「WTWエッセイ」
【2005-2008年の内容】
2005/1/6
皆様、遅ればせながら、新年おめでとうございます。本年も懲りずにつまらないエッセイにお付き合い下さい。年賀のご挨拶を頂いた方には、この場を借りて御礼申し上げます。私はワープロしかなかった当時から、宛名はワープロ、文面はプリントゴッコと決まっていましたが、最近では葉書ソフトが安定してきて、また普及しており、大変便利になりました。私も10年来「筆まめ」を使っており、他のソフトを試したこともありますが、筆まめが一番安定しているような気がします。しかし、この5日に余りめでたくもない60歳になり、近い将来、退職、または転職の可能性もありそうな状況ですので、この機会に、来年の年賀状からはメールに切り替えさせていただこうかと考えております。
「年末年始番組」
いつも年末年始の休暇に読もうと、本を買い込んでは一冊も読めないというパターンを繰り返してきました。特に今年は休みが6日しかなく、4日からは通常勤務ですので、今年も片付けと家族の相手と初詣で短い休みは終ってしまい、取り貯めたビデオを見るのが精一杯でした。紅白は結論から言って良い曲は極めて少なく、特に演歌は散々の出来でした。あのように単調な曲を未だに楽しむ人たちがいるということがまず信じられません。或いは、作曲者が良い曲を作る努力をしていないのかもしれません。ギター侍と青木さやかの起用も見事に滑りました。波多陽区が北島三郎を持ち上げた途端に、ああこいつは偽者だなと思いました。そんな世代ではないはずです。批判者がちょうちん持ちに回ったらもう失格です。永六輔は波多の面白さが分らないと言っていましたが、一番の原因は彼がネタにするタレントを我々が知らないことにあるのかもしれません。それでも私は、芸能人としては関西系の若手漫才の方が実力と根性があるだけ、人気が長続きするような気がします。年始の番組で一番面白かったのは「笑点」でした。大喜利特集でしたが、マンネリを上手く打破していました。「笑点」でいつも感心するのは司会の円楽が心憎い判断と気配りをすることです。他の出演者とは人物の格が違い印象です。また戦後の不可解な事件の裏には米国(とCIA)がいるというテレ朝の番組も面白く見ましたが、映像として正月にはふさわしくない番組で、放映時期を変えるべきだったと思います。
「NHK」
海老沢会長がやっと辞任の意向を明らかにしました。しぶしぶというのが実態でしょうが、肝心の取り巻きのイエスマン経営委員会も一新しないと本当の改革にはなりません。海老沢氏の威光を傘に着て、制作にまで口を出すようになっていた人達なのですから。日本のマスコミを通じて、日本を悪くしてきたのはエビサワ、ナベツネ、シカウチのトリオです。ジャーナリズムの本質が、命がけで正義と自由と平和を守ることであることも理解できない権力ベッタリの欲の強い人達です。NHKが国営でなくて本当に助かりました。最大視聴率のTVメディアを、政権が支配するかと思うとそれだけで鳥肌が立ちます。税金で運営され、経営者も政府が指名するようでは、北朝鮮の国営放送となんら変わりありません。
インド洋津波被害の募金活動が盛んですが、私は近所のNPOに寄付金を預けました。知名度の高い組織を経由すると、ピンハネがあるのは、赤い羽根で懲りているからです。
2004/1/29
皆様
「クローズアップ現代」
昨日、N顧問からご連絡頂き、NHKのクローズアップ現代を見ました。
テーマは「自治体のIT丸投げ」です。佐賀県は、今までNECの汎用機を
使い、システムの開発と運用をNECに丸投げしていた。しかし、住民の
データの一桁を変更するのに500万円かかるなど、税金の無駄遣いとも
思える費用が発生している。システムの運用費用も年間3億にもなっていた。
NECは、システムの一部の変更とはいえ、全体を見直さねばならないこと、
充分なテストを行う必要もあること等から、妥当な金額だと説明している
との事です。番組では、F社、NEC、日立をITゼネコンという名前で
一括りにしており、自治体が自助努力なから、サーバーを使ったシステムに
移行することを計画し、NECを含むITゼネコンに見積もりを依頼したところ、
15億という数字が出た。しかも、それはサーバーを使ったシステムでは
なかった。ところが、韓国の業者に見積もりを依頼したところ1億で出来ると
いわれた。韓国の企業は100人のSEを送り込んで、システムを開発し、
職員の教育に当たっている。(サーバーはサンのようでした)。一方、長崎市では、
民間からCIOを登用し、自治体の中で仕様書を起こし、システムの機能を分割
したところ、今までITゼンコンに頼らざるを得なかった開発が、地場の中小企業
でも出来るようになった。
・・・というような話です。F社は、この番組ではITゼネコンの一社という
扱いだけで、直接批判されているのはNECです。でも一つ分からないのは、
民間ではクラサバがあたりまえの世界であり、自治体だって、クラサバの
システムを導入している所は沢山あるのに、なぜ今更クラサバを取り上げる
のかということです。話題としては時期を逸してはいないんでしょうか。
また、組織内に開発者や管理者を自前で持つのが良いのか、アウトソ−シング
するのが良いのかは、自治体がコスト分析して決めているはずではないか。既得権
を盾に、メインフレーム・メーカーが法外な利益をむさぼっているという問題提起と
、システムのコンセプトの相違(クラサバと汎用機)を分けて考えるべきではないか
という印象を持ちました。
「第9条」.
憲法第9条を改正して、自衛隊を法制化し、海外派遣も出来るようにと、経団連と
経済同友会が言い出しているようですが、まさか戦争があれば財界が儲かると考え
ているからではないでしょうね。平和であるがゆえに、日本の産業がここまで
復興できたことを忘れて貰っては困ります。
「NHK報道」
慰安婦問題を取り上げた番組放映作に、政治家が介入して内容を変更した件で、
NHKの株と安部前幹事長が大騒ぎを繰り広げています。次期首相の座をなんと
しても確保したい安部氏としては、今は絶対に評判を落としたくないでしょう。
NHKも躍起になって事実よりも、その経緯を否定しています。時期はともかく
中川、安部両氏に事前相談を持ちかけたのは、NHKの幹部の方であり、両氏が
放映が好ましくないという意見を言ったことも、また事実なのです。テープなど
の証拠がない以上、水掛け論で終わるかもしれません。しかし、今回私がこれを
重視するのは、半公共放送が自衛の宣伝報道をこれでもかと続けていることです。
その電波を私する図太さが神経に障るのです。今まで、NHKの料金は自動払いに
してきました。まず、私は自動払いを中止し、次にはこれを不払いにしようと
思っています。海老沢会長は言うまでもなく、経営委員会のメンバー全員が交代
するまで、不払いは続くでしょう。ジャーナリズムの何たるかも分からないアマチュア
が、体制におもねるような余計な差し出口をはさんでいると考えただけでも気分が
悪くなります。まずはどんな人が委員になっているのか、それから確かめてゆく
つもりです。
2005/2/4
皆様
2005年もあっという間に1ケ月が終わってしまいました。立春とは言いながら
朝晩の寒気は厳しく、春の気配は未だに感じられません。
「NHKの凋落」
昨年末に30万人いた料金不払いの数が、海老沢会長の対談放映後、1月末には
40万人に増え、4月には50万人に達すると予測されています。会長が交代しても
仲間内で後継者を指名したり、理事は変わらなかったり、挙句の果てには顧問に
就任などと、国民の存在を無視した振る舞いに視聴者も愛想をつかし、あわてて
顧問就任の取り消し、理事達も夏の改選期には総入れ換え等と言い出しています。
しかし、勢いがついてしまった視聴者のNHK離れは、そう簡単には元には戻ら
ないでしょう。NHKは日本のBBCを目指していた筈なのに、BBCのような
厳しい自己チェック機構はなく、トップが好き勝手にやってきました。ナベツネ
と組み、小泉さんにへつらい、国民から金を集めておきながら、国民のための
公器としての本来の役割を放棄してきました。最近の朝日放送との泥仕合では
自社の言い分を公器を使って発言してきました。評価の凋落は当然の報いだと
思います。後は前会長が、法外な退職金など受け取らないよう(NHKの評価を
下げた罪は退職金返上に値します)監視しなければなりません。NHKは入れ物
も中身も、そして存在理由そのものを含めて、全部を変えていかないと、衰退を
避ける事は出来ないと思います。一方NHKしか見ない、或いは見られない人達
(多くは高齢者や地方の住民)を作ってしまったことは、民放の責任でもあります。
「東京名産品」
昨年末に、「東京五つ星の手土産」という上下2巻の本を買い、今まで行ったこ
のない老舗を10軒ほど歩いて見ました。既に羽二重団子などの有名な店は、他の
本でも紹介されており、何度も行っていますので、それ以外の店です。今まで
あまり知られていないということは、ややマイナーであるということでもあり、
期待したほどではなかった店もありました。小さな古い店構えで代々やってきた店
ばかりです。但し申し上げておきたいのは、どの店も、店主の感じはとてもよくて、
むしろ有名な店の方が客ずれして印象が悪いことが多いので、遠路を訪ねていっても
失望はしません。道が分からなくて電話で聞いても、親切に応対してくれますし、
もう一つ良い事は、スーパーの商品に比べればやや高いものの、法外ではないと
言うことです。今回はその中から3店ご紹介します。一つは四谷の「わかば」
(03-3351-4396)という鯛焼き屋で、尻尾までアンコが入っているというので
古来、著名人に愛されてきた店です。結構、大量に焼いているので、行列があっても
それ程待たされないのが一番助かります。狭い店内で、やけどをしそうな焼きたて
を食べるのがベストです。次は、後楽園は春日町の石井いり豆店(03-3811-2457)
です。おのろけ豆という商品が有名だそうですが、ピーナッツが入った豆菓子が
主体です。ごくごく庶民的なお菓子ですが、衣が堅くないので、歯が悪い年寄り
でも大丈夫です。3番目は余り甘くないかりんとうの店、花月(03-3831-9762)
です。御徒町からでも湯島からでも歩けます。黒砂糖ではなく、蜂蜜がけの
白いかりんとうです。
但しこの本では、何で推薦してあるのか分からない、絶対に止めたほうが良い
店もないことはありません。その一つが神田駿河台下の毛抜き寿司です。
結構名前は通っていますが、その塩辛ことといったら、血圧が一気に上がりそう
ですし、味わいも何もあったものではありません。
「ささやかな幸せ」
この歳になると何が幸せでしょうか。面白い本を読む、中身の濃い映画を見る、
美しい音楽を聴く、そして私はお酒が飲めないので、おいしいものを食べる時
でしょう。と言って、高い料亭や堅苦しいレストランで高級料理を食べたい
とは思いません。30分足らずの舌の快楽の為に、大金を払う気にはなれません。
それでも、たまに美味しい昼食等に巡り合うと、とてもうれしくなります。そう
いう経験が最近もありました。
有明のビッグサイトは展示場すが、たまに出かけることがあります。ゆり
かもめの国際展示場正門前という長い名前の駅で降りて、線路を挟んだ
展示会場の反対側のビルには、2階にレストランが沢山入っています。
その中に「加賀屋」があります。加賀屋というのは、石川県の和倉温泉の旅館で、
皇室ご用達であることを差し引いても、10年以上もサービス日本一の旅館
として知られている名旅館です。そんな旅館に泊まれるような身分ではあり
ませんが、食事くらいなら出来ないことはありません。金沢の駅ビルに支店があり、
1500円から定食があります。銀座の4丁目の角にも支店がありますが、こちらは
4000円位します。ところがこの有明の店は840円で昼食が食べられるのです。
私が加賀屋を推薦するのはちゃんとした訳があります。それはお膳に並んだ、
お皿のどれをとっても、すべてが美味しいからです。ご飯、おつゆ、香の物まで、
まずい物が全然ないという事は凄いことだと思います。840円の定食でも、ここで
食事をすると、洋食派の私でさえ、日本食も捨てたものではないと思いますし、
ささやかな幸せを味わうことが出来るのです。
2005/3/14
皆様
お変わりなきことと思います。数年ぶりで米国に出張する機会があり、昨日
戻りましたので、簡単にそのご報告をさせて頂きます。
「オーロラ」
200回以上もの空の旅を経験しても、未だにオーロラというものを見たことが
ありませんでした。北米航路は大圏航路を取るので、アラスカ上空で、運が
良ければオーロラを見ることが出来るはずです。但し復路はずっと昼間です
ので、夜間飛行する往路しか機会はありません。狭いエコノミークラスの座席
に押し込められれ(空席があればビジネスに座れるが今回はそれも不可。もう
エコノミーで旅行するにはいささかしんどい歳になりました)、うっかり窓際の
席を取ったので、手洗いに行くのも気兼ねしながらで、せめて通路側に
すれば良かったと散々後悔しました。しかし、アラスカ上空で機内のアナウンス
があり、窓の外を覗いたところ、確かに夜空に雲のようにたなびく白い明かりが
うっすらと見えます。刻一刻と形を変える、その雲のような薄明かりはカーテン
のようにも見えます。雲と違うのは、はためくように形が変わることです。しかし
白だけではつまらないと思っていたら、雲状の厚い部分では、かすかに虹色も見え
ました。実際の光景よりも、実物を見たという事に満足しました。
隣の席の人達と席を替わって、順次見物して貰ったことは言うまでもありません。
「コロンバス」
オハイオ州の州都コロンバスは、今回初めての訪問です。ここには勤務先で
あるEX社の米国の本部があります。目的はICタグの専門家の話を聞く
ことです。日本の事情を説明する資料を持参してプレゼンしたあとで、ブロー
クン・イングリッシュで半日程議論しました。技術では日本の方が進んでいても
アプリケーションでは米国の方が進んでいます。しかし彼らにしても実用性が
優先ですから、有効なハードとソフトが大前提です。まだ両国とも一部様子を
見ようという雰囲気もないではありませんが、これが将来のキー技術で
あるという認識は関係者全てが一致しています。日米でもう少し率直な
情報交換をすれば、日本人お得意の絵空事ではない、本当の実用化の時期も
少しは早まるのではないかと思いました。
なおコロンバスにはシカゴで乗り換えますが、シカゴはご存知のようにミシ
湖のほとりにある都市です。上空から見るとこのミシガン湖の大きさ
には驚かされます。地図を見ればわかりますが、高空から見ても対岸は
全く見えず、海と言われて違和感はありません。さすがに中部なので未だ
冬が居座っており、時折雪がちらつく天気でした。なお、オハイオ州の象徴は
赤い鳥のカージナルと、バックアイというナッツだそうです。残念ながら
このバックアイ(裏側が大きく割れて、実が覗いているのでこの名前がついた)
の実物を目にする機会はありませんでした。もう一つ、オハイオ州の自慢は
なんといってもライト兄弟です。
「サンノゼへの道」
数年ぶりなので、いささか自信はなかったものの古い地図を頼りにレンタカー
でサンノゼを訪れました。今回の目的の一つは、古い知人と会って、新しい
会社のメンバーを紹介する事です。また個人的にも、渉外部時代の古い友達の
多くの他に、Aさんにもお会いして、昔のA社向けディスク・
ビジネス当時の皆さんの話題で大いに盛り上がりました。
今回大きく変わったのは、モフェットの海軍基地の巨大な格納庫が3つに
増えたことと、高速101号線が劣化して、自分の車がパンクでもしたのかと思う
ほど、道が悪くなったことです。そしてさすがカリフォリニア、既に初夏の
陽気でとても上着など着ていられません。ホテルのクリーニングは冗談みたいな
値段なので、自分で洗濯機屋に持って行き、4ドルで乾燥まで済ませました。
ところがその洗濯屋で、ちょっと車に荷物の取りに戻っている間に隣の店に車
(目撃者によるとベンツ)がショウウインドウを突き破って突っ込み、当て逃げ
をしました。消防車が3台来る騒ぎになりました。残念ながら犯行現場は見逃し
ましたが、実際、何が起きるか分かりません。
後はおおむね大きな変化は感じられず、店舗も町並みもほぼ以前と同じでした。
最後の夜はこれも恒例の映画鑑賞ですが、当日米国で封切りの「ロボット」という
家族向け映画を見ましたので、感想などを別途ホームページでご紹介する予定です。
米国に一歩足を下ろしたときから、全く違和感等はなく、外国に来たという感じは
しませんでした。数日経つ内に聞き取りもかなり戻ってきて(発音は相変わらず
問題ですが)リラックスした訪問になりました。シリコン・バレーでは、地図
(道)がある程度分かって、自分で自由に動けないと、ビジネスも結構大変
だろうと思いました。
2005/4/15
皆様
三寒四温などという言葉は3月なら分かりますが、どうやら今年は4月にずれ込んでいるようです。でもさすがに、コートの厄介にだけは、ならなくても済むようになりました。京急の立会川という場所に事業所が移ってから、通勤パターンも変わりました。川崎工場のある武蔵中原を通り過ぎ、以前事業所のあった川崎駅も過ぎ、大森で満員の京浜東北をおりて、会社のシャトルバスに乗る経路です。ドアツードアで、ぴったり2時間です。但し始発が多いので、座れるのだけは助かりますが、未だ試行錯誤中です。ビルは現代的なデザインですが、ガラスとコンクリートですから温かみはありません。机の配置も蜂の巣状の現代的なもので、これまた賛否が分かれそうです。住めば都で、少しずつ慣れて来ましたが、今一番困るのが付近にロクな昼食場所がないことです。
「ホリエモン」
古来の日本人の心情としては、会社は単なる給料と労働を引き換える場所以上の意味があります。そうでなければ愛社精神なども、生まれようもありません。但し敵対的買収は決して違法ではなく、現に米国では少し傾いた会社を買っては、整理(リストラ)してまた売りに出すという商売さえあるほどです。無論、一度買われてしまえば、それまで在籍した従業員の就業の保証はなくなります。また、株式市場に会社を上場すると言うことは会社を株主の手にゆだねるということですから、半数以上の株を握られたらそこで終わりなのです。これは資本主義の憲法のようなものなのです。資本主義を日本経済が標榜する以上、仕方がないことです。でもそれは、我々がまさに買収を経験したから言うわけではありません。
ホリエモンに対しては、当然ながら日本放送の従業員の多くが反感を持ちましたが、そうならば、残念ながら会社を去るしか社員に選択肢はありません。ただし、実はこれが買収する側にとっては大きなダメージとなります。社員こそ会社を支えてきた原動力であり、ノウハウの塊だからです。最近、F社がその液晶部門をS社に売却した時、S社が期待していた若手技術者が40名以上も退社したと言います。でもこの場合は、買収したS社よりも売却したF社にその責任がありそうです。F社だからこそ入社したのに、経営の都合で勝手に会社を変えられたら、従業員はたまったものではありません。
買収されないように各社は色々手を打ち始めているようですが、今後は友好的買収(EX社のように)が増えそうな気がします。しかし面白いのは、アンケートによれば、日本の企業経営者の60-70%
がホリエモンのやりかたを妥当だとみなしている事です。その最大の理由は、放送業界が既得権にあぐらをかき、何らの経営努力もしてこなかったことを挙げています。私も正直言えば、なんともレベルの低い娯楽番組しか作らないフジTVなら、いっそディズニーにでも買収された方が、もっとマシな番組を作るようになるのではではないかと思います。この事件を機会にフジTVも、褌を締めなおして欲しいものです。
なお、ホリエモンは、日本放送を買収したら、それを転売して利ざやを稼ぐ意図もあると伝えられていますが、それでは従業員はたまりません。そんなことを考えているとしたら、経営者である以前に、人間として失格です。
「犯罪」
悲惨で残酷な事件が多い中、最近目に付くのが無理心中です。家族だからといってむやみと殺されたらたまったものではありません。借金などは、本人が死んでしまえば、債務を放棄して、チャラになるのですから、死にたければ自分ひとりで死んでくれと言いたくなります。幼い者迄、巻き添えにする必要はないのです。でもそこににあるのは、おそらく追い詰められた者特有の異常な心理、理不尽な判断なのでしょう。若くても、たまたま時流をつかんだがゆえに1000億という金を手にする者がいる一方、リストラされて明日の生活も分からない人もいる。これで良いとどうして言えるのでしょうか。そうしないと会社が活性化しない等と馬鹿なことを言った経営者がいたことが信じられません。このままでは社会不安が増加して、資本主義ところではなくなります。最初に経済システムかあるわけではない。最初にあるのは人間です。人間がまじめに働いても、満足な生活が出来ないのなら、それは社会の仕組みが悪いのです。おそらく、これ以上年収300万の人ばかり増えれば(私を含めてですが)、いずれ大衆が蜂起する時が来るかも知れません。
「ばか者達」
必ずしも若者に限ったことではないが、社会人としては愚か、人間としてのマナーがまるでなっていない若年層の増加には背筋が寒くなります。電車のシルバーシートで、若者が席をゆずる光景は、この1年くらい見たことがありません。人にぶつかっても謝ることは絶対にない。でも自分が押されたら、狂人もかくやと思うほど荒れ狂う。多分実際に心の中の何かが狂っているのでしょう。有難うとごめんなさいが言えないバカ共が、急増しています。そのうち、私もそういうバカに注意した結果、刺されたり、突き落とされたりすることになるのかも知れません。これが、日本に明日があるとは思えない理由の一つです。もう一つは、小泉さんと石原知事の右傾化の暴走ですが、彼らが知らん顔をしている靖国や教科書問題で、中国では日本企業がひどい目に会っています。ちなみに昨夜のNHKの中国の暴動の現地からの中継番組に登場した橋本君は、富士通の社員だと思います。
2005/6/29
皆様
お変わりはないでしょうか。未だ6月だというのに、既に気温は30度を超えています。
さて私事ですが、異動がありましたので、ご報告します。
「異動」
今年の1月で満60歳となり、6月をもってF社規定の定年退職となりました。しかし勤務先のEX社では、60歳を過ぎても、本人に働く意志があり、同社にとって有用であると判断した場合、1年契約で雇用延長を行うという方針を作り、私がその新ルール適応の第一号となりました。給与は当然のごとく下がりますが、年休、通勤費等の条件は引き継がれるとのことです。なおこれ迄、私が所属していたF社専門のオペレーション部門は、貨物が減って、私のようにラインを見ていない者迄抱えている余裕がないので、配転も併せて申請していました。退職に日に条件が決まり、本日席の移動も済ませました。勤務地に変更はりません。なお、殆どICタグを専門にサポートする事になりました。
西牧欣哉
エキスパート
ロジスティック・テクノロジー
サプライ・チェーン・ソリューションズ・グループ
EX・ジャパン
「福知山線の事故」
先日同じグループの若手の社員が、仕事で開通直後の福知山線に乗ることになりました。印象を聞くと、直線が長く、また相当スピードが出るとの事です。長い直線の後で問題のカーブがあるわけですから、もともと経路の設計に無理があったのではないか、またそんな場所にマンションを作ること自体、間違っていたのではないかと思います。
「靖国問題」
日経の説明記事を読むと、戊辰戦争以降の戦死者を祀るために大村益次郎が建てたものとのことです。但し、逆賊とみなされた西郷隆盛は入っていなかったり、病死した東郷平八郎は入っていなかったりなど、結構恣意的な部分もあるよううです。戦争で亡くなった兵士の慰霊という意味合いなら、強く反対する必要もありませんが、兵士が皆、神道ではないでしょうし、祀られるのを断る権利もあるでしょう。一番問題なのは、時の宮司が勝手にA級戦犯を合祀してしまったことです。今回は分祀することが一番合理的な解決のような気がします。合祀が出来るのなら分祀も出来るはずです。戦犯は戦犯で別の慰霊手段を考えれば良いと思います。むしろ民間人でも戦争の犠牲になった者で、遺贈がそれを望む者にこそ合祭を行うべきです。
「その他」
毎朝、駅買いで日経と日経産業新聞を買っていますが、日経に最終ページに掲載してある、渡辺淳一の連載小説絵は困り者です。私は無論読んではいないのですが、ポルノまがいの内容と挿絵で、車内で広げる気になりません。どうしても連載したいのなら、せめて夕刊にして欲しいものです。殆ど全ての読者が当惑していると思います。
2005/8/12
皆様
8月も既に半分過ぎようとしていますが、お変わりありませんか。私は先週末、野辺山に行ってきました。近所に国立天文台長がお住まいの関係で、電波天文台の見学と八ヶ岳周辺の訪問となったものです。詳しくはホームページをご欄頂くとして、肝心の星空は水蒸気が多くて駄目でした。
「郵政問題」
参議院で否決されましたが、マスコミは民営化は必要との論調で、素人考えでも、莫大な郵便貯金を使って国債を買い、官を潤すという構図がおかしいことくらいすぐに分かります。民主党が反対したおかげで、解散にはなったものの、何で民主党が反対なのかは未だに理解できません。また今回の選挙で民主党が勝つとも思われません。ちなみに世論調査では民営化賛成の方が多数です。特定郵便局長なる、よく分からない職種の人たちが反対なのは当然でしょうが、郵政関係の公務員の数は明らかに多過ぎます。民営になれば、おのずと本当に必要な人数はどの位なのかが問われる事になるでしょう。しかし小泉有利のこの選挙の勢いで、また政権を持続されて、靖国参拝やイラク駐留を、ごり押しされるのはたまりません。
2005/11/29
皆様
ご無沙汰しておりますが、お変わりはないでしょうか。地域の自治会の役員の順番が回ってきてからというもの、雑用が一気に増えて、週末はボランティアとサークル活動で平日以上の忙しさです。平日の方は、RFID(通称ICタグ)がホットになってきており、その分、確実に作業量は増えています。また経済省のお役人とのお付き合いも始まり、恐れ多くも、専門家を相手に貿易知識の講習などという身の程をわきまえないこともやっております。無論無償ですが。
今の会社では、半ば嘱託のような身分ですが、時間を自由に使わせてくれるのが私としては一番ありがたいと思っています。ところで、その当社(EX・ジャパン)代表取締役社長のD・Mガーバさんが、雑誌宝島の最新号に、ウォームビズのベストドレッサーの一人として、58万円のカシミアのジャケットを着て颯爽と写っています。但し背景は会社の通路です。
私が最近見たり読んだりした本の中でも、「そうだったのか、現代史」は、共産圏を含む独裁者達がいかに非道なことをしたのかが述べられており、民主主義のもろさを理解する上で、国民必読(?)の本です。
「姉歯」
こんな面白い苗字もあるのだなというのが第一印象です。しかし、施主を含めた関係者談合のメモなるものによれば、建築費を安く上げる為に、設計事務所に圧力を掛け、災害で壊れれば自然のせいにすればいい、こうなれば役所もなにも皆同罪なんだからという、記録が残っており、さもありなんと思った次第です。確認を怠った民間検査機関、鉄骨を減らせ、しかもリベートよこせといった木村建設、1年前に姉歯の違反が分かっていながら知らない振りをした会社、全てを見過ごした国交省を含め、こりゃ全員が確信犯です。姉歯氏は国会での答弁を延期していますが、どうせ、名前を出せば家族の命はないぞと脅かされているのでしょう。フューザーだったらそれくらい平気でやりそうです。そのフューザーのローン肩代わりの条件も、損害賠償は免責という凄いもので、早い話が、こいつ(小嶋氏)が一番のワルのようです。中小デベロッパーが、生き残りを賭けて、無茶な競争を繰り広げた背景で、誰が得をしたのかを徹底的に調べる必要がありそうです。必ずや大物政治家の名前が出てくるでしょう。そもそも武部氏は、これは景気に悪影響を及ぼす一大事だから、問題を掘り下げるべきではないと発言し、以前、狂牛病が農家にどんな影響があるのかと言った珍発言の続きをやらかしています。いかに親小泉派と言いながらこんな人を側近においていたら、首相の足を引っ張ることになるでしょう。頭の悪い政治家ほど始末の悪いものはありません。前回の総選挙で、小泉さんがそんな、箸にも棒にも掛からない若手議員や女性議員を量産していなければ良いのですが。震度5で崩れるというが、わが実家も築40年、震度5はおろか、いつ崩れてもおかしくありませんと、鳴戸さんに申し上げたら、戸建とマンションでは被害が違うとたしなめられました。
「ダイエット」
とにかく糖尿病だけは避けなければと、ダイエットに挑戦しています。私の方法は、昼飯の量を極力減らすこと、よく歩くこと、そしてバナナを食べることです。バナナなど食べたら太るのではと私も思いましたが、バナナには体内脂肪を燃やす成分があるのだそうです。おかげで実験期間中に、わずか1キロですが体重が減りました。でもうっかり食べ過ぎるとリバウンドしてしまうので、いたちごっこです。ところで、全く同じ食事をしていても出来るダイエット法があるのだそうです。それはおかずで、野菜を最初に食べるようにするだけなのだそうです。他にも良い方法があれば伝授いただきたいものです。
2006/4/29
皆様
大変ご無沙汰しております。お変わりは・・・多分あるでしょうね。
前回お送りしたのが年明けでしたから、4ケ月はサボった
計算です。その間、皆様におかれましては、駄文に煩わされる
事がない分、ハッピーだったと思います。
私事ですが、長男がたいした会社ではないが、一応就職した
ので、下宿を引き払い、山のようにガラクタを持ち帰って
きたので、各部屋とも脚の踏み場がなくなりました。
「自治会活動」
町内会の役員の当番が回って来て、幸い抽選で会長職だけは
逃れたものの、一番忙しい総務の仕事を押し付けられ、名簿の電子化
から、自主防災組織の立ち上げ、総合防災訓練、規約の改正に
いたる山のような仕事に加え、いくつかのサークルにも入って
いるので、平日は平穏に過ぎても、週末は動きの取れない変則的な
毎日を過ごしています。
5月の総会が終わっても引き継ぎが残り、本当に余裕が出来るのは
多分6月でしょう。役員をやって良かった事は、へんてこな叔父さん
おばさん達と付き合うには、1にも2にも我慢だということを
学んだことです。この忍耐力が在籍時代にあれば、もう少しなんとか
なったものをと、そんなことを今更言っても始まりませんが。
「風邪」
昨日血圧の薬を貰うついでに、風邪が治らないという話をかかりつけの
医師にしたところ、以下の情報がありました。
1)今年の風邪には2種類ある。一つは40度以上の高熱が出るもの。
もう一つは咳が長く続くもの。(私は後者)
2)いずれの場合も殆ど薬は効かない。一番強い咳止めを処方して
も咳は止まらなかった。
3)ひたすら寝ているしかない。
4)でも風邪だから死ぬ事はない(ホントか。余病もあるだろう)。
5)インフルエンザならワクチンがあるので未だ対処しやすい。
鳥インフルエンザもあり、日本全国で猛威を振るっているこの悪性の
風邪は、いささか不気味です。私もこれで2週間咳が抜けず、笛の練習は
おろか、咳をする度に頭痛がするので、やっとの思いで通勤していると
いう、地上スレスレの低空飛行の毎日です。
車庫に屋根がないので、最近クルマがほこりで汚れるようになったのか
と思ったら黄砂でした。中国というのはいろいろな意味で他国に迷惑を掛ける
国ですね。最近では外貨バランスを気にして、「中国が」、海外生産を始めて
いるようです。
それはそうと勤務先のEX社が、ドイチェ・ポストに買収され、DHLと
合併中ですが、DHLは自分がエクセルを買収したような態度で、
それでいいのかと思う今日この頃です。しかし企業人生も10回の裏に
入って、こんなにめまぐるしい思いをするとは思いませなんだ。
本件については、また別の機会にご報告する機会もあるでしょう。
追伸:やっと本命小沢の登場です。小泉氏が一番恐れる相手です。
ちなみに小泉の後継は阿部ではなく、福田でお願いしたいですね。、
2006/4/30
皆さん、こんにちは。人によっては9連休の初日ですが、我が家は
息子が持ち込んだガラクタと家の整理以外に予定のない、わびしい
連休になりそうです。話は変わりますが、私は幼少の頃より、UFOや
ネッシーのようないかがわしいものに目がなく、それも実際にUFOに
ついては目撃したからなのですが、所謂、未確認生物UMOにも多大な
関心を抱いています。残念ながら、ネッシーは王立ナンタラ機関の調査
で存在が否定されたとのことですが、そんな遠くのものを
取り上げるまでもなく、不可思議な、とてもアリエネー動物というのが
身近にはいくらもいるわけで、たまに我々がTVで見る変なクラゲなども
そういったもののひとつです。そういう、へんな実在の生き物ばかり
集めた、その名も「へんないきもの」という本が出版されており、
興味深く読みました。著者は早川いくを、バジリコ株式会社刊です。
挿絵と辛らつな解説がついています。機会があればお読みいただくとして、
その中から今回は比較的フツーの記事、タマちゃんの部分を一部割愛して
ご紹介します。
あの生きものは今
アゴヒゲアザラシ狂騒曲
2002年8月、東京の多摩川に1頭のアザラシが現れた。
このアザラシはアゴヒゲアザラシという種類で、氷山に乗って
オホーツク海あたりまで来ることもあるというが一内陸の河川
まで来るのは極めて珍しいことであった。取材に来たテレビ局
リポーターの「タマ川だからタマ」という、小学2年生程度の
センスで命名されたタマちゃんなる名前は、朝笑も抵抗もなく
あっという間に世間に受け入れられ、その後、その年の流行語
大賞にも選ばれることになる。アザラシが水面から首を出したの
出さないのと飛び上がらんばかりにはしゃぐリポーターのエキ
サイトぶりは、お茶の間のそれを素直に反映しているものであった。
やがて、このアザラシに注目する人たちの間から、「タマちゃんの
事を想う会」「タマちゃんを見守る会」という2つの奇妙な団体が
生まれる、アザラシのことを想ったり見守ったりするのに何故徒党
を組む必要があるのかという素朴な疑問をはさむ余地もあらばこそ
アザラシの新しい移住先、横浜西区の唯子川でこの2つの会は
激突することになる.「タマちゃんの事を想う会」はアザラシを
海へ帰そうとダイバーを潜らせ、網を張って捕獲を試みるも、
水中が専門のアザラシには対抗できるはずもなく、大がかりな
作戦で捕まったのはコイ1匹であった。
「想う会」はその後も「食べものに困らないように」とエサの
ホタテをばらまくなどして、抗議する「タマちゃんを見守る会」
と川辺で衝突、警官まで出動する騒ぎとなる。県の河川管理者が
川にゴミを捨てないように注意すると、ホタテをゴミとは何事か
とホタテ業者が抗議に割って入り、騒ぎに華を添えた、「このアザラシ
の捕獲の顛末については、後に神奈川県知事まで出てきて遺憾の意を
表明した。
そんな対立をよそに横浜市はタマフィーバー。タマちゃん
まんじゅうは売られ、タマちゃんソングのCDは売り出され、
タマちゃん写真展が開かれ、タマちゃんぬいぐるみができ、
タマちゃんカレンダーかでき、タマちゃん絵本ができ、
タマちゃん絵ハガキができ、タマちゃんカステラか売り出され、
果てはポスターのモデルにまでなり、川辺には見物人がずらりと
並んで右を向けばキャー、左を向けぱワーと昭和41年の
ビートルス来日のような騒ぎとなった。そして調子こいた
横浜市役所はとうとうこのアザラシに住民票まで交付した。
戸籍上のアザラシの本名は「ニシタマオ」。
そしてこの住民票の写しを求める市民が市役所に詰めかけた。
海生哺乳類に住民票を交付したのは地球上で我が国だけかもしれない。
いまだ不当な扱いを受ける在日外国人らは、これに対し「同じ哺乳類
にも住民票を」と主張、アザラシの格好で横浜市役所に押し掛け、担
当者を困惑させた。
国土交通省は「タマちゃん大好き!」の国民的大合唱の中、ここで
行政として前向きに動かねぱ世論の叱声を買うとして、迷い込んだ
たった1頭のアザラシのために「アゴヒゲアザラシに関する連絡会」
と称する保護会議を開くが、扇千景大臣の「自然のものは自然に」と
いう真っ当すぎる意見の前に立ち消えとなった。
だが横浜ではめげずに環境省の役人、動物専門家、県、市の担当
者らの連絡会議がもたれ、ことこの1頭の迷い子の動物に関しては、
行政とは、思えぬほどのフットワークの良さを示した。
「タマちゃん」人気はすさまじく、その人気に便乗しようと新潟・
加持川のカジちゃん、宮城県・歌津町のウタちゃん、同県北上川の
キタちゃんなどのバッタもんが立て続けに名乗りを上げ、地元では
主に経済効果としての強い期待を持たれたが、いずれも不発に
終わる。「ウタちゃん」と呼ばれたワモンアザラシは、何かを
察知したのか早々に海に帰ってしまった。
その後、嫌気がさしたのかアザラシは帷子川から忽然と姿を消した。
ファンは松村和子ぱりに「帰ってこいよ」と合唱したが、帰ってきたの
は「想う会」であった。彼等は帷子川で捕獲の予行演習を始め、付近
住民は速攻で警察を呼んだ。捕獲騒動以降、迷い込んだ動物を海へ
帰してやろうと試みたこの団体は世間から邪教集団のように敵視され
ていた。
1ヶ月後、アザラシが埼玉県の中川で発見された。このアザラシは
DNA鑑定で「タマちゃん」であることが確認され、ファンは
再会に喜び、感涙にむせぶ主婦まで現れる始末だった。横浜で
アザラシが姿を消してから約1ヶ月後のことである。
アザラシは中川にしばらくいた後、今度は同じ埼玉県・朝霞の荒川
に目尻に釣り針が刺さった姿で現れ、多くの入に悲鳴をあげさせる。
メディアはこぞってこの姿を報道、これに対し山ほどの貴重なご意見が
寄せられたが、それは「かわいそう」「何とかして」というほぽ2種類
に大別された。しかし何とかしようにも何ともしようもなく、また
しても国土交通省、埼玉県が専門家を交えて検討会を開いたが「当面
見守る」という方針を打ち出す以外になかった。とりあえず「タマ
ちゃんにとってよくない」という理由で、予定されていた荒川の災害時
緊急船着き場の浚渫工事も延期になった。
「埼タマ」という語呂合わせを思いつかぬ者はおらず、今度は埼玉が
注目スポットになるかと思われた。埼玉の朝霞市長も横浜市に対しア
ザラシの住民票を移すよう交渉することを明らかにし、受け入れに意
欲満々なところを示した。
やがてアザラシの目尻の釣り針はとれ、再びニュースとなると、帷子
川同様、荒川にも大勢の見物客が詰めかけ、±手はW杯のように人で
埋まった。道路は渋滞し警察官か整理にあたらねばならなかった。ア
ザラシが姿を見せると見物客は大声で名前を呼んだり手を振ったりし
たが、大抵の野生動物に対してこのような行動が威嚇に映るとは多く
の人は知る由もなかった。
荒川の川辺の屋台では、人形や生写真が売られ、タマちゃん音頭な
るものを歌いながらテープを売り歩く自称演歌歌手(60歳・男性)
なども現れ、タマちゃんグッズははびこりサイバースペースには
タマちゃん歳時記だのタマちゃん日記だのというサイトが続々と現れ、
タマちゃん人気はとどまるところを知らぬかに見えた。
1匹の動物のためにこれだけの騒ぎが起きる我が国は、まことに善良
な人たちの善良な国であるといわざるを得ないが、かの騒ぎが起こっ
たのはひとえにこのアザラシがかわいかったということに尽きる。我
が国ではかわいらしさというのは行政を動かすバワーさえあるのだ。
流れ着いたアザラシがかわいらしいアゴヒゲアザラシでなく、醜く
猛々しいゾウアザラシ(オス)だったとしたら、名前が付く前に
あっさり処分されていただろう。
ことほどさようにかわいらしさというのは途方もない価値である。
人々はかわいいものが大好きである。だが大好きなあまり、かわいい
ものを見るとエゴイスムが丸出しになってしまうというあたりが、
我が国独特の性質ともいえるかもしれない。泣きや癒しを人々は
腹の減った養殖鯉のごとく欲している。いくら食っても食い足らぬ
そんなところへ思いもかけず現れた1匹の愛らしいアザラシは、
まさにツボど真ん中の絶好球、天からの贈り物だったかもしれない。
だが我が国にはヒト科の中でも際だった特徴がもう一つある、その
驚くべき飽きっぽさと冷めやすさだ。
今、荒川には一時期詰めかけた大勢の見物客は影も形もない。閑
散たる土手に常連のファンだけが、アザラシが姿を現すのを辛抱強く
待っている。アザラシが休憩所として利用しているボートに飛び乗ると、
彼等は無言で、いっせいに高性能のカメラを構え、シャッターを切る。
その様子はアイドルの撮影会と変わるところはない。そして2003年
現在では、その人たちですらまばらである。アザラシはというと天下
太平といった按配である。自由気ままな生活を満喫しているのかも
しれない。人と野生動物は本来の関係に戻ったのである。
ところで多くの人はかのアザラシを覚えているのだろうか。道行く人
に訊いてみよう。すいません、今タマちゃんはどうなってるか知って
ますか?
「ああ、タマちゃん?最近聞かないけど…海に帰ったか、もう死ん
じゃったんじゃないですか?」
追記2004年5月にアザラシは姿を消し、その後は「消息不明」
である。
2006/5/4
皆様
連休も早や二日目ですが、皆様はどちらかに出かけられたでしょうか。
連休初日は、自治会の資料作りで潰れましたが、今日は特にすることもなく、
無為とはこういうことを指すのか、いずれ来る退職の後で、こんな日ばかりが
続いたらとてもじゃないが、神経がもたないと思いました。さりとて外出すれば
車の渋滞ですから、出るに出られずということです。海外に行ける方はうらや
ましいが、それはそれでまた経済という問題もあるわけです。
「ナンプレ」
このゲ-ムくらい色々な(勝手な)名前で呼ばれているものもないでしょう。
数独などとも呼ばれます。要は3X3のマスに1から9までの数字を埋めるだけ
なのですが、その3X3がさらに3X3集まっており、縦横おのおの9つのマスを
形成しており、四角い9マスにも、縦一列(9マス)、横一列(9マス)にも同じ
数字が入らないようにするというクイズです。最初からいくつか配置されている
数字をヒントに解いてゆくのですが、結構な時間潰しになり、通勤の電車の中で、
鉛筆と消しゴム片手に既に3冊ほど問題集に取り組みました。初級はなんとかクリア
したものの中級なるととたんに難しくなり、現在は中断しています。専用のゲーム機も
3000円位で売られていますが、画面が小さくて、目が余り良くない私には無理です。
脳の活性化(端的にいえばボケ防止)のために取り組んだものですが、意外に
歴史は古く、発案者はスイスの数学者オイラーとのことです。日本から英国に行き、
今度は米国に渡り(米国ではスードクと呼ばれている)、それがまた日本に戻るなど、
世界中で流行しています。ちなみにナンプレとは、日本と英国での名前で、
ナンバー・プレースの略称です。解説を添付しましたので興味のある方は
ご覧ください。
「親指シフトキーボード」
もう覚えている人もいないでしょうが、富士通が発明した独創的なキーボード
(バソコン入力用鍵盤)です。マイクロソフトのオフィス(ワードやエクセルなど)の
専門家の資格を取る為に、20年近く慣れ親しんだ親指シフトからロ-マ字入力
に3年前に切り換えたのですが、アルファベットならブラインドでもいけるはず
とたかをくくったのが失敗の元。ミスタッチの連続で、時間ばかり掛かって
いました。無論日本中で標準になっているキーボードですから、どんなパソコン
を相手にしても、そのまますぐに操作できるという点は確かにメリットです。
でもオアシスキーボードなら半分のタッチで済むという事は、やはり無視
できない大きな利点です。それにマイクロソフトのお仕着せの漢字変換ソフト
(IME)の頭の悪さといったら、日本人なら絶対に使わない用語を平気で出して
来る無神経さには閉口です。息子の帰還により、屋根裏部屋を整理していたら
10年前のNY駐在当時の膨大な日本宛の電子メールのコピーが出てきました。
それを見て思った事は、変換ミスが少ない事と、今より頭の回転が
少しは速かったように思える事です。これが老いなのかと一瞬がっくりしました
が、少なくも変換ミスは救う事が出来そうです。そこで昔買っておいた親指シフト
キーボードと、オアシス・ソフトを引っ張りだして、インストールしました。
キー配列が決定的に違うので、どうかと思っていたのですが、1時間も打っている内に
10年前の感覚を取り戻しました。なにより、マイクロソフトみたいな、とりとめの
ない漢字変換をしないだけでも、効率が違います。ほかの人には勧められない
が、私だけの数少ない技能だと思って、今日からは親指シフトに戻ります。
2006/8/5
皆様
梅雨が明けたという事が肌で分かる暑さです。お盆で道路が混む前にと思って
信州、小諸の高原にある山小屋に行き、墓参と、いつものように雑草を刈り、
掃除してきました。ついぞゆっくりした事はなく、今回の2泊3日でも長い方です。
安曇野にある、もりそばしかメニューのない蕎麦屋と、上田にある玉村豊男
のワイナリーのレストランは、行けば必ず寄る場所です。
「退職に向けて」
現在の職場は外資系という事もあり、定年は60才で、私も昨年の6月で本当は
退職のはずでしたが、会社の好意で、働く意欲があり、会社でも使い道があると
判断した者は1年契約で雇用延長があるという、その第一号になりました。
その契約もこの6月に切れましたが、3ケ月の猶予期間を会社がつけてくれたので
9月には退職(離職というらしい)の見込みです。久しぶりにF社の昔の仲間と
話をする機会がありましたが、F社は65才まで働こうと思えば働けるという事で
これは年金の支給開始が65才になる事を考えれば当然の措置でしょう。しかし
役職定年を過ぎると、多くは再就職先を関連会社で探し始めるというのが通例の
ようです。一つには同じ職場でも、肩書が外れると、専門職か、顧問としての
仕事にならざるを得ず、今までの部下に従う事を潔しとしない人がいる為です。
問題は、転職する時に今までの自分の肩書を前提に考えようとする事で、私の知って
いるA君などは統括部長クラスなので、転職してもしかるべきポストが当然と
いう考えのようでした。それを聞いて私は、これだからF社は駄目なんだなと
思いました。皆が皆、A君のようではないと思いますが、組織ごと子会社に行け
と言われて行ったものの、村八分状態、その上すぐに外資に買収され、それが
また別の外資に買収される。そのトップがNさんのお知り合いだったので、
なんとか優遇して貰ったものの、元F社の社員達は、65才
までの雇用は愚か、厳しい実力主義の元で、辞めて行く人が後を断たない。
物流子会社の売却を決意した担当役員さんには、筋の通った理由もあった
でしょう。でも現状を認識しているのでしょうか。一将校成って万骨枯るは企業の
論理として当然だとでも言われるのでしょうか。このテーマで本を書けば、評価主義
の失敗どころではない悪評判が立つでしょう。機会があれば、自分でも筆を取りたい
ところです。そういう悲惨な人達を目の当たりにして、「しかるべきポストが欲しい」
というF社のエリートの気持ちは分からないでもないが、あまりに世間のことを
知らなさ過ぎると思いました。
自分を振り返ってみてもF社だからやってこれた、他の会社では到底勤まらな
かったという、後悔と反省の念があります。まもなく働きたくても働けない日が
来ます。年休を目一杯使うという姑息な手段などもったくなくて出来ません。
その時に後悔しないよう、残り少ない期間を精一杯働きたいと思っています。
この1年、自由にやらせてくれた現在の会社には感謝しています。おかげ様で、
ICタグの世界では少しは顔を知られるようにもなりました。しかし、未だ
ICタグの実用化は時期尚早なのかもしれません。開花は次の世代に期待すること
になるのでしょう。残念なのはそのことだけです。
「終戦60年」
私は昭和20年生まれです。昨年が終戦60年目です。しかし、去年何か
しかるべき行事が、終戦もしくは敗戦を振り返る為に行われたのかどうかは
明確に記憶していません。靖国の合祀問題は早急に議論されねばならないこと
ですが、問題は太平洋戦争が全然総括されていないことにあります。だから戦争
責任が曖昧で、いわゆるA級戦犯は米国の勝者裁判で決められたもので、日本に
とっては犯罪人ではないという理解をする人(戦争を知らない次期総裁の阿部氏が
そういう考えだということを知って私は戦慄しました)がいることです。ならば
その人なりの戦争の総括を示して頂きたい。
私にとって、日本の都市を無差別爆撃して何十万ものの非戦闘員を殺した米国は
鬼畜米英にしか見えません。もはや趨勢は決していたのに1度ならず2度までも、
実験を兼ねて原爆を投下したことも絶対に許すことは出来ない。石油資本を背景に
未だに続く米国の侵略的帝国主義とそれに隷従する日本の保守派議員も許せません。
靖国に詣でるのであれば、反米でなければ筋は通らない。だから私には結局のところ
小泉さんという人は理解出来ないのです。
戦争責任は、ドイツなどは厳しく審判しています。日本では自分で裁かず、米国が
それを行った。それが不満なら自分達でやり直せば良いのです。それがあって
始めて合祀と分祀の議論が成り立つのです。でも私はA級戦犯の人達の行為を認める
気にはなれません。本当は戦犯として裁かれるべきでない人も含まれているとは
思いますが、米国から見た、米国に戦争犯罪行為があったかどうかは私の知った
ことではありません。B、C級戦犯の残虐行為も確かにあったでしょう。でも
そういう行為は戦争が狂気の行為だから起きたことで、米国のベトナムに言及
するまでもありません。もう一つ悪いのは独裁で、これはイラクや北朝鮮をみれば
分かるが、ここではこの問題には触れません。日本も戦前は北朝鮮のような軍部と
右翼の独裁体制、即ち全体主義の国家でした。
問題はこうまで多くの日本人が「無駄に」死んだ、その責任の所在なのです。昨夜
「男たちの大和」という映画をビデオで借りて見ました。無論戦争賛美の映画では
ありませんが、中で「我々に片道の出撃を命じて死んで来いという軍の上層部は何故
この旗艦大和に乗艦していないのか。防空壕から指揮など出来るのだろうか」という
科白があります。極論ですが、自分は金をもうけ、女子信者を奴隷にし、そのくせ
教義や信念の為に、命は愚か、なんの自己犠牲も行わない、オームや韓国系の新興
宗教の教祖と同じです。卑劣、身勝手、それが彼らの言い分が間違っていたことの証左
です。国の為が聞いてあきれます。だったら自分が最初に命を投げ出せば良い。これは
オサマ・ビン・ラディンにも言える事です。
太平洋戦争の発端は、中国に侵攻した日本に対して、列強が石油の供給のストップ
などの経済制裁を発動したことにあると理解しています。ならば中国と東南アジア
の占領を指示したのは誰なのか。それすら曖昧ではありませんか。そのくせ、米国
の裁判には勝者の審判だと異を唱える。態度が矛盾しています。一体誰が国民の立場
でものを考えてくれたというのでしょうか。それとも日本という国は今でも支配する
側の論理しか存在しない国なのでしょうか。そう言えば、お役人が何百億もの税金を
「無駄に」使っても、ついぞ投獄されたという話は聞きません。日本は民主主義の
国のように見えて、実は国民主権ではなかったのです。
戦争を総括しましょう。すべてはそこから始まります。それから、原水爆反対運動が二つ
に分かれているものもいい加減に辞めてほしい。平和運動は左翼の主導権争いの道具で
あってはならないのです。ここでも日本人の致命的な悪い性癖、即ち国民の為ではなく、
自分達の為の運動になっています。日本人というのは自己中心的な国民なのでしょうか。
未だに戦火は止みません。血に飢えたイスラエルがやている事は無差別攻撃です。
そういうことを民に許す宗教は、聖戦という名前さえつけば、自分の命を他人の命も
抹殺するイスラム原理主義と同じです。
2008/5/24
各位
【日経】5/24
・経団連は、新型インフル対策の大幅強化を政府に要請する。現在ワクチンは
2000万人分しかないが、これを全国民分用意し、事前接種を希望する人全て
が受けられる体制を求める。海外では既にスイスが国民全員分のワクチンを
備蓄している
注:まさに国が最優先で行うべき仕事です。御手洗さん頑張ってますね。
・日米欧州で長期金利が急上昇している。これは世界的なインフレの懸念を
映すもので、日本では一時1.755%をつけ、9ケ月ぶりの高水準となった。
金利が高止まれば借り入れコストが増え、景気の下押し材料となる。
日銀の白川総裁は、現在の原油高は、1970年代の石油危機と異なり、
根底には新興国の経済成長による堅調な需要が続いていると語った。
注:でも、白川さん、今回の原油の値上がりの30%は投機によるもの
なんですよ。前回の危機は不安心理が原因だったかもしれないが、今回
だって、必ずしも実需じゃありません。
・消費者物価の大幅な上昇で、ユーロ圏の拡大が停滞する公算が大きく
なった。EUの欧州委員会は、スロバキアを除く、中東欧、バルトの
候補国は、通過統合の基準を満たせていないと明記した。
・EUは2006年に鉛やカドミウム等の使用を禁じるローズ規制を導入
している。6物質で済んだロ−ズ規制と異なり、リーチ規制では膨大な
数に及ぶ科学物質が対象であり、作業量は比べ物にならない。リーチ規制
は取引先との情報交換が前提。管理が不十分で取り違えなどが起きれば
企業は信用を失う。富士フィルムは全社横断チームを設置。NECは
製品中の化学物質情報を専用のデータベースで一元管理できるシステムを
構築した。
注:部品や材料にタグを付け、タグを読むと、その成分が分るような
システムが、確かあったような、なかったような。
【日経夕刊】5/23
・バラ積み船の運賃が高騰し、軒並み過去最高をつけている。海上運賃は軒並み
年初の2倍に上がった。
注:理由は2つ。燃料費の上昇と、資源輸送の需要が拡大して、船舶の不足感が
高まっていることです。
・日本は米国から義務的に輸入している米を、フィリピンからの要請で、20万トン
提供する方向で検討している。米国もこれを容認する考えを表明した。
注:一旦買うたものは、どない使おうと、日本の勝手やおまへんか。アメリカはん、
放っておいておくれやす。
2008/5/25
各位
【日経】5/25
・財務省は28日からの横浜のアフリカ会議に合わせ、アフリカ各国
の税関に対する支援を強化する。20ケ国の関税局長らを招き、
大陸内の貿易円滑化につながる税関制度について議論する。
税関の技術協力は東アジア向けが中心だったが、今後は
アフリカにも力を入れる。中心となる課題はワンストップ・ボーダー
ポスト(OSBP)と呼ぶ制度。国境沿いにある二国の税関双方で
実施していた通関検査を共同施設で扱うことで、手続きの短縮やコスト
削減につなげる。
注:将来は海を挟んだ国の間でも、ITを駆使して共同通関を実施する
時代が来るのかもしれません。ところで、昨年のブラッセルの会議で
アフリカの某国の税関と話す機会がありましたが、英国税関などにある
関税局という毅然とした印象はありませんでした。その人がどうという
ことではありませんが、アジアにしてもアフリカにしても、まずは公正
な手続きを無償で行うという正義感の養成が大前提のような気もします。
・NASAは30年近く活躍してきたスペ−スシャトルに代わる有人宇宙
輸送システムを2010年代半ばに導入する。20年までにアポロ以来の
有人月着陸を実現し、火星を目指す足場となる月面基地を建設する。
4月に新型宇宙船オリオンの実物大模型が完成。新システムでは宇宙
飛行士の命を守る安全性に重点を置いた。コロンビアの空中分解は
耐熱タイルの傷が原因だった。オリオンでは特殊な樹脂タイルを貼り付けた
熱防護システムを使い捨てにする。また万一の場合は宇宙船をロケット
から切り離すシステムも導入する。
注:2010年というとすぐですね。日本でも月有人探査の計画があると
聞いています。ちなみに私事ながら、現在の趣味は天文です。NTTの
清水さんには適いませんが。
土日もメールが出るようになりましたが、これは全く自分の都合です。
月曜の朝、まとめて週末の分まで読むと、9時には間に合わないから
です。ご承知のようにもはやICタグ情報の専門ではなく、物流専門で
さえありません。新聞記事の単なる紹介なら意味ネージャンというお声
はあるでしょう。ウェッブでも新聞記事は見られます。個人的な情報
発信なので他の一流のメディアと比較することはおこがましいのですが、
しいて特徴を探せば、海外事情、国際関係への関心という観点でしょう。
国際物流は世界情勢と無縁ではないからというのがやや苦しい言い訳です。
しかし膨大な新聞記事をそのまま右から左に受け流すうーでは意味は
ありません。それぐらいなら本紙をお読み下さいで終わりです。
日経も産業もMJもキオスクでいくらでも買えます。でも多分それを
全部読んでいる時間が、多分皆さんにはおありにならないのだろうと
思います。たまたま早朝私はそれを通読する時間がある。それがこの情報
の持つ最大の意味合いなのかもしれまねん。
でもそれならなぜこの3紙なのか。実はそこに私の大きなノウハウがあり
ます。F社の役員の秘書的な仕事をしている時、朝日、読売、毎日、産経、
日経、産業、日刊工業、日本工業に目を通し、9時までに重要な記事の
コピーを取って役員に届けるという仕事していました。しかし記者には
申し訳ないが、日本がつく産業新聞に、スクープというか重要な記事が載る
のはせいぜい年に2回程度でした。また日経産業には日経に載せきれなかった
記事が補完的に掲載され、そして日経の情報収集能力は群を抜いていること
は明白でした。
私にとって、新聞社が自分でウェッブに載せているダイジェスト版と自分の
情報を区別する点は、自分なりの視点と価値観です。それのみが差別化の根拠
です。既に他で大きく報道されているニュースは省略します。物流関係者と
して、或いは一市民として関心のない、或いは影響の少ない記事も割愛です。
また記事全文を紹介するような時間もスペースもありません。紹介も
ほとんど表題〔ヘッドライン〕だけです。従って記事をより分ける嗅覚が鈍った
ときが、この情報の退け時です。
話変わって、ジャーナリストを志望してW大に入学した頃、新聞は
なるべく客観的な立場で報道を行う、いわば第4の権力だと無邪気に信じて
いました。しかし現実はそうでないことは皆様も先刻ご承知の通りです。
反骨精神どころか、時の権力に臆面も無く擦り寄るメディアの多いこと。
また報道の内容そのものが、どんなに記者が客観的事実の報道に努めよう
とも、所詮、記者の、あるいはデスクの、時にはナベツネのようなおっさん
の意向に振り回され、盛大に色づけされて、記事に書いてあることで、何が
事実で何が主張なのか、ぐちゃぐちゃになってよう分らんという事態さえ
起こります。
では所詮、色のつかない状況の把握は無理なのかと絶望するには及びません。
これを何とかする方法が実は一つだけあるのです。それは皆が、自分の主張、
意見即ち主観をぶつけ合い、その議論を通じて真実や合意を見つけてゆこう
というものです。これをディベートと言います。日本人は口頭でさえ、
争いを好みませんが、民主主義の根幹が実はこの議論にこそあるのです。
若い頃から他人と積極的に議論する経験さえ積んでいれば、紛争も、引きこもり
による病的な犯罪も減ると思います。
記者には個性があり、特有の価値観があります。読者にとって、それが
鼻持ちならないという状況も出てきます。振り返って、私の情報〔という
より、メルマガまたはエッセイ〕も同じことです。一方的に送られて
わしゃ迷惑じゃという方も必ずいると思います。そういう方はそれとなく
メールを下さい。時間を頂ければ、そのうちアドレスから削除します。それまで
の間は、ご面倒でも、開かずに削除願えればと思います。
2008/5/31
各位
【日経】5/31
・(社説から)クラスター爆弾を全面禁止する条約が採択され、
日本も同意した。しかし大量に持つ米、中、ロはなお禁止に反対している。
クラスター爆弾は不発に終わる事が多く、不発弾の事故で死傷した一万人の
内の1/3が子供だった。
注:いつも米国を槍玉に挙げて悪いが、彼らの念頭には自国の
特に白人の子供が爆弾の犠牲になるという構図は少しも思い浮かばない
らしい。実質的な人種差別である。死傷するのはいつも敵国というか
外国人に違いないという先入観念があるからこそ、911で慌てふた
めくことにもなる。以前は自由主義の世界警察などを自認していたが、
それさえ最近はなさそうだ。それでもロシア、中国よりはましなの
かもしれないが。
・四川大地震の物資を運ぶ手段として日本の政府は自衛隊派遣を考えて
いたが、中国の同意が得られず幻となった。
中:なんという国際感覚。中国は未だに日本の軍隊に国土を蹂躙された
恨みを忘れた訳ではない。自衛隊は我々にとっては専守防衛の平和維持
部隊かもしれないが、外国にとっては(過去侵略的だった)軍隊の派遣に
他ならない。緊張しない訳がない。行けば、石を投げられるくらいでは
済むまい。派遣を認めたら中国政府が倒れる可能性さえある。加害者の
鈍感さなのかもしれないが、これだけ相手国の事情にも、歴史認識の違い
にも無頓着な外務省が、国際関係の窓口を担当していると言う事実に、
背筋が寒くなる思いがする。
・日本郵政は民営化後、初めての決算を発表した。害最終利益は民営化前に
作った計画を達成した。グループ5社中、最終利益が大幅に下回ったのが
利用者と最も深い接点を持つ郵便局会社。計画では150億円の最終利益を
予想していたが半分以下の46億円にとどまった。阿附植木低迷は、民営化
直後の業務混乱が主因だ。最終利益の55%はゆうちょ銀が稼いだ。
・ソウル中心部に集まったデモ隊の殆どが政治に無関心なはずの中高生ばかり
だった。デモに参加した十代は給食が怖いという。悪い米国産牛肉は必ず給食に
回されるという。またイミョンバク(2MB)大統領の、ゆとり教育見直しによる、
詰め込み主義の再開に対する反発が最大の原因だ。
・スペースシャトル、ディスカバリーは明日、日本初の実験棟きぼうと
星出さんを載せて打ち上げられる予定。
・長時間使った家電製品の劣化による事故を防ごうと、経済産業省は
普及台数が多く事故の起こり易いブラウン管テレビや扇風機など5製品に
ついて注意を呼びかけるチラシを全国の世帯に配ると発表した。
・VWなど欧州自動車大手は、ドル安の長期化を見込んで、米で相次ぎ現地
生産に乗り出す。
・米商品先物取引委員会は原油取引の監視強化を発表。一部トレーダーの
投機取引による相場操縦に関して調査していることを公表した。
・スロバキアのユーロ圏参加が決まり、通貨圏が一層拡大している。2月に
独立したコソボもお墨付きを貰ってユーロを正式通貨として使い始めた。
独自通貨を発行する予定もない。拡大と共にユーロは米ドルに対する力を
着々とつけており、世界経済の牽引役になることを期待されている。
私はSFとミステリが好きで、以前は趣味といえば読書と映画鑑賞を挙げて
いました。ところで、ミステリにショートショートという分野があります。
「一人の狂人が、ヒモを引きずって歩いていた。警官が呼び止めて
何をしているのか尋ねると、“透明人間を探しているんです“、“探して
どうするんですか“、”この犬を返してやろうと思いましてね“」
ついでに世界で一番短いミステリというか、怪談をご存知でしょうか
「人類最後の男が机に向かって遺書を書いていた。するとドアにノックの
音が…」
ノックをしたのが何者だったのかは読者の想像に任されています。
しかし実は合理的な説明が一つあるのです。それはノックをしたのは
人類最後の女だったというものです。