「オンライン・オピニオン」



2750.トランプと古市 4.19

今回の前書きは週刊文春(4.24)から2件の紹介です。
ちなみに同誌の目玉記事は玉木と広末と畠山ですが、私は個人のゴシップには関心がないので、取り上げていません。ちなみに同誌の目次は以下のサイトで確認できます。私も購読している楽天マガジンでは、誌面の紹介はほぼのり弁状態(白抜き)なので、内容確認の役には立ちません。
但し斎藤の続報があり、斎藤が県庁内で誰が週間文春以情報を流したのか、犯人探しを命じたという内容です。このどこが真摯に受け止める態度なのでしょうか、3人も犠牲者を出したのに、いささかの反省もなく、事件当時の意識から少しも変わっていない。可愛いのは自分だけ。自分を批判する者は、今後も追い詰めて殺すつもりなのか。心底腐っている。人間性を失った知事はもはや人間とは思えない。悪魔、もしくは巨大な毒蛾です。

文春オンライン:
https://bunshun.jp/list/magazine/shukan-bunshun

町山智浩の言霊USA「トランプは世界の貿易システムに核爆弾を投下した」から

(前略)
「すべての輸入品に基本関税10%をかける。最悪の違反者には、もっと高い関税税率を適用する」とトランプは言う。トランプがいう「違反者」のトップは中国で、現行の20%に今回の34%の関税を上乗せすると54%!台湾には32%、インドには26%、EUには20%、アメリカに忠実な日本にはなぜか24%!この数字はどこから来るの?

トランブはこれは「相互」関税だという。つまり各国がアメリカ製品にかけている関税率などへの報復として、その半分の関税率をかけるという。その表を見ると日本がアメリカ製品にかけている税率は46%…そんなの聴いたとないよ!

実はこれ、税率でも何でもなく、アメリカの各国に対する貿易赤字額を対米輸出額で割り、それを2で割った数字なのだ! 経済ジャーナリストのジェームズ・スロウィッキがそれを発見した。「相互関税」ってウソじゃん!何が「違反者」だよ!

だから、アメリカ製品が買えない貧しい国ほど税率が高い。アメリカヘの衣類輸出に依存して いるバングラデシュに37%、震災で苦しむミャンマーにも44%、マダガスカル47%、カンポジア49 %、トランプが「誰も関いたことがない」とパカにしたアフリカ南部のレソト(輸出品はダイヤ)に50%。これではただの弱い者イジメだ。

「トランプは世界の貿易システムに核煤弾を投下した」国際通貨基金(IMF)元チーフエコノミスト、ケン・ロゴフはBBCテレピでそう言った。投資銀行JPモルガンはこの関税導入で世界的な景気後退が始まる可能性は60%と予想した。

翌日、全世界の株価が下落した。コロナ以来最大の下げ幅だった。

いちばん被害が大きいのは、なんとアメリカ。関税を払うのは外国ではなく、アメリカの輸入業者だから企業はコスト高に苦しむだろう。(中略)

このままだと世昇は関税戦争に突入する。
「アメリカの各世帯は年間5000ドルの負担増になる」
ミシガン大学のジャスティン・ウォルファーズ教授は、企業がコストを価格に転嫁するため、庶民の生活費は6%上昇すると予想。

トランプはこの関税で6兆ドル以上を得ると期待しているが、それを払うのはアメリカ国民。この関税で得た金はトランブが公約している大減税にあてられるといわれる。クリントン政権の労働長官だった経済学者ロバート・ライシュは、「物価高と富裕層への減税で、アメリカの貧富の格差はますます悪化する」と言う。(中略)

そうなってもトランブは何の責任も取りはしないだろう、と、ニューヨークタイムズ紙のビンヤミン・アペルバウムは言う。「彼は自分が作った混乱を他人に片付けさせてきた人なのだ」

トランブの暴走を止めるため、連邦議会の上下院はやっと動きだした。まず民主党議員によるカナダヘの関税撒回法案に、今までトランプの言いなりだった共和党議員も賛成票を投じて可決。続いて、大統領が関税をかける場合、議会への説明と承認を義務づける法案が提出された。だが、どちらもトランブが拒否権を発動するはず…。

そもそもトランプの関税率リストは雑すぎる。Alで適当に作ったらしく、南インド洋の南極近くの無人島2島が含まれていた。そこにはアザラシやペンギンしか住んでない。ペンギン村が何を輸出するの?

すると10日、前日に発動したばかりのこの関税 の一部を90日間停止するという速報が飛び込んできた…その後、どうなりましたか?

コメント:赤澤が交渉から戻りました。世界中が成り行きに注目しているので、今や世界の時の人です。米国の最初の交渉相手だから、見せしめの意味もあって、トランプにぺちゃこにされることが決まっているという意味で、最も不幸な大臣でもあります。


お次は私も苦手な古市の研究です。

能町みね子の言葉尻とらえ隊「古市憲寿」から

古市憲寿に対して、私はとんでもない思い違いをしていた。今回このことに気づき、筆を執った次第です。

彼は、中居正広事件で「文春の(軽微な)誤報」が報じられた際、ことさらにこれを 問題視し「『週刊文春』は廃刊にした方がいい」とぶち上げていた。3月末に詳細な報 告書が出ていよいよ中居の「性暴力」が確実になり、この件をどう振り返るのかと思 いきや、関西テレピの番組で「性暴力っていうことにWHOのすごい広い定義をひいてきてる」「上司が部下を飲みに誘うことも性暴力になりうる」と言い放ったのだった。

性暴力の内容が分からないのは中居本人が守秘義務の解除に応じないせいなのに、それをいいことに「中居くんほんとは無罪かもよ?」とほのめかし、中居ファンに犬笛を吹いているのだ。

この期に及んでこんな無理な論法で堂々と擁護するなんて、私は少々異様さも感じた。彼は冷笑的でリアリストに見えるのに、なぜここまで中居の味方という立場に拘泥するんだろう?

彼は14年に「ワイドナショー」に出演し、新奇な淡泊さが松本人志に気に入られてイメージ作りに成功した印象がある。選択的夫婦別姓に賛成し、万博には大筋で反対するなど、主張からしても長らく「新世代の人」という印象があった。

が、やっと私は気づいたよ。クールでドライに見えるが、彼の根本は昭和の芸能人なのだ。

彼は権力者や有名人と仲良くなるのが本当に大好きで、安倍晋三夫妻、秋元、林真理子、松本人志、中居正広、佐藤他らとの交流を隠さない。単にこういう派手な世界が好きなのだろう。(中略)

大物に取り入り、メディアに出て発言力を高め…小学生の頃からずっと、同じ手段で世渡りしてきたわけだ。

芸能人との派手な交流が大好きなパリピで、権力者に取り入るのも大得意。こんな人 なら、「世話になった人には恩義を返そう」と熱くなるのも当然だ。自分を活躍させてくれた松本・中居のためなら、少々無理があろうが仁義を通すと頑張っているわけだ。(以下略)

コメント:友達を見れば本人が分かる。私の古市評はそれに尽きる。ちなみに彼は週刊新潮にコラムを載せているが、言葉通りに受け取れない事を、この記事は教えてくれる。ちなみに「すごい広い定義」という言葉はない。「とても」か、百歩譲っても「すごく」だろう。
一方で、若手にも優れた論客はいる。安部敏樹(いつもTシャツ、羽鳥のモーニングショウ)、荻上チキ(時々サンデー・モーニング)等がそれだ。古市のようなミーハーなどとは、信念も根性も、社会貢献度も全く違う。
いかに顔が売れていても、お笑いタレント(加藤、竹山)やスポーツ選手(一茂)は、意見を聞くのは、国民の時間の無駄遣いである。
私は日本の国民の世論が定まらず、また次元が低いのは、半可通なのにTVで大きな顔をしているコメンテーターが多過ぎるからだと考えている。国民の世論形成に大きな影響力がある以上、TV局は登用に当たって慎重を期し、せめて高校程度の政治経済歴史一般常識の簡単な試験くらいは実施して欲しい。実際に試験すれば多くの論者が失格するはずだ。
ちなみにNHKから民放に出たアナウンサーの中でも、首をかしげたくなる者が結構いる(青井、有働他)。
TVでクズの論者(やMC)に付き合っている時間があったら、WTWの一行でも二行でもご覧頂きたい。その方がよほどその後の人生でお役に立つものと考える。




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