暴自棄が、無抵抗な子供に向けられた事
です。ここに犯人の逃避があります。自分より強いものに向かっていくだ
けの精神力、或いは自分で自分の命を絶つだけの勇気を持ち合わせていな
かったという事であり、むしろそういうものがかけらでもあれば、無残な
凶行には及ばなかったかもしれないという事です。また、目の据わった男に
包丁を売る等とは、店もどういう神経をしていたのでしょうか。
反社会的な行為の特徴は、その自己中心性です。そういう意味では、現在
の社会には、いつ同じような犯罪を引き起こしてもおかしくない人達、即ち
狂気や犯罪と紙一重の人達が溢れているのです。
精神病で入退院を繰り返すような者にとって、現在の日本には居場所はあ
りません。殺伐とした競争社会、不景気と一部企業経営者の間違った哲学
にも責任のある社会の閉塞感は、いやが上にも、社会的落伍者を行き場の
ないところに追い詰めてゆきます。かたや行き過ぎたエリート社会をリー
ドしているエリート自身、正義感や倫理観がマヒして、人間としての価値
を失っています。
国民には幸福を追求する権利があると憲法で言いながら、実は強いものだ
けに有利な社会が形成され、落伍者を隔離する手段も、彼らを更生させる
施設も現実には存在していません。ただひたすら野放しにしているだけで
す。暴力を礼賛するマスコミが、彼らの狂気に拍車を掛けます。思えば世
田谷の殺人事件で幕を明けた2001年は、殺人事件の連続でした。最近の
アニマル帽子男の事件も狂人の仕業です。こうした社会的落伍者を多数生
み出している社会とは、一体どういう社会なのでしょう。一言で言えば希
望のない社会であり、病んだ社会なのに、それが認識されていないだけで
はないでしょうか。物質的には恵まれていても、精神的には少しの充足感
もない、明日と善意を信じる事の出来ない社会。そんな社会にしてきたの
は誰の責任なのでしょうか。そして、社会病理学者も、何故発言しようと
しないのでしょうか。
米国の大統領にとって一番大事なものは、国民を一つに纏める為の理念で
す。ファミリー・バリューという理念を提示した人もありました。国民が
安全で清潔で明るい人生を保障出来る国にする事。それこそが為政者の使
命である筈です。日本では、川の水が溢れれば、濁流になすすべもなく流
される。海や山、風水害で遭難すれば、レスキュー隊が間に合う事はまず
期待出来ない。外国で人質になれば、政府は何もしない。そして警備員も
いない学校で、子供が狂人の刃物の犠牲になる。国民の安全に対する気配
りは全くと言って良い程存在していません。日本人が、これまで安全でい
られたとすれば、それは誰かの努力によるものではなく、単なる偶然に過
ぎないのです。
米国では学校での銃の乱射事件等もあり、金属探知機が入り口に据え付け
られている学校もあります。今回の事件で、いかに日本の学校が無防備で
あるか分かりました。即ち、早晩模倣犯が出るという事です。今やらなけ
ればならない事は、全ての児童のいる施設(小学校だけではありません。
幼稚園も、病院もです)に充分な数のガードマンを配置する事です。小泉
首相は今回の事件に関して、安全が崩れてきている、その対策について有
識者から意見を聞きたいと述べています。直ぐに政府がやるべき事は、ま
ず警察官を増員する事です。現にそれでニューヨークの治安は飛躍的に良
くなりました。次にパトロールカーの数を増やし、市内のパトロールの回
数を増やす事です。5分も待てば必ずパトカーが通りかかる街というもの
が、どれだけ防犯に有利か、考えてみれば直ぐに分かる筈です。
安全はもはやただではありません。もっと税金も使わなくてはならない。
個人的にもセキュリティーに費用を掛ける時代になったのです。集合住宅
も、管理人よりガードマンを置くべきです。しかもそれは住民の費用負担
でしょう。危ない場所に行く人は、催涙ガス等の自衛手段も積極的に持つ
べきです。狂人によるものと、営利目的によるものとを問わず、犯罪に対
抗する為には、それなりの具体的な方策と、その費用を負担する覚悟、そ
して他人を不幸を見て見ぬ振りをしない国民の良識と勇気が必要なので
す。
「田中真紀子」
自民党の鈴木宗男とかいう議員のやっている事は全く理解出来ません。ま
た外務省の官僚の肩を持つ、週間新潮も理解出来ません。民主党の鳩山代
表も何を考え違いしているのか分かりません。今や私にとって民主党はい
らない政党になりつつあります。そして一番理解出来ないのは、自説を翻
した田中真紀子本人です。
田中外相の言い分のどこが間違っているというのでしょうか。軍事産業を
背後に、世界の緊張を高めようとするブッシュ政権の、自国の利益優先政
策のどこが正しいというのでしょうか。田中外相の前発言こそ、最もりょ
士気のある正しい発言であって、それをオーストラリアの外相や、米国の
有識者は支持しているのです。国民不在、自分の権益の為にし画策するこ
としか考えない鈴木議員等、日本にとって有害無益、国賊ですらあります。
日本の国民の世論と世界の世論を考えてご覧なさい。今さらミサイル軍備
の拡張を誰が望んでいるというのですか。小泉首相は最後迄、田中外相を
バックアップして頂きたいものです。
2001/6/16
おはようございます。いよいよ梅雨入りでうっとうしい日が続きます。昨
日、鳴戸特命顧問の勲章授与式があり、列席の機会を与えられましたので、
多少詳しくご報告させて頂きます。
「名誉大英勲章」
私は見ておりませんが、昨日の日経産業新聞に、かなり大きくN特命顧
問の授賞予定が報じられていたとの事です。この度顧問に贈られたのは名
誉大英勲章第三位というもので正式名称がCommander of British
Empire(略称CBE)というものです。CBEは、日本人では過去30名程が叙
勲を受けているとのことです。本来は第一次大戦中に活躍した民間人の労
に報いる目的で1917年に創設され、5つの等級があるとのことです。英国
との関係発展への顕著な貢献を認められた者に与えられ、Nさんの場合
は英国の国策コンビューター会社I社との提携並びに投資と技術支援等の
功績が評価されたものです。叙勲を受けた人は、名前の後に勲章の名前
をアルファベットで記す事が出来るという事です。確かにCEOはどこにも
いるがCBEはあまりいません。しかし名刺に印刷しても、毎回説明が必要
になるでしょう。
昨日は午前11時半から、英国大使館の本館にて、軍装の礼装に身を包んだ
駐日英国大使サー・スティーブン・ゴマソール閣下の手から、モーニング
姿のN特命顧問の首に勲章が掛けられました。その前に大使からは流暢
な日本語で祝辞が読み上げられ、書記官と思われる人からも、英語や日本
語で叙勲の経緯について説明があり、叙勲の後、顧問はウィットに溢れた答
礼を英語で堂々と読み上げられました。
集まった関係者は、I社 プロジェクトに関わった社内および元社内の方々
と、関係省庁、主に経済産業省の関係の方々、そしてN顧問とお親しい
ご友人の方々等で、私はI社 プロジェクトとは関係がなかった(A社
で多少のお手伝い)ので、この友人の一人、兼写真撮影担当として夫
婦で招待を受けました。
失礼を省みずに招待者のお名前を列挙すれば、まずICLの元社長ボンフィ
ールド氏と共に雑誌フォーチュンの表紙にも写真の載った、現日本BT社長
兼CEOのKさん夫妻(前回リフォームのTV番組に登場なさった方です。
ちなみにこの方が、海外営業本部長時代に私を当時の渉外部長=現在の輸出
部長に任命して下さいました)。Kさんの後任として英国に駐在され、現
在F社の常勤監査役を勤められ、私も公私ともにお世話になっている、
Fトラベランスの社長就任予定のWさん(夫妻)。もう一人の重要
人物(私の現在の上司)K専務は海外出張中で欠席でしたが、現地で、或い
は日本でI社プロジェクトを支えてきた、Mさん(ご夫妻)、Dさん、Sさん、
Yさん(夫妻)。そしてXBMとの係争ではNさんを支えて交渉
に携わって来られたFXXのMさん等です。上記の方々の中には、このエ
ッセイを配信させて頂いている方も多数含まれています。
式の後、大使館から飲み物とカナッペが振る舞われ、大使とNさんを囲
んで自由に写真撮影や雑談の機会がありました。その後、N夫妻が用意
された隣接のDホテルの式場で、立食パーティーがあり、経済産業省の
OBの方から祝辞を頂戴しました。
職場に戻ると、早速顧問から出席者にお礼のメールが配信されており、細
やかな心配りが感じられました。
さて私の仕事、肝心の写真撮影の方は、4台のカメラと6本のフィルムを用
意し、その殆どを使い切ったのはよいとしても、時々ストロボが充分に充
電する前にシャッターを押したものもあり、かなりの失敗作も出ました。
一方、コンタックスのプラナーレンズの描写力を、存分に発揮出来た写真
も何枚かありました。スィルムは富士のカラーネガフィルム、プロ400を
使いました。最近デジカメ(これは全自動)の撮影が多く、アナログカメラを
使いなれていなかった為の失敗です。
当日の服装は、平服でと言われてむしろ私は困りました。通常ブレザーで
通勤しているのでスーツがなかったからです。むしろブラックタイ(タキシ
ード)の指定の方が、ニューヨークのブルックス・ブラザースで仕立てた物
があっただけに助かったのですが、顧問に相談したら、グレーの背広かな
んかでいいのじゃないのというお話(顧問は私に背広がないとは思っていな
い)なので、この際、背広を新調しました。ところが、会場では殆ど全員ダ
ークスーツ(当然と言えば当然です)で、グレーのスーツの私はかなり目立ち
ました。しかし私は根がずうずうしいので、一切意に介さず、カメラを免
罪符に会場中を歩き回りました。
大使館の建物はそれほど大きくはないがしっとりした造りで、壁の絵はど
う見ても本物でした。たまたま庭にバラが咲いていました。
「靴磨き」
私はあまり靴は磨きません。しかし靴を磨いている時は、本当に無心にな
れますし、私はこれはストレス解消の方法の一つではないかと思います。
洗濯物をご主人がたたむ家庭もあるとの事ですが、多分似た様な心境では
ないかと思います。ストレスを感じたら靴磨きです。
「ネパールの大嘘」
国王と第一王位継承者の殺害事件の、現国王側の説明を、ネパール国民は
納得していないようです。泥酔して足腰の立たないはずの前皇太子が、ど
うやって重い自動小銃を振り回せたのか、自殺した時だけ、何故急に皇太
子が左利きになったのか、また何故検視した主治医が暗殺されたのか等、
その疑惑たるやケネディー暗殺事件どころではありません。また近くにお
りながら現皇太子一家はかすり傷も負っていないとの事です。雇われたプロ
の仕業だと思うのが自然です。死人に口なしです。前国王は民主化を推進
していた由。腐敗と陰謀が渦巻く独裁国家になって、一番迷惑するのは
国民です。どこかで国民が立ち上がらないと本当に良い国にはなりません。
前回のエッセイで、田中真紀子外相反対派の言動に関して、過激な表現が
ありました事をお詫びします。されど私は、田中真紀子の起こした旋風を
評価するものです。今回の視聴率第一位と言われる現在の日本の政治劇で
何を感じたかと言えば、結局野党は何も出来ない、改革は与党しか出来な
いという事です。小沢一郎がまずそれを証明しましたが、管と鳩山の場合
は与党出身でも、精神的に野に下ってしまい、それが出来ていないと思い
ます。
2001/6/18
皆さん、おかわりありませんか。梅雨の晴間は良いとしても、30度近い気
温です。まずは前回のエッセイの訂正からです。
「N問叙勲」(続き)
まず訂正ですが、叙勲の式典の最中、大使が御召になっていたのは軍服で
はないそうです。なんでも19世紀から伝わる礼装との事で、日本着任時
の天皇陛下の認証の時と、女王陛下の代理で公務を執り行う時のみ着用を
許されるという、由緒あるコスチュームとの事です。腰に吊ったサーベル
も無論本物との事です。これはN顧問の奥様が、大使夫人から直接、お
聞きになった事だというので、確かな情報です。なおN夫人も当日はオ
ーダーメードのシルクの衣装で、式典に華やかさを添えられていました。
これも又聞きですが、夫君がモーニングの時は、奥様の方も同じシルクで
も、少し固い感じのものが要求されるという事で、社交というより外交の
場ともなると、ドレスコードも大変だと思いました。
その時に伺ったお話ですが、メダルの他に賞状(サーティフ
ケート)も発行されており、これは後から届けられたそうです。書面を拝見
すると、最上部にエリザベス女王の署名、下にフィリップ殿下の署名が入
っています。エリザベス女王のサインには、最後に一文字だけRという文
字が入っており、なるほどこれはロイヤルのRに相違ないと推察した次第
です。
N顧問はA社担当時代の私の上司ですが、実はそれ以前からも、出版
物のクリッピング・サービス等を担当した事もあり、長いおつきあいをさ
せて頂いております。ゴルフの先生でもあり、またなんと言っても、周囲
の反対を押し切ってニューヨーク所長に抜擢して頂いた関係もあって、社
内でお世話になった方です。その後も公務を離れて、激励のメールを頂戴
したり、たまに直接お会いしてお話を伺うなど、様々な意味合い
で人生の師と仰ぐ方でもあります。そのご好意を良い事に、時々私が破目
を外す(主として暴言による)ので、その都度ご不興を買うという事を繰り
返しています。考えてみれば、N御夫妻にとっては相当迷惑な「友人」だと
思います。なお顧問にお仲人をお願いしたのかという質問をよく
受けますが、家内と結婚したのは、N顧問と仕事でご縁が出来る前の事
です。
「小沢一郎」
最寄り駅の多摩センターの駅前を歩いていたら、都議会議員の選挙の応援
演説で、小沢一郎が来ているのに気がつきました。私は自由党は支持はし
ていないので、演説は聞き流しましたが、有名人なので写真をとりました。
「池田小学校」
犯人の言い分のなんと身勝手なことでしょうか。元奥さんを虐待したのは
自分の方ではないでしょうか。今回の犯罪についても、未だに後悔も反省
もないと言います。兄が自殺したのも本人が犯罪を繰り返していた事が原
因との事です。まず自分がどんな事をしたかを、身に沁みて分からせる必
要があります。よくもこういう人物が野放しになっていたと思います。本
人はサラ金から750万の借金があったと言います。
これは私というよりも私の家族の意見ですが、簡単に金を借りて、しかも
それが高利なので返せなくなるようなサラ金のシステムも犯罪の温床にな
っているのではないでしょうか。昔で言えば高利貸しですが、本当に驚く
ような金利です。まじめに働いて返せ金額ではなく、そういうサラ金を、
日銀や財務省が放置するばかりか、そこに天下る。なんという国でしょう
か。
「中国マフィア」
TBSテレビで見た話ですが、電車の中で中国人が大きな声で、携帯で話を
している。たまたま中国語が分かる人が聞いたら、なんと「あの家にはこ
ういう財産がある。何曜日には主人はゴルフに行って留守だ」等と話して
いたのだそうです。中国から密入国し、暴力団をと手を組んで犯罪を行う。
しかも中国は人命軽視の国ですから、手口も残虐です。彼らには指紋押捺
も当然という気がします。今やるべきは、中国語が話せる捜査官を増やす
と共に、もっと警察力を強化する事です。
2001/6/30
皆さん、おはようございます。酷い夏風邪を引き、微熱に咳と鼻水が止ま
りません。今週末はダウンです。
「ブルー・ベリー」
ブルー・ベリーの鉢を庭に3つ程置いているのですが、例年、実が色づく
と、早朝の内に鳥に横取りされて、悔しい思いをしてきたので、今年は少
し対策を考えました。最初は目玉風船を仕掛けたのですが、これは効果が
今一つでした。そこで翌年は鳥除けの網を掛けておいたら、見えにくかっ
たのか鳥が自分でひっかかって、もがいて出られなくなり、外してやった
ら、しばらくびっこを引いてうずくまり、その内いなくなるという後味の
悪い思いをしました。そこで今年は目の細かい寒れい紗を上に掛けると共
に、鳥の帰巣本能を狂わせるという強力な磁石を置いてみました。
その結果、早朝からギャーギャーと尾長鳥が騒いでいますが、塀にとまっ
たままで、降りてこようとしなくなりました。あまりうるさいので家内が
静かにしろというと、飛び去るどころか、更にギャーギャーと鳴きます。
家内は最近では鳥まで口答えするといって嘆いていました。
ブルー・ベリーは今のところ安全ですが、それが布のせいか、磁石のせい
かは分かりません。
「A.I」
アーティフィシャル・インテリジェンス、即ち人工知能、それが映画では
ロボットの事ですが、昨日公開のスピルバーグの新作映画の題名です。前
評判が高いので、早速見に行きました。主演はシックス・センスのハーレ
イ・オスメントです。詳しく紹介する訳にはいきませんが、感情を持たな
いロボットを作ってきた博士が、自分の亡くなった子供そっくりのロボッ
トを造り、人を愛する事を覚えさせます。果たしてそれが良い事だったの
かどうか。子供ロボットが貰われていった家庭では、母親の愛情をロボッ
トが求めるようになり、実子とのあいだで確執が起きます。映画後半の展
開、特にラストシーンは、間違いなく皆さんの想像を超えるものですが、
私は手放しでお勧めする訳にはいきません。ロボットの人権を主張するの
は良いが、子供が見るには刺激が強すぎるばかりでなく、所謂セックスを
目的としたロボット迄出す必要はないように思います。また全てオスメン
トの演技力におぶさっており、脇役達が精細を欠いています。私は関心の
ある人は、ビデオが出てから見れば良いと思います。娯楽作品としてなら、
まだしも「ハムナプトラ2」の方が楽しめます。スピルバーグ作品必ずし
も良い映画にならないという例です。
「ビル・ゲイツ」
今週末のジェイ・レノ・ショウを見ていたら、ビル・ゲイツの資産が58
ドル(約6兆円)であり、どれくらい金持ちかというと、半年に一度出る
新しいソフトを買えるくらいだというジョークがありました。MSオフィス
のXPがリリースされており、まもなくウィンドウズXPも出るでしょう
が、ビル・ゲイツくらいしか毎回毎回新しいソフトを買う者はいなくなる
でしょう。しかもコピーに対して厳しい条件をつけています。私は今回の
XPがマイクロソフトの転換点になると思います。リナックスを皆で育てて、
良いアプリを開発し、早くMSの支配から逃れたいものです。
最近リリースされたビデオ、スタローン主演の「追撃者」では、明らかに
ビル・ゲイツと思われる人物が悪役を演じています。米国でもゲイツは
決して良くは思われていないのだと思いました。
2001/7/6
皆様には、お変わりなき事と存じます。私は最近になく酷い夏風邪を引き、
二日も休みを取り、全治一週間となりました。皆さんも、風邪をひいたと
思ったら直ぐに医者に行って薬を貰えば、3日は早く直ります。放ってお
けば10日くらい掛かるかもしれません。電車通勤の毎日ですから、いか
に避けようとしても、一度風邪が流行り出すと、感染を防止する手段があ
りません。咳をしている人間からはなるべく遠ざかるのですが、7メート
ル離れよと言われても、狭い車内の事、それは無理な相談です。いちおう
快方には向かっているのですが、一日家にいるのがまた苦痛です。まずは
この暑さです。未だ梅雨明け前だというのに連日30度を超える気温と、
高い湿度です。会社なら冷房が効いていますが、自宅の冷房では限界もあ
り、つい節約もしますので、これでは日本中の主婦もやりきれないだろう
と思った次第です。
今回は新聞記事(日経産業)からです。
「スローフード」
ファーストフードは皆さん良くご存じの通りですが、最近イタリーを中心
にスローフードの運動というものが始まっているそうです。外国で、夕食
でも摂ろうと、少し洒落たレストランに入ると、かなり待たされ、全部終
わる迄に2時間くらい掛かる事があります。元々日本ではそういう習慣が
ないのですが、それは日本の食事が既にファーストフード化している証拠
なのだそうです。これに対してゆっくり食事を取ることの効用を説くもの
が、「スローフード」運動なのだそうです。このスローフード運動は、伝統
的な食材や料理を守り、質の高い食材を提供し、消費者に味を教育する事
を目標としているのだそうです。それを啓蒙するスローフード協会なるも
のが設立されており、ホームページもあるようなので、関心のある方はご
覧下さい。http://www.slowfood.jp。高級料理やグルメとは異なるもので、
時間を掛けてゆっくり食べる事にこそ、実はグルメ以上に贅沢なものがあ
るという価値観なのだそうです。しかし、話題が豊富な教養人はいざ知ら
ず、私のようにせわしなく、また話題に乏しい人間には、やはりファース
トフードに限りなく近い食事(例えば回転寿司)の方が向いているような気
がします。
「大リーグ」
日経産業に、なるほどと思う社説がありました。
連日イチローの活躍が報道され、テレビのスポーツニュースでもまずはイ
チローだ。首位打者になってからは何本撃ったかが気にかかる。とにかく
毎日の結果をすぐ知りたい。そのあおりを受けたのか、国内随一の人気球
団のテレビ中継視聴率が伸び悩んでいる。ある評者は「日本人が日常的に
大リーグに接するようになり、一流のコンテンツだと思っていた人気球団
が、実は二流のコンテンツだと知って、ファンが離れていったのだ」と論
じてた。しかし、チームのメンバーが入れ代わった訳ではないので、コン
テンツが劣化した訳ではない、むしろ国内市場に安住して、グローバルな
競争に目を向けなかったツケが回って来た事は確かだと、経済記者らしい
観察をしています。
しかし今夜の二流コンテンツ球団は9回で松井がホームランを打ってや
っとベイスターズに並んだところで、時間切れのTV中継打ち止めで、こ
れではコンテンツ以前に観客の事を無視しているとしか思えません。最近
ではスカパーもセコクなり、野球中継は別料金です。かたやマリナーズは
NHKなので時間の制限もありません。ますます日本球団離れが進みそう
です。
「パソコン」
どうやら私の住まいの周辺地域は、ブロードバンドのやって来れない陸の
孤島らしい事が分かりました。しばらくは遅いISDNで我慢するしかあ
りません。そこで少しでも処理能力を速くしようと、メモリーを増設しま
した。メモリーの容量と処理能力のカーブは、128MB当たりで交わる事
が分かっていたので、最初から128MBにはしてあるのですが、今回はそ
の倍にしました。しかも2枚セットで変えなければならないので追加分も
256MBです。但し、バルク品なので値段はそれほど高くありません。そ
れで多少は速くなったような気もするという程度で、体感速度で2割アッ
プくらいでしょう。本当はCPUもなんとかしないといけないのでしょう
が、いささか面倒です。しかも最近、ノートパソコンのバッテリーが、い
つ製造中止になるか分からないという事もあって、止むなく買わざるを得
なかったという事情もあります。
2001/7/28
皆さん、おはようございます。ついに来るべきものが来たという感じです。
未だ日経は読んでいませんが、昨夜のNHKでも報道され、朝日新聞でも
報道されているように四半期決算で423億、通年で2,200億の赤字予想と
いうF社始まって以来、未曾有の事態となりました。グループ全体18万
人の内、数千人規模のリストラが必要と発表されています。
「業績」
F社の株価がNECを下回り、しかもこれという経営方針が見えないと批
判されたのは、木曜日の日経産業新聞でした。今回の朝日の記事は日経産
業程の手厳しさはないが、半導体が四半期で450億の営業赤字を計上した
事を、最大の理由として挙げています。通年での巨額の赤字には、早期退
職等のリストラ費用や工場の閉鎖等の特損を含むものとの事です。
今回の問題には2つの背景があります。一つは景気の動向です。堅調と見
えた米国の景気もついに壁に突き当たり、PCを初め需要の伸びに陰りが出
てきた事。18年も経済成長が続く方がおかしいと言えば言えたのかもしれ
ません。NHKでは米国の大手顧客が発注を手控えた事も大きいとしていま
すが、これは通信の事かもしれません。
そしてもう一つは我々幹部社員の責任でもありますが、社内の問題です。
これはF社に限らず、IT業界全体に言える事ですが、製品の全てがコモ
ディティー化しており、差別化が難しくなっています。そういう時には営
業力がものを言う場合があります。同じような製品を買うのなら、顧客の
面倒みの良い、信用出来る(故障の少ない製品の)メーカーから買うのが人情
です。私は国内営業の人達と会う機会がある度に、良い印象を受けました。
皆、生き生きと、しかも、したたかに営業活動をしています。F社の営
業はやはり第一級だと思います。では何がいけなかったのか。一言で言え
ば、やはり製品開発力と提案力だと思います。開発と販推部門の力が他社
に比べて弱く、冒険をする気もなく、また自分の身の安全を優先する風潮
が出来ていたのではないでしょうか。だから良い製品も、画期的なアイデ
ィアも生まれなくなったのではないでしょうか。幹部社員は、おそらく皆
が、これではいけないと思っていたのでしょうが、自分から火中の栗を誰
も拾おうとはしませんでした。これは若い幹部社員でも同じ傾向があり、
年齢の問題ではないのかもしれません。出る杭は撃たれる恐怖、特に失敗
した時のペナルティーを皆が恐れたのではないでしょうか。そしていつか
は積年の問題を整理する必要があったのに放置され、それをやらねばなら
なくなったのが。専務と社長だと思います。お二人は本当によくやって
頂いたと思います。
しかしことなかれ主義が、もし社風だとすれば、そういう社風を助長して
きた方々には反省をお願いしたいものです。またこの際、思い切って社内
全体の若返りをして、全社的に世代交代させる事も必要でしょう。現在権
限をもっている人達は、自ら一線を退き、アドバイザーに徹して、自分が
信頼出来る若手にバトンタッチをする。人員整理はまず自分からという決
断が大切です。今までの経営が間違っていたという事が数字で証明された
以上、変化は避けて通れません。避けられないものなら自分から進んで取
り組んだ方がましです。会社が変化しないと、市場も認めず、株価も元に
は戻りません。社内改革はまず自分の足元からです。
リストラと2000億の特損で、市場の印象を改善し、とりあえず下期から
新規まき直しで頑張ろうというような発想では、以前と全く変わりません。
後進に、素早く権限を委譲するという背水の陣で、自分の担当部門の人員
削減50パーセント、コスト削減25パーセントの目標を立て、それを明
日からでも実施しないと、Fという会社は地上から消えてなくなるでしょう。
「IT戦略の潮流」
批判する事なら、誰にでも出来る。まして事が起きてからでは、という意
見もあるでしょう。俺たちはこれまで散々苦労してきたのだ、それも分か
らないで、と言いたい方もあるでしょう。しかし私にしても、だから前か
ら言っていたじゃないかと言いたいところなのですが、そんな後ろ向きの
議論をする時間はありません。むしろ今一番必要なのは老若男女を問わず、
企業人のマインド、即ち「元気」なのです。私はN特命顧問にお話を伺
った後で、T社を訪問する機会があり、顧問のおっしゃるように、一線
を退いた中高年の人達が、専門職として、肩書こそ大した事はなくても、
元気に仕事をしているのに驚かされました。良い会社は従業員を見れば分
かります。
少し元気をつける為に、今回ご紹介するのは、BAIN and COMPANYの三
沢さん(この人はダイアモンド・ハーバードビジネスにも論文を書いている
そうです。ハーバード・ビジネス・レビューは私もニューヨーク時代に原
文で講読していましたが、一言で言ってハーバード大学の経営学機関誌で
す)という方が、機械輸出組合の機関誌に寄せた記事です。機関誌の記事等
というのは面白くないものが多いのですが、これは結構面白かったのでご
紹介します。個人的に読む程度に留めて頂き、転載はご遠慮願います。
日本のIT産業にとって最大の関心事は、市況低迷期にあるシリコンバレー
の米国企業の姿勢であろう。これまでのシリコンバレーの経営は、第一世
代と呼ばれる。この世代の基本的な考え方は「事業機会の徹底追求」にあ
った。しかし昨春ネットバブルがはじけ、コンセプトは「コア事業への集
中」に移った。第一世代の取り組み中心はeビジネスの開発であり、ドッ
トコム・ブームを引き起こした。その戦略には先行者利得の考え方があっ
た。しかしeビジネスという言葉は殆ど死語となり、第二世代ではeエネ
イブルメントという考え方が生まれた。簡単に言えば、会社の業務や意思
決定を全てITで支援する事である。更にもう一段踏み込んだ考え方として、
「リ・アライイングIT」という視点もある。企業活動のすべてをITで調整
するという意味である。ひところ盛んであったリエンジニアリングは業務
プロセスだけを取り上げていたが、会社はプロセスだけで動いている訳で
はない。戦略、業務プロセス、人、物、金のリソース、社内組織の4つか
ら成り立っている。リエンジニアリングよりも包括的、体系的に企業の改
革を行うのがリ・アライイングITの特徴である。
第一世代ではマーケット・シェア拡大が基本的考え方であった。ここでの
課題は、ウェブサイトのヒット数(アイ・ボール)であり、いかにサイトに
来た顧客をつなぎ止めるか(スティッキーネス)であった。しかし第二世代
の経営の重点はマインド・シェアに移った。顧客の可処分所得中で自社商
品やサービスがどれだけ占めているかが、焦点になる。その結果、顧客ロ
イヤリティーというコンセプトが今のシリコン・バレー経営のなかで、最
も重要な言葉の一つになっている。競争環境についても、第一世代では開
発競争(ディベロップメント)が中心だったが、第二世代ではそれをいかに
うまく使いこなすか、即ちデプロイメント(deployment)に重心を移す。端
的な例としては、従来の開発の代替手法として、コーポレート・ベンチャ
ー・キャピタルが盛んになってきている。そしてそこで投資して開発させ
た技術や事業を取り込んで、自社の競争力を上げる。
日米欧の売り上げ高5億ドル以上の企業2305社の内、この10年間で売
り上げ成長率を5.5パーセント維持しているのは412社、更に株主還元率
がプラスの企業は285社である。その中の6割が、極めて強いただ一つ
のコア事業を有している事が分かった。GEのように複数の強いコア事業
を持つ企業は15パーセントに過ぎない。短期間で急成長したシリコンバ
レーの多くの企業がそれに気がついていたという事だ。
ではどうすれば強いコア事業を作れるのか。正しい顧客セグメンテーショ
ン、顧客ロイヤリティーの向上、ITによる継続的な生産性の向上、ベン
チマーキングの徹底活用、ブランド・プライシング戦略、そして戦略的M
アンドAである。ここでは生産性向上に於けるeエネイブルメントにつ
いて述べる。
ローコスト体質を作らない限り、ナンバー・ワン企業になるのは難しい。
多くの業界で第1位の企業と第5位の企業の売り上げ利益率の差は平均
で8.5パーセントあり、そのうち6パーセントがコスト競争力の差である。
断片的なコストダウンでなく、ローコスト構造を実現する手段がeエネイ
ブルメントである。eエネイブルメントの特徴は、業務プロセスだけでな
く、対象を戦略、リソース、組織迄広げる事である。GEに至っては企業
文化迄対象にしている。GEでは対面方式の会議の数を年数回とし、毎週
月曜にウェブで会議を行うようになった。
オラクルでは、4つの改革を行っている。第1が管理業務のセルフサービ
ス化で、経費処理や帳簿等を自分で処理する。第2がCRM、SCM、ERP
を一括りに統合する事である。第3が取引を単純化する事によって、イン
テリジェンス化を図るという事である。第4が地域別業務のグローバル化、
共有化である。地域的な業務をなくし、世界中の業務を一本化し、コスト
ダウンを図ることである。これは日本企業では強い抵抗が(西牧注:取り分
けいつまでもドメな意識の強い某社では)予想されるが、eエネイブルメ
ントを行うためには、極めて重要な作業である。
顧客のロイヤリティーを高める事は、オールド・エコノミー、ニュー・エ
コノミーを問わず重要である。リピート率と利益率の間には極めて強い相
関がある。日本企業は顧客維持に関する認識が米国企業に比べて低い。そ
れゆえ、新商品、新サービスの導入によって、マーケット・シェアの向上
を図ろうとする傾向が強く、これは日本企業の利益率の低さの一つの原因
となっている。
日本業への示唆として挙げられるのは、まずITによるコア事業への集中
(西牧注:即ちITメーカーのビジネスチャンス)。そしてeエネイブルメン
トを早急に進めること。シリコンバレーで進めているeエネイブルメント
が、今年の後半以降、日本企業との圧倒的な差となって現れる可能性があ
る。ここでは部分導入に留めず、全体の底上げを図る事である。もう一つ
は、コア・テクノロジーの強化を並行して進める事である。また経営トッ
プの理解と強力な推進体制、eカルチャー作りの徹底も求められる。
eカルチャーについては秋草社長も力を入れられており、かなり浸透して
きていると思います。
2001/8/3
皆さん、こんにちは。時々気温がやや低い日がありますが、30度を超えると、
常時風呂に入っているようなもので、これはかなり体にこたえていると思いま
す。会社に着くと汗だくで下着を交換したくなりますが、毎日下着持参で出勤
するのも嫌なので、最近では紙タオルを体に巻いて出勤し、会社で捨てる等と
いう事までしています。
左手と左脇腹に急に湿疹が出来、汗疹とも違うし痛痒いので直ぐに皮膚科に行
ってみたところ、毛虫か蛾の影響ではないかという診断でした。貰った軟膏で
2-3日で直りましたが、確かに先週は庭の垣根の刈り込みやら、街路樹の枯れ
枝の始末等をしたので、そのときにやられたのかもしれません。
元沼津工場長の森さんは、蝶の採集と飼育という珍しい趣味の持ち主ですが、
軽井沢の烏帽子岳で蝶の蒐集中に、転んで左足大腿部筋肉断裂という大怪我
をされ、それでも駐車場まで自力で降りて、自分で運転して病院に行き(オー
トマなので右足だけで運転可能)、現在入院中との事です。それでも10月の
国際会議には絶対出席すると意気軒昂です。
「特命顧問語録」
最近の政治経済情勢につき、N特命顧問からお話を伺う機会がありました
ので、皆様にもその一端をご披露致したく存じます。
・靖国参拝問題
靖国神社参拝は当然だ。一度行ってみると良いが、身が引き締まり清澄な気
持ちになる。戦死した軍人は、位で差をつける事をせず、大将も二等兵も全
く平等な扱いで、字の大きさも同じにしている。そもそもここは墓ではなく、
墓は別にあるのであって、魂だけを祀っている。靖国で会おうねと言って死
んでいった兵士達の魂が集っている場所でもあり、魂を移す事は出来ない。
中国が首相の参拝に反対しているのはA級戦犯が祀られているからであり、
それは賠償を放棄する時の条件だったからだ。
A級戦犯について合祀しているのは、本当は国の責任ではない。むしろ政府
は反対したのに神社の宮司が強引にやってしまった事だ。靖国神社は戦闘で
亡くなった兵士の御霊を祀るものであり、病死者は対象にならない。だから
刑死したA級戦犯も対象外の筈である。但し、私は知人の縁で巣鴨刑務所で、
ある戦犯の人と会った事もあるが、その人はとても立派な人だった。
・F社の経営問題
私はOBなので、経営には一切口を出さない事にしている。業績悪化の最大
の原因はこの10年間新しい事業を起こさなかった事だ。管理面に力が入り、
事業意欲が減退していたように思う。積極的にリスクを取っていかなければ、
新規事業は立ち上がらない。
・教科書問題
韓国や中国等、反日を旗印にしている国の国定教科書の記述について、日本
が口を挟んだことがあっただろうか。
「輸出管理強化」
かつてココムという、対共産圏に軍事用、或いは軍事転用可能な技術や機器
を輸出規制する協定がありました。その後ベルリンの壁の崩壊等で、対象国
も、テロを認めている国(リビア、北朝鮮等)等を対象にした、大量破壊兵器
の規制に移行しました。毎年のワッセナー協定の規制品目の見直しの中で、
高性能コンピューターの規制対象最大性能値を毎年引き上げる等、世界的に
規制緩和の方向にあったものの、昨今急に経済産業省が、最終ユーザー用途
の確認と報告を義務付けるという時代逆行型の行政指導を打ち出してきまし
た。昨日(8月2日)の日経産業新聞でも、この規制強化を大きく取り上げてお
り、対中国の工作機械等、自主規制のないドイツ等の国が商談で有利になっ
ている事を指摘しています。
この背景は明らかです。あのステューピッドなブッシュ政権が、対中国政策
を強硬にしてゆく中で、日本政府に圧力をかけてきているからに他なりませ
ん。今思えばあのフロリダのアホ長官がゴアの得票の数え直しを拒否したお
かげで、あやつり人形が大統領になってしまい、世界的に大きなマイナスの
影響が出るかもしれず、ともかく今それで困っているのが日本の輸出企業で
す。どうして経済産業省は、もっと米国に対して毅然とした態度を取れない
のでしょうか。
2001/8/7
皆さん、こんにちは。
「IT不況」
・M社の早期退職は、退職金50ケ月分、部長クラスの年収1800万なので
1億近いとの事です。
・新聞によれば、主要品目の勝ち組のパターンの一つは、中国などでの低
コストを実現した企業だが、低価格を武器にしたグローバル戦略は寝業に
過ぎない、技術そのもので相手を投げ伏せる一本勝負はないものかと嘆い
ています。
・また別の記事では、日本人や日本企業に競争力はあるが、日本という国
の競争力は低い、人件費やインフラのコストが高く、結局は海外移転を選
んでしまう、とあります。
・M社には失敗を恐れる雰囲気が出来ていた事が敗因とOBが述べていま
す。また別のOBは組織をいじり過ぎて商品が見えないと述べています。
私は個人的には、ある時期、自社の商品に対する理解も愛着もなかった社
長がいた事が、松下にとってボディーブローで効いていると思います。今
の各社の不況の原因は、実は今始まったものではないのではないかと思い
ます。
蛇足ながら今週M社に行って、分かる範囲で話を聞いてこようと思ってい
ます。
「フォーカス」
ピーク時200万部あった写真雑誌の先駆者も30万部になり、20年の歴史
に幕を下ろしたとの事ですが、編集長は、フォーカスは他の写真週刊誌と
違って、芸能路線を追わず、政治社会等硬派のスクープにこだわった、ま
た部数が落ち込んだ理由は、少年による殺人などびっくりする事件が立て
続けに起こり、雑誌のスクープ記事にだれも驚かなくなったことだ、芸能
人らのスキャンダルにも読者は刺激をうけなくなったと述べています。ま
た写真誌週刊誌にはものすごいコストがかかるが、取材費を削るようにな
ったらその雑誌は終わりだと述べています。
スクープだらけの日常は、果たしてまともな社会なのでしょうか。
「エアライン利用術」
私はミステリーやSFが好きですが、最近いささか虚構の世界にも飽きて、
実用書を読んでみたら、お勧めの一冊に出会いました。それは、
「知らないと損するエアライン(超)利用術」杉浦一機著、平凡社新書、7
00円です。長い名前から、さだめしテキトーなノウハウ本だろうと思っ
たら、これが案に相違して実に正当的、かつ有益な本で、無駄な記述が全
くなく、それは著者の専門知識の豊富さによるものでしょう。フリークェ
ント・トラベラーたるもの、必読の一冊です。
その一端をご紹介しますと、
パックツアーはプロが価格を交渉し、まとめて仕入れるので航空運賃もホ
テル代も格安、周遊旅行が可能なので、時間的無駄もないとのことです。
閑散期なら格安航空券がお得との事です。
飛行機の安全については、やはり新しい機体が良く、その点JALはジャ
ンボの保有台数(100機)こそ世界一だが、特にその子会社には古い機体
が多いと述べています。
危ないエアラインを見抜くのは難しいが、死亡事故、事故には至らないが
エンジン・トラブル等のインシデント、定時運行率等が指標になるとして
います。国内では重大インシデントはANAが多いとの事です。機体の設
計に問題がある場合もあり737は尾翼に問題がありそうだとしています。
またサービスというと奉仕や愛想と日本では理解されがちだが本来の意
味は任務、努めであり、本来の仕事として、機内のサービスだけでなく、
運航体制そのものを入るべきだとしています。従ってサービスの基本は定
時性にあり、その点、ルフトハンザが優れているそうです。一番ちゃらん
ぽらんなのがアリタリアで、Always Late in Take-off, Always Late In
Arrivalとさえ言われているそうです。しかし、ルフトも離陸準備はした
ものの空港が混雑して離陸が遅れるケースが多く、国にかみついていると
の事です。共にお国柄が良く出ているような気がします。
機内の湿度は5-15パーセントと、砂漠より乾燥しているので、水分を
多めに摂る他、女性は乳液等をつけたり、コンタクトレンズも入れたまま
だと角膜に障害を起こす事もあるとの事です。
ジャンボは、本来米軍の戦略輸送機として開発されたものの採用されずに
転用したもので、通常の旅客機の4機分もの大型だが、意外にも速度が
マッハ0.86と他の機体より速いとのことです。但し、ジャンボという愛
称は日本だけで、米国ではのろまという意味があるので使われていないと
の事です。
そして世界のエアラインの総合点では、安くて楽しいが、成功のキーワー
ドになっているそうです。トップはシンガポール航空で、これは安全性で
も高い評価を得ています。そして機内でギャンブルか楽しめる(但し金額
に上限あり)バージン・アトランティック航空も人気が高いとのことです。
しかし私としては、楽しいのもいいが、出来ればビジネス・クラスのフル・
フラット・シートで旅行したいものです。なおファート・クラスは利用者
が減っており、ファースト・クラスの無い国際便もあるそうですが、今や
ファーストは個室化の方向だそうです。
なお評判の悪いエアラインは、大韓航空(サービスに問題)、インドネシア
航空(安全性に問題)、ノースウェスト(搭乗員が粗暴な態度)等で、アエロ
フロートは論外と述べています。他に評判が良いのはKLM、スイス航空、
カンタス等だそうです。
機内食のベストはJALだそうですが、これはアンケート対象が日本人ビ
ジネスマンだったという事もあるでしょう。JALは信頼感、快適性でも
アンケートではベストです。
2001/8/19
皆さん、こんにちは。お盆の間は、電車も空いていましたが、Uサターンも
早かったようで、週末は結構、都内も人が多かったのではないかと思います。
私は時期をずらして、今週末に夏休みを頂戴する予定です。台風との接近遭
遇になれば予定は変更になるでしょう。それはそうと今朝は涼しく、秋を思
わせる天候でした。
我が家の近くにはADSLが来ないようなので、電話代を節約する為ISDNフレ
ッツにしました。
今日は久しぶりなので、やや長めですが、最後迄おつきあい下さい。
「日本の終焉」
罪のない子供達が、精神の未熟な親達の為に命を落としています。ガングロ、
茶髪の親が手加減を知らない暴行を加えての落命です。中学生がそのまま大
きくなったような、こういう若い親達を、どう考えれば良いのでしょうか。
人の命は彼らにとっては、何の価値もないものなのでしょうか。それとも単
に、その又親のしつけがなっていなかったからなのでしょうか。
今更、道徳教育等というものを持ち出すつもりはありません。まして石原慎
太郎が言いそうな国粋主義の路線には反対です。偉そうなことを言う右翼こ
そ、戦争の時に真っ先に逃げ出す人達です。戦時中の関東軍の実態を見れば
それははっきりしています。民間人を守るどころか、彼らを犠牲にして自分
達だけが助かろうとした史実が如実に物語っています。
問題は世間の風潮の中に有ります。現代の若者達は叱られる事に慣れておら
ず(すぐに逆ギレする)、議論にも慣れておらず、ケンカにも慣れていません。
精神的なタフさがありません。しかもテレビ・ゲームと暴力映画の悪影響で、
他人を殺傷する事を何とも思わなくなっている。
一言で言えば、気分次第で他人に手を出す若者が溢れているという事です。
自分の感情に抑制がきかず、やってまった後で、警察で初めてしまったと思
う。そして彼らの多くはどうしてよいか分からず、泣き出すだけでしょう。
自らの判断と行動に責任が持てないのです。まして政治や宗教上の、覚悟や
信念がある訳ではない。その時々の感情だけに振り回されている、むしろ動
物に近い若者達です。
自己中心性、幼児性が抜け切れず、いかなる我慢も出来ない。そういう若者
が親になった時何が起きるか。幼児は聞き分けのないのが当たり前です。親
に大きな肉体的、精神的な負担を強いる。我慢が出来ない彼らにそれが出来
る訳がない。だから当然の義務だからやれと言っても、実際には出来はしな
いという事から出発しなければ、現実的な問題の解決にはなりません。精神
論だけでは駄目なのです。
そこで申し上げたい。倫理観を祝詞のように唱えても解決にはなりません。
具体的な対策として、まずはキャンプや運動部の活動に積極的に参加させる
事です。しかし強制は出来ない。そこで、参加して良い評価を取れば、それ
だけで成績がぐんと良くなるような教育システムを取るば良いのです。私達
が米国で子供達を学校に通わせていた時、どこの学校にもそういうボランテ
ィアの制度があり、一つは取らないと卒業出来ませんでした。他人との共同
生活を通じて、人間関係と、人間の命の大切さを学ばせるのです。重大犯罪
を起こす少年達に共通して欠けているのが、人と人との接触です。まず我慢
と、他人と自己の関係を若者に覚えさせなければなりません。但し、戸塚ヨ
ットスクールやバレーボールのしごきは逆効果です。あれこそ、いじめと人
間性の否定に?がる右翼的発想です。
取り分け人の上に立つような人は極限迄我慢ができなければなりません。残
念ながら、会社によっては、子供のような精神構造の人が結構重要な職務に
ついていたりします。そんな人に部下を任せると組織が駄目になります。人
を育てるという事をないがしろにしてきた社会のツケが今、罪の無い子供達
の犠牲という悲劇的な形で現れています。
ちなみに国としては、直ちに孤児院を拡充し、今後増えるであろう子殺しを
減らす為、危険な親から一刻も早く子供達を隔離すべきです。子供達に必要
なのは親ではなく、愛情です。子供が変質者(彼らは基本的に卑怯ですから
自分より強い者には立ち向かわないのです)に狙われ、家族に命をないがし
ろにされる。こんな酷い国が他にあるでしょうか。そういう虚無的な若者が
増えているような国が、世界でリーダーシップを取る等考えられず、国とし
て長続きするとは思えません。心ある高齢者は、もはや人間ではない連中(外
国からの不法入国者を含め)に殺される前に、海外に脱出される方がよろし
いかと存じます。
「M社」
先々週、M社を訪問していろいろ話を聞きました。我々は物流の人間なので、
専ら貿易の話でしたが、その中で気がついたのは、M社は組織と人が極めて
しっかりしているという事です。誰にどんな権限があるのかよく分からず(特
に他社から見たら全然分からない)、声が大きくて、無責任な人だけが大きな
顔をし、社内の権力闘争に明け暮れるような、どこかの会社とは違います。
経験と実力とリーダシップのある人が権限を持ち、しかも全員が生き生きと
仕事をしています。コストにも敏感で、心斎橋の事務所をそうそうに畳んで、
ビジネス・パークの本社に集結しました。但し、これもかなりの高層ビルで、
質素さという点ではトヨタの方が上かもしれません。それでも松下には今の
我々にないものがあります。それは若さと元気(意欲)です。
2,000億の特損で、まずは凌いだから、まあいいかという社内の風潮を肌で
感じるにつけ、情けなくなります。9月で3/4期を締めてご覧なさい。3,000
億の赤字では済まなくなっているかもしれませんよ。
社員と幹部の意識が変わらない限り、赤字は膨らみ続け、ついには身売りす
るようになる事になるかもしれません。幹部、社員含めて総決起が必要です。
但し、未だそれだけの元気があればの話ですが。
「新作映画」
立て続けに2本、劇場で映画を見ました。一本は「猿の惑星」で、私はどう
もSFに偏りがちです。チャールトン・ヘストン主演の第一作では、猿で一
杯の惑星は、他の惑星だと思っていたが、自由の女神の廃墟を見て愕然とす
るというオチでした。今回はスタートから違っていて、猿を教育して、人間
の代わりに宇宙偵察もできるような施設を軌道上に設けていたが、磁気嵐で
チンパンの乗った偵察艇がどこかに行ってしまうというところから話が始ま
ります。猿の惑星では、チンパンジーが悪役で、やたら力が強く、ゴリラは
従順な従者です。特殊メイクは当然としても、女性(雌)の顔作りにはいさ
さか異論があります。特撮もまずまずで、見てつまらない映画ではありませ
ん。しかしSFになじみの無い人にはビデオで充分でしょう。
もう一本は宮崎駿の「千と千尋の神隠し」です。TV等で何回も紹介された
ので、粗筋はご承知かもしれません。地方に越してきた家族が、道に迷って
昔の宿場町のようなところに入り込んでしまいます。そこの屋台風の料理屋
に、美味しそうな料理皿が並んでいるのを見て、子供(千尋)が止めるのも
聞かず、両親が手を出してしまいます。そして千尋が回りを歩いて戻ってみ
ると、両親は大きな豚さんになっていたのです。しかもこの街は夜になると、
妖怪の住む街になるのです。その中で、ひときわ高い高楼が、ゆや(何故か
湯の代わりに油という字を使っている)という、やり手婆さんの魔女が経営
する湯治場です。ここには八百万の神々が垢を落とす為にやって来ています。
逃げそこなった千尋は、動物にされない為に、ここで働きながら親を助ける
算段をします。神々といいながら、登場するキャクラターはどれも妖怪じみ
ています。しかしストーリーとしては「もののけ姫」等より分かり易いく、
残酷なシーンもないし、より家族向きです。「トトロ」に出て来た、煤のお化
け、真っ黒くろ助も、今回は味方として登場します。ボイラー焚きのじいさ
んの吹き替えは菅原文太です。映像技術が進歩しており、油屋を取り巻く浅
い海の光景、草原の光景等、リアルに仕上がっていて、映像だけでも一見の
価値があります。世間で言う、ノスタルジアがどうのという以前の映画とし
てお勧めの一本です。
なお私は宮崎駿(みやざきはやお)が、元気な内に是非とも完成させて欲し
い映画があります。それは「ナウシカ」の完結編です。これは子供向きに作
る必要さえありません。思想としてかなり高度な内容なので、大人に分かれ
ば充分です。
2001/9/2
皆さん、こんにちは。10日ほど前に、やや遅い夏休みをとり、松本から安曇
野を回ってきました。松本には本家の墓もありますので、墓参りをかねての
自動車旅行です。台風の直後でしたが、夕立はあったものの、なんとか天気
は保ちました。今回はこれという目的がなく、良い写真がとれればよしとす
るくらいの軽い気持ちで、ガイドブック片手にいきあたりばったりの旅行で
したが、一つ収穫があったのは池田町のそば屋です。ここに翁(おきな)と
いうそば屋があるとガイドブックにあるので、ひょっとしたらかつて東京の
南長崎に存在した日本一のそば屋と関係があるのではと思い、外れて元々の
気持ちで行きました。このそば屋さんは店構えも新しく、池田町立美術館の
隣の、見晴らしのよい所にあり、晴れていれば雪をかぶった北アルプス連棒
の眺望が至近で楽しめる絶好の場所です。店の人に尋ねたら、果たして、東
京の翁の、お弟子さん第一号で、翁の店主から、名前を許されたのだそうで
す。メニューは4種類くらいで、その日に打つ数が限られているので、早く
いかないと売り切れることもあるとのことです。
東京の翁の店主、高橋さんの考えは、そばは所詮そばに過ぎない、だからや
たら高いお金をとったり、量を少なくしてお客に不満を残すようなものであ
ってはならない。しかしその中で最善を尽くしたいという哲学です。また商
売としてやっているのではなく、そばを打つことが楽しいからそば屋になっ
たという人です。この創業者は、一度山梨に引っ越し、今はさらに広島に移
り、ダルマという名前の店を開いているということなので、翁は安曇野の店
が唯一つということになります。長野道の豊科インターの近くなので、一度
お試し下さい。
なお2-3日前に、お休みを頂戴して、オープン前のディズニーシーにも行っ
てきました。ディズニーランドと同じくらいの大きさで、テーマがいくつか
あり、大人も楽しめるのですが、一つ大きな問題があります。それは人気の
乗り物は3時間待ちという状態です。せめて待つ人のためにベンチを用意す
るくらいのことはしてほしいものです。現に倒れる人も出てきました。老人
や子供に3時間立てというのなら、まずは経営者自らが立ってみるべきでは
ないでしょうか。ファースト・パスポートとかいう変則的な方式(事前のチェ
ックが間に合わず、立って待っている人にはたまらない)ではなく、もっとま
しな予約制にすべきです。
安曇野とディズニーシーに関しては、写真をホームページに掲載しましたの
で、ご覧下さい。今回はかなりの量があります。
「外国人の犯罪」
市民が鍵に工夫をするなどして対策を講じたので、ピッキングの犯罪が1/
5に減ったのだそうです。しかしそれで行き詰まった外国人の犯罪者が、今
度は日本の暴力団と組んで強盗に早変わり。商店などが狙われており、簡単
に命を奪うので要注意とのことです。しかしバブルの時にどっと押し寄せた
外国人労働者が、日本人でさえ失業する昨今、職を失い、犯罪者集団になっ
て行く。そのバブルの張本人の銀行ではリストラも減給もなく、退職金とし
て1億5千万も払っている(東海銀行の例)。それを後押しするのが天下り目
的の財務省というのでは、社会を悪くしているのは一体誰だろうと言いたく
なります。我々庶民は銀行に高い金利を払って、しかも犯罪の犠牲になって
いるのです。
「自作パソコン」
先週は毎晩2時まで作業して、おかげで昼間は居眠りをこらえるのが大変で
した。何かというと、パソコンの自作に挑戦したからです。自宅のメインの
パソコンは、私と子供二人が使うので、順番待ちが多いことと、娘はパソコ
ン関係の仕事をしているので、専用機が必要と判断したことが始まりです。
どうやれば安く入手出来るか。まず中古屋を探しましたが、安いものもある
がスペックが低過ぎます。そしてたまたま雑誌で自作の紹介記事があり、簡
単だと書いてあったので、取り組んでみました。目的は性能ではなく、いか
に安く作るかです。周辺機はかなり買いおきがあり、使っていないOSもあ
ったので、本体だけ作れば、2台目が出来るのではないかという期待でした。
一番安いケースが3000円、マザーボードが14000円、CPUはセレロン
800MHで我慢して8000円というところです。果たして3万弱でデスクトッ
プが出来たのでしょうか。現実にはそうはいかず、一番高い部品の液晶ディ
スプレイは別途、娘に買わせたので、総額はやはり10万くらいにはなりまし
た。また組み立てに関しては、ステレオアンプだってハンダ鏝と測定器が必
要なのに、パソコンはプラモ感覚で線をつなぐだけという売り言葉はあなが
ち嘘ではありませんでした。しかし、マザーボードについている説明書は必
ずしも親切ではないし、作業に微妙なこつを要するものがあります。一番手
こずったのはCPUにクーラー(ファン)を取り付ける作業で、かなりの力が必
要です。こんな作業はとても女性では無理ですし、壊してしまうのではと不
安になります。雑誌によると、これが最初の難関なのだそうです。また全部
配線をつないでOSをインストールしようとしたら、うまく行きません。最
近のPCはフロッピーから立ち上げるより、直接CDから立ち上げるように
なっているようです。またOSを入れても画像がおかしかったり、音が出な
かったりで、これらもその都度店員さんにきかないと分かりません。結局は
添付のCDからドライバーをロードするだけのことでした。要はつなぐこと
なら誰にもできるが、自分が何をしているのかがわからないと、一度トラブ
ルがあると、手も足も出なくなるということです。
私の場合はさらに複雑で、3人分のHDDを用意して、それぞれにOSとアプ
リをセットし、ウェッブやメールのセッティングもしなければなりません。
それが今朝になってようやく作業が終わり、パックアップのCDを作ってほ
っとしたところです。とてもではないが誰にも簡単にお勧め出来るようなも
のではありません。特に安く作ろうとすることを前提にするとうまく行きま
せん。しかし良いことは、ケースが大きくなり、マザーボードの機能も市販
のものとは段違いに大きくなったので、自由度が格段に大きくなったことで
す。以前から、ことあるごとパソコンの蓋を開けて、改良に努めてきたおか
げで、その有り難みがよくわかります。言い忘れましたが、自作するとかな
りPCのことが分かるようになりますし、それこそが私の隠れた目的です。
「N特命顧問」
最近の日経産業新聞に、電子商取引のルール作りが進んでいるが、世界ビジ
ネス会議では文化の違いもあって、一気に世界標準を作るのは難しい、日本
からの参加では、国際的に交遊関係が広いN特命顧問のリーダーシップが
数少ない切り札だと述べています。またワシントン事務所のK所長の談話
も掲載されており、「政府に任せないで、企業の立場から発言すべきだ」と述
べています。
N顧問は、台湾に行かれて、陳水篇氏に会われたり、英国ではブレア首相
と握手をされるなど、世界のリーダー達と親交を持たれています。日本の閣
僚でも、なかなかそこまで出来ないでしょう。時々お目にかかって政治経済
のことなどをお聞きするのが楽しみですが、最近とみに懐が深くなり、いつ
も笑顔を絶やさず、これなら外国の要人と会っても良い印象を与えるに違い
ない、立派な日本の顔になられたと思いました。取り分け笑い声が魅力的で
すが、私などいつもしかられてばかりで、なかなか聞く機会はありません。
こういうことを円熟というのだろうと思いました。
2001/9/19
皆さん、こんばんは。
「爆破予告」
昨日の午後2時半頃、防火演習以外には殆ど使われなくなった館内放送で、
「シティバングに爆弾を仕掛けたという予告電話がありました。25分以内
に爆発すると言っていますので、速やかにビルから退去して下さい」という
放送がありました。私は、演習だというコメントがつかなかったので、放送
を本物と断定し、オスィスに戻ってみると、皆、半信半疑です。そこで、「こ
れは演習じゃないぞ。皆すぐに退去してくれ。女子から先だ」とどなって、
全員の退去を促しました。そしてセオリー通り、最後迄残って残留人員のい
ない事を確認してから、階段を使って避難を開始しましたが、階段がひどい
混雑です。全員に退去を勧めましたが、総務関係の高齢者だけは、残ると言
い張っていました。階段は満員でしたが、全員が脅迫電話だと思っていたせ
いか、パニックにはならず、ぶつぶつ小言をいいながらも、落ち着いた移動
でした。しかし、これが火の気や煙でもあれば、簡単にパニック状態になり、
あの狭い階段では大事故になっただろうと思います。今回、非常階段が狭過
ぎる事だけは、はっきりしました。
パトカーが来る、報道ヘリは舞う、という事態になりましたが、次の問題は
ビルから出た我々の身の振り方です。これという情報や指示が、ビル側から
も、警察からもなくて、皆どうして良いのか途方にくれていました。即ち危
機状況での情報管理が全くなっていないという事も分かった訳です。そこで
自力で事態を収拾する事になります。携帯で集められる者を一カ所に集め、
安否を確認し、内部の検査に1時間は掛かるものと見て、それまでを臨時の
休憩時間とし、1時間後に再集合する事にしました。予想通りのいたずら電
話で、1時間半後には通常業務に復帰しました。。
この事件は、夕刻のTVでも放映され、翌日(即ち今日)の新聞にも記事が
掲載されました。今日、航空会社の人と話をしていたら、品川でも同様の脅
迫電話が掛かり、一時はバスも運航を中止したとの事です。東京の各地で、
シティ・バンクの入っているビルに英語で爆破予告の電話があったと報じら
れており、あちこちで避難騒ぎがあったようです。明らかに米国、或いはユ
ダヤへの嫌がらせです。今回の米国のテロは、それでなくとも輸送担当部門
の我々には甚大な影響が出ているというのに、今度は職場の安全にも影響が
出てきました。これはもはや対岸の家事ではありません。公安当局は真剣に
対応すべきです。
米国に於ける自爆テロで、日本は既に24名の尊い人命を失いました。日本本
土で、テロ行為を許してはなりません。
「報復」
スポーツ新聞の見出しを見ていると、うんざりしてきます。報復が秒読みは
ともかく、核による報復等は、それを新聞は期待しているのかと文句をつけ
たくなります。日本のマスコミの無責任で無節操な報道姿勢が、人の心に悪
の温床を形成してきました。いかにブッシュが馬鹿でも、核だけはお断りで
す。たとえそれが恫喝に過ぎないとしても、絶対に核は使うべきでないと、
日本は米国に明確な形で申し入れるべきです。米国から嫌われる事を恐れて
はなりません。むしろメッセージをはっきり伝える事で、存在感を示す事に
なると思います。後はパウウェルの良識に期待するしかありません。
2001/9/21
皆さん、こんにちは。引き続きテロ関連の話題です。
「サイバーテロ」
一昨日、事業所の多数のパソコンが突然、ネットワークに接続出来なくなり
ました。これは、W32 Nimda(ニムダ)という、最近では最も強力なウィルス
が、サーバーに侵入した為です。インターネット・エクスプローラーで送信
されたメールを開くだけで感染するという代物です。サーバーがダウンして
いると仕事にならないので、昨日は自分のPCを持参して出社しましたが、
幸い、夜間の内にサーバーの対応は済んでいました。このウィルスの火元は
ビンラディンのシンパと称する集団で、サイバーテロだろうと言われていま
す。ウィルスに汚染されたサイトを見るだけでも感染するというのですから、
ワクチン・ソフトは必要でしょう。ウィルス対策ソフトの定番ノートンでは、
既にニムダ対策をダウンロード出来るようにしていて、インターネット・エ
クスプローラー(IE)5.01と5.5に対するワクチンが用意されています。
日本の企業も、商用通信の多くをネットに依存しており、ネットの混乱は経
済的な打撃を与える事になります。テロリスト達も、それを知っていて攻撃
しているのでしょう。
「爆破予告」(続き)
前回のエッセイに、お便りを頂戴しています。一つは、あの事件は日本経済
に影響が出た、ちょうど株式市場が引ける直前だったので、平均株価を150
円下げる結果となったというお話です。また、今回爆発がなかったので時間
の無駄にはなったかもしれないが、実地訓練にはなったのではないかという
ご指摘でした。確かに、途中の階からでは入り込む事も出来ない程の混雑
だった非常階段を思い出すと、一人が転んだだけでも、大惨事になったと思
います。明石の花火見物の事故を思い出します。
更に、ワシントン事務所の加藤所長からは、ああいう事はワシントンでは日
常茶飯事だ、そういう時には、とっさにパソコンか新聞をつかんで外に出て、
2時間位、コーヒーショップで時間を潰してから戻るようにしているとのこと
でした。さすがに、テロの脅威にいつも曝されている市民ならではの対応です。
しかし、爆破予告や、上記のサイバーテロにもあるように、我が日本も、も
はや国際テロとの戦いに無関係ではおれません。我々が、いかに関係ないと
(テロリスト達に)言い訳してみたところで、日本には米軍の基地もあるし、
ラディンのシンパ(一節によるとラディンの弟さえ)も、日本には潜入してい
ると思わざるを得ません。米国で逮捕された犯人グループの中には、日本人
女性が含まれていたという噂さえあります。
自分から望んだ訳でもないのに、戦争に引きずり込まれるという事態は避け
たいものです。しかし、降りかかる火の粉は払わなければなりませんし、そ
うなるともはや外国の問題ではなく、自国の問題です。
私は、日本は、独自の立場から、対テロの戦いへの覚悟を決めるべき時期に
来ていると思います。そこで私は、小泉首相に以下の声明文を提唱したいと
思います。
「国民の皆さん。米国では卑劣なテロの結果、一般市民に多数の死傷者が出
ています。米国は各国の協力の下、世界的な規模で、対テロリズムの戦いを
開始する決意を固めています。その目的は、同時多発テロに対する報復だけ
ではなく、世界中からテロを一掃するという高い理想に基づくものです。従
って、湾岸戦争のような私欲にかられた一国の暴走をくい止めるといった、
相手が明確な戦いではなく、戦場も期間も限定できない戦いになる可能性が
あります。私は、この連合国の戦いを、日本も積極的に支援すべきだと思い
ます。日本は、自由主義陣営の主要な一員として、テロリストの標的になる
可能性が多分にあります。それをくい止めて、日本からテロの危険性をなく
する為にも、日本は米国への支援を含めて、可能なあらゆる手段を講じるべ
きだと思います。どうか日本国民の皆さんも、今回の多発テロ事件を、自国
が次の標的になりかねない自国の問題として理解し、協力を頂く様お願いし
ます」。
「黙祷」
一気に開戦ムードが高まっていますが、未だ瓦礫の下に居る、5000人に及ぶ
一般市民を忘れてはなりません。今週の日曜日の夕刻、私はどこへ行けば良
いのか分からないので、近くのカソリックの教会を訪れ(私はクリスチャンで
はないが、神社とお寺より、教会の方がふさわしく思えたので)、誰もいない
礼拝堂で、黙祷させて貰いました。また義援金を何処で集めているかも分か
らないので、その教会に寄付させて貰いました。
家内は、おぼつかない英語で、ニューヨークの知人に、お見舞いの手紙を出
しました。
2001/9/25
皆さん、こんにちは。私のエッセイは、分かりきった事を書くとか、過激だ
とかで、家族の評判は良くありません。歳相応の分別がないという事なのかも
しれません。
「対テロ戦争」
開戦の方向に向かって事態は進んでいます。戦争の名前も決まりました。
最初はノーブル・イーグルでしたが、永遠の自由という名前になったとの
事です。
ラディン(なぜ氏をつけるのか分かりません。以前シアヌーク殿下という人も
いました。不必要な尊称は印刷インクの無駄です)は自分から名乗り出るつも
りは毛頭なく、どこにいるのか分からず、アラブ諸国を自称聖戦に巻き込もうと
やっきです。タリバンやラディンは、犯人は自分ではないと一時期言ってい
ましたが、もはやそれを言わず、聖戦聖戦と言い始めた時から、彼らの関与
は決定的となりつつあります。本当に無実なら、まずそれを大声で主張する
筈です。米国は言いがかりをつけていると国際社会に提訴すべきです。
米国でハイジャック犯を直接支援した人間が見つかっていないという話もある
一方、NATOにはタリバン関与の証拠を説明したという噂もあります。
CBS等でも放映されたように、タリバンは宗教警察を使って国民(特に女
性)を弾圧しており、今回の戦争は弾圧されている国民を解放する為の自由
主義陣営側の聖戦になるかもしれません。偏った非人道的な思想に洗脳され、
戦闘で死んで行く兵士はあわれですし、狂信者と戦う連合軍の兵士も気の毒
です。狂信的な宗教が生まれるという事は、国が貧しい事と無関係ではないの
かもしれません。オウムが生まれた日本の場合、物質的な意味ではなく、精神
的な意味で風土が貧しかったからだろうと思います。そして残念ながら、それは
今でもあまり変わっていないと思います。ある政治団体を引き合いに出す迄も
なく、新興宗教が幅をきかすような社会というのは、やはりどこかが病んでいる
社会なのだろうと思います。
小泉氏がワシントンで意志表明をしました。張り切り過ぎだという声は当然
ありますが、私はやはり支援を言明して良かったと思います。日本が、そし
て日本国民が、テロをどんなに憎んでいるかを世界に伝える事が出来れば、
それはとても良い事だと思います。
但し、正義の代償は覚悟しなければなりません。英国、ドイツ、イタリー等、
テロに慣れている国は覚悟があるから良いが、日本ではハイジャックはとも
かく、銃や爆弾によるテロはありませんでした。しかし今後はそうもいかなく
なるでしょう。テロがあればあっけなく犠牲者が出て、取り締まりも捜査も
十分には出来ないでしょう。国民一人一人が、自分のセキュリティーに責任を
持つことが要求されるでしょう。テロリストからは自分で身を守るしかないの
です。米国の側に立つ事を言明した以上、次の標的は日本でしょう。
たとえ、小泉首相が訪米せず、日本の国民はこの戦いに無関係だと言ったと
しても、日本がテロの標的になるのは時間の問題です。日本は草の根レベル
でも、積極的にこの戦いを支援すべきだと思います。自衛隊の後方支援で、
自衛の為の武器使用も当然だと私は思います。WTCで殺された24人の日本人
の為にも、日本は立ち上がらなければなりません。
「同時多発テロその後」
最近サンフランシスコから帰った人に、米国の事情を聞きました。事件の当
日午前6時頃(東部時間で10時頃)、その人はサンフランシスコ空港から、
まさに飛び立とうとしていた飛行機の機内に居ました。助走をはじめた飛
行機が急にブレーキをかけ、エプロンに引き返しました。そして、空港のロ
ビーのテレビで一部始終を見たとの事です。その時、日本人はおおっと声を
上げたが、米国人は極めて静かで、「オー・マイ・ゴッド」と小さくつぶや
く程度で、その冷静な反応に驚いたそうです。
ところが、ピッツバーグに落ちた旅客機の機内では、乗客がハイジャッカー
に立ち向かうドラマがあり、米国人もやるときはやるのだと感心したと言って
いました。
なおサンフランの空港では、空港の閉鎖に伴い、全ての離着陸が直ちに禁止
されたのですが、その指令をきかない航空会社がありました。それはタイ航
空です。バンクーバーに着陸を命じられたのに、どうしてもサンフランに降
りると言ってきかず、そこで戦闘機のお出迎えとなりました。轟音とともに
戦闘機が先導して、タッチ・アンド・ゴーを繰り返した後で、タイ航空機が
着陸しましたが、これは、少しでもコースを逸れたら撃墜するという意志表示
もあったようです。無論米国の事ですから、それは確かに実行された事で
しょう。当初11機がハイジャックされた可能性があると伝えられました
が、それは連絡が取れなかった旅客機の合計数で、タイ航空もその一つだ
ったという事です。
米国の子会社の部長(女性)の親友が、WTCの勤務なので、彼女が心配して
電話をかけたところ、やはり亡くなっていて、ご家族から聞いた話で
は、家族の方がWTCの様子をTVで見ながらご本人と携帯電話で話をして
いたら、突然ビルが崩壊して電話が切れたという悲劇だったとの事です。
アムダールの関係で、日本から最近着任した当社社員も、現場近くに居た為、
怖い思いをしたという話が伝わっています。
なお、事件直後はパールハーバーという言葉がうるさい程、現地で聞かれた
との事です。しかしその言葉は卑怯な仕打ちという意味で使われたとのこと
です。最近私がTVで見たところ、米国政府の高官は、今回の攻撃はパール
ハーバーではないと説明をしていました。非戦闘員を狙った無差別テロだか
らです。
戦争が始まるという実感は、皆さんにはあまりないかもしれないが、私には
あります。というのはノースウェストの貨物便が既に米国政府に押さえられて
おり、日本貨物航空の飛行機にも引き合いが入っているという事実があるから
です。彼らは兵員を輸送する他、食料や水(湾岸戦争で一番多く空輸されたのが水で、
それは兵員がシャワーに使う為だったと言われます)、機材等の輸送に使われ
る為です。帰路は遺体の輸送です。
今夕の夕刊フジは28日に空爆があると予想しています。
今回の戦争が、朝鮮戦争のように経済的な刺激になるとは思いません。むしろ
戦時国債等の形で、世界各国に大きな財政的負担を強いる事になるでしょう。
それでも、米国の強い意志と、日本の前向きの支援の気持ちが、国民が不況を
乗り切る支えにはなると思います。
ゴア政権だったら、イスラエルとアラブの関係がもっとうまく行って、テロが起き
なかったか、先延ばしになった可能性がある一方(6年も用意していればいつかは
実行に移したでしょう)、いざ事件が起きてしまうと、むしろ90パーセントの支持を
集めるブッシュの方が国をまとめ易いという感じがあります。
「マスターズ」
上記とは別の人で、アトランタに駐在している人の話を聞きました。アトラン
タと言えば、CNNとコカ・コーラが有名ですが、ゴルフ・コースのナショナ
ル・オーガスタがあります。マスターズのトーナメントはパトロンしか入れま
せんが、つてがあれば観戦出来るそうです。しかし誰がパトロンかは公表さ
れていないそうです。練習ラウンドの入場料が250ドル、本戦で350ドルが
相場だが、所謂エージェントを通じて申し込むと4日で4000ドル、5日で6000
ドルの入場料との事です。
2001/10/3
皆さん、お変わりありませんか。
「無線LAN」
やっと、つながりました。我が家の無線LANの事です。現在我が家には、2台の
デスクトップ(内1台は自作)と2台のノートブックがあります。更に山小屋にも
う一台おいてあるので、計5台、ということは1人1台以上です。
また、我が家の通信環境は、これまで単なるISDNでしたが、家族全員でウェッブ
にアクセスするようになってから、通信費がかさんできたので、これをフレッツに
変更しました。ところがフレッツにすると、今までは使えていたデジタル2回線が
1回線になってしまい、これまでの装置では同時接続ができなくなりました。そこ
でやむを得ず、全員が同時に接続できるように、しかも部屋と部屋の間でケーブル
を引き回さなくてもよいように、無線LANでつなぐことを考えました。ISDNの
TAはそのまま使えるのでルーターと無線カードの追加だけです。最近の雑誌を読
んでもやたら簡単なようなことが書いてあります。しかし、だまされてはなりませ
ん。パソコンが悪魔の発明であることは、少しこの世界に入り込んだ者なら誰でも
知っていることです。いざ一式つないでみたら、案の定動きません。翌日、店に行
き、さんざんごねて店のマシンでつないで実験させ、解決のヒントをつかみ、何と
か動くようになりました。しかしそれはあくまで、ウェッブにつながるところまで
です。次はLANのもう一つの目的、即ち4台のPCが相互にファイルのやりとり
ができなければ意味がありません。これができれば、居間のノートPCで文章を作
り、2階のデスクトップのレーザープリンターで印刷することもできるし、MOに
データを保存する事もできます。ところが、ここでまたつまずき、もう一度店に行
かなければならないかと思ったところ(最近では、店員は私と目が合わないよう
にしているようです)、最後の駄目押しでなんとかでこれも動き始めました。
PCのネットワークの画面に4台のPCの絵がズラリと並んだときはささやかな
満足感がありました。もはや自分は初級者ではないという思いです。
PCの唯一最大の問題点は、つないだだけでは動かないと言うことです。そこが
トースターと違うところです。もっとも最近のマイコン搭載の家電は、どれも簡単
には動きません。PCの初級者と中級者の違いはただ一つ、PCがおかしくなって
も慌てないということだけです。すなわち悟りの差だけです。ちなみに、職場の
PCも古くなりましたが、さすがにこれを自分で改善する気になりませんので、せ
めてキーボードとマウスだけでもコードレスに変えました。マウスは紐がないと自
由です。ただし電池の分だけやや重くなります。
「同時多発テロ」
そろそろもっと短い表現にした方がよいと思いますが、FビジネスのYさん
がテロ関連の記事を送ってくれましたので、転載させていただきます。
私たちが払った代償:
私は今生きている。私はこれを決して忘れないために、このメールを新聞社に送
るために書いている。
私はいつものように8時前にオフィスに到着した。私のオフィスは世界貿易セン
ターの北タワー、第一タワーにある。私の同僚たちはほとんど8時半前に到着す
る。最初の飛行機がタワーを攻撃したとき、私たちは、いつものように、立って
ジョークを言ったり、朝食を食べたり、電子メールをチェックしたりして、一日
の始まりに備えていた。私たちのオフィスは飛行機がぶつかったフロアの数階下
にある。
私たちは、それが最初何であるのかわからなかった。とにかく、地震のようにす
ごい音と揺れだった。叫び声が上がった。窓の外を見るとビルは10フィートから
20フィートくらい揺れ動いていた。すごく長い間揺れていたので、同僚の腕をつ
かみドアの避難口にむかうのに長い時間がかかった。ライトや天井が一部落ちて
きた。台所は崩壊していた。これは爆弾だと確信した。
窓の外を見ると紙が方々に飛んでいてまるでパレードの紙ふぶきのようだった。
下を見ると Battery Parkから人々が見上げている。煙が天井の穴から出てきて
いた。
私たちは13人だったと思う。パニックにはなっていなかった。最も悪いことは終
わったと思った。ビルはもう揺れていなかったし、私たちは震えていたが生きて
いたのだから。ホールを見ると煙が充満していた。煙は想像していた臭いではな
かった。バーベキューとも違うし暖炉の臭いとも違っていた。電話網は動いてい
た。妻は、子供を連れて外出しているはずだ。家のお手伝いさんに電話し、爆発
に巻き込まれたが、私は無事で今まさに逃げ出すところだと伝え、妻をページャ
ーで呼び出すように伝えた。
ラップトップをつかみ、Tシャツを3つに引き裂いた。それを水で濡らして、2
つを友人に与えた。自分の分は顔にまき、エアーフィルターのようにして使った。
そして、階段に向って移動をはじめた。親友のひとりは、警察か消防士がくるま
で待っていると私に言った。ホールには火の粉や小さな火の手がたっていた。男
性トイレの天井が崩れていた。まるで、誰かがそこにいてその人と一緒に無くな
ってしまったような光景だった。
万が一に備えて消火器を持っていく。85階に来たとき、同僚と私は、オフィスに
残ると言った親友を連れに帰るべきだと思ってオフィスに戻った。すでに空気は
なく、煙だらけだった。彼の名前を呼びつづけたが返事はなかった。煙に包まれ
てしまったに違いない。私たちの努力は無駄に終わったように思った。再び階段
にむかった。78階まできたとき、違う階段を使った。78階は、上の階にいくと
きの主要ジャンクションの階なのだ。だから、もっとたくさんの人がいるだろう
と思った。案の定、50-60人の人がいた。まだ足りない。線が散在し、火の手が
あらゆるところにみえる。煙でいっぱいだ。火を消そうとしている勇敢な人もい
る。私は、友人と一緒にオフィスから出た人たちが全員いることを確認した。私
たちが彼らを階段に誘導した。確か、そのとき私の上司を見かけた。私たちのヘ
ッドトレーダーだ。私はまだ35歳だ。彼のことは14年前から知っている。彼は、
私たちの後ろから歩いてきていた。
私は2人の友人と一緒に階段にむかった。たいへん秩序よく、また、大変ゆっく
り降りていった。パニックはなかった。少なくとも、ひどいパニックではなかっ
た。私は足の震えがとまらなかった。心臓の鼓動がひどく激しい。ナーバスなジ
ョークに笑うものもいた。新しいMerrellsの靴に傷をつくってしまった。それで
も、これを履いていてよかった。足が心地よい。みんな笑った。
携帯電話をチェックすると、驚くべきことに動いている。でも、Sprintのネット
ワークは混乱していた。Blackberryの双方向メールのデバイスも完璧に動いてい
るという声があがった。20回に1回の割合で電話がつながった。妻には電話が通
じないとわかっていたので両親に電話した。何が起こったかを説明して、私は大
丈夫で、今、逃げ出している最中だと伝えた。だいたい65階くらいだったと思う。
ずっと階段を下りつづけるという作業にあきてきて、さらに、神経質になってき
た。San Franciscoの友人に電話した。きっとテレビを見ているだろうと思った。
彼は、私が電話していることにとても驚いていた。もうひとつの飛行機が衝突し
たから早く逃げろと言った。私は彼が言っていることが理解できなかった。タワ
ー2に2機目の飛行機が突っ込んだのだ。私たちは、逃げるのに夢中で、何も聞
こえなかったし、何も感じなかったのだ。私たちには、何が起こっているのかま
ったくわからなかった。
さらに進んでいくと、傷を負っているひとたちがいた。たくさんではなかったが
数人だった。深い傷ではないようだ。切り傷や引っかき傷だ。誰もが協力的で誰
もがヒーローだった。疑いない。私たちは77階にもオフィスがあり、そこで働い
ている同僚もいたので、彼らに連絡しようとして何十回となく携帯やオフィスの
ラインに電話をした。まったく通じなかった。でも、後から彼らも無事であった
ことを確認した。悲劇の日に起こったたくさんの奇跡のひとつだった。
53階で、階段に座り込んでいる男性に遭遇した。助けがいるのか、ただ休んでい
るのかとたずねると、助けてほしいと答えた。私は背中が悪いので彼を背負うこ
とはできない。でも、友人と一緒にとにかく彼を助けることにした。私たちにも
たれかかるように言った。彼は躊躇していたので、何故かとたずねた。一緒に来
たいのか、誰か助けを呼んで来てほしいのかを尋ねた。彼は助けの方を選んだ。
私は、彼に、彼が53階のA階段にいることをレスキュー隊に伝えるからと言っ
た。彼は大丈夫だと答えたので私はそこを去った。
44階にきたとき、再び携帯がなった。両親だった。ヒステリックになっている。
私はリラックスするようにと言った。私は大丈夫だから。父は早く逃げろ、3つ
目の飛行機がやってくると言った。私には理解できなかった。少々腹が立ってき
た。両親は何を考えているんだ?これ以上、逃げる理由がいるとでもいうのか?
私は私の前にいる数千人の人をこれ以上早く動かすことなどできないのだ。両親
が私を愛していることはわかっている。だけど、この状況を正確に把握できる人
などいないのだ。
このフロアで警察官や消防士、犬をつれていない貿易センターのレスキュー部隊
が階段を上がっていくのが見えた。彼らに53階にいる人のことや87階にいる私
の友人のことを告げた。後になって、このことを大変後悔した。彼らは、これら
の人を見つけるために上がっていったのだけれど、結局死んでしまったのだから。
33階でやっと詳細を知っているという人と会うことができた。彼は2機の小さな
飛行機がビルにつっこんだと話していた。それから、やっと私たちはどのテロリ
ストグループがやったのだというようなことを話すようになった。国内組織か海
外か?統一されていたわけではないが大勢がイスラムだという意見だった。どち
らにしても、私たちはこれが爆弾でないことを知り、さらに飛行機が突撃してい
る可能性があることを知ったのだ。
3階にくると電気が消えていた。上の方で物が壊れる音がした。階段が壊れたと
思った。その時は、10時で隣のタワー2が壊れたのだった。その時は知らなかっ
た。誰かが懐中電灯を持っていた。それを前に渡して暗闇に向って進むと、出口
に出る廊下が破壊されているのを知った。何も見えなかった。私はみんなが前の
人の肩に手をおいて進むようにとみんなに話した。そして、障害物があったら声
を出して知らせるのだ。みんながこれに従った。完璧だった。
もう一つの階段に出ると、体中ずぶ濡れになった女の人がここがブロックされて
しまっていることを伝えた。他の出口を使うためにもう一度4階に上がろうとし
た。すると、彼女は降りても大丈夫だと言った。水浸しだった。もう一度、手を
肩に置くようにと私は言った。彼女はとてもいいアイデアだと言った。彼女は、
後ろに回り後から来る人たちに同じようにするように伝えていた。彼女がその後
どうなったかはわからない。
とても大きな部屋に出た。電気はあったが煙だらけだった。建築中の場所じゃな
いかと友人に言った。その時、私たちがどこにいるかがわかった。2階だ。ロビ
ーが見渡せるところだ。私たちはコートヤードに出た。噴水があったところだ。
まるでかつて見た核戦争のテレビ映画のようだと思った。どこからきたのかはわ
からない。床には少なくとも5インチもの埃が積もっている。捻じ曲がった金属、
ワイヤー、体や体の一部もあった。私はそれを見ようとしなかった。もう十分に
悪いことは見てきた。Houston通りまで歩き続けるように言われた。まわりに数
名のレスキュー隊しかいないことが不思議だった。5人もいないのだ。
私と私の友人しかいなかった。私たちは抱き合った。でも、悲しかった。私たち
の前を歩いていた友人たちが死んでしまったと思った。後からは誰もついてこな
い。数ブロック離れた郵便局の前にきた。そこで私たちは止まって見上げた。私
たちのオフィスがある(あった)ところが火と煙に包まれている。郵便局員がす
でにタワー2が崩れたと言った。見上げると確かにもうタワー2がない。鼓動が
早くなった。家族に電話をしつづけた。妻とはまだ連絡がとれていない。やっと
両親に通じた。彼らの感情を表す言葉を見つけられない。両親を通じて妻にこと
の成り行きが伝えられた。神のおかげだ。生きていることを妻に伝えることがで
きた。
私たちは座った。自転車にのった女の子が水を分けてくれた。彼女がボトルのキ
ャップをとったとき、大きな音がした。見上げるとタワー1が壊れていく。時間
はわからないが、10時半だと伝えられた。私たちがビルから出てから15分もた
っていない。私たちは友人を失ったことでうめき声を上げた。特に、オフィスの
残った私の親友はもう死んでしまったに違いないと思った。
Union Squareまで歩きつづけた。Beth Israel Medical Centerが見えた。ラジオ
で大統領が話していた。電話が鳴った。妻だった。彼女の声を聞いたとき、ひざ
が泣いているのを感じた。信じられないことを彼女が話してくれた。私のパート
ナーがまさにこの電話をかけている彼女の後ろにいるという。彼は生きていた。
元気だった。あの時、ただ混乱の中で彼を見失っただけだったのだ。私たちは、
飛び上がって、抱き合って、叫んだ。私はタクシーをひろうことができたので家
にむかった。私は息子を抱き上げ、私の妻を抱き、眠りにおちるまで泣いた。
オフィスに残ったと思っていた私のパートナーは結局、ヘッドトレーダーである
私の上司と一緒だった。後から聞いたことだが、彼らは53階にいた男に出くわし、
彼を助けたという。男はほとんど動くことができなかったので、私のパートナー
は勇敢にも(愚かにも)52階のエレベーターをテストしたのだ。彼が44階のロ
ビーまでエレベーターにのりテストをした。ドアは開いた。彼はエレベーターに
戻って、2人を連れてまたエレベーターに乗った。他に誰が乗ったかは知らない。
44階に出ると後は階段を使ったという。39階から36階あたりで、私たちが3階
で聞いたと同じ大きな物音を聞いたらしい。10時にタワー2が崩れた音だ。彼は
脱出に30分かかったという。
私のパートナーはもう動けないと言った。他の2人は彼に誘導してもらいたいと
思っていた。彼はできないと言った。私の上司は私のパートナーに先に行くよう
に言った。上司は、かつて心臓発作を起こしたことがあるので、動けなくなって
いた男が心臓に問題があるのではと心配していたのだ。彼はいつもそうだ。彼は、
私の知る限り最も親切な人だ(だった)。彼はこの男を置き去りにすることができ
なかったのだ。私のパートナーは先に言って難を免れた。彼はビルが崩れる10
分ほど前に出たと思うと言っている。おそらく1階を降りるのに1分半かかって
いる。ということは、私の上司はビルが崩れたときには20階あたりにいたはずだ。
今は、12から13人の人が生きていることがわかっている。昨日の6時までに私
の上司の奥さんは彼からの連絡はうけていないと言っている。上司は死んでしま
ったに違いない。しかし、少し前に、彼が生きているかもしれないことを知った。
ウェブサイトがあって、生存者の名簿に彼の名前があった。彼の名前は New York
ではよくある名前なので間違いかもしれない。彼と彼と同様な目に会っているひ
とたちのために祈ろう。
私と出会ってから、上の階に上っていった消防士たちのことだ。たとえ私が依頼
しなくても、上の階を探索する使命であったということを知った。でも、私が友
人のことを話したがために、急いで上に上がっていったかと思うと心が痛む。自
分の責任でないと思いたいのだ。責任をとるべきものは、この地球のどこかに隠
れているやつだ。そして、私をこんな気持ちにさせるやつらだ。しかし、彼らは
このテロが失敗に終わることを悟るべきだ。私たちは落ち着いていた。上階に行
って状況に直面した人たちこそヒーローだ。彼らは、何が起こっているかを知り、
自らの仕事を遂行した。
普通の人々もヒーローだ。今日は、世界中の人々が、私たちがもつ力や民主主義
が無くなってしまったとイメージしているだろう。しかし、「アメリカ」はイメー
ジではない。「アメリカ」はコンセプトだ。このコンセプトは私たちがチームとし
て団結することによってのみ力を出すものだ。もし、私たちを殺したければ一人
にしておいてくれ。私たちはそんなことは一人でできるから。もし、私たちを強
くしたいと思えば、攻撃するがいい。私たちは団結する。これこそが、アメリカ
合衆国に対するテロリズムの究極的な失敗だ。そして、これこそが、どこで働く
のか、何を食べるのか、いつどこで休暇を過ごすのか、そんな自由のために私た
ちが支払う代償だ。
最初の飛行機がハイジャックされたときこそが、民主主義の勝利が決定したとき
なのだ
2001/10/7
皆さん、おはようございます。天候もまずまずですし、3連休でお
出かけの方もおられるでしょう。小生は持病の風邪で、鼻がつまっ
ており、風邪を引くと決まって出る口内炎に悩まされています。
「期末出荷」
テロ勃発の翌日、空港が閉鎖されました。しかも期末を控え、専務
からも1円たりとも出荷を落とすなという指示も出ています。いつ
空港が再開されるか分からない上に、日本発の貨物も24時間の検
査が実施されていました。湾岸戦争の時は、民間機の貨物スペース
を軍が抑えたという話もあります。しかも9月中にダラスに出荷す
る数十億円相当の貨物があり、これを絶対に落とす訳にはいきませ
ん。私は専務と談判して、5000万の予算と自由裁量権を貰いました。
そして直ちにJALの知り合いの部長に相談しました。相手は、絶句
して、こういう状態ではなんのお約束も出来ないが、と言いながら
も、最優先で臨時便の検討(当社が最初だったようです。ソニーも後
日2機申し込んだとの事ですがそちらがどうなったかは分かりませ
ん)を約束してくれました。数日後、ジャンボを一機手配してくれる
事になりました。後は工場と営業と連日の折衝です。そして月末迄
に貨物を揃えて、全て通関し、80トンの貨物を満載したジャンボは、
アトランタに向けて飛び立ちました。アトランタからダラス迄は
JAL手配の大型トレーラー8台で 輸送し、無事倉庫への搬入を完了
しました。米国以外の地域への出荷も休日返上で対応して、少なく
も輸送上の理由で売り上げが落ちる事はありませんでした。
9月末は、米国系の航空会社が便数を減らした事もあり、特に米国向
けのスペースは満杯だったという話も聞きました。
「無線からモバイルへ」
無線については、一言お断りしておく必要がありそうです。それは
電波があまり強くないということです。無線LANにする前は、NEC
のISDNターミナル・アダプタで、無線で子機につながるものを使
っていたのですが、同社の製品でノートパソコン用のカード端末を
使ってみたところ、同じフロアでしか使えず、速度も遅いという現
象を経験しました。そこで無線(これはNECの製品ではない。理由
はNECのサービスセンターの印象が目茶苦茶悪かったせいもある)
も心配だったのですが、これは少なくも1階と2階の間なら問題な
く使えましたので、実用性はあるという事が分かりました。しかし
雑誌等を読むと、我が家のような木造2階建てはともかく、マンシ
ョンのように部屋の壁がコンクリートの場合は隣の部屋でもつなが
らない事がある(だからドアを開けておく必要がある)との事です。
そういう時は面倒でも有線LANにするしかありません。どんな場
合でも無線がOKという事ではないので、ご注意下さい。受信に時
間がやたら掛かるときは電波が弱いという事です。
無線がつながったので一段落しようと思っていた矢先、今度は職場
の通信環境が変わってしまいました。9月末まではNIFTYにアク
セス出来たので、そこから自由に発信できたのですが、NIFTYへ
のアクセスか出来なくなり、家内に短いメールを送ろうしたらそれ
も弾かれてしまい、どうやらいっそう回線の利用が厳しくなってい
るようです。ウィルス対策なのかもしれません。私の場合、会社で
しか受信出来ない会社のアドレスでは仕事にならないので、自分の
アドレスを公用に使っています。従ってこういう環境では、自分の
パソコンを職場で使う必要が出てきました。B5版のノート(中古品
だが、富士通の製品ではない)は、これまでも出張に持参し、メール
を読んだり、客先でのパワーポイントを使ったプレゼン等に使って
きました。しかし携帯を使ったウェッブのアクセスは全く話になり
ませんでした。ウェッブ・ページを開く度に電話代が気になって仕
方ないからです。これは回線の速度が遅い事が最大の原因です。ま
た、側に携帯を置かねばならず、電車の中等での始末も困っていま
した。そこで、カードを差し込むだけというPHSカードにしまし
た。データ通信専用で、アクセスポイントを限定すれば、月額基本
料金は980円です。電車の中で使ってみたら、時々切れますが、と
にかくつながるし、メールの受発信もできます。店の説明では時速
100キロ迄というので、新幹線の中では無理かもしれません。但し、
通信速度としてはISDNと同等です。PHSカードと電池で使うと、
本当に公園のベンチで使えるモバイル端末となります。問題は電池
が重い事で、毎日通勤となると少々持ち重りがします。私は大きめ
の鞄を用意して、ノートとデジカメをいつも持参しており、たとえ
ば写真を取って、すぐにパソコンで送るという事も可能ではありま
す。但し実際にそういう必要性はあまりありません。
「同時多発テロ」
むやみと攻撃せず、アフガンの国民の支持をとりつけようとする米
国の態度は好感が持てます。国連では合意が成立しませんでした。
パレスチナの抵抗運動までテロと見なされてはかなわないというも
っともな理由でもあり、イスラエルの強硬な姿勢を容認していては
世界が承知しないでしょう。今回のテロも対イスラエルという部分
が相当あります。米国はイスラエルの対応を早急に見直す必要があ
ります。一方自衛隊がアフガンに旅立ちました。しかし拳銃40丁
だけとは、いかにパキスタンの要請とはいえ、いい加減にしろと言
いたくなります。民主党は、自ら丸腰でアフガンに行ってみて貰い
たいものです。
さて、家内のニューヨークの友人から手紙が来たので、要点だけご
紹介します。
遠く離れた場所に、我々を気にかけてくれる(care about)友達がいる
という事は特別な気持ち(very feeling)です。世界全体が同じ方向に
進んでいるように思えます。私の知人、親戚には亡くなった人はい
ませんが、私の周囲には亡くなった人を関係者に持つ人が大勢おり、
教師という職業柄、そういう大勢の人たちとコンタクトがあります。
職業的な義務(task)としても、強く(strong)あらねばならず、また子
供たちを支えて(supportive)いかねばなりません。5900名もの人が
亡くなり、しかもあとには何も残っていないという事はとても動揺
する(upsetting)事です。多くの葬儀が営まれましたが、埋葬するに
足る遺体の一部があったのはごく一部です。遺体の一部が発見され
た場合、家族のDNA鑑定が行われています。一方、多くの追悼式
が行われ何千人もの人が参加しました。今は米国にとって悲しい
(sad)時です。あなた方のご親切と支援をうれしく(wonderful)思い
ます。
2001/10/13
皆さん、こんにちは。今日の土曜日は秋晴れの良い日になりました。
最近読む本がないので、電車の中でパソコンを広げる事が多くなり
ました。B5版なので、膝から外にはみ出しません。受信メールを
チェックしたり、ウェッブでニュースを読んだり、短いメールなら
送信もしています。片道1時間半の通勤時間の、利用法の一つです。
但し、自動車の中での使用はお勧め出来ません。小さい画面に目を
凝らすと、気分が悪くなるからです。しかしモバイルのデータ通信
も、電話代が恐怖です。
親戚から九州の?つゆを貰いました。宮崎県特産の高千穂つゆとい
う製品ですが、やや甘口ですが、かつお出汁から作ったもので、ざ
るそばからうどん迄何にでも合います。どうも市販のつゆは塩辛く
て、自宅で作るそばが不味いと思っておられる方には、一度お勧め
します。残念ながら、都内で何処で買えるかは分かりません。
「テロ関連」
特に付け加える情報もありませんが、こと戦争というになると民間
人にも被害が出ています。西側のメディアが入れないので実態は全
く分かりませんが、爆撃した空港の写真等見ると、広くもない滑走
路の真ん中に命中しており、武器の精度が高まっている事が分かり
ます。民間施設は避けている筈ですが、それでも完全ではなく、民
間に被害が広がるにつれ、加速度的に反米感情が高まっています。
アフガンの状況はタリバンが味付けした映像をカタールの小さな放
送局がアラブ語で流すだけであり、ビン・ラディン(欧米では氏を
つけていません)健在の映像も流しています。連合軍は湾岸戦争と
違ってメディアを使う事が出来ず、イスラム国家やアフガンの国民
を味方にする事が出来ていません。衛星放送の受信出来るTV受像
機を投下する事を考えた方が良いと思います。
生物化学兵器にしても武器の資金や訓練にしても、イラクが大きな
役割を果たしているのは明白ですが、イラクに直接攻撃を加える事
は時期が悪くて出来ません。イラク攻撃が格好の口実となって、イ
スラム対自由主義の戦争という勝手な拡大解釈が宣伝されるからで
す。ビン・ラディンが同時多発テロの首謀者である事を自白したも
同然の状態なのに、未だビン・ラディンを直接批判する声明はイス
ラム諸国のどこからも聞かれません。最近ではパキスタンですら、
米軍機の発着に空港を使わせない等と腰が引けてきています。ビ
ン・ラディンは今後「も」テロが続く等と予言しています。しかし
この脅しに屈してはなりません。思えば、英国は今まで北アイルラ
ンド(IRA)との紛争で無数のテロを経験しています。だからと
言って英国民が屈したという話も聞きません。これからは世界中の
市民がテロと共に生きてゆかねばならなくなるでしょう。そして恐
ればかりいてはテロリストを増長させるだけです。テロなにするも
のぞという気概こそが、テロリストに対する市民の唯一の抵抗の姿
なのです。日本人もその覚悟と、テロ発生時の迅速な犯人逮捕の体
制だけは作っておかねばなりません。なおビン・ラディンは秋葉原
で部品(無論テロ用の)の買い物をしたという未確認情報もありま
すが、本当かという気もします。
アフガンの戦争で今一番大事な事は、良く考えて始めた事なのだか
ら、途中で変更も放棄もしない事です。そして一日も早くビン・ラ
ディンを捕らえる事です。そしてもう一つ、口をぬぐって知らん顔
をしているイスラエルを、早くパレスチナから追い出す事です。こ
れは日本政府から米国に強く申し入れるべき事です。そうすれば、
今回の戦争を対イスラムの戦争にしないですみます。
炭素菌の事件では、フロリダの新聞社に届いた、マライア・キャリ
ーに渡してくれと書かれた封筒に入っていた封筒から感染者が出ま
した。しかも同じ手口をニューヨークのNBCやニューヨークタイ
ムズにも仕掛けており、これは明らかにテロです。人から人には伝
染しないと言いますが、一度感染すると死亡率が非常に高い危険な
病気です。今回も米国の事だと思わずに、日本の役所はいまから手
を打つべきです。外国からの郵便物には気をつけると共に、国内に
も同時多発テロ関係者が必ず居るはずなので、郵便全てに用心する
必要があります。厚生省は、今から抗生物質を手当てしておくべき
です。狂牛病のような後手ではすまされません。なお狂牛病の疑い
のある牛は、これを全部国が買い上げて処分すべきです。税金は、
そういう使い方をした方が良いのです。
ちなみに、最近ビデオ化されたおぞましい映画「ハンニバル(この
名前からしてカニバルからの連想でつけたらしい)」を再度見て、や
はりとてもお勧め出来ないという印象を深めましたが、その中にハ
ンニバル・レクター博士がFBIの重要指名手配犯10名の中に加
わるシーンがあり、その画面には、ビン・ラディンの名前と写真が
出ていました。長年のお尋ね者ビン・ラディンです。
「富士通叩き」
最近のマスコミの富士通叩きは目に余ります。例えば週間東洋経済
の記事は、秋草社長が自らの経営者としての責任をないがしろにし
て、社員だけを責めているという論調で書かれており、週刊誌の言
う通りの無責任な社長なら、業績回復も望めないだろうからといっ
て、株価が更に下がるでしょう。無責任な記事が業績が悪化したら、
社員は溜まったものではありません。
議論の前に、まずは週間東洋経済の記事を紹介します。以下原文のま
まです。
−就任依頼ずっと下方修正が続いている。社長の責任をどう考える
のか。
秋草。くだらない質問だ。従業員が働かないからからいけない。毎
年、事業計画を立て、その通りにやりますといって、やらないから
おかしなことになる。計画を達成できなければビジネス・ユニット
のトップを代えればよい。それが成果主義というものだ。
−従業員がやらないから、といえばそうだが、まとめた責任は社長
にあるのではないか。
秋草。株主にたいしてはお金を預かり運営しているという責任があ
るが、従業員に対しては責任はない。やれといって、(社長は従業員
に)命令する。経営とはそういうものだ。
私は読んでいませんが、他にも2−3の雑誌が富士通叩きに回って
いるとの事です。これは抵抗出来ない者を叩く(強い者にへつらう)
という、日本のメディアの伝統的な特徴を示す出来事です。ジャー
ナリズムのシステムと精神が成熟している欧米と異なり、日本のメ
ディアは基本的に瓦版に過ぎないので、巨悪にペンの力で立ち向か
う等という気迫もなければ、分析力もインテリジェンスも不足して
います。単に世論の傾く方向へと、尻馬に乗っているだけです。
秋草社長は個人的にも多少存じあげており、豪放磊落ではあっても、
上の記事のような粗雑な物言いをする人ではありません。多分、記
者がしつこく挑発するので、つい口が滑ったのを針小棒大に報道し
たものと思われます。但し、広報室も発言そのものは否定しておら
ず、その真意(社員をいましめる)だけを解説しています。その中
でも言われている事ですが、強調しておかねばならない事は、ビジ
ネス・ユニットのふがいなさに秋草社長が本当に堪忍袋の緒を切ら
しているという事です。
私は富士通の低迷は、富士通の幹部が、総サラリーマン化してしま
った事にも問題があると思います。不退転の決意、辞表を懐に勝負
するという気迫を欠いた優等生(で善い人)ばかりになってしまっ
たのではないでしょうか。
そしてもうひとつ、創始者からの良い伝統、「少し変わった事でも良
いから、思い切ってやってみろ。後は俺が責任をとる」という度量
の広い幹部も、あまり見かけなくなったような気がします。
「中高年による国作り」
今、日本の雇用形態が大きく変わろうとしています。というのは、
若年労働者が減り、またその流動性が日に日に増加しているからで
す。即ち企業としては社内で人材を育てて、企業のノウハウの蓄積
やら企業文化の伝達をする事は出来なくなりつつあるという事です。
使う側としては、とにかくマニュアルを完備して、その通りにやら
せるしかないという事になります。クリエイティブな活動の出来る
人材を育てる代りに、誰とでも置き換えの出来る単純労働者を雇う
しかありません。なにしろいつ辞めて行くか分からないのですから。
ではどうするか。子育てとローンの終わった中高年を低賃金で再雇
用すれば良いのです。彼らは忠誠心が高く、またきつい労働を厭い
ません。良く働く中高年を軸にした新雇用体系を考えてみると、存
外、日本経済の再興も可能なのではないかと思います。
「寅さん」
民放で寅さん48作、全部を上映するというので、早速その第一作
と二作を見ました。週に2本の上映のようです。まず撮影に十分気
を使っているので、最近の映画のような、映像と色彩の汚れがあり
ません。構図もピントもしっかり合っています。そして渥美清がイ
キの良いのは当然としても、出演者全員がとても若い事です。私は
倍賞千恵子が良いと思いましたが、家内は最近の方が良いと言いま
す。しかし女優でも、他の女性の前でほめる事は避けた方が無難で
す。一作で倍賞と前田吟が結婚しますが、実は前田には北海道で教
授をしている父親がいたとか、二作目では、寅の実母(ミヤコ蝶々)
が登場するなど、最近の作品しか知らない者には、あれよあれよと
いう展開があります。一作目で寅さんは20年間柴又を留守にして
いた事が分かります。しかし私にはとうもあのテキヤ(殆どヤクザ
に近い)という商売には共感が持てません。もっと他の職業にする
事はできなかったのかでしょうか。今回は寅さんファンならずとも、
ビデオをレンタルして見る価値があると思いました。
2001/10/7
皆さん、こんにちは。御無沙汰していますが、日々雑用に追われ、メ
ールを書く時間がありません。今週末は所要で金沢に家内と出かける
用事もあります。ホームページの改版が止まっていますが、ジョーク
としての関西弁のページを作りましたのでご覧下さい。別に関西弁を
笑うつもりはないのですが、機械翻訳が余りに稚拙なので、結果的に
は笑ってしまう事になると思います。
「特命顧問」
昨日、本社で5分程お話を伺う機会がありました。顧問はAPECの産
業部会のメンバーですが、今回限りで委員を辞退されるというご決心
をされているようです。小泉首相にも挨拶したが、「なぜやめるの」
と聞かれたそうです。
上海の総会で感じた事は、中国の発展これ著しいという事で、将来米
国をしのぐ存在になるかもしれないという印象だそうです。かつて、
中国では技貿結合と言っていた。これは技術を持ってきてくれれば、
貿易もあり得るという表現だった。しかしその後、Cheap Laborです
ばらしい飛躍を遂げた。江択民は、中国は魅力のある国だという表現
を使っている。だから民間の企業も来るし、投資や貿易を自由化する
事も出来るとの事。顧問も、もうODAの必要はないのではないかと
いうご意見でした。
また会議はテロの話題一色だったが、これはおかしい、APECは経済
会議だから、経済問題を論じるべきだと言っていました。ついでに、
炭そ菌の犯人をどう思うかお尋ねしたところ、あれはタリバンやアル
カイダの手口ではない、おそらく米国の内部の反対勢力ではないかと
のご意見でした。
「アフガン戦争」
米国は情報戦で完全にしてやられており、避け難い誤爆を派手に取り
上げられ、しかも説明も釈明もしていません。少なくも説明は絶対に
必要です。CNNが入れないので、アラブよりの報道ばかり目立ちま
す。今まで彼らがしてきた蛮行はどこに行ったというのでしょうか。
無料のラジオをばらまく案もあったそうですが、どうなったか分かり
ません。また食料をばらまくといっても、米国のスナック菓子のよう
なものをいくらばらまいても仕方ありません。その土地の基本的な食
料を提供しなければなりません。意志の派遣も必要です。日本の自衛
隊はトラックでコンボイを組んで、食料をどんどんアフガンに運びこ
むべきです。武力で叩くばかりが能ではありません。民衆を味方にす
る事が一番大事なのに、米国は関心がないように見えます。しかしこ
れでは絶対に戦争に勝てない事は、ベトナムが証明しています。誤爆
というが、タリバンが旧軍事施設に民間人を入れて人身御供としてい
る可能性もあります。米軍も、撃墜を恐れて低空爆撃が出来ないよう
では困ります。それなら、思い切って、ここで一息ついて、ラマダン
が終わったらまた派手にやればいいでしょう。それもいやなら、北部
同盟にどんどん武器を回せばよいと思います。
私が懸念しているのは、今回はパウウェルとシュワルツコップのいた
湾岸戦争と違うようだという事です。今一番大事な事は、正しい戦略
を立て、効率よく遂行する体制です。早くビンラディン(首謀者ではな
いという話もある)とその側近(一番悪い連中)を叩き潰し、戦争を終わ
らせるべきです。多分、場所さえわかれば、米軍もピンポイントで地
上戦をする覚悟はあるのでしょう。
「炭そ菌」
外国からの郵便物を全部国際郵便局で一度ストップし、検査、検疫、
消毒してから配達する体制は出来ているのでしょうか。これをやらな
いと、最初に犠牲になるのは郵便局員です。
2001/11/6
皆さん、こんにちは。先週末は部下の結婚式で金沢に行ってまいりました。
「結婚式」
私は、これまで仲人や媒酌人の経験はありません。人それぞれで、世話好きで何組もお世話をしたという人もあれば、地位が高く媒酌人の経験が豊富な方もあり、後の責任が取れないからと絶対に引受けない人もいます。媒酌人の条件としては、地位が高いか、人望があるか、または両家のご両親とご縁の深いかで、そのどれにも当てはまらない私には、機会がありませんでした。
今回のお話は、結婚式場のキャンセルがあって急遽挙式の運びとなり、媒酌人の人選を急ぐ必要があった事と、本人が私も家内も良く知っている人だったという背景があります。新婦の御実家は、本来なら私等は到底役不足の金沢の商家です。
とにかくおめでたい話は断るべきではないというのが私の信条ですので、お引き受けはしたものの、さっぱり見当がつきません。そこでまずに図書館で、本を10冊程借りて読み始めました。そして、一番大事なのは披露宴の冒頭の挨拶らしいという事が分かりましたので、直ぐに原稿を作り、本人にチェックして貰いました。そして、2週間程、毎日カラオケに通いました。と言っても歌を唄う事が主たる目的ではありません。ひたすらマイクを前に(エコーがかかるが)原稿を読んでは、時間を測りました。それ程長い文でもないのに、暗記は出来ないものです。先方のお宅にも、棒読みになりますのでと、予めお断りしました。しかし原稿持参が許されるという点で、今まで何回もやってきた主賓より、むしろ楽な面もあります。貸衣装の着付けもありますし、しかも、ホテル側で、プロが挙式から、披露宴迄全部セッティングして指導してくれるので、当日は予行演習なしでも進行出来るようになっています。
我々夫婦の挙式は立教のチャペルであり、兄弟のない私としては、今回は初めての神前結婚式の立ち会いですが(まさか媒酌人の名前まで、神主さんが読み上げるとは思いませんでした)、おごそかで清潔な感じがしてなかなか良いものだと思いました。
という訳で、大変貴重な経験をさせて貰い、私は部下に感謝しております。今回はデジカメを取り出す訳にもいかなかったので、挙式と披露宴の写真はありませんが、車窓の風景や偕楽園、東尋坊等の写真を撮りましたので、順次ホームページに掲載する予定です。車窓風景だけは既に掲載済です。
2001/11/7
「タリバン」
アフガンから麻薬が輸入され、それがビンラディンの側近ナンバーワンの筋からだという事が分かったそうです。日本にも魔の手が伸びていたわけです。アフガンが何故、麻薬生産量で世界一になったかというと、かつてCIAの指導があったからだというから、ひどい話です。
なお読売ウィークリー(ようするに週間読売)の最新号によると、米軍がピンポイント爆撃が出来ないのは、そもそも標的の半径15メートル以内に50パーセンが入るようになっているからだそうです。本当に正確な爆撃が出来る(誤差半径2メートル)のはTVカメラやレーダーを備えたハイテク爆弾だけで、それが全部ではありません。今までの爆撃の85バーセントが命中したとしても、450発以上が誤爆になる計算との事です。またタリバン側も一般住宅に防空火器を備えつける場合もあり、さらには米軍がそれらを知った上で爆撃している場合もあり得るとの事です。ハイテク爆弾は一発4000万円、巡航ミサイル・トマホークは1億7000万円、B2ステルス爆撃機はなんと2500億円(だから米国にも20機しかない)で、これはイージス艦2隻分。空母の建造費が1兆5000億。艦載機等で更に1兆5000億の計3兆。これを1年間運用するとまた3兆というのだから、いかに戦争が金を使うかという事です。そして、世界の武器市場の50パーセントを握る米国の軍需産業が、この世界的不況の中で一人ウケに入っているのではないかという疑いがあります。米国の戦費で一番安いのは兵隊の月給(20万)ではないかと言われています。
2001/11/17
皆さん、こんにちは。月日の経つのは早いもので、2001年も残すところあと僅かです。未だ今年を回顧するには少し早いものの、世界にとって最悪の年の一つである事は間違いありません。同時多発テロ、アフガン戦争、そして世界同時不況。無論F社にとっても最悪の年です。創立依頼の赤字、大量の人員整理、そしてマスコミのバッシング。しかし、米国では株価が立ち直り始めており、ITを除くと日本でも好調な企業があります。しかし、T社のトヨタの利益1兆円には複雑な思いです。健全な企業があって良かったと思う反面、このデフレの時代に値下げもせずにという妬みです。それでもリストラなしにやっているのだから文句は言えません。そのかわり、極めつけの三河商法で、爪に火をともすような引き締め方で、これは実際にT社訪問した事がありますので分かります。
さて、今回はやや長めです。
「獅子座流星群」
日曜の深夜、即ち月曜の早朝午前3:30から4:30にかけて、日本で見られる今世紀最後の流星群が予定されています。天気も晴れのようです。観測には、ネオン等の明かりがなく、樹木等で遮られない広い場所が必要です。幼い頃からの天文マニアである私は、翌日を半休にしても、なんとか見てみたいと思います。私は中学生の頃、本当の大流星群を自宅で見た事があります。数も多いが、一つ一つが大きくて、流星よりも火球(明るい流星)というもので、燃えるように輝き、シューという音と共に、長い条痕(けむりの筋)が残りました。映画「アルマゲドン」そのままです。それ以来、本当の流星群を見た事はありません。昨年見たものは、天空高く短く飛ぶくらいで、しかも1時間に数個という寂しさでした。早朝目が覚めるくせのある方は、自宅のベランダに出て見るのも良いかもしれません。花火大会とは違う、大自然の天空のショウです。
「能登訪問」
10日程前に結婚式を上げた部下のお宅で、今度はご不幸がありました。披露宴でも元気な姿を見せていた、新郎の実父が亡くなられたのです。以前から体調は良くなかったようですが、末息子の晴れ姿が間に合ったのは、不幸中の幸いというものでしょう。早めに挙式をという新郎の知人の助言が、当を得ていたようです。私は1週間をおいて、今度は独りで金沢を経由して能登半島迄行ってきました。新郎の生家のある七尾市は、小さな港町ですが、前田家の所領でした。能登島のある湾(七尾東湾と西湾)に面しており、海は穏やかで青く、また皇室御用達の和倉温泉が近くにあります。
「映画」
劇場とレンタル・ビデオで何本か映画を見ました。寅さんシリーズもあります。劇場で見たのは「キャッツ・アンド・ドッグ」という映画で、猫対犬のハイテク戦争です。善玉は犬で、猫が悪役です。人間がしゃべるように犬や猫の口が動くのにまず驚きます。マトリックスを思わせるスローモーションのアクションもあります。全部特撮ですが、見分けがつきません。しかし全体にストーリーが荒唐無稽で、結論から言えば、劇場で見る程のものではありません。
ビデオもいろいろリリースされました。邦画では高倉健の特攻隊生き残りの生き様を描く「ホタル」があります。韓国を訪問するという予想外のストーリーです。しかし設定はやはり戦争体験者向きのストーリーで、戦後世代に対する反戦のメッセージなら、もう少し描きようもあったのではないかと思いました。
洋画としてはまずアカデミー賞を多数獲得した「ショコラ」があります。宗教的な戒律が厳しい閉鎖的なフランスの村に流れてきた親子が、チョコの店を開きます。親子を敵視する旧弊な村長。春を取り戻す倦怠期の夫婦。ジプシーとの交流。主役のビノシェは「イングリッシュ・ペイシェント」で看護婦役を演じてアカデミー賞にノミネートされました。今回も存在感があります。また、頑固な老婦人を演じるのは、「恋に落ちたシェイクスピア」でオスカーを取った俳優ですが、今回は老いぼれた役を巧みにこなしています。ちょっと大人向きだが、お勧めの一作です。しかしこれも、大人が甘いもの平気で人前で食べる欧米人ならではの作品です。
もう一つ「レニングラード」は実在したロシアの狙撃手の話で、ドイツとの最前線に放り込まれた主人公が、次々にドイツ人を倒し、ロシアの英雄になる。最後はドイツのスナイパーと対決するというものです。狙撃というのが我慢のゲームである事が良く分かります。しか主演者は「AI」でロボットを演じた人で、好演はしていますが、なにしろ少し長すぎる映画になっています。しかし、銃が5人にいっ宇兆くらきいしかなく、それでも突撃を命じるロシア軍というのもひどい話です。倒れた者から銃を取って戦うしかないわけです。
意外に面白くなかったのが、デ・ニーロが共演している「ダイバー」で、黒人で初めて海軍の潜水夫になった男の話です。差別に対する忍耐と努力は分かるが、それ以上のプラスアルファが感じられません。なお潜水といってもスキューバ・ダイビングではなく、ヘルメットのついた潜水服で潜るものです。
ジュリア・ロバーツとブラッド・ピットの「メキシカン」は、メキシコで作られた古典的名銃をマフィアに脅されて米国に運ぼうとする運び屋ピットとその恋人にロバーツという設定です。ハードボイルトな中にもコミカルには仕立てているものの、画像も荒く、ぜひみなければならない映画とは言えません。
それより収穫だったのは「ジュエルにご用心」で、突然転がり込んで来た美女がトラブルを持ち込んで迷惑する男達の話です。但しマイケル・ダグラスが、しわくちゃの顔にひさし髪で出てくるのは興ざめです。
今後予定されているのは「パール・ハーバー」等がありますが、お勧めは「ミート・ザ・ペアレンツ」です。看護士の婚約者の親が、元CIAの頑固親父(デ・ニーロ)で、主人公との間の、はちゃめちゃなやりとりが笑わせます。私は飛行機の中で見ました。
「アフガン」
北部同盟があれよあれよという間にカブールを落としてしまい、タリバンはどんどん逃げて山にこもってしまいました。政権づくりの議論も十分出来ていないまま、今後の混乱が予想されます。若者の犠牲を出すと国内の反発が出るのを恐れたのか、米国の及び腰が裏目に出ました。米国の空爆あっての勝利なのに、北部同盟が勝利宣言してしまっては、北部同盟を抑えるのが難しくなります。今なすべきは、国連治安維持軍を早く投入してアフガンを国連の管理下に起き、民主的な選挙を実施させる事です。
今回の米国の戦闘は、勝てばいいじゃないかと言えばそれまでだが、哲学や理念という点で、緒戦はともかく中盤のそれは感心しません。なお私はビン・ラディンが死んだか、負傷している可能性がかなりあり、それこそが今回の撤退の本当の理由ではないかという根拠の乏しい憶測をしています。
長野在住の親戚がプロの物書きをやっていて、新聞にコラムを持っていますが、彼が今回の戦乱を憂えて述べた部分を抜粋してご紹介します。
しみじみジョン・レノンの「イマジン」を聴く。そういえばひと月ほど前、オノ・ヨーコが米国の新聞に「イマジン」の一節を掲載した。全面広告の紙面に「想像してごらん、みんなが平和に暮らしていると」というメッセージのみ。 そのオノ・ヨーコの著書「グレープフルーツ」をめくってみる。周知のようにジョンの「イマジン」の母体となった作品。この中の一節が「想像しなさい、あなたの体が薄いティッシュのようになってすばやく世
界中に広がることを」。なるほど、私たちの化身たるこの「薄いティッシュ」。それが愛なのかそれとも憎悪なのかで世界の相貌(そうぼう)は大きく変わる。
2001/11/19
みなさん、こんにちは。
「獅子座流星群」
前夜10時に就寝し、明け方2時に起きて外を見たら、空全体に薄雲が掛かっていました。これでは観測は無理だと思って寝床にUターンしたら、家人の掛けためざまし時計が鳴り出し、結局出かける事になりました。少しでも雲の切れ間があれば、一つくらいは見えるかもしれないという気持ちです。気温が5度しかないので、ダウンを着て、双眼鏡とカメラを持ち、高台にある公園に出かけました。ベンチが空いていたので、寝ころがりました。空を仰いでいると首が痛くなるので、流星は寝て待つのが正解です。カメラは持って行ったものの、カバーする空の範囲が狭く、役に立ちません。超広角のレンズと超高感度のフィルムでもあれば話は別でしょう。流星はとても速くて、カメラは愚か、双眼鏡で追う事も不可能です。肉眼で、なるべく視野を広く取ってひたすら待つしかありません。流星観測で一番役に立つのは、横たわる為の寝袋と枕です。しかし、東京はどこまで行っても街灯があり、夜間もこれだけ明るいのかと再認識です。従って、空を見るときは、街灯の光を遮る為の下敷きも必要になります。
最初のピークは2時40分頃で、流星の光が強いために、雲を通して見る事が出来ました。北海道では1時間に5000個観測されたという事ですが、我々が観測した50分程の間でも、肉眼で40個以上は確認出来ました。また、一度に複数の流れ星が飛ぶのも見られました。家内は降るような流れ星を期待していたらしいのですが、さすがにそうはいきません。また空の一点から広がるように飛ぶと思われがちですが、どこからどう流れるかは予想がつきません。3時19分の次のピークが終わるのを待って、帰宅し、寝ました。
「ハーモニカ」
北陸自動車道の尼御前SAでハーモニカをみつけ、つい買ってしまいました。「うさぎ追いし・・」の「ふるさと」や、「海は広いな大きな・・」など、ハ長調の小学唱歌を一人で演奏するのに、これほどピッタリ来る楽器はありません。といっても、馬鹿にできません。トーツ・シールマンなどの手にかかると、ジャズ・ナンバーを、他の楽器に負けないくらい表情豊かに演奏できます(Toots Thielemans "Footprints" 1989年 ポリグラム) 。私はニューヨークで使っていた電子クラリネットを、家族の悪評により手放してからは、自分で楽器を持つ事がなかったので、今回期待して吹いてみたのですが、思わぬ問題がありました。何故なら、二分で目が回ったからです。もう若くはないと悟りました。また耳の近くで鳴らすので、金属音も気になります。というわけで、ノスタルジックな気分に浸る事は出来ませんでした。歳はとりたくないものです。
「上越新幹線」
先週、能登に行った事はご報告しましたが、帰路ハプニングがありました。越後湯沢で北陸線から新幹線に乗り換えようとした時、20分ほど新幹線の到着が遅れました。そして乗り込んだら、田端の変電所で原因不明の送電線の故障があり、復旧には相当時間が掛かる見通しだというアナウンスが流れました。この日に限ってパソコンを置いて来たので、携帯で家族に電話し、近くのホテルを探して貰いました。既に8時近かったので、予約がとれないと、満員の車内の、狭い座席で1夜を明かさねばならなくなるからです。家族が調べて一部屋空いていたホテルも、こちらから電話した時は、既に塞がっていました。仕方がないので自分で探そうと、タクシーの運転手に尋ねたら、駅前にビジネスホテルがあるというので歩いて行ってみました。すでに何人か並んでいましたが、部屋はとれたので、部屋の窓から駅の様子を観察しながら、待機に入りました。もし12時前に開通するようなら、翌日仕事があるので、宿代は無駄になっても帰京するつもりでした。テレビでは11時半に復旧という報道をしていましたが、事実は異なっており、駅始発の便はすべてキャンセルになっており、途中の列車も、越後湯沢を出たのは1時過ぎでした。この時間では戻っても電車は愚か、深夜のタクシーもあてには出来ないと思い、結局宿泊して翌日の朝一番(6時)の列車で東京に戻りました。その日のスケジュールは完全に綱渡りでした。新幹線に閉じ込められるという話は聞くが、まさか自分がそれに近い経験をするとは思いませんでした。ノートブックが手元にあれば、ウェッブからいろいろな情報がとれるのですが、そのサブノートでさえ重く、最近では通勤に持ち歩くのを止めています。まだまだパソコンを使い易くする工夫は必要です。価格も高過ぎます。PDAでは機能が限定されますので、小型、軽量、高速、廉価なパソコンが早く出て来ないかと思います。
「Xファイル」
UFO等の超常現象をテーマにした米国のTVシリーズですが、日本の民放では放映していません。その為、ビデオが出ればレンタルしますが、最新のシーズン8は、とてもお勧めは出来ません。主役のデビッド・ドゥカプニーが降板したので、ターミネイター2で液体ロボットを演じた俳優が後を継いでいます。 新シリーズはテーマが陰鬱で、オカルトっぽく、面白くありません。当のドゥカプニーは「エボリューション」等に出ている様ですが、Xファイルのイメージを払拭出来たのかどうかは分かりません。
「これを英語で言えますか?」
という本が出ました。私は滅多に本は買わず、なるべく図書館で済ませるようにしています。しかし図書館が休館したせいもあり、ついに丸善で数冊の文庫本を買ってしまいました。その一冊が上記の本で、「続」も買ったので計2冊です。新書判とは言え、1200円は高いと思いました。逐次内容を紹介したいと思いますが、例えば以下のようなものがありました。
煎餅 rice cracker
まんじゅう steamed bun
砂場 sandbox
ぶらんこ swing
シーズンオフ off-season
サークル club
花粉症hay fever
ビジネスホテル no-frills hotel(フリルはカーテンの縁飾り)
アフターサービス customer service
XのN乗 X to the Nth power
ブルータス、お前もか Et tu, Brute? (シェイクスピアの脚本のこの部分、ラテン語ですが、当時のイギリス人は理解できたのだそうです)
白皙なる読者諸兄諸姉におかれましては、先刻ご承知でしょう。失礼しました。
2001/12/1
皆さん、こんにちは。とうとう12月です。
「自宅のパソコン」
半年程使っていたIBMの高速HDD( 7200回転)が、頻繁にエラーを起こすのに堪り兼ねて交換したところ、落ち着きました。低速モデル(5400回転)の良いところは、静かで容量が大きい事です。しかし現在は1台で60-100GBのものも出ていますが、私のソフトの合計もせいぜいが2GBで、全体の10分の1も使ってはいません。ディスクが大容量になっても、それを使うようなアプリは、映像処理でもない限り、普通の人にはないと思います。それとも、近い将来デジタルビデオの映像を誰もが気軽に編集する時代がくるのでしょうか。しかしHDDのデータは、所詮長期間の保存には向きません。
PCといえば年賀状のシーズンですが、我が家はまだ印刷していません。しかし昔インクの交換や暴走で、あれほどてこずった(E社の)インクジェット・プリンターも、最近C社のものに変えてからは、嘘のようにトラブルがなく、また価格も極端に下がっていて、15000円で高速のものが買えるようになりました。技術は日進月歩です。光ケーブル(Bフレッツ)も申し込んでいますが、3ケ月掛かるとの事です。しかし家内からは、IT資が大き過ぎるといつも苦情をいわれています。
我が家のシステムも、いつの間にか相当大きくなってしまいました。メインマシンは、CPUこそ800Mhzですが、メモリーは512MB。周辺機としてはHDDが3人分で3台(計70GB)、プリンターは、モノクロはレーザー、カラーはインクジェットで2台接続、MOが2台(2台あるとコピー が楽)、CD-Rが 2台(これまたコピーが楽)、キーボードが2台(1台はオアシス用で、オアシスは私専用。更に小型のものを発注済)、他にスキャナー(画像はデジカメから入力しているのでOCR入力が主体)、スマートメディア・リーダー、各種切り替え装置等々です。OSは全部CD-Rでセーブしてあり、何かあれば、全部入れ直すのに30分もあれば十分です。問題は毎日持ち歩いているノートブックがいささか重いことで、もっと軽くて安い(中古で良い)ものはないかという事です。
「円卓会議」
FX社の招待で、エコノミスト(英国)社主催の、日本経済に関する円卓会議に出席しました。朝7時半から夜7時までという、きつい会議でしたが、小泉政権の下、どのような構想で、閣僚が経済改革を進めようとしているかの話が聞けて、大いに参考になりました。
なおこの会議では、席がデル日本の会長と隣り合わせになりました。彼も私も、ノートPCを卓上に置いていましたが、彼が携帯電話につなごうとしているので、ずうずうしい私は、いや携帯は遅いので、PHSを使った方がいいんじゃないですかなどと余計な事を言ったら、今度はPHSを取り出してつなぎ始めました。最初から両方もっていた訳です。相手は世界で一番のシェアを持とうというパソコンメーカーの日本代表だから、釈迦に説法でした。業績の話もありましたが、デルは企業向けか80のパーセントだとの事でした。富士通さんがもっとデルのマシンを買ってくれればHDDをもっと買ってもいいんですがねなどという話も出て、こちらは笑ってごまかしました(デルは当社の大手グローバルアカウント)。なお一番盛り上がったのは同じビルにいる関係で、あそこではコンビニが一番儲かるという話でした。
「保険」
給与明細を家内にいわれて、よく見て愕然としました。税金と保険等各種控除で実に4割くらいが引かれていたからです。A生命はTK社に実質的に営業権を渡すし、T火災は破綻するしで、保険会社の経営というのは一体どうなっているのかと思います。海外でユダヤ人の不動産に手を出して火傷をし、そのつけを国民に回されても迷惑です。
先日、保険業界の動向についてT社から話を聞きました。
今回T火災が倒産したのは、米国のテロによる墜落事故が原因。すべての保険会社は自社で全部を引き受けるのではなく、危険負担を分散する為、再保険市場に流すのが通例。T火災は、この米国の航空の再保険を買っていて、それを更に再保険していなかったので、800億の支払いを被る結果となった。全体では2400億くらいだろう。T火災は保険料収入に目が眩んで、航空保険という業界のリスクを良く理解していなかったふしがある。(ユダヤ商法にだまされたのだろうと聞いたら、その可能性はあるという答えでした)。
2001/12/4
皆さん、こんにちは。先週の経済円卓会議は、文意の部分だけを、改めてこのエッセイでご紹介します。なおこの機会に文章を相当、追加、修正しました。
健康保険料負担率が、見る見る内に1−2−3割と増えてゆくのを見ていると、政府の言う改革も結局のところおとなしい国民を最初に犠牲にしているのではないか、銀行の改革淘汰はどうなったのかなど、疑問が沸き上がります。政府の改革が、弱い消費者の犠牲に偏るようでは、いかに人気抜群の小泉首相でも、とても信頼する訳にはいきません。官僚も、財界も、取り分け金融機関(例えば住宅ローンの利下げ等)等で、痛みを分け合わないと、本当の改革は出来ない事を理解すべきです。改革推進当局の猛反省を促したいと思います。
「古屋副大臣の発言」
キーノートスピ-チは、平沼経済産業大臣に代わり、古屋副大臣だった。
IT産業は踊り場を迎えている。国内で資金の投資先が不足している。イノベーションの不足と産業の空洞化がある。IT産業は、半導体部門をリストラし、SEやソフト開発等、人の足りない分野にシフトし、踊り場を乗り越えてほしい。今後IT産業は、より生活に密着した産業に変わるだろう。日本全体で1400兆円ある金融資産の70パーセンを高齢者が握っており、これをどう活用するかが経済の活性化の決め手の一つ。またその為にも、若い人中心の商品開発から、アクティブなシニア・エイジに対する商品開発が必要。高齢者はIT購買になじめない人が多く、年配者が必要としている商品を作る事が必要。高齢者は倹約を旨としており、年金等将来への不安もあって、本当に必要なものしか買わない。贈与税の控除額が60万から70万に引き上げられ、また110万にするという話もあるが、若い人への資金シフトが必要。ある都市では、老人が手持ちの貯金から1000万円を拠出すると、生涯面倒を見るという制度を実験している。こうすれば貯金の半分を投じても、将来への不安が解消するので、消費にも弾みがつく。医療費は年間40兆円のうちの10兆円が老人向けだ。医療や介護をコストとして捕らえず、成長のエンジンとして考え、民間の入る余地を作るべきだ。株価は相変わらず低水準で、一応9500円から11000円に回復しているものの、株式投資に占める個人投資の比率は米国40パーセントに対して、日本は10パーセントと低い。日本には58900社の建設会社があり、殆どが中小であり、650万人が働いている。建設不況で木を切っても売れない。林の下刈り等が必要なのに、それが出来ず、山が荒れて、水害の恐れが出ている。公共事業の10パーセントをNPOで対応するという考え方もある。世界最高水準のIT社会を構築する為には、縦割り行政を排除しなければならない。今後、力を入れる業種は情報、健康、介護、環境である。平成14年度から、連結納税制度となった。ナンバーワン企業であるよりオンリーワン企業であってほしい。産学官の連携の強化が必要だ。創業18万社に対して廃業は35万社で、廃業の方が多い。廃業した105万人は資金調達が出来なかった為だ。投資にも質的な転換が必要。小子化、ITの推進、個性ある地方の活性化というところが大きな傾向。14年度の予算編成では、デフレ阻止を中期目標に掲げ、1.5パーセントの経済成長を目指している。
「渡辺議員説明」
自民党の金融調査会から渡辺喜美議員が出席した。
平成復興銀行の構想が説明された。現在の日本経済は、資産デフレが引き起こす過剰債務の状態にある。借金の返済が優先される為の大不況だ。GNPの130パーセントの666兆円という財政赤字を抱えているが、666という数字は不吉だといわれている。130パーセントにもなったのは50数年前に一度あっただけ。すなわち戦後の状態がそれだ。マッカーサーは貯金を封鎖した。成長性のある産業に資本を集中し、成長性のない産業を淘汰するという思い切った政策を取り、日本の経済再生をスタートさせた。日本の資本主義は、小さな資本で大きな負債を支えるもので、土地が値上がりを続けている間はうまく機能した。しかし現在は、資本3に対して負債7という世界にも例のない状態になっている。この10年は国債本位制経済とも言うべき状態が続いている。通信費のGDPに占める割合は米国が1.9パーセントなのに、日本は2.5バーセント。モノポリーをやめれば価格は下がる。そうして出来た購買力を、新ビジネスに回したい。住宅ローンを民間に任す方法もある。公的部門の改革に加えて、民間部門の改革がなければ、真の日本の経済再生はあり得ない。問題企業も、可能性のあるものは合併や分割等で再生を図り、悪い企業は一部を平成復興銀行を通じて証券化するなどの思い切った対策が望まれる。一度死んで蘇るスキームだ
「鈴木社長発言」
イトーヨーカドーの鈴木社長の発言から。
消費の現場を見ている者として、国民の消費意欲が必ずしも落ちているとは感じられない。失業率もマクロの数字だけ見ているとごまかされる事になる。確かに経済的に大変な人もいるが、消費には必ずしも失業率5.9パーセントの大変さはない。安い商品が増えたというだけではなく、ライフサイクルも短くなっている。長期のデフレは問題ではあるが、短期的であれば、むしろ良いとさえ言えるのではないか。退職金の上積み等で、離職者もそれ程大きな経済的打撃を受けていないのではないか。日本経済がもう持たないのではないかという意見は、実態を見ていない。住宅ローンの控除、労働者の移動改革等で、消費者に安心感を与える政策が必要だ。コストとの戦いでは、広い意味でのマネジメントコストを下げてゆくしかない。一言で言えば現在は供給過剰の状態にあるので、これを解決しなければならない。物価が上がっていない現在、年功序列を正す時期にある。女性だけの店舗、40歳以下のメンバーだけの店舗という実験をしており、もしそういう店が、良い成績を挙げれば、賃金体系も自ずと変わってゆくだろう
「丹羽社長発言」
伊藤忠商事、丹羽社長の発言から。
変わらない日本をどう変えるのかが問題。国債の価値が急落している事は影響が大きい。日本は世界の信用を回復しなければならない。政府は中長期のプランを提示して欲しい。構造改革と財政改善の二つに効く良案はない。議論はもういいから、アクションを取ってほしい。1200兆の個人資産の内、600兆が金融資産であり、その内300兆が貸し付けに回り、300兆は自動的に国債に振り向けられる事になっている。しかもそれをお役人がケアしていない。この部分をポートフォリオに回せばより有効な資金運用が可能だ。日本はリセッションを認めていないが、昨年2月から個人消費は伸びていない。家計もゼロ成長で推移している。個人消費が伸びないのは、デフレ、不良債権、高齢化の要因がある。企業は穏やかなインフレの下で成長すべきものだ。レーガンもサッチャーも経済政策を掲げたが、日本とはマクロのバックグラウンドが違う。彼らインフレ対策が目的だった。日本では、ある商事会社の社長が、別の商事会社の社長になるなどという事はないが、米国では可能だ。日本ではワークシェアリングが難しい。賃金の二極分化が進むのではないか。現在の日本の経済状態が長期化すれば、個人金持ち、企業貧乏になるだろう。為替は150-160円が良いのではないか
「尾身大臣の発言」
尾身科学技術政策担当大臣兼、沖縄および北方対策担当大臣のスピーチから。
小泉政権は従来の永田町の体制からは絶対に生まれてこなかった。国民の支持を基盤に誕生した政権であり、行き詰まった国民のエネルギーが小泉首相を誕生させた。小泉政権のモットーは、改革なくして成長なしである。日本経済は欧米に比べて公的資本形成の比率が29パーセントと高い。米国は19パーセント、英国が17パーセントである。民間の資本形成は日本が57パーセント、英国が79パーセントである。また直接金融が米国では85パーセントある。企業がボーダーレスになっており、ベストなコストと、生産性の良い国を、企業が選ぶようになっている。日本は世界でも珍しい単一人種、単一民族の国家であり、それは大きく変わらないだろう。ホモジニアスな国が、今後大きくヘテロジニアスな国になる事は考えられない。大学教育の中身が、産業のニーズに合っていない。学尊民卑の風潮も残っている。大学の頭脳の活用が重要だ。研究開発等に占める政府の比率も、欧米に比べて少ない。今後10年で日本からノーベル賞受賞者30名出すが目標だ。将来性のある分野はライフサイエンス、情報、ナノテク、通信等である。日本の大学の80パーセントが私立であるが、研究開発費がないので、カリキュラムが文科系に偏っており、自然科学が弱い。MITは62億円、ハーバードは183億円の資金を持っている。日本で一番多い慶応ですら2億しかない。しかも実際に大学運営に掛かるコストは大差なく、ハーバードが19億に対し、慶応も17億掛かっている
「田中理事長の発言」
21世紀政策研究所田中直毅氏のコメント。
この10年間は日本はリーダーシップのない国だった。また吉田首相以来、民主的にリーダーを選ぶ事がなかった。自民党は自由民主党というより、共産党のイメージだ。政策決定のメカニズムにメスを入れる必要がある。官僚統制社会主義に終止符を打たねばならない。
「冷血犯罪には極刑を」
コンビニに強盗に入った男が、従業員を狭い冷蔵室に閉じ込め、鍵を掛けて逃げるという事件がありました。密封したところなので、放置すれば全員死んでしまうところでした。幸い携帯電話が通じて、警察に助けられましたが、これは単なる強盗事件ではありません。殺人未遂事件です。最近の凶悪犯罪を見ると、他人に対して無感動というか、血も涙もない仕打ちが目立ちます。そういう事をする人間は、もはや人間の精神を宿してはいないのだから、取り締まる方も動物として扱うべきです。警官はいつでも発砲出来るよう、そしていざ銃を抜いたからには、確実に現行犯人を倒せるよう、訓練を積んで欲しいと思います。
2001/12/22
みなさん、こんにちは。2001年も残すところ後僅かとなりました。12月21日には初雪も降り、我が八王子の界隈ではうっすらと雪化粧になりましたが、直ぐに溶けました。久しぶりのご報告なので、今回はやや長くなっております。ホームページには玩具のテーマが掲載してありますので、そちらもよろしく。なお我が家の近所ではクリスマスの電飾に凝るお宅が多く、地域向けのホームページに順次紹介していたら、かなり手間が掛かりました。
「デジカメ写真とカラー・プリンター」
デジカメで撮った写真はファイルにどんどん溜まる一方で、プリントするのがだんだん面倒になります。しかしこのままでは所謂ハードコピーが残りませんし、人物が写っていればあげる必要も出てきます。デジカメでも、必要に応じて写真屋でプリント出来ますし、時間も同時プリントとそれほど変わりません。しかし、一度プリントに出すと、なぜかその媒体のデータが使えなくなったり、使える媒体に制限があったりで、今だ完全なシステムとは言えません。また、フィルムの現像代に相当する手数料があり、一枚プリントするだけでも、プリント代以外に400円かかります。
そこで、カラー・プリンターで、自分でプリントしたらどうなるだろうかと、以前から考えていました。今まで廉価版のインクジェット・プリンターを使っており、年賀状の印刷等に使っていましたが、写真には無理ではないかと思っていました。しかし既にインクジェット・プリンターも技術が飽和状態になっている、すなわちこれ以上画質の向上が望めないところまで来ているという話も聞きます。店頭で印刷サンプルを見る限り、サービス版なら使えそうです。これからはカラー・レーザーが安くなって、面倒なインクの扱いからも開放されるでしょうが、現時点では価格も高い上に、カラー・レーザーの色彩には疑問が残ります。
インクジェット・プリンターは事実上2強の世界で、キャノンかエプソンかという選択になります。エプソンは今まで2台購入してみて、2台とも原因不明の不調に悩まされ、何回修理に出しても直らなかった経験があります。これは一つにはドライバーのせいかもしれないのですが、ともかくレーザー・プリンターを2台使ってみて、今まで一度も故障の経験のないキャノンが第一候補です。しかも速度はエプソンの2倍です。しかし今回の目的は年賀状ではなくて、写真ですから、とにかく優先されるべきは画質です。そこで実際の印刷サンプルを見るとエプソンの方が僅かに優れているようです。専門雑誌でも、写真ならエプソン、印字はキャノンとあり、私の見解と一致しています。そこで、どうせなら後悔のないようにと、リスクを覚悟でエプソンの最高機種PM950Cを購入しました。
結果はどうだったか。装置の大きさがやたら大きいのを除けば、200万画素という一世代前のデジカメで撮った画像でも、ほとんど銀鉛写真と変わりません。専用のソフトをインストールすれば、操作も簡単です。
しかし、実は一つ重大な問題があります。それはインクです。7色のインクを使っていますが、タンクが独立しており、減ったものだけ補充するというので、如何にも経済的なようですが、実は空色一色だけを印刷していても、何色も混ぜて使っているので、インクがなくなる時はほとんど同時らしいのです。しかも一つのインクが1000円以上しますので、一枚当たりに直すと、用紙代を含めれば、正直いって写真屋より高くつく場合もありそうです。今更後悔しても遅いのですが、もし同じ目的で選ぶのなら、多少画質は劣っても(私のようにうるさい事を言わない方には十分な画質です)、インク代の安い中級機をお勧めします。なおこの点は、キャノンの最高機種でも事情は同じとの事です。相当数の写真を印刷しないと元は取れないでしょう。では良い事、そしてそれこそが今回の目的ですが、好きな時に好きなだけ印刷出来る事と、自分で色合いを調節出来る事です。
「中東情勢」
ビン・ラディンはパキスタン大統領の言うように、既に死んでいる可能性は否定出来ません。少なくも破壊した洞窟は徹底的に調べる必要があります。しかし必ず手引きをする者がいるということですので、逃亡している可能性もあります。またオマールという人物も残っています。タリバンの残存兵士が頑強に抵抗しているという事は、ヘッドが生存しているからかもしれません。
これでテロに対する戦いが終わった訳ではないとする米国の主張それ自体は正しいものの、やたら爆撃して、その結果誤爆になっているのなら、明確に謝罪すべきです。またブッシュは極端な迄にイスラエルよりですが、アラファトの言うように、パレスチナには国連軍を入れて監視すべきで、これに反対する等はもっての他です。ブッシュの人気が米国民の間でいくら高くても、我々日本人にとってはどうでも良い事で、米国の保守政権に過ぎません。軍部のいいなりに迎撃ミサイルの再開発をするようでは傀儡といわれても仕方がないでしょう。私はブッシュが愚かな故に、いつかまずい事が起きるのではないかと思っています。米国の暗愚な面も同時に代表する人物、それがブッシュです。
なおWTCのテロで亡くなった人は6000名ではなくて、最終的に2900名強という事が分かったそうで、これは当初二重に登録された人がいたからだそうです。
炭素菌テロは米国の軍人経験者の仕業という事が大体分かってきており、テロに責任をかぶせようとした気配も見られ、こういう右傾化の傾向は危険です。パールハーバーをすぐに持ち出すような国ですから、日本にとってもロクな事にはならないでしょう。日本の政治家は、この機会に世界平和の理念をもっと正面に押し出して、主張を強化すべきです。なお日本が発言力を強化する為には、資金援助だけでなくPKOに人を(当然、武器をもたせて)派遣すべきです。私は銃を扱った経験もありますので、お呼びさえあればいつでも参加したいくらいです。
「慣れてないなあ」
北朝鮮のスパイ船撃沈の話です。いつものようにするりと逃げさせずに、包囲したのはお手柄ですし、発砲もやむを得ないと思いますが、意志疎通が出来ていたのか心配です。少なくも朝鮮語や中国語での投降の呼びかけは必要です。英語だけでは駄目です。また空からのアプローチも必要でしょうし、テロ対策チームの突入という手もあったでしょう。海上保安庁も、まさかあっけなく沈むとは思っていなかったにせよ、船体の上部構造に砲撃を集中すべきでした。
海中に放り出された15人が発砲して来るのを恐れて、救助するのを見合わせたでは世界の世論は承知しないでしょう。相手が北朝鮮なので、捕虜になるくらいなら死を選ぶかもしれないが、攻撃そく救助、そういうタイミングに、本当に日本の警察も軍隊も全く慣れていないなと思いました。多分実戦の経験が少ないせいでしょう。
またダミ声の扇大臣が、感情的に息まくのは大変聞き苦しく、そろそろ退陣してくれないものかと思います。政治家に一番大事なのものは出処進退をきれいにする事ですが、彼女にはそれが全くありません。
「巨人阪神」
20世紀の悪女、サッチーのダンナがやっと降板しました。本人はそれでも抵抗したという話です。男は自分の顔に責任を持てと言われますし、他人の事は言えないが、野村監督の表情には善意とすがすがしさが感じられなかったというのは私だけでしょうか。星野監督がどこまでやるか多いに関心があるところですし、阪神出身者として、タブタ(いしいしひさいちの漫画で、凡庸なこの人が、どれだけ得をしていることか)が復帰するというので、来年は阪神に注目が集まるでしょう。
それにつけても巨人は、長島が去って完全に死に体です。読売グループの総帥渡辺恒雄の横暴さは、今までも話題にされてきたとはいえ、原の監督起用はありません。松井は大リーグを指向するでしょうし、来年の巨人戦の視聴率が激減する事は間違いありません。監督にはカリスマ性が必要です。それも分からないような人は、球団の指揮等取るべきではありません。
「映画」
年末に多くのビデオ・リリースがありました。中でも娯楽編としては「ハムナプトラ2」が家族向きですし、新らたな切り口で、シリアスに麻薬問題をとらえた「トラフィック」もお勧めです。
昨日は家内と、近所にオープンしたシネマ・コンプレックスに行き、全編CGのアニメ映画「シュレック」を見ました。声優にエディー・マーフィーやキャメロン・ディアスを揃え、「マトリックス」やディズニー・ランドのパロディーもあり、楽しい映画になっています。米国の事情を分かっていて、かつ英語が分かると、面白いギャグがたくさんあります(私は一人で笑っていました)。お勧めの一作です。
「歳を取る」
家内の誕生日が12月、私が1月なので、年始に一つ歳をとるという印象です。もうそれほど人生に残りがある訳ではなく、そこそこにいろいろな経験もさせて貰いましたので、後は子供が大学を出れば、特に思い残す事もないと話し合っています。しかし、家内は、政治や世界情勢に関心があるので、死んだ後でも、これから世界がどうなるかが見られるといいねと言っています。私も同感です。