「オンライン・オピニオン」
2748.世界主義に背を向ける米国 4.17
今回の前書きは朝日新聞(4.16)コラムニストの眼 ディビッド・ブルックス
(ニューヨーク・タイムズ)「米国の偉大さ、関税が停滞させる冒険心」から
トランプ米大統領の関税がすでに引き起こし始めている経済的な惨事については、他の人たちに語ってもらうこととして、私はここで、その関税がアメリカ人の精神と魂に与えるダメージについて説明したい。
トランプ氏は壁を築いている。彼の貿易政策が妨げているのは商品の流れだけでない。アイデアや人との交流、技術、そして友情といったものの流れまでも妨げてしまっている。彼の移民政策も同様だ。トランプ氏は、国際的な交流に深く関わっている機関やコミュニティーを攻撃している。対象になっているのは、科学研究者や大学、外交団、海外援助機関、それに北大西洋条約機構(NATO)のような国際的な同盟関係もそうだ。
トランプ氏の政策の本質とは「あのいまいましい外国人たちは嫌いだ」ということなのかもしれない。
ただ、西洋文明の歴史において、偉大な国家というものは常に十字路のような存在であった。あらゆるところからの人々が出会い、アイデアを交換し、新しいアイデアを生み出してきた場所だった。(中略)
十字路の国として、行動的な場所を求める意欲的な移民を、この国は引きつけてきた。自由貿易も擁護した。英国の植民地主義と米国の国際主義によって、英語は世界言語に最も近い存在となった。
かつてはこれが私たちの未来だった。(中略)
米国には世界的なつながりを持つ多様な国民がおり、二つの大洋を超えた同盟関係があり、そして多くの留学生を抱える一流大学がある。
いま、全てが損なわれている。私の最大の懸念は、この国の精神と価値観についてである。問題なのは、最盛期にある社会の文化を見ると、現在の米国のメンタリティーとは正反対であるということだ。
例えば、イノベーションやダイナミズムを推進する人たちのことを考えてみてほしい。彼らはどんな人たちだろうか。
末知の状況に身を置くことをいとわないー。彼らは新しいものに強い関心を持っている。(中略)
多様な好奇心を持っているー。彼らの関心や情熱は多岐にわたる。(中略)
社交の幅が広く、多様な友人関係を築いているー。(中略)
全く異なる世界観を組み合わせることができるー。(中略)
常に成長に向かって突き進んでいるー。(中略)
米国の哲学者ラルフ・ワルド・エマーソンは「人は、その目標ではなく、その変遷において偉大である」と書いたが、まさにその通りだ。
こうした価値観や姿勢には名前がある。コスモポリタニズム(世界主義)だ。01年の9・11同時多発テロ以降、21世紀はコスモポリタニズムに次々と攻撃が繰り返されてきたように思える。指導者という指導者が人々の恐怖をあおり続けている。このような非情な世界の雰囲気は、人々の交流を妨げるだけでなく、米国の最大の特徴だった冒険心すらも抑え込んでしまう。トランプ氏は、関税の詳細を発表した4月2日の水曜日を「解放の日」と呼んだが、「停滞の日」の方がよりふさわしいかもしれない。
もし米国が今もまだ米国であるのなら、これらの関税はトランプ政権の転換点となるだろう。関税がもたらす無意味な経済的苦痛に人々は慨慨し、関説が象徴するひきょうな価値観に反感を抱くだろう。
(NYタイムズ、4月3日電子版抄訳から)
コメント:トランプは、彼なりの思想や価値観を追求しているわけではない。単に世界の半分を占領し、その王様になって、権力を振りかざしたいだけだ。尊敬するのはナポレオン(共和制専制君主)らしいが、やっていることはヒットラー(ファシズムによる恐怖政治、外国人の弾圧と排除)と変わらない。富裕層に搾取され、経済的に差別されている民衆が、(トランプは富裕層なのに)英雄が現れたかのように奉っているのは理解に苦しむ。トランプの論法は、自分に都合の悪い事は、全て他人のせいにするという幼稚なすり替えであり、そんなトリックで簡単に騙される米国民が憐れである。
【注目記事】
・立憲の党内対立深まる。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6535581
コメント:対立上等。思い切って分裂し、右派(含む野田、枝野、長妻)は自民党に合流すれば良い。その結果連合は自民党支持となるだろう。維新も自民党に合流する方が、国民には分かりやすい。もとより自民より更に右寄りの政党だ。立憲が左右に分裂することで、初めてリベラルな国民の為の、真の民主党が誕生する可能性が出て来る。しかも新民主党こそが真に中道の政党である。これ以上保守的な自民党に中道(偽物の)を名乗らせるわけにはいかない。
新民主党は国民民主と、れいわと、共産党をまとめるべきだ。国民の選択肢を保守と革新に簡素化することで、ダイナミックで有意義な政権交代が可能になる。これは私がこの50年主張してきたことでもある。立憲の分裂は、保守と革新の線を引き直す前に、避けて通れないプロセスであるとも言える。
但し、最重要課題の経済的格差の是正は、経済政策と税制で調整するべきだ。それはイデオロギー、とりわけ硬直した共産主義では解決は無理。社会主義でも難しい。規制で締め付けを図った途端に、やる気をなくすのが人間だからである。とは言え、誰が金持ちになるかは結果論にしても、生活権を脅かすような貧困が許されてはならない。
・TVのコメンテーターでは、国民の生活は救えない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/13ec0d54f8d17eba4f941b0bb70fa19c2cf72d94
コメント:ましてそれが自分の発言に責任が持てない精神不安定な橋下(みゃくみゃくの兄弟)なら一層のこと。